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プロローグ
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僕の名前は影 白。このクラスの中で最も影が薄くて、友達もいない、遅刻しても出席取っても何故か僕だけ飛ばされる。それだけ薄いんだ。
まぁ、完全に忘れられている訳ではないけどね。僕の膝に間違って空席だと思って座られた時によく気づかれる。「あ、ごめん。居たんだ」ってね。
最早イジメだって? 僕はそんな事は気にしない。誰かに目を付けられるより、何をしても気付かれないならその方がよっぽど快適な生活が出来ると思うんだ。そう、僕は何不自由なく生きている。
僕の呼ばれ方は名前の白、『ハク』って呼ばれてる。変なあだ名を付けられないならイジメられているとは言えないかな。なに、名前さえも忘れられている訳ではないからね。そこは僕だって正直嬉しいと思っている。
そう、僕の名前は影 白。影と白と書いて影 白だ。いやはや、白は『薄い』と書いてもハクと読むんだよね。
僕の名前を付けた親はどちらも勿論、苗字は影。そこに僕の名前には白と付けただけなんだ。別に狙った訳では無いだろうさ。
でもすごい偶然だよね。まさか読み方だけに僕の人生まで決めつけちゃうなんてさ。
うーん僕の顔って自分で言うのも難だけど、一般的には結構モテる筈なんだよなぁ。はぁ、もし影が薄く無かったらそれこそ僕の人生は変わっていたんだろうなぁ。まぁ、別に今の人生に苦も無いからね。僕は、これで十分さ。
そんな僕にある日、望んでもいない、人生の大きな変化が訪れた。
それは僕が社会科の授業を眠たそうに受けていた時だ。突然僕のクラス全体の床が白く眩しく光り出してね。僕はその光に何もする術もなく飲み込まれたんだ。
そうして目を開いたら、なんと黄金の装飾が眩しく輝き、床から奥に向かって長細い赤い絨毯が伸びた王宮に居たんだ。
影が薄過ぎて周りの事がどうでも良くなっている僕でも流石に驚いたね。学校が生徒に隠れて大きな旅行イベントでも開いていたのかなって思ったよ。まぁ、その話が本当だったら酷い迷惑なんだけどね。
でもそれは違った。大勢のクラスの生徒の前に立つ深紅のマントと純金の冠を被ったお兄さんが「異世界へようこそ」と言ったんだ。
僕は耳を疑ったよ。異世界? ってなんだ? ってね。まぁ、落ち着いて考えれば異世界とは僕達の生まれた世界では完全に空想のお話であり、また夢と呼ばれた世界の呼称。万人向けに言うなら、剣と魔法の世界だね。
そう僕は、いや僕達は、その異世界に『転移』したんだ。僕が授業中でも構いなく読んでいた小説では転移物と転生物があった。
『転移』はなんの前触れもなく、異世界に押し出される。又は召喚されること。
『転生』は現世で死を迎え、神か又は何かしらの力で新しい人生が始まること。
僕達は前者であった。
そしてお兄さん。いや王様は続けてこう言った。「君たちは勇者として召喚された。先ず、ステータスと唱えて、自分の力を確認して欲しい」ってさ。
これは転移と転生。どちらの物語でもほとんど共通している展開だった。
みんながステータスとか唱えている間に、僕は小さくステータスと唱えた。そうすると僕の目の前に小さな窓が浮かんでそう正にテレビゲームで言うステータスが僕の目の前に展開されたんだ。
そしてその僕のステータスとは言うと。うん。ゲームでも稀にみるかも分からない最低だった。簡単に言って仕舞えばオール1。
笑える話じゃないか? 僕の人生って理不尽しか無いのかな。ただ一つだけ救いはあった。
僕は僕だけ、唯一『固有能力』なんてものを持っていたんだ。それを知られた瞬間、生徒全員の目が僕の方を向いた。
クラスの生徒が全員をこちらを向いたんだ。新記録だった。僕がもっとも注目された瞬間だった。うーん。とてつもなく不快だったね。今まで見ることすら無かった僕を急に特別視するんだ。
別に悪くは無いんだけど、一言で言って気持ち悪かった。
そしてクラスの全員が僕を注目するに至った僕の固有能力とは、【回避】スキル。スキルの内容は、文字通り、回避する事が出来る。何を回避できるのかまでは書かれていなかったから分からないけど、現地の人が言うにはちょこっと戦える人間が誰でも持っているスキルらしい。
固有スキルとは誰でも持てるものでは無いと思うかも知れないけど、稀にしか持つ事が出来ないのは、僕達人間の体質のせいらしい。此処、異世界の人達とは体の作りが違う。だから、真人間である僕達には固有能力持ちは珍しいらしい。
だがしかし僕の持つスキルは【回避】という誰もが知って当然のスキルだった。いやはや、一つでも希望を持ったのが間違いだった。僕の人生の不運はスキルにも影響したようだ。もはや、なんとも言えないね。
さらにその不運は一気に増幅した。僕はステータスがオール1で固有能力も使えない物。この総合能力は、王を失望させてしまった。そう、無能と判断されたのだ。
僕は即刻勇者一行から追放。他の者の目線がこれまでかと言う程に僕に集中し、嘲笑われ、僕は、無能者=部外者として、王宮内の侵入者と扱われ、酷くも牢屋にぶち込まれた。
僕が一体何をしたって言うんだろうね? 生きているだけも許され無いってのかい? それじゃあ僕は、何して生きてれば良いんだ……。僕は──────。
まぁ、完全に忘れられている訳ではないけどね。僕の膝に間違って空席だと思って座られた時によく気づかれる。「あ、ごめん。居たんだ」ってね。
最早イジメだって? 僕はそんな事は気にしない。誰かに目を付けられるより、何をしても気付かれないならその方がよっぽど快適な生活が出来ると思うんだ。そう、僕は何不自由なく生きている。
僕の呼ばれ方は名前の白、『ハク』って呼ばれてる。変なあだ名を付けられないならイジメられているとは言えないかな。なに、名前さえも忘れられている訳ではないからね。そこは僕だって正直嬉しいと思っている。
そう、僕の名前は影 白。影と白と書いて影 白だ。いやはや、白は『薄い』と書いてもハクと読むんだよね。
僕の名前を付けた親はどちらも勿論、苗字は影。そこに僕の名前には白と付けただけなんだ。別に狙った訳では無いだろうさ。
でもすごい偶然だよね。まさか読み方だけに僕の人生まで決めつけちゃうなんてさ。
うーん僕の顔って自分で言うのも難だけど、一般的には結構モテる筈なんだよなぁ。はぁ、もし影が薄く無かったらそれこそ僕の人生は変わっていたんだろうなぁ。まぁ、別に今の人生に苦も無いからね。僕は、これで十分さ。
そんな僕にある日、望んでもいない、人生の大きな変化が訪れた。
それは僕が社会科の授業を眠たそうに受けていた時だ。突然僕のクラス全体の床が白く眩しく光り出してね。僕はその光に何もする術もなく飲み込まれたんだ。
そうして目を開いたら、なんと黄金の装飾が眩しく輝き、床から奥に向かって長細い赤い絨毯が伸びた王宮に居たんだ。
影が薄過ぎて周りの事がどうでも良くなっている僕でも流石に驚いたね。学校が生徒に隠れて大きな旅行イベントでも開いていたのかなって思ったよ。まぁ、その話が本当だったら酷い迷惑なんだけどね。
でもそれは違った。大勢のクラスの生徒の前に立つ深紅のマントと純金の冠を被ったお兄さんが「異世界へようこそ」と言ったんだ。
僕は耳を疑ったよ。異世界? ってなんだ? ってね。まぁ、落ち着いて考えれば異世界とは僕達の生まれた世界では完全に空想のお話であり、また夢と呼ばれた世界の呼称。万人向けに言うなら、剣と魔法の世界だね。
そう僕は、いや僕達は、その異世界に『転移』したんだ。僕が授業中でも構いなく読んでいた小説では転移物と転生物があった。
『転移』はなんの前触れもなく、異世界に押し出される。又は召喚されること。
『転生』は現世で死を迎え、神か又は何かしらの力で新しい人生が始まること。
僕達は前者であった。
そしてお兄さん。いや王様は続けてこう言った。「君たちは勇者として召喚された。先ず、ステータスと唱えて、自分の力を確認して欲しい」ってさ。
これは転移と転生。どちらの物語でもほとんど共通している展開だった。
みんながステータスとか唱えている間に、僕は小さくステータスと唱えた。そうすると僕の目の前に小さな窓が浮かんでそう正にテレビゲームで言うステータスが僕の目の前に展開されたんだ。
そしてその僕のステータスとは言うと。うん。ゲームでも稀にみるかも分からない最低だった。簡単に言って仕舞えばオール1。
笑える話じゃないか? 僕の人生って理不尽しか無いのかな。ただ一つだけ救いはあった。
僕は僕だけ、唯一『固有能力』なんてものを持っていたんだ。それを知られた瞬間、生徒全員の目が僕の方を向いた。
クラスの生徒が全員をこちらを向いたんだ。新記録だった。僕がもっとも注目された瞬間だった。うーん。とてつもなく不快だったね。今まで見ることすら無かった僕を急に特別視するんだ。
別に悪くは無いんだけど、一言で言って気持ち悪かった。
そしてクラスの全員が僕を注目するに至った僕の固有能力とは、【回避】スキル。スキルの内容は、文字通り、回避する事が出来る。何を回避できるのかまでは書かれていなかったから分からないけど、現地の人が言うにはちょこっと戦える人間が誰でも持っているスキルらしい。
固有スキルとは誰でも持てるものでは無いと思うかも知れないけど、稀にしか持つ事が出来ないのは、僕達人間の体質のせいらしい。此処、異世界の人達とは体の作りが違う。だから、真人間である僕達には固有能力持ちは珍しいらしい。
だがしかし僕の持つスキルは【回避】という誰もが知って当然のスキルだった。いやはや、一つでも希望を持ったのが間違いだった。僕の人生の不運はスキルにも影響したようだ。もはや、なんとも言えないね。
さらにその不運は一気に増幅した。僕はステータスがオール1で固有能力も使えない物。この総合能力は、王を失望させてしまった。そう、無能と判断されたのだ。
僕は即刻勇者一行から追放。他の者の目線がこれまでかと言う程に僕に集中し、嘲笑われ、僕は、無能者=部外者として、王宮内の侵入者と扱われ、酷くも牢屋にぶち込まれた。
僕が一体何をしたって言うんだろうね? 生きているだけも許され無いってのかい? それじゃあ僕は、何して生きてれば良いんだ……。僕は──────。
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