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2章 デビュー戦
26話 春の丘陸上部との出会い
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昼寝の前に立つと、瑠那はいつものようにぶっきらぼうな口調で声をかける。
「おや、おやおやおや? 瑠那っちじゃないッスかぁ。まさかまた競技場で会えるとは、期待はしてたッスけどね」
関東6強同士、学校は違えど面識はあったのか、昼寝は驚きつつ嬉しそうにしている。
「そっちこそ。高校で戦えると思ってんだが、立身大付属から転校したと聞いて、陸上をやめたのかと思ったぞ」
「いやー、まぁ、やめようかとも思ったんスけどねぇ」
目線をバトン合わせをしていた2人に向ける。
「仲間、か」
「そゆことッス」
お互い言葉は少ないが事情は察したらしい。
「ほら、挨拶するッスよ。こっちは瑠那っち。本番でやりあったことはないッスけど、大会で会うたび、ぼっち同士一緒にアップしたッスねぇ」
「ウチは成野ひと。よろしくにゃー」
「私は阿比留翔子! 陸上未経験だけど、よろしく!」
3人とも、なかなかにフレンドリーな性格らしい。
気だるげだったり、にゃーにゃー言っていたり、声がデカかったりはするものの、悪い人ではなさそうだと聞き耳を立てていた陽子は思った。
「せっかくだ、私のチームメイトも紹介しよう」
瑠那に手招きされて陽子と伊緒も対岸へ渡る。
「私は日向陽子、よろしく。木下さんとは何度かレースで走ったけど、ちゃんと喋るのは初めてだね」
「水野伊緒です! 関東6強の2人が並ぶなんて……はわわわ」
いつも通り、伊緒は興奮気味で感動に震えている。
「関東6強、懐かしい響きッスねぇ。全然気にしないんで、自分のことは昼寝でいいッスよー」
「それでお前、今はどこのチームなんだ」
「自分らは春の丘高校ッス。まぁ廃部ギリの陸上部だったんで、1年4人だけのチームなんスけどねー。瑠那っち達は?」
「それはまた思い切ったな。私達は夏の森女子高校だ」
「おー、古豪ッスねぇ!」
夏の森の強さを知っているのか、昼寝は感嘆の声を上げる。
「昼寝がそう言うってことは、強いのかにゃー?」
遊び相手の強さを測るかのように、ひとは楽しげな声で訊いた。
「強いぞ」
昼寝が答えるよりも早く、瑠那が無表情で断言する。
「それは楽しみだにゃ」
ひとは嬉しそうに、ニヤッと笑う。
「陽子ちゃんと伊緒ちゃんもリレー出るのかにゃー?」
「いや、私達は出ないよ。瑠那が四継に出るだけ」
「にゃーんだ、せっかく知り合ったのに」
「せっかくなら、一緒に走りたかったですよね!」
「ひと、翔子。普通のチームは1年の春からリレー走るなんてないッス。それに夏の森は上級生も速いんスよ」
「は、はは」
ひとと翔子が心底残念そうにしているが(うちの先輩達の実力を知ってから同じこと言えるか? いきなりリレーメンバーなんて恐れ多くて言えないぞ!)と陽子は思いながら苦笑いをした。
「よーっす、友達かー?」
よほど気分よく走れたのか、やや遠くまで走って行っていた麻矢がルンルン気分で戻ってくる。
「えぇ、中学時代の友人と、そのチームメイトに会ったので」
瑠那が友人と言うのを初めて聞いたな。と思い、陽子は少し驚く。
自分はチームメイトとしか紹介されていないぞ。と嫉妬しかけるが、瑠那と昼寝は互いに進学先も知らなかった程度の仲じゃないか。と自分を落ち着かせる。
しかし瑠那が連絡をマメに取るタイプでないことは陽子も既に知っている。
やはり、それなりの仲の友達なのかもしれない。と思い、最終的に少し嫉妬した。
「麻矢先輩! なんとこちら『眠れる森の美女』の木下昼寝さんです! 昼寝さん、こちらは夏の森の3年生で麻矢先輩です!」
「おー、学年が離れてるから、瑠那ちゃん以外の関東6強に生で会うのは初めてだなぁ。麻矢だ、よろしく」
簡単に自己紹介を済ませると、麻矢が春の丘の事情に同情する。
麻矢は結構、こういう話にもろいタイプだった。
「そうか、廃部寸前から1年だけで……大変だと思うが頑張れよ! うちも人数が少ないから、苦労は分かる! 私の上の世代では春の丘勢も見た覚えがあるけど、まさか今年、廃部寸前だったとはなー。確かあれは私がまだ1年の頃の都大会で……」
ここまで自分で話して、麻矢は「ん?」と不思議そうな顔をした。
「ちょっと待てよ? 春の丘って、都大会でしか見たことなかったな。一応確認なんだが……お前ら、どこ地区だ?」
「東京東地区ッス」
「東だにゃー」
「東ですね!」
「えぇ……」
夏の森のメンバーは、マジか……と天を仰ぐ。
きょとんとする春の丘の3人に麻矢は衝撃の事実を告げた。
「驚かないでと言っても無理だろうが……ここは東京南地区の予選会場だ。東地区は別の競技場だな」
一瞬の間。
春なのに、ぴゅー。と木枯らしさえ吹きそうなくらいの虚無な表情で間を過ごす。
「え、えぇぇぇ! マジッスか!?」
「えっえっ本当だ、乙姫ちゃんからめっちゃ着信着てる! さっきまで走っててスマホ見てなかったけど、うわめっちゃ怒ってるよー!」
「や、やばいにゃ……会場間違えるって、バトン繋がらないどころの騒ぎじゃないにゃ……」
急に慌てだす春の丘の3人。
「とりあえず急いで向かった方がいいんじゃないのか?」
「今調べたけど、幸い30分で東地区の予選会場まで着きそうだよ!」
「タイムスケジュール的にも、今から向かえばギリギリ、リレーの招集に間に合うかと!」
大慌てで情報を調べた陽子と伊緒のお陰で、なんとか間に合いそうなことが分かった。
バタバタと荷物をまとめ「どうりで乙姫も先生も遅いと思ったにゃ」なんて言いながら走り出す。
「この恩は忘れないッス! 都大会では、改めてゆっくり語るッスよ!」
「あーもう、昼寝が何度も通ったお馴染みの道とか言ってた時点で気付くべきだったにゃ! また都大会で遊ぼうにゃー!」
「みなさんありがとうございました! 都大会でお会いしましょう!」
どうやら、昼寝が中学時代に通っていたことから無意識に南地区の競技場に来てしまっていたらしい。
ひとと翔子は初めて来る場所だったので気付かず、結果的に3人揃って呑気にウォームアップしていたということのようだ。
「いや……そこら中に南地区予選って書いてあるのに……」
「なんだか、嵐のような人達でしたね」
「昼寝は中学の頃から、少し寝惚けたところがあったので……」
「あ、もしかして『眠れる森の美女』って二つ名の由来ってそれなのか?」
夏の森の4人もすっかり呆れてしまう。
「しかし、3人ともしっかり都大会まで進むつもりでいるのが凄いですよね」
「能天気なのか本気で勝ち上れると思っているのか」
「実際、ひとさんも翔子さんもかなり速かったですし……そこに昼寝さんが加わればあり得ない話じゃないですよね」
「あぁ、ひとちゃんは……さっきの1回見ただけだが、多分、相当速いぞ」
「そういえば伊緒、見ただけである程度タイム分かるんだよね? ひとちゃんでどれくらいなのか分かる?」
「確かに! いや、あのときはびっくりして、ちゃんと見れてなかったから記憶を頼りにだけど……」
うーん。と目を瞑って思い出す伊緒。
3人は興味津々で伊緒の顔を覗き込む。
「多分……12秒前半だと思います……」
「嘘だろ!? それじゃ、瑠那や昼寝と同じくらいじゃないか!」
「ありえなくはない……だが、そうなると12秒半ばの私よりも速いってことだぞ」
「あくまで記憶頼りなので! 間違ってるかもしれないですけど!」
どよめく陽子と麻矢。
伊緒は自分の目測に自信を失くしかけるが、瑠那の一言が伊緒の目測を肯定した。
「どうやら伊緒が正解のようです……。私が昼寝に送った「チームを迷子にさせるなんて、とんだエースだな」というメッセージに対して、今返事が来たのですが」
「いや、瑠那って文章だと結構煽るタイプ!?」
「陽子、話さえぎらないの」
「あ、ごめん」
「昼寝からの返信で「うちのエースは自分じゃなくて”ひと”ッスよ~。都大会楽しみッス☆」だそうです……」
えぇぇー!? と本日何回目か数えられないほどの衝撃が走る。
廃部寸前から復活した、僅か1年生4人だけのチーム、春の丘高校。
エースは謎の少女、成野ひと。
加えて擁するは関東6強『眠れる森の美女』の名を持つ木下昼寝。
そして陸上未経験ながら高い身体能力を見せた阿比留翔子と、未知の4人目、乙姫。
自信満々に都大会進出を宣言する彼女達の実力は一体……。
「いや、でもやっぱり、会場間違えて気付かないって相当ですよね……」
「私もそう思う」
「昼寝さんのファンだけど、私も」
「友人だが、私もだ……」
一同は自分達のウォームアップをするはずが、衝撃的な出会いと謎の疲労感に包まれてしまった。
「おや、おやおやおや? 瑠那っちじゃないッスかぁ。まさかまた競技場で会えるとは、期待はしてたッスけどね」
関東6強同士、学校は違えど面識はあったのか、昼寝は驚きつつ嬉しそうにしている。
「そっちこそ。高校で戦えると思ってんだが、立身大付属から転校したと聞いて、陸上をやめたのかと思ったぞ」
「いやー、まぁ、やめようかとも思ったんスけどねぇ」
目線をバトン合わせをしていた2人に向ける。
「仲間、か」
「そゆことッス」
お互い言葉は少ないが事情は察したらしい。
「ほら、挨拶するッスよ。こっちは瑠那っち。本番でやりあったことはないッスけど、大会で会うたび、ぼっち同士一緒にアップしたッスねぇ」
「ウチは成野ひと。よろしくにゃー」
「私は阿比留翔子! 陸上未経験だけど、よろしく!」
3人とも、なかなかにフレンドリーな性格らしい。
気だるげだったり、にゃーにゃー言っていたり、声がデカかったりはするものの、悪い人ではなさそうだと聞き耳を立てていた陽子は思った。
「せっかくだ、私のチームメイトも紹介しよう」
瑠那に手招きされて陽子と伊緒も対岸へ渡る。
「私は日向陽子、よろしく。木下さんとは何度かレースで走ったけど、ちゃんと喋るのは初めてだね」
「水野伊緒です! 関東6強の2人が並ぶなんて……はわわわ」
いつも通り、伊緒は興奮気味で感動に震えている。
「関東6強、懐かしい響きッスねぇ。全然気にしないんで、自分のことは昼寝でいいッスよー」
「それでお前、今はどこのチームなんだ」
「自分らは春の丘高校ッス。まぁ廃部ギリの陸上部だったんで、1年4人だけのチームなんスけどねー。瑠那っち達は?」
「それはまた思い切ったな。私達は夏の森女子高校だ」
「おー、古豪ッスねぇ!」
夏の森の強さを知っているのか、昼寝は感嘆の声を上げる。
「昼寝がそう言うってことは、強いのかにゃー?」
遊び相手の強さを測るかのように、ひとは楽しげな声で訊いた。
「強いぞ」
昼寝が答えるよりも早く、瑠那が無表情で断言する。
「それは楽しみだにゃ」
ひとは嬉しそうに、ニヤッと笑う。
「陽子ちゃんと伊緒ちゃんもリレー出るのかにゃー?」
「いや、私達は出ないよ。瑠那が四継に出るだけ」
「にゃーんだ、せっかく知り合ったのに」
「せっかくなら、一緒に走りたかったですよね!」
「ひと、翔子。普通のチームは1年の春からリレー走るなんてないッス。それに夏の森は上級生も速いんスよ」
「は、はは」
ひとと翔子が心底残念そうにしているが(うちの先輩達の実力を知ってから同じこと言えるか? いきなりリレーメンバーなんて恐れ多くて言えないぞ!)と陽子は思いながら苦笑いをした。
「よーっす、友達かー?」
よほど気分よく走れたのか、やや遠くまで走って行っていた麻矢がルンルン気分で戻ってくる。
「えぇ、中学時代の友人と、そのチームメイトに会ったので」
瑠那が友人と言うのを初めて聞いたな。と思い、陽子は少し驚く。
自分はチームメイトとしか紹介されていないぞ。と嫉妬しかけるが、瑠那と昼寝は互いに進学先も知らなかった程度の仲じゃないか。と自分を落ち着かせる。
しかし瑠那が連絡をマメに取るタイプでないことは陽子も既に知っている。
やはり、それなりの仲の友達なのかもしれない。と思い、最終的に少し嫉妬した。
「麻矢先輩! なんとこちら『眠れる森の美女』の木下昼寝さんです! 昼寝さん、こちらは夏の森の3年生で麻矢先輩です!」
「おー、学年が離れてるから、瑠那ちゃん以外の関東6強に生で会うのは初めてだなぁ。麻矢だ、よろしく」
簡単に自己紹介を済ませると、麻矢が春の丘の事情に同情する。
麻矢は結構、こういう話にもろいタイプだった。
「そうか、廃部寸前から1年だけで……大変だと思うが頑張れよ! うちも人数が少ないから、苦労は分かる! 私の上の世代では春の丘勢も見た覚えがあるけど、まさか今年、廃部寸前だったとはなー。確かあれは私がまだ1年の頃の都大会で……」
ここまで自分で話して、麻矢は「ん?」と不思議そうな顔をした。
「ちょっと待てよ? 春の丘って、都大会でしか見たことなかったな。一応確認なんだが……お前ら、どこ地区だ?」
「東京東地区ッス」
「東だにゃー」
「東ですね!」
「えぇ……」
夏の森のメンバーは、マジか……と天を仰ぐ。
きょとんとする春の丘の3人に麻矢は衝撃の事実を告げた。
「驚かないでと言っても無理だろうが……ここは東京南地区の予選会場だ。東地区は別の競技場だな」
一瞬の間。
春なのに、ぴゅー。と木枯らしさえ吹きそうなくらいの虚無な表情で間を過ごす。
「え、えぇぇぇ! マジッスか!?」
「えっえっ本当だ、乙姫ちゃんからめっちゃ着信着てる! さっきまで走っててスマホ見てなかったけど、うわめっちゃ怒ってるよー!」
「や、やばいにゃ……会場間違えるって、バトン繋がらないどころの騒ぎじゃないにゃ……」
急に慌てだす春の丘の3人。
「とりあえず急いで向かった方がいいんじゃないのか?」
「今調べたけど、幸い30分で東地区の予選会場まで着きそうだよ!」
「タイムスケジュール的にも、今から向かえばギリギリ、リレーの招集に間に合うかと!」
大慌てで情報を調べた陽子と伊緒のお陰で、なんとか間に合いそうなことが分かった。
バタバタと荷物をまとめ「どうりで乙姫も先生も遅いと思ったにゃ」なんて言いながら走り出す。
「この恩は忘れないッス! 都大会では、改めてゆっくり語るッスよ!」
「あーもう、昼寝が何度も通ったお馴染みの道とか言ってた時点で気付くべきだったにゃ! また都大会で遊ぼうにゃー!」
「みなさんありがとうございました! 都大会でお会いしましょう!」
どうやら、昼寝が中学時代に通っていたことから無意識に南地区の競技場に来てしまっていたらしい。
ひとと翔子は初めて来る場所だったので気付かず、結果的に3人揃って呑気にウォームアップしていたということのようだ。
「いや……そこら中に南地区予選って書いてあるのに……」
「なんだか、嵐のような人達でしたね」
「昼寝は中学の頃から、少し寝惚けたところがあったので……」
「あ、もしかして『眠れる森の美女』って二つ名の由来ってそれなのか?」
夏の森の4人もすっかり呆れてしまう。
「しかし、3人ともしっかり都大会まで進むつもりでいるのが凄いですよね」
「能天気なのか本気で勝ち上れると思っているのか」
「実際、ひとさんも翔子さんもかなり速かったですし……そこに昼寝さんが加わればあり得ない話じゃないですよね」
「あぁ、ひとちゃんは……さっきの1回見ただけだが、多分、相当速いぞ」
「そういえば伊緒、見ただけである程度タイム分かるんだよね? ひとちゃんでどれくらいなのか分かる?」
「確かに! いや、あのときはびっくりして、ちゃんと見れてなかったから記憶を頼りにだけど……」
うーん。と目を瞑って思い出す伊緒。
3人は興味津々で伊緒の顔を覗き込む。
「多分……12秒前半だと思います……」
「嘘だろ!? それじゃ、瑠那や昼寝と同じくらいじゃないか!」
「ありえなくはない……だが、そうなると12秒半ばの私よりも速いってことだぞ」
「あくまで記憶頼りなので! 間違ってるかもしれないですけど!」
どよめく陽子と麻矢。
伊緒は自分の目測に自信を失くしかけるが、瑠那の一言が伊緒の目測を肯定した。
「どうやら伊緒が正解のようです……。私が昼寝に送った「チームを迷子にさせるなんて、とんだエースだな」というメッセージに対して、今返事が来たのですが」
「いや、瑠那って文章だと結構煽るタイプ!?」
「陽子、話さえぎらないの」
「あ、ごめん」
「昼寝からの返信で「うちのエースは自分じゃなくて”ひと”ッスよ~。都大会楽しみッス☆」だそうです……」
えぇぇー!? と本日何回目か数えられないほどの衝撃が走る。
廃部寸前から復活した、僅か1年生4人だけのチーム、春の丘高校。
エースは謎の少女、成野ひと。
加えて擁するは関東6強『眠れる森の美女』の名を持つ木下昼寝。
そして陸上未経験ながら高い身体能力を見せた阿比留翔子と、未知の4人目、乙姫。
自信満々に都大会進出を宣言する彼女達の実力は一体……。
「いや、でもやっぱり、会場間違えて気付かないって相当ですよね……」
「私もそう思う」
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