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第3章 新たな拠点
第63話 慰撫
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コールが巻き起こした渦が鎮まると後に、空から雨のように降り注ぐ村人。
当然、地面に激突して要らない怪我を負う人が多数出た。
「ぎゃああああっ! 骨があああぁ!」
「すまない。やりすぎた……ただ死者は1人もいないようで安心したよ」
本当にそれは幸運の内だよ。数十メートルから背骨強打して全身付随してそうな人だっているくらいだし。
ここにもし死人が出ていたらさらに信用を失う所だった。
まぁ、こんな阿鼻叫喚の中で許しを乞う人は居ても信用する人間がいるとは思えないけどね。
一瞬にして悲劇の村が惨劇へと変わった。出来れば傷つけないようにと考えたのに、これじゃあ問答無用で武力行使をしたようなものじゃないか。
「分かった……もう逆らわねえ……! これ以上殺さないでくれ!」
「いや違うんだ。僕らは君たちを黙らせに来た訳じゃない。今も帝国に税を納めているようだけど、今の帝国は近辺の村からの税は必要としていないんだ」
「なっ……!? もう私たちは用済みってことか! 黙らせに来たんじゃなくて……殺しに!!」
ここでレオンが口を出す。
「いい加減黙れ雑魚共! もうテメェらの供え物は要らねえつってんだよ! だからこれからは自由に暮らせ。そう言ってんのが分かんねえのか!」
「ひぃいっ! わ、分かった。本当にそうしても良いのなら……」
流石レオンだ。一つの個性溢れる部隊をまとめてきた実績はあるね。
「あーごほん。もうノルデン皇帝はいない。今の帝国は皇帝が変わり、平和そのものだ。だからもう帝国の人間だからって怖がる必要は無いんだ」
「ふざけるな……アイツがいないなん嘘だ……そんな嘘俺たちは信じねぇぞ!」
殺意は収めてくれたが、ノルデン皇帝に対する恨みは消えていないようだ。一体どれだけ虐げられてきたんだろう。
「じゃあ、どうしたら信じてくれるんだい?」
「これ以上、お前らと話すことは無い。信頼の風上に置く必要も無いからな」
脅しは聞いたが、だからと言って信頼は流石に無理か。ならこうするしかないかな。
「なぁ、俺らの仕事って報酬無しの支援物資の輸送だったよな? もう帰っても良いんじゃねぇか?」
「そうだ。助けたいのは山々だが、こうも反対されるならその必要もなくなるだろ」
「いや、僕はここを新たな拠点とする。帝国郊外にある家は実家として。ここを別荘とする」
「「は?」」
僕はここを拠点にしたい。まだ質素な村だが、どうにかして村人たちの信頼を得られれば、良い拠点になるはずだ。
ただ環境に関してはなかなか普通の生活をするには寒すぎるとも思うが、それもきっと解決できる。
信頼を得られないのなら、無理矢理発展させたら良いじゃ無いか。
「みんな、手伝ってくれるかい?」
「本当なら面倒と言いてえが、もう俺らはハクの護衛になった人間だからな……。仕方がなく付き合ってやるよ」
「あぁ、俺はもう友達だからな。影の頼みなら喜んで聞くよ」
2人とも快諾とまでは行かないが、光輝に関しては僕に謎の信頼を置いている。
どうせ金欠生活からやっと脱出出来るとでも考えているに違いない。
友達だからって村の発展を喜んで手伝ってくれるなんてそんな友達になった覚えは無いからね。
さて、村の人達はもう僕らと会話さえしてくれなくなってしまった。
しかし、僕らを攻撃ではなくとも追い出そうとしないことは、僕らのことを害とは思っていないんだろう。
という訳でまず何をしようか。村人たちはとにかく飢え、病気も抱え、体力も落ちている。
まずは生きるための食糧の確保と行きたいところだが、この村は地図の最北端であり、寒さがあるせいでまず普通の家畜は生きる事ができない。
つまり、普通の野生動物も付近には生息していない代わりに魔物がちらほらと見える。
だから最初にやるべきは魔物の殲滅と周辺の安全確保だろう。
とは言うものの、魔物の殲滅に至っては無報酬でやるのは少し厳しいし、モチベが上がらないのは、それだけで時間が掛かり、村人の苦しみも促進させてしまう可能性がある。
……。帝国に魔物討伐の逆依頼とかできないかな? 魔物を撃破すること自体は周辺の村や帝国にとっても良いことだから……。
「よし、じゃあ光輝。さっそくだけど頼みがある。本当はギルドに頼みたいところだけど、仲のいい皇帝との方が話が多分早く進む。
だから、今帝国に戻ってグレイブ皇帝に交渉しに言ってくれないか?」
「帝国に? 何を?」
「これから僕はこのエクトス村を新しい拠点するから、魔物討伐や支援物資の運搬、その他諸々の村人の依頼を全て、引き受け式の固定依頼にしてほしいって」
「な、なるほど……要は村人達は報酬支払う気が無いからってことかな」
「そういうこと。あーそれと、茜と麗香は置いて行ってくれ。今のこの村に必要な存在だからね」
「茜と麗香が? 分かった。そうしよう」
そう言うと光輝は茜と麗香を村に置いて一人で僕の馬車に乗って、帝国へ向かった。
さぁ、次にやるべきはまともでは無いけれど、あったほうがマシな食糧確保が出来る魔物討伐だ。
「茜は、この村の病人達を治してあげてくれ。麗香は村のまとめ役かな? その威圧的な態度は、村人も抵抗力が低い間は従いざるを得ないでしょ」
「それが人に物を頼む態度かしら。まぁ、それくらいなら別に良いけど……」
「うん分かったぁ。みんなには元気になってもらいたいよねぇ」
そんな感じで僕は各個行動を始めた。
当然、地面に激突して要らない怪我を負う人が多数出た。
「ぎゃああああっ! 骨があああぁ!」
「すまない。やりすぎた……ただ死者は1人もいないようで安心したよ」
本当にそれは幸運の内だよ。数十メートルから背骨強打して全身付随してそうな人だっているくらいだし。
ここにもし死人が出ていたらさらに信用を失う所だった。
まぁ、こんな阿鼻叫喚の中で許しを乞う人は居ても信用する人間がいるとは思えないけどね。
一瞬にして悲劇の村が惨劇へと変わった。出来れば傷つけないようにと考えたのに、これじゃあ問答無用で武力行使をしたようなものじゃないか。
「分かった……もう逆らわねえ……! これ以上殺さないでくれ!」
「いや違うんだ。僕らは君たちを黙らせに来た訳じゃない。今も帝国に税を納めているようだけど、今の帝国は近辺の村からの税は必要としていないんだ」
「なっ……!? もう私たちは用済みってことか! 黙らせに来たんじゃなくて……殺しに!!」
ここでレオンが口を出す。
「いい加減黙れ雑魚共! もうテメェらの供え物は要らねえつってんだよ! だからこれからは自由に暮らせ。そう言ってんのが分かんねえのか!」
「ひぃいっ! わ、分かった。本当にそうしても良いのなら……」
流石レオンだ。一つの個性溢れる部隊をまとめてきた実績はあるね。
「あーごほん。もうノルデン皇帝はいない。今の帝国は皇帝が変わり、平和そのものだ。だからもう帝国の人間だからって怖がる必要は無いんだ」
「ふざけるな……アイツがいないなん嘘だ……そんな嘘俺たちは信じねぇぞ!」
殺意は収めてくれたが、ノルデン皇帝に対する恨みは消えていないようだ。一体どれだけ虐げられてきたんだろう。
「じゃあ、どうしたら信じてくれるんだい?」
「これ以上、お前らと話すことは無い。信頼の風上に置く必要も無いからな」
脅しは聞いたが、だからと言って信頼は流石に無理か。ならこうするしかないかな。
「なぁ、俺らの仕事って報酬無しの支援物資の輸送だったよな? もう帰っても良いんじゃねぇか?」
「そうだ。助けたいのは山々だが、こうも反対されるならその必要もなくなるだろ」
「いや、僕はここを新たな拠点とする。帝国郊外にある家は実家として。ここを別荘とする」
「「は?」」
僕はここを拠点にしたい。まだ質素な村だが、どうにかして村人たちの信頼を得られれば、良い拠点になるはずだ。
ただ環境に関してはなかなか普通の生活をするには寒すぎるとも思うが、それもきっと解決できる。
信頼を得られないのなら、無理矢理発展させたら良いじゃ無いか。
「みんな、手伝ってくれるかい?」
「本当なら面倒と言いてえが、もう俺らはハクの護衛になった人間だからな……。仕方がなく付き合ってやるよ」
「あぁ、俺はもう友達だからな。影の頼みなら喜んで聞くよ」
2人とも快諾とまでは行かないが、光輝に関しては僕に謎の信頼を置いている。
どうせ金欠生活からやっと脱出出来るとでも考えているに違いない。
友達だからって村の発展を喜んで手伝ってくれるなんてそんな友達になった覚えは無いからね。
さて、村の人達はもう僕らと会話さえしてくれなくなってしまった。
しかし、僕らを攻撃ではなくとも追い出そうとしないことは、僕らのことを害とは思っていないんだろう。
という訳でまず何をしようか。村人たちはとにかく飢え、病気も抱え、体力も落ちている。
まずは生きるための食糧の確保と行きたいところだが、この村は地図の最北端であり、寒さがあるせいでまず普通の家畜は生きる事ができない。
つまり、普通の野生動物も付近には生息していない代わりに魔物がちらほらと見える。
だから最初にやるべきは魔物の殲滅と周辺の安全確保だろう。
とは言うものの、魔物の殲滅に至っては無報酬でやるのは少し厳しいし、モチベが上がらないのは、それだけで時間が掛かり、村人の苦しみも促進させてしまう可能性がある。
……。帝国に魔物討伐の逆依頼とかできないかな? 魔物を撃破すること自体は周辺の村や帝国にとっても良いことだから……。
「よし、じゃあ光輝。さっそくだけど頼みがある。本当はギルドに頼みたいところだけど、仲のいい皇帝との方が話が多分早く進む。
だから、今帝国に戻ってグレイブ皇帝に交渉しに言ってくれないか?」
「帝国に? 何を?」
「これから僕はこのエクトス村を新しい拠点するから、魔物討伐や支援物資の運搬、その他諸々の村人の依頼を全て、引き受け式の固定依頼にしてほしいって」
「な、なるほど……要は村人達は報酬支払う気が無いからってことかな」
「そういうこと。あーそれと、茜と麗香は置いて行ってくれ。今のこの村に必要な存在だからね」
「茜と麗香が? 分かった。そうしよう」
そう言うと光輝は茜と麗香を村に置いて一人で僕の馬車に乗って、帝国へ向かった。
さぁ、次にやるべきはまともでは無いけれど、あったほうがマシな食糧確保が出来る魔物討伐だ。
「茜は、この村の病人達を治してあげてくれ。麗香は村のまとめ役かな? その威圧的な態度は、村人も抵抗力が低い間は従いざるを得ないでしょ」
「それが人に物を頼む態度かしら。まぁ、それくらいなら別に良いけど……」
「うん分かったぁ。みんなには元気になってもらいたいよねぇ」
そんな感じで僕は各個行動を始めた。
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