クラスカースト最下位の僕、ジョブが【レジスタンス】だったので追放されました。でもなんかムカつくので実際に反乱軍を組織して国家転覆を目指します

尾関 天魁星

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【第二章】バーゲス監獄編

【第十五話】ザイフェルトの過去

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 僕とザイフェルトは、切り倒した木を運搬するかたわらで、話しをした。
 
 
 今日の見張りの兵は厳しくはなく、喋っていてもほどほどに見逃してくれている。
 
 
 これが厳しい監視だと、囚人同士で喋るのはおろか、目が合っただけでムチを飛ばされるのだ。
 
 
「俺は、産まれた時から奴隷だった訳ではない」
 
 
 ザイフェルトは、淡々と喋り始めた。
 
 
「知っての通り、奴隷の間に産まれた子供も当然奴隷としての身分を与えられる」
 
 
 この国では、それが当たり前の事のようだ。
 
 
 身分制度が存在しない日本とは大違いだ。
 
 
「しかし、俺の両親は平民だった。王都の近郊で農業をしていた、ごく普通の農家だ」
 
 
 僕は黙って、ザイフェルトの話しを聞き続けた。
 
 
 農家だったザイフェルトの家族は、ザイフェルトが五歳の時、大飢饉の被害を受けてしまったそうだ。
 
 
 この年の大飢饉では王国中で食料が不足し、農家をはじめ、低身分の人達を中心に餓死者が多発したのだという。
 
 
 それなのに商人や貴族は食料を独占し、贅沢な生活を維持していた。
 
 
「飢えに苦しんだ挙げ句、俺を育てられないと思った両親は、孤児院に俺を預けた」
 
 
 一人の子供を育てられないほど、切羽詰まっていたのだろう。
 
 
「だが、俺が預けられた孤児院もまた、大飢饉によって苦しんでいた」
 
 
 そして困り果てた孤児院の院長は失踪し、そこに預けられていた孤児たちは政府によって奴隷身分に落とされた。
 
 
 じつに勝手極まりない所業である。
 
 
 その後ザイフェルトは、奴隷として半世紀も重労働に身をやつす生活を送ってきたそうだ。
 
 
 彼は今年で五十五歳になる。
 
 
「だが、俺は俺で、奴隷になったことに納得がいかず、雇い主を襲ったり、盗みを働いたりした。その度に捕らえられ、監獄を出たり入ったりと繰り返しているというわけだ」
 
 
 言われなき理由で、理不尽に奴隷に落とされる。
 
 
 誰だって、納得はいかないだろう。
 
 
 僕自身、罪人になったことに納得がいかないのだ。
 
 
「これを見ろ」
 
 
 ザイフェルトはそう言うと、上衣をめくり、背中を見せた。
 
 
 罪人の烙印が、九つもあった。
 
 
「罪を一つ犯すたびに、烙印が押されるんだ。手の甲の烙印は、初めの一回だけだがな」
 
 
「九回も、監獄の出入りを繰り返しているんですね」
 
 
「まぁ、見付かっていない罪も含めると、十数回にもなるがな」
 
 
 罪の数だけ見ると、ザイフェルトはただの悪党である。
 
 
 しかし、彼には事情があった。
 
 
 農家の両親が孤児院に預けなければ、平民のまま、罪を犯すことなく生きていけたのではないのか。
 
 
 もっと元を辿ると、貴族や商人が飢えに苦しんでいる民に食料を訳与えれば良かったのではないのか。
 
 
 王族や貴族、役人だけが贅沢な暮らしを送れる身分制度が良くないのではないのか。
 
 
 
 
 
 この国は、かなり腐っている。
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