YUZU

箕面四季

文字の大きさ
12 / 84

【月曜日、ラピュタパンと多様性について】

しおりを挟む
「柚樹~、早く起きないと学校遅刻するわよ~」

 リビングで母さんが呼んでいる。ふわぁと、柚樹はベッドの中で丸まりながらあくびをした。
 やっぱり11月ともなると、朝はそこそこ冷える。

(うう~、あとちょっとだけ暖まってから起きよう)
 布団虫のまま、階段下から立ち昇る水っぽいごま油の匂いを嗅ぐ。

(朝ごはんに目玉焼きでも作ってるのかな、母さんにしては珍しいな)
 ぼぉーっとしながら、目覚まし時計に手をやった柚樹はぎょっとして一気に目が覚めた。慌ててクローゼットから目についた服をひっつかみ、手早く着替えてどだだだあ、と階段を駆け下り叫ぶ。

「何でもっと早く起こしてくれなかったんだよ!」
「何度も階段の下から呼んだわよ」

「全然聞こえ……あ、れ?」
 腰に手を当ててプリっと怒っているのは、母さんじゃない。

「柚、葉……」
 そうだった。

 母さんは入院中で、父さんはベトナムに一週間出張で、一人暮らしを満喫しようとした矢先、家出したママの遠縁で女子高生の柚葉が上がりこんできたんだった。

(今、オレ、女子高生と二人で生活してるんだっけ……って、んなこと考えてる場合じゃない!)

「遅刻するからご飯いらない!」
 いそいそと洗面所に向かう柚樹の腕を掴んで「ダメよ」と柚葉が引き留める。

「でも、マジで間に合わないんだって」
「大丈夫。ラピュタパンだから10分もあれば食べられるわよ」

「ラピュタパン?」
 聞きなれないメニューに、柚樹は思わずテーブルを振り返った。

 こんもり具の乗ったトーストが一枚と、小さなガラス容器に入ったヨーグルトっぽいものが見える。あとは野菜スープのみ。
 いつもの朝食に比べて圧倒的に品数が少ない。

「ね。いけそうでしょ。朝ごはんは大事よ」
 見ていたらお腹がぐうと鳴った。テーブルについた柚樹は、さっそくトーストを手に取る。

 かりっときつね色のトーストの上に、ちぎったレタスがもさっと乗っている。その上に焦げ目の付いた長いベーコンが二枚、パンからペロンとはみだして香ばしい匂いをさせていた。更にその上に半熟の目玉焼きまで乗っかっている。
 具がこぼれないように両手でトーストを持ってかじると、サクッといい音がした。

「ヤベぇ……ウマい」
「でしょー」と柚葉が嬉し気にピースする。

 このトースト、なんかスゲーオレ好みの味。
 シャキシャキレタスに、塩気の強いカリカリベーコンが絶妙!そこにトロリと半熟の黄味が濃厚にからまって……。
 トーストに塗ったマスタードがピリッとアクセントになって食欲増進させてくれる!

「時間がなくてもこれならペロッと食べられちゃうの。黄味が垂れそうになったらトーストを三角に折って傾けながら食べてね」
 柚葉の説明を聞きながら、柚樹はあっという間にラピュタパンを食べ終えてしまった。時間があれば、おかわりしたいくらいだ。

 次にヨーグルトをかき込む。中に入っていたフルーツは冷凍のフルーツミックスをそのままいれたものらしく、甘酸っぱいベリーのシャリシャリ食感がイケる。
 これも秒で空になった。

 最後は野菜スープ。これは母さんが買い置きしていた市販のものだ。
 でも、一口すすって驚いた。市販なのに、母さんの作る手の込んだ(たぶん)スープに似ている。なんで?

「ふふっ。華やかな味がするでしょ。エキストラバージンオリーブオイルを数滴たらして、アクセントに黒コショウを振ってみたの」
 テーブルに頬杖をついて柚樹の食事を楽しそうに眺める柚葉は、得意げだ。そして何故か、めちゃくちゃ嬉しそうに見てくる。

「ごちそうさまっ! オレ、毎日こーゆー朝食がいい!」
 ぴったし10分で完食した柚樹は(これこそ、オレが求めていたスマートな朝食だ!)と、興奮した。

「うちの朝食はさ、ご飯だろ、焼き魚だろ、みそ汁に、おひたしの小鉢とか、とにかくいっぱいあって、食べるのに時間がかかるんだよ。味はまあ悪くないけどさ」
「朝からそんなに?」と、柚葉が大きな目をまん丸くする。

「信じらんねーだろ? 友達(今はいないけど)のうちはシリアルとか、菓子パンとか、ささっと食べやすそうなのにさ。うちは朝食のために早起きしなきゃなんないんだぜ。もっと寝かせてくれよって話」
「ふうん。そういえば、冷凍庫にもいろんなおかずが小分けにして入ってたわね」

「母さん栄養士の資格持ってて食べ物にうるさいんだ。朝食が未だに和食って、マジ昭和かよって感じ。古くね?」
 てっきり同意を得られるものと思っていた柚樹だったが、予想に反し柚葉は「柚樹は贅沢ねぇ」とため息を吐いた。

「贅沢? なんで?」
「だって柚樹のお母さんは、家族に栄養満点の美味しい朝ごはんを食べさせるために、毎日早起きしてるのよ。和食ってすごく手間がかかるんだから。毎朝そんな美味し~いご飯を食べさせてもらって、それを当たり前だと思っているところ、贅沢すぎよ」

「……んだよ、せっかく柚葉の朝食褒めたのに……時間ないから歯磨きしてくる」
 とんだ説教をくらった柚樹はむすっと洗面所に向かう。

 シャカシャカ口の中を泡立てる自分を鏡ごしに見ていたら、頭の中で、けたたましい目覚まし音が鳴り響いた。

 母さんの部屋の目覚まし時計はいつも朝の5時くらいに鳴る。そのやかましさで一瞬起こされるのがいつも迷惑だった。まあ、すぐに二度寝するけど。

「最近、朝起きれなくて」と、妊娠してからはスマホの目覚ましまでセットしてたっけ。そんなに朝が苦手なら、早起きしなきゃいいのにと、柚樹は不満だったのだ。

 だけど、母さんが早起きする理由は家族に朝ごはんを作るためで、つまり、オレや父さんのためで……。
 だし巻き卵、焼き魚、季節の野菜の小鉢、具沢山の味噌汁……

(やっぱ手間がかかるもんなのかな。料理とか、あんましたことないからよくわかんないけど)
 毎朝早起きして、父さんと自分のために朝ごはんを作る母さん。柚樹と父さんのためにおかずを冷凍して体調を崩した母さん。

(家族のためか)
 家族ってなんだろう。と、歯磨きを終えてうがいをしていた時、「あっ」と、柚樹はあることを思い出して青ざめた。

「家族作文やってないじゃん!」
 もう今からじゃ間に合わない! てか、学校もギリギリだし。やべぇ、どうしよう。

 頭を抱えてリビングに戻ると「はい」と、柚葉が二つ折りにした原稿用紙を手渡してきた。

「そんなことだろうと思って、代筆してあげたわよ」
「え? 嘘? マジ?」

 ぴらっとめくると、原稿用紙二枚とも文字がびっしり連なっている。しかも、母さんと違って達筆じゃない。
 そして偶然にも筆跡が柚樹と似ていた。これならバレなそう!

「助かった~! 林先生、あ、オレの担任なんだけどさ、若い女の先生でめっちゃヒステリーなんだよ。サンキュー、さっすが聡明高校!」
 柚葉を持ち上げながら急いで作文用紙をランドセルに突っ込む。本気で時間がなくなってきた。

 時間はないけど今朝は寒い。去年、ネットショップで買ってサイズが大きすぎて着れなかったフード付きパーカー。せっかくだし、アレを羽織っていきたい。
 土間のハンガーラックをかき分けていると「朝食の話だけどね」と柚葉が後ろから話しかけて来た。

「私は、家庭の数だけ朝食も多様でいいと思うのよね」
「どういうこと?」
 柚樹は紫色のパーカーを探しながら、柚葉に尋ねた。

「たとえば、共働きで朝忙しい家は、菓子パンに牛乳とか、みんなでシリアルをかき込む朝食が実用的でしょ。おじいちゃんおばあちゃんも一緒の大家族なら朝粥ってところもあるかも。子供の年齢や兄弟の数でも朝食の内容は変わってくるだろうし、作る人が誰なのかとか、料理が上手い、下手もあるじゃない? もちろん家族構成によっても違ってくる。シングル家庭、再婚の家族、国際結婚とかね。最近はお父さんが二人、お母さんが二人って家族もあるって言うでしょ。だから家庭のライフスタイルによって朝食は千差万別でいいのよ。今は多様性の時代だから、朝食も家族に合わせてカスタマイズすればいいと思うのよね。柚樹のお母さんの手の込んだ朝食も素敵だし、友達の家のシリアル朝食も素敵。つまりね、極論言っちゃえば、愛さえあればどれも素敵な朝食だと思うのよね」
「ふうん」
 探していたパーカーが見つかり、袖を通しながら振り返ると、いいこと言っただろう的な、どや顔の柚葉が自分を見つめていた。

「柚葉って」と柚樹。
「なに?」
 褒められると思っているのか、口角がちょっと上がっている。

「なんかちょっとおばさんっぽい」
「おばっ? 何それ、ちょっと!」

「いってきま~す!」
 べぇっと舌を出して、柚樹は家を飛び出した。そのまま通学路を走りながら首を傾げる。

(何が言いたいのか、さっぱりわからん)

 頭がいいからかな? 聡明高校だし。
 まあたぶん、うちみたいな再婚の家族は珍しくない的な? 慰め的な?

 うちが再婚って知った時、大人たちは一瞬(どうしよう)みたいな顔になって、それから「最近はよくある話」みたいなことを明るく言ってくるから。笑顔で「大丈夫大丈夫」とか、ムカつくことを言う人もいる。

 特に母さんと父さんが再婚した直後くらいは、そういう人たちが近所にたくさんいて、まだその意味がわかっていなかった柚樹は何が「よくある話」で何が「大丈夫」なんだろうと不思議だった。

 父さんも母さんも笑って話をしていたから、あの頃は大人の挨拶的ななんかだと思っていた。そのあと少しして、近所の空き地に新興住宅が建てられ、「作業の音がやかましい」だの「引っ越してきた若夫婦が挨拶しない」だの、みんなそっちの話で持ちきりになって、いつしかうちが再婚だって話をする人もいなくなった。

 あの時、新興住宅が建てられなければ、今も、うちの再婚話が格好のネタだったかもしれない。

(ま、それだけ世の中甘くないってことだよ)
 小6ともなれば、世間のシビアさだって、肌で感じられる。

 多様性社会っていうのは、言葉だけのキレイごとだ。多様性って言葉は、学校の先生たちもよく使う。ダジャレじゃないけど、小学校ではそれこそ多用されている。

『多様性を認めましょう。』
『多様性や個性を大切にしましょう。』

(でもそれって、逆に言えばみんなが多様性を認めていないし、個性を大切にしていない証拠だろ?)

『外から帰ったら手洗いうがいをしましょう。』
『廊下は走らず歩きましょう。』
 小学校のあちこちに貼られている注意と同じだ。

(できない人が多いから書いてあるんだ)

 多様性というわりに、隣の東小では、去年、アジア系ハーフの児童がイジメにあって転校したって噂だし。現に柚樹も、保育園の先生だった母さんと父さんが再婚したことがクラスに知られて、みんなから偏見の目で見られている。

 つまり父さんと母さんの再婚は学校で認められる多様性の範囲外なんだ。

 シングル家庭も再婚家庭も、最近の日本じゃ珍しくないとか言うけど、なんだかんだ言っても柚樹の小学校ではまだまだ少数派。
 ほとんどの家庭は、血のつながったお父さんとお母さんと兄妹がいる。それが普通で常識で、一般的で、それ以外は『変』なんだ。

 先生や大人たちは、偉そうに多様性多様性と連呼するけど、ぜんっぜん日本の教育に浸透していない。

 それって結局、大人たちが多様性に順応してないからだろ? 大人ができないのに、子供ができるわけないじゃんか。だから、日本の多様性はめちゃくちゃ狭いままなんだ。

(……と、そんなことより、今は学校)
 込み上がるモヤモヤに蓋をして、ランドセルをカタカタ言わせながら、柚樹は全力疾走した。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

✿ 私は夫のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい 

設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント110万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀ 結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。 結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。 それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて しなかった。 呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。 それなのに、私と別れたくないなんて信じられない 世迷言を言ってくる夫。 だめだめ、信用できないからね~。 さようなら。 *******.✿..✿.******* ◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才   会社員 ◇ 日比野ひまり 32才 ◇ 石田唯    29才          滉星の同僚 ◇新堂冬也    25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社) 2025.4.11 完結 25649字 

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...