難攻不落の精強軍隊 〜異世界転移してスローライフかと思ったら、乱世が舞台だったので世界統一を目指します〜

尾関 天魁星

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【第二章】蓮牙山同盟

【第二十四話】山輝星

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 ある日、村長の屋敷の庭先でドライスから修行を受けていると、見回りに出ていた自警団の団員が慌てた様子で帰ってきた。


「村長、山賊です! 蓮牙山(れんがさん)の山賊が、村の近くに現れました!」


 蓮牙山とは、セトラ村から西に数十キロと離れている所にある山である。


 オトラス王国の領内にあるその山には、数百規模の山賊が拠点を構えていると、カシュカから聞いた事がある。


 過去にも、この村に少数で盗みを働こうとして、自警団が追い返したこともあるという。


 それが三年ほど前のことで、それ以来、蓮牙山の山賊は村には近寄らなくなったようだ。


 時が経って、また略奪でも企んでいるのだろうか。


 カシュカが、屋敷から出てきた。


「賊の数は」


 カシュカの手には、剣が握られている。


「八人で、全員馬に乗っている。だが、ゆっくりと歩くような速度だ」


 見回りによれば、あと一時間もしたら村に到着するようだ。


「カイト、俺と来い」


 自警団を集めている時間は無い。
 俺とカシュカで、撃退しようとしているのか。


「待て、カシュカ」


 止めたのは、ドライスだった。


「時間がありません。ドライス先生は屋敷か、裏山に隠れてください」


「待てと言っただろう」


 ドライスは、強い口調で言った。


「村で略奪をするにしては、人数が少なすぎる。それに、奪った荷を運ぶ荷馬車も無い所からして、別の理由で村に来たのだろう」


 ドライスの言う事も、確かにそうだろうと思った。


「分かりました。しかし、何かあってからでは遅い。念の為、俺とカイトで話を付けに行きます。もし俺らに何かあったらドライス先生、村のみんなを頼みます」


「引き受けた」


 俺とカシュカは厩舎にいる馬にまたがり、駆けた。


◆◆◆◆◆


 うっすらと、雪が降り始めている。


 八騎は、村に続く街道を堂々と進んでいた。


 山賊の中にも旗印があるようで、最後尾の馬には蓮牙山と書かれた旗がある。


「カイト。蓮牙山の山賊は、残虐なことをする山賊で有名だった。村や商人を襲って、物を奪うのだ。抵抗した村人や商人は、残酷な殺し方をされていると噂されている」


「だったって事は、今は違うのですか?」


「一年ほど前から、急に大人しくなったのだ」


 山賊の一行が、すぐそばまで来た。


「止まれ。ここから先は、セトラ村だ」


 先頭にいた男が、被り物を取った。


「俺達は知っての通り、蓮牙山の山賊だ。襲いに来たのではない。話を聞いてくれ」


 以外にも、若くて整った顔立ちをしていた。
 ぱっと見ただけでは、とても山賊には見えない。





「一年前から蓮牙山の頭領になったガンテスだ」
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