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【第一章】第一次セトラ村攻防戦
【第十五話】一騎討ち
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息が、荒くなってきた。
どこを向いても、敵兵だらけだった。
敵の隊列に突っ込んだのだから当然かと、僕は思った。
無我夢中で突入したものの、作戦は何も無い。
とにかく一人でも多くの兵を倒す。
考えたのはそれだけだった。
突き出されてきた剣を弾き、そのまま振り下ろす。
もう、何人の兵士を倒したのだろうか。
数えている余裕は、無かった。
ふと、隊列の後方で馬上から指揮をしている兵が見えた。
顔に見覚えがある。
半月前に村長の家にやってきた、隊長だ。
名前はそう、ジラサだったか。
あの人を倒せば、この部隊は撤退するだろうか。
やっと、活路が見えてきた。
しかし、遠い。
苦しい。
いくら息を吸っても、吸った気がしない。
身体の動きが鈍くなってくるのが分かった。
敵はそんな事は関係なく、次々と武器を振り下ろしてくる。
死ぬのか。
勇敢なだけで、何もなせずに死ぬのか。
死ねば、この苦しみから解放されるのか。
いや、違う。
僕だけが苦しみから解放されても、残された村人がいる。
なぜただの高校生だった僕が、この世界にやって来たのか。
その意味が、分かりかけていたではないか。
不思議と、力がぶり返してきた。
呼吸は苦しかったが、それでも暴れ続けると、苦しみを越えた。
自分の体力の限界を越えたような、不思議な感覚だった。
槍が突き出される。
その槍を素手で払い落とし、逆の手の剣で兵を斬った。
血が飛び、その血が地面に落ちる間に、もう一人を斬っていた。
足元には、倒れた兵が重なりつつある。
それを踏み台にして、思い切り跳んだ。
二~三人の頭上を飛び越え、着地のついでに敵に斬りつける。
身体が、よく動く。
剣。
鋭かった。
見上げると、馬上のジラサが目の前にいた。
彼の剣だったかと分かった時には、次の斬撃が来た。
剣で防ぎ、払いのける。
これが、一騎打ちというものか。
周りの兵が距離を開けたので、少しだけ場所が開けた。
「名乗れ、少年」
ジラサが、馬上から言った。
「カイト」
「勇敢な少年だ。たった一人で来るとは」
「喋るつもりはない」
僕から、踏み込んだ。
ジラサはわずかな動きで剣を避け、逆に斬撃を繰り出す。
何とかそれを避け、場所が入れ替わる。
馬の扱いも、中々のものだった。
一合い、二合いと剣を交わしたが、動きは互角なような気がした。
体力が温存されている分、ジラサの方が有利かもしれない。
しかし、関係なかった。
ジラサの顔面を、剣筋が捉えた。
ついに倒せる。
そう思ったが、ジラサは頭を仰け反らせたので、目の下をかすっただけだった。
惜しかった。
僕は、気を取り直した。
どこを向いても、敵兵だらけだった。
敵の隊列に突っ込んだのだから当然かと、僕は思った。
無我夢中で突入したものの、作戦は何も無い。
とにかく一人でも多くの兵を倒す。
考えたのはそれだけだった。
突き出されてきた剣を弾き、そのまま振り下ろす。
もう、何人の兵士を倒したのだろうか。
数えている余裕は、無かった。
ふと、隊列の後方で馬上から指揮をしている兵が見えた。
顔に見覚えがある。
半月前に村長の家にやってきた、隊長だ。
名前はそう、ジラサだったか。
あの人を倒せば、この部隊は撤退するだろうか。
やっと、活路が見えてきた。
しかし、遠い。
苦しい。
いくら息を吸っても、吸った気がしない。
身体の動きが鈍くなってくるのが分かった。
敵はそんな事は関係なく、次々と武器を振り下ろしてくる。
死ぬのか。
勇敢なだけで、何もなせずに死ぬのか。
死ねば、この苦しみから解放されるのか。
いや、違う。
僕だけが苦しみから解放されても、残された村人がいる。
なぜただの高校生だった僕が、この世界にやって来たのか。
その意味が、分かりかけていたではないか。
不思議と、力がぶり返してきた。
呼吸は苦しかったが、それでも暴れ続けると、苦しみを越えた。
自分の体力の限界を越えたような、不思議な感覚だった。
槍が突き出される。
その槍を素手で払い落とし、逆の手の剣で兵を斬った。
血が飛び、その血が地面に落ちる間に、もう一人を斬っていた。
足元には、倒れた兵が重なりつつある。
それを踏み台にして、思い切り跳んだ。
二~三人の頭上を飛び越え、着地のついでに敵に斬りつける。
身体が、よく動く。
剣。
鋭かった。
見上げると、馬上のジラサが目の前にいた。
彼の剣だったかと分かった時には、次の斬撃が来た。
剣で防ぎ、払いのける。
これが、一騎打ちというものか。
周りの兵が距離を開けたので、少しだけ場所が開けた。
「名乗れ、少年」
ジラサが、馬上から言った。
「カイト」
「勇敢な少年だ。たった一人で来るとは」
「喋るつもりはない」
僕から、踏み込んだ。
ジラサはわずかな動きで剣を避け、逆に斬撃を繰り出す。
何とかそれを避け、場所が入れ替わる。
馬の扱いも、中々のものだった。
一合い、二合いと剣を交わしたが、動きは互角なような気がした。
体力が温存されている分、ジラサの方が有利かもしれない。
しかし、関係なかった。
ジラサの顔面を、剣筋が捉えた。
ついに倒せる。
そう思ったが、ジラサは頭を仰け反らせたので、目の下をかすっただけだった。
惜しかった。
僕は、気を取り直した。
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