11 / 14
王子の責任について ※
しおりを挟む
希っていたことが叶ってしまうと人はこんなに貪欲になってしまうのか。
横で失神したように眠るカイルを見てルイスは思った。
最初は一度だけ、ただ触れたいと願っただけだった。
それがもう一度、もう少し、もっと乱れた姿を見たい。
もっと屈服させてやりたいと何度も何度も強引に強請ってしまった。
ルイスはぐったりとするカイルの体を清め、それから静かにシーツを変えた。
本来従者にさせるものだけれど、カイルのこの姿を、ルイスは誰にも見られたくなかったのだ。
ぐったりと横たわるカイルを見て、水差しの用意だけして、ルイスは身支度を整えた。
カイルが目を覚ました時、隣で睦言を囁き合う事もとても魅力的ではあったが今はやらねばならぬことがルイスにはあった。
執務室を出ると扉の前に人影があった。
人払いをしたはずが自分の護衛騎士か侍従がいると思ったけれど違った。
ルイスをちらりと見上げたのはカイルの配下の者だった。
何故ここまでは入れたとは聞かない。
彼も王家の影の一人のはずだ。
影はルイスを見ると言った。
「あの方は我々の大切なお方です。
くれぐれもあの方の将来を台無しにするような真似は……」
これではどちらが主か分からないなとルイスは思った。
けれどカイルが慕われる主なことは知っている。
次世代の王家の影たちを組織として作り自分の手の上に置いていることも。
この男も王家にではなくカイルに絶対の忠誠を誓う者の一人なのだろう。
「わかっている」
カイルをこのまま離宮にでも監禁してしまうのが一番楽なことだとルイスは知っていた。
それは一番初めに側近としてカイルを欲したときに父である国王にそれは無理なのだと諭された瞬間から分かっていたことだ。
だから、これからルイスはしなくてはならないことがあった。
カイルが恐らく本人のなかで『一生に一度の過ち』をおかしてくれたのであればそれに報いたかった。
それにこのことが知られるのは恐らく時間の問題だ。
カイルも王家の影の全てを掌握している訳ではないし、諜報部隊は王家の影だけではない。
このままではカイルを亡き者にして幕引きとなりかねないし、それを阻止するためにカイルにすべてを捨てさせて離宮に閉じ込めて守るというのもあんまりだ。
何が優秀な王太子だ、という結果にしないためにもルイスは急ぐ必要があった。
「私が戻ってくるまで彼を守るように」
「勿論です」
そう言われ、ルイスは執務室を後にした。
してきな会談の準備は整えられている筈だった。
ルイスの妃をどうするのか。
それについて国王と王妃と話し合う手筈になっていた。
横で失神したように眠るカイルを見てルイスは思った。
最初は一度だけ、ただ触れたいと願っただけだった。
それがもう一度、もう少し、もっと乱れた姿を見たい。
もっと屈服させてやりたいと何度も何度も強引に強請ってしまった。
ルイスはぐったりとするカイルの体を清め、それから静かにシーツを変えた。
本来従者にさせるものだけれど、カイルのこの姿を、ルイスは誰にも見られたくなかったのだ。
ぐったりと横たわるカイルを見て、水差しの用意だけして、ルイスは身支度を整えた。
カイルが目を覚ました時、隣で睦言を囁き合う事もとても魅力的ではあったが今はやらねばならぬことがルイスにはあった。
執務室を出ると扉の前に人影があった。
人払いをしたはずが自分の護衛騎士か侍従がいると思ったけれど違った。
ルイスをちらりと見上げたのはカイルの配下の者だった。
何故ここまでは入れたとは聞かない。
彼も王家の影の一人のはずだ。
影はルイスを見ると言った。
「あの方は我々の大切なお方です。
くれぐれもあの方の将来を台無しにするような真似は……」
これではどちらが主か分からないなとルイスは思った。
けれどカイルが慕われる主なことは知っている。
次世代の王家の影たちを組織として作り自分の手の上に置いていることも。
この男も王家にではなくカイルに絶対の忠誠を誓う者の一人なのだろう。
「わかっている」
カイルをこのまま離宮にでも監禁してしまうのが一番楽なことだとルイスは知っていた。
それは一番初めに側近としてカイルを欲したときに父である国王にそれは無理なのだと諭された瞬間から分かっていたことだ。
だから、これからルイスはしなくてはならないことがあった。
カイルが恐らく本人のなかで『一生に一度の過ち』をおかしてくれたのであればそれに報いたかった。
それにこのことが知られるのは恐らく時間の問題だ。
カイルも王家の影の全てを掌握している訳ではないし、諜報部隊は王家の影だけではない。
このままではカイルを亡き者にして幕引きとなりかねないし、それを阻止するためにカイルにすべてを捨てさせて離宮に閉じ込めて守るというのもあんまりだ。
何が優秀な王太子だ、という結果にしないためにもルイスは急ぐ必要があった。
「私が戻ってくるまで彼を守るように」
「勿論です」
そう言われ、ルイスは執務室を後にした。
してきな会談の準備は整えられている筈だった。
ルイスの妃をどうするのか。
それについて国王と王妃と話し合う手筈になっていた。
122
あなたにおすすめの小説
実況配信中!没落オメガの通信魔術師と氷の騎士団長の契約結婚~迷宮の底でヒートしたら冷徹アルファの溺愛が始まった
水凪しおん
BL
かつて名門だったアステリア家の生き残りである青年ルミナス。
彼は自身が「オメガ」であることを隠し、ベータと偽って王都の裏社会で通信魔術師として借金を返す日々を送っていた。
ある日、そんな彼に信じられない大仕事が舞い込む。
それは王国最強のアルファと謳われる冷徹な騎士団長レオンハルトとの「契約結婚」。
そして、危険な未踏破迷宮アビスロンドの攻略戦に同行し、その模様を国中に実況配信するというものだった。
オメガを憎悪しているレオンハルトに正体がバレれば、ただでは済まない。
命懸けでベータを演じるルミナスだったが、迷宮の奥深くで吸い込んだ濃密な瘴気により、隠し続けていた「ヒート」が突如として始まってしまう。
絶体絶命の危機。しかし、ルミナスは自らのフェロモンを支援魔法に変換し、魔力暴走を起こしかけたレオンハルトを救い出す。
その気高くも美しい献身に、オメガを憎んでいたはずの氷の騎士団長は完全にほだされてしまい――。
「俺は残りの人生のすべてを懸けて、お前を幸福にすると誓う」
ただの契約結婚だったはずが、最強アルファからの過保護で独占欲全開の溺愛がスタート!
しかもその極甘な様子は、魔法通信を通じて王都の国民たちにすべて実況配信されていて……!?
身分差と過去の傷跡を乗り越え、真実の番となる二人を描く、王道ファンタジー&溺愛オメガバース!
※本作にはオメガバース設定に基づく軽度な性的表現(ヒート、番の印など)、および魔物との戦闘による流血・残酷表現が含まれます。15歳未満の方の閲覧はご注意ください。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
白金の花嫁は将軍の希望の花
葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。
※個人ブログにも投稿済みです。
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる