クラスカースト最下位の僕、ジョブが【レジスタンス】だったので追放されました。でもなんかムカつくので実際に反乱軍を組織して国家転覆を目指します

尾関 天魁星

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【第三章】刺客戦編

【第三十二話】刺客との対峙

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 馬小屋の出口を見ると、誰かが立っていた。
 
 
 逆光になっていて、顔は見えない。
 
 
 僕より背が高いということだけ、かろうじて分かった。
 
 
「あ、暗殺者か・・・」
 
 
 自分の唇が、小刻みに震えている。
 
 
 感じたこともない殺気に、本能から怖がっているのだ。
 
 
 僕を殺そうとしている人が、今目の前にいる。
 
 
 闘わなければ。
 
 
 ひと呼吸して、僕は肚に力を入れた。
 
 
「ほう、立ち向かうのか」
 
 
 相手がそう言ったのが、聞こえた。
 
 
 よく見ると、短剣を持っている。
 
 
 あの短剣で、ここにいる皆を殺したのだ。
 
 
 死ななくてもいい、人たちだった。
 
 
 それを、僕を殺すついでかのように、殺したのだ。
 
 
 それを考えると、怒りが湧いてきた。
 
 
 ピッチフォークを握る手に、力が入る。
 
 
「フユサキ・ユキト、死ね」
 
 
 ものすごい速さで、間合いが縮まる。
 
 
 武器の長さからしたら、距離を縮められると不利だった。
 
 
 ほとんど無意識に後ろに跳び、相手の剣撃をかわす。
 
 
 一瞬の出来事である。
 
 
 そんなやり取りを、数回繰り返した。
 
 
「意外とやるじゃないか。ただの子供だと聞いていたが」
 
 
 楽しんでいるような、口調である。
 
 
 短剣を持っていることで恐怖感を覚えたが、動きだけでみれば、ヘルベルトよりは遅い。
 
 
 ヘルベルトは、瞬きしている間に姿が消えることがあるくらいだ。
 
 
 それに比べれば、まだ目で追える。
 
 
 しかし、ピッチフォークでは無理がある。
 懐に入られれば、防ぐのは至難の技だ。
 
 
 一合いして、砂を投げ付けた。
 
 
 相手が怯んだ隙に、僕は馬小屋から躍り出た。
 
 
 柱が多い馬小屋では、かなり分が悪いからだ。
 
 
 それに騒ぎを聞きつけて、誰か来てくれるかもしれない。
 
 
「多少の判断力もあるみたいだな」
 
 
 剣。
 
 
 ピッチフォークで受け、また距離を置いた。
 
 
 そろそろ、ピッチフォークの重みが効いてくる。
 
 
 敵の攻撃の避けざまに、武器を捨てた。
 
 
 相手は、意外そうな顔をする。
 
 
 ヘルベルトとの稽古は、いつも体ひとつでやっていたのだ。
 
 
 武器を持たずとも、むしろこちらの方が本領発揮出来ると思った。
 
 
 いつもの構えをとると、不思議と落ち着いた。
 
 
 身体が数段軽く感じる。
 
 
 それなのに、逆に込める力は大きくなった気がする。
 
 
 切り付けられては、かわす。
 
 
 避けては、立ち位置が入れ替わる。
 
 
 息が切れ始めた。
 
 
 しかし、それは相手も同じようだ。
 
 
 どちらが先に限界を迎えるのか。
 
 
 そこが、勝負だった。
 
 
「くそっ」
 
 
 相手がそう言った瞬間、今度は僕から踏み込んだ。
 
 
 息を吐いた瞬間は、隙になるとヘルベルトに教わっている。
 
 
 意外な動きだったのか、相手はほとんど何も動かなかった。
 
 
 その隙に短剣を脚で払い、僕がキャッチする。
 
 
 
 
 
 
 
「やるな」
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