難攻不落の精強軍隊 〜異世界転移してスローライフかと思ったら、乱世が舞台だったので世界統一を目指します〜

尾関 天魁星

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【第三章】蓮牙山攻防戦・第二次セトラ村攻防戦

【第四十五話】

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 王国軍への挑発は、効いたようだった。


 二日間、動こうとしなかった王国軍だったが、山寨に溜められていた糞尿を掛けられたことで、容易く攻め始めたのだ。


 ガンテスは、腹を抱えて笑っていた。


「いやぁ、これは傑作だ!」


 糞尿を使う事を提案したのは俺だった。


 感情的な指揮官なら、それくらいで怒りだすと思ったのだ。


 効かなかったらそれはそれで、作戦は幾つか浮かんでいた。


 前進した王国軍は、蓮牙山の城門のすぐそばまで迫っている。


 城門は閉ざされ、壁上から矢を放って応戦していた。


 城門に配置されているのは五十人で、城門が破られそうになるとすぐに山中に散開する手筈だ。


 山道は複雑で、罠もかなりの数が用意されているのだ。


「そろそろ、暴れたいものだな」


 ガンテスが言った。


 騎馬隊は、崖の陰に隠れていた。


 数人の兵が見張りに立っていて、細かい状況を報告してくるのだ。


「歩兵が、城門に取り付いたようだ。うしろの四百も、城門に向かって進み始めたぞ」


 ガンテスが、楽しそうに言った。


「敵の騎馬隊は、我が隊の二倍です。あまり無茶は出来ませんが」


 俺はガンテスにそう言ったが、内心俺も暴れたいと思っていた。


 百騎を超える規模の騎馬戦は、これが初めてなのだ。


 剣を握ると、高鳴りが止まない。


「問題ない、敵の騎馬隊は動きが遅いようだ。二手に別れると思わせて、直前で合流する。そのまま馬列を両断する」


 ガンテスが雄叫びをあげ、それを合図に一斉に駆け出す。


 すぐに茂みを抜け、平原に入った。


 歩兵の数十人が、丸太で城門を叩き続けている。


 簡単に破られる門ではないが、壁上の兵はすでに撤退したようなので、時間が掛からずに破られるだろう。


 目的の騎馬隊が、こちらに気付いたようだった。


 後衛の歩兵のさらに後ろに居て、こちらに向かって駆け始めた。


 ガンテスが、手で合図を出す。


 騎馬隊は半分に別れ、徐々に距離が空いていった。


 俺も他の騎馬に動きを合わせ、剣を握り直す。


 敵騎が近付いてくるにつれて、何とも言えない闘気が湧き上がってきた。


 死の恐怖など、一切無い。


 緊張のようにも感じるが、それがむしろ心地が良かった。


 分裂した騎馬隊を迎え撃とうと、敵の騎馬隊が横に拡がり始めた。


 敵の動きは、基本に忠実である。


 だからこそ、意表を付きやすいものだった。


 先頭を駆けるガンテスが次の合図を出すと、再び騎馬隊がひとつになった。


 その直後、騎馬隊がぶつかる。


 敵は二倍だが、横に拡がっていたので、数ほどの厚さは無かった。


 ガンテスが鉄の棒を振り回すと、一人二人と敵兵が突き飛ばされている。


 俺も、擦れ違った騎兵を二人斬り捨てた。








 敵の騎馬隊を貫通してガンテスの方に目をやると、彼は敵の騎馬隊の隊長と思われる首を、頭上に掲げて雄叫びを上げていた。
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