12 / 14
王家の話合いについて
しおりを挟む
* * *
ルイスが指定された部屋は国王陛下の私的なスペースにある一室だった。
部屋に通されるとそこにはすでに国王陛下と王妃殿下それから五つ年下になる弟がいた。
弟がいることは想定していなかったがある意味丁度いいのかもしれないとルイスは思った。
最後に残っていたあいている席にルイスは座る。
「私たちが何も知らないとは思わないでね」
王妃がそう言った。
そこには母としての言葉も入っている様にルイスには感じた。
しかし、今までどこで何をしてきたかを言い当てられるのはあまりいい気はしない。
けれど、そんなことはルイスにとってどうでもよかった。
あの場所は、カイルが許したという事は、直接誰かから見られるという事はない。
のであればそれでいい。
ルイスが話そうとしたとき、弟が遮るように言った。
「俺が王になるのは無理ですからね!?
王位継承権の放棄とか突然いいださないでくださいよ!?」
弟の言葉に父王が「これ、やめんか」と父親の声で言った。
「妃探しの件ですが、私に妃をとることは無理です」
静かにルイスは言った。
「愛が無いのは分かる。そこは情でなんとかならんのか」
政略結婚というものはそういうものだと言わんばかりの言い方で父王は言った。
ルイスは首を振った。
「私の閨教育の惨憺たる結果は知っているでしょう」
これはカイルも知らない話だった。
王族には閨教育がある。
他国の姫君を娶ることもあるのだ。
失礼の無いように仲睦ましく夜の生活を送るための教育が組み込まれている。
そこまでは王家の影であるカイルも知っていることだろう。
ここから先は関わった極一部の者しか知っておらずかん口令が敷かれている内容だ。
ルイスは教師役の未亡人を相手に全く反応せず、その後相手を変えてみたり他様々色々と手を尽くしたがどれも駄目だったのだ。
「情以前の問題ですよ。子を残せない訳ですから」
今まで何人も妃にできそうな人間を探してきた。
カイルに見た目だけでも似た女性ならばと思いそういった女性を探したりもした。
けれど、駄目だったのだ。
けれど、世界でたった一人その気になれる人間がいたという事は先ほど証明してしまった。
「影の、それも男を妃にすることなど到底無理ですよ!?」
王妃が叫ぶように言った。
そうだろうなとルイスも思った。
そもそもカイルに王妃になるという選択肢はないだろう。
命令をすればその道を選んでくれるのかさえも怪しい。
王太子を降りることも許されない。好いた相手を王妃にすることもできない。
多分、誰を妃に選んでもルイスは通常の方法で子を残すこともできない。
「そこで、提案が二つあります。
どちらも受け入れられないようであれば私は王族から降りようと思っています」
部屋を出る際にカイルの配下にかけられた『あの方の将来を奪う様なまね』について頭をよぎる。
別に逃げ出すつもりは無かった。
それをしたければこんな話し合いをする前に彼をさらってとっくに逃げていた。
これからする話は、莫迦げていてそして賭けの様な話だった。
ルイスが指定された部屋は国王陛下の私的なスペースにある一室だった。
部屋に通されるとそこにはすでに国王陛下と王妃殿下それから五つ年下になる弟がいた。
弟がいることは想定していなかったがある意味丁度いいのかもしれないとルイスは思った。
最後に残っていたあいている席にルイスは座る。
「私たちが何も知らないとは思わないでね」
王妃がそう言った。
そこには母としての言葉も入っている様にルイスには感じた。
しかし、今までどこで何をしてきたかを言い当てられるのはあまりいい気はしない。
けれど、そんなことはルイスにとってどうでもよかった。
あの場所は、カイルが許したという事は、直接誰かから見られるという事はない。
のであればそれでいい。
ルイスが話そうとしたとき、弟が遮るように言った。
「俺が王になるのは無理ですからね!?
王位継承権の放棄とか突然いいださないでくださいよ!?」
弟の言葉に父王が「これ、やめんか」と父親の声で言った。
「妃探しの件ですが、私に妃をとることは無理です」
静かにルイスは言った。
「愛が無いのは分かる。そこは情でなんとかならんのか」
政略結婚というものはそういうものだと言わんばかりの言い方で父王は言った。
ルイスは首を振った。
「私の閨教育の惨憺たる結果は知っているでしょう」
これはカイルも知らない話だった。
王族には閨教育がある。
他国の姫君を娶ることもあるのだ。
失礼の無いように仲睦ましく夜の生活を送るための教育が組み込まれている。
そこまでは王家の影であるカイルも知っていることだろう。
ここから先は関わった極一部の者しか知っておらずかん口令が敷かれている内容だ。
ルイスは教師役の未亡人を相手に全く反応せず、その後相手を変えてみたり他様々色々と手を尽くしたがどれも駄目だったのだ。
「情以前の問題ですよ。子を残せない訳ですから」
今まで何人も妃にできそうな人間を探してきた。
カイルに見た目だけでも似た女性ならばと思いそういった女性を探したりもした。
けれど、駄目だったのだ。
けれど、世界でたった一人その気になれる人間がいたという事は先ほど証明してしまった。
「影の、それも男を妃にすることなど到底無理ですよ!?」
王妃が叫ぶように言った。
そうだろうなとルイスも思った。
そもそもカイルに王妃になるという選択肢はないだろう。
命令をすればその道を選んでくれるのかさえも怪しい。
王太子を降りることも許されない。好いた相手を王妃にすることもできない。
多分、誰を妃に選んでもルイスは通常の方法で子を残すこともできない。
「そこで、提案が二つあります。
どちらも受け入れられないようであれば私は王族から降りようと思っています」
部屋を出る際にカイルの配下にかけられた『あの方の将来を奪う様なまね』について頭をよぎる。
別に逃げ出すつもりは無かった。
それをしたければこんな話し合いをする前に彼をさらってとっくに逃げていた。
これからする話は、莫迦げていてそして賭けの様な話だった。
120
あなたにおすすめの小説
実況配信中!没落オメガの通信魔術師と氷の騎士団長の契約結婚~迷宮の底でヒートしたら冷徹アルファの溺愛が始まった
水凪しおん
BL
かつて名門だったアステリア家の生き残りである青年ルミナス。
彼は自身が「オメガ」であることを隠し、ベータと偽って王都の裏社会で通信魔術師として借金を返す日々を送っていた。
ある日、そんな彼に信じられない大仕事が舞い込む。
それは王国最強のアルファと謳われる冷徹な騎士団長レオンハルトとの「契約結婚」。
そして、危険な未踏破迷宮アビスロンドの攻略戦に同行し、その模様を国中に実況配信するというものだった。
オメガを憎悪しているレオンハルトに正体がバレれば、ただでは済まない。
命懸けでベータを演じるルミナスだったが、迷宮の奥深くで吸い込んだ濃密な瘴気により、隠し続けていた「ヒート」が突如として始まってしまう。
絶体絶命の危機。しかし、ルミナスは自らのフェロモンを支援魔法に変換し、魔力暴走を起こしかけたレオンハルトを救い出す。
その気高くも美しい献身に、オメガを憎んでいたはずの氷の騎士団長は完全にほだされてしまい――。
「俺は残りの人生のすべてを懸けて、お前を幸福にすると誓う」
ただの契約結婚だったはずが、最強アルファからの過保護で独占欲全開の溺愛がスタート!
しかもその極甘な様子は、魔法通信を通じて王都の国民たちにすべて実況配信されていて……!?
身分差と過去の傷跡を乗り越え、真実の番となる二人を描く、王道ファンタジー&溺愛オメガバース!
※本作にはオメガバース設定に基づく軽度な性的表現(ヒート、番の印など)、および魔物との戦闘による流血・残酷表現が含まれます。15歳未満の方の閲覧はご注意ください。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
白金の花嫁は将軍の希望の花
葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。
※個人ブログにも投稿済みです。
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる