その都市伝説を殺せ

瀬尾修二

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二章

十四話

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 和義を置き去りにして、早紀の説明に熱が入っていく。
「でも化け物の中に一体、次元の違う存在がいる。霊能を持つ人間は、それぞれの思想や宗教観に基づいて、この存在を理解してるんだ。私達は、仲間内で神仏と呼んでる」
 早紀は語りだした。相手の反応について全く意識をせず、口調は更に熱を帯びていく。大声を出したり、早口で話す訳では無い。ただ、普段の喋り方が落ち着いている分、語調が少し強くなっただけで、印象はガラリと変わった。
 彼女の長々とした話を要約すると、以下のようになる。

 「絶対的な力をもった化け物が、人々に科学的・合理的な考え方を強要しており、その意に反したものを粛正している」というのだ。

(以上、狂人の妄想である)
 荒唐無稽な話を聞き続けた和義は、思わず心の中で茶化してしまった。一日前まで唯物論者だった人間には、到底受け入れ難い話だ。
 黙りこくった相手を見て、彼女は聞き入っていると勘違いした。そして、より詳細な説明を始めた。
 勘弁してくれよと内心でボヤきながら、彼はじっと我慢し続ける。
 曰く、ある化け物が近くの山に封印されている。その化け物は手下を介して、人間の肉体や魂、感情を食っている。手下ぐらいなら自分達の力でどうにでもなるが、一応は気を付けろ、という内容だった。
 話がこのあたりに差し掛かると、右の耳から左の耳で、彼はまともに聞く気が失せていた。
 この時、自分の置かれた状況をしっかりと把握しなかったため、和義は強く後悔する事になる。特に、「何かがとり憑いている」という話題については、耳を傾けるべきであった。
「正直言ってさ、漫画か何かの設定を聞いてるみたいだよ」
 我慢の限界に達した和義は、うんざりとした声で言う。しかし、石像のように固まる早紀を見て、「もっと、言い方に気をつければ良かった」とすぐに謝罪をした。
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