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【第三章】蓮牙山攻防戦・第二次セトラ村攻防戦
【第五十六話】
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カシュカとジラサの死闘は想像を絶するものだった。
カシュカは、数ヶ月ではあったが修行によって腕を上げている。
ジラサも、おそらく以前戦った時よりも強くなっているだろう。
今、俺がジラサと戦っても、渡り合えるか分からない。
激しい戦いに圧倒されていると、カシュカが崩れるように倒れた。
負けたのかと思ったその時、次はジラサの方が倒れたのだった。
一瞬、見ていた兵は静まり返った。
その静寂を破ったのは、ガンテスだった。
「王国軍ども、指揮官は倒れた。これ以上の戦いは止め、撤退するがいい」
ガンテスは、よく通る大きな声で言い放った。
「まだだ」
そう言いながら、兵の中から一人の男が飛び出してきた。
着ていた具足はジラサと同じものだったが、片腕を怪我しているようだった。
副官だろう、と俺は思った。
その男は、持っていた剣で馬上のガンテスに向かって攻撃を加えようとしている。
「往生際の悪いやつめ」
ガンテスは冷たい目をして男の剣を弾く。
「殺しはしない。見たところ副官なのだろう。兵をまとめ、撤退するのだ。倒れているそこの指揮官も、殺しはしない。持って帰れ」
「俺はこの部隊の副官のナルガス。名を聞かせろ」
「蓮牙山頭領のガンテス」
「その名、忘れぬ。再戦まで、壮健なれ」
「承知」
会話が終わると、ナルガスは飛ばされた剣をそのままにして、兵を指揮して撤収を始めた。
ジラサは担架に乗せられ、数人がかりで運ばれていく。
出血は多かったが、まだ死んではいないようだった。
テジムはすぐさまカシュカに駆け寄り、息を確認していた。
かなり危ない状態だったが、かろうじて息はある。
「また、村を守りきったな」
兵に指示を出していたガンテスが、近くに来て言った。
蓮牙山からやって来た騎馬隊では、三十騎ほどが犠牲になったらしい。
セトラ村の自警団七十人は、半分程を失ったという。
三十人ほどが死んだようだが、決して少なくない犠牲である。
こうして、王国軍によるセトラ村への二度目の侵攻はふせがれたのだった。
◆◆◆◆◆
カシュカが目を覚ましたのは、三日後だった。
しかし、目を開けて視線を動かすことしか出来ず、起き上がるのはもちろん、喋る事も出来ない。
そんなカシュカを介抱する為に、村長やテジムは付きっきりだった。
ガンテスが指揮する蓮牙山の兵達は、村の復興を手伝うためにしばらく滞留することになった。
蓮牙山との連絡は、毎日のように飛脚や早馬が行き来している。
蓮牙山の方でも、戦後の復興は着々と進んでいるようだった。
俺は、村の復興を手伝う傍ら、早速武術の修行を再開していた。
カシュカは、数ヶ月ではあったが修行によって腕を上げている。
ジラサも、おそらく以前戦った時よりも強くなっているだろう。
今、俺がジラサと戦っても、渡り合えるか分からない。
激しい戦いに圧倒されていると、カシュカが崩れるように倒れた。
負けたのかと思ったその時、次はジラサの方が倒れたのだった。
一瞬、見ていた兵は静まり返った。
その静寂を破ったのは、ガンテスだった。
「王国軍ども、指揮官は倒れた。これ以上の戦いは止め、撤退するがいい」
ガンテスは、よく通る大きな声で言い放った。
「まだだ」
そう言いながら、兵の中から一人の男が飛び出してきた。
着ていた具足はジラサと同じものだったが、片腕を怪我しているようだった。
副官だろう、と俺は思った。
その男は、持っていた剣で馬上のガンテスに向かって攻撃を加えようとしている。
「往生際の悪いやつめ」
ガンテスは冷たい目をして男の剣を弾く。
「殺しはしない。見たところ副官なのだろう。兵をまとめ、撤退するのだ。倒れているそこの指揮官も、殺しはしない。持って帰れ」
「俺はこの部隊の副官のナルガス。名を聞かせろ」
「蓮牙山頭領のガンテス」
「その名、忘れぬ。再戦まで、壮健なれ」
「承知」
会話が終わると、ナルガスは飛ばされた剣をそのままにして、兵を指揮して撤収を始めた。
ジラサは担架に乗せられ、数人がかりで運ばれていく。
出血は多かったが、まだ死んではいないようだった。
テジムはすぐさまカシュカに駆け寄り、息を確認していた。
かなり危ない状態だったが、かろうじて息はある。
「また、村を守りきったな」
兵に指示を出していたガンテスが、近くに来て言った。
蓮牙山からやって来た騎馬隊では、三十騎ほどが犠牲になったらしい。
セトラ村の自警団七十人は、半分程を失ったという。
三十人ほどが死んだようだが、決して少なくない犠牲である。
こうして、王国軍によるセトラ村への二度目の侵攻はふせがれたのだった。
◆◆◆◆◆
カシュカが目を覚ましたのは、三日後だった。
しかし、目を開けて視線を動かすことしか出来ず、起き上がるのはもちろん、喋る事も出来ない。
そんなカシュカを介抱する為に、村長やテジムは付きっきりだった。
ガンテスが指揮する蓮牙山の兵達は、村の復興を手伝うためにしばらく滞留することになった。
蓮牙山との連絡は、毎日のように飛脚や早馬が行き来している。
蓮牙山の方でも、戦後の復興は着々と進んでいるようだった。
俺は、村の復興を手伝う傍ら、早速武術の修行を再開していた。
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