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【3章】黒幕と契約妃
37.新たな契約
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「ミーナと一緒に行きたいところがあるんだ」
アーネスト様からそう言われたのは、麗らかな春のある日のことだった。真っ白な美しいドレスを着せられ、誘われるがまま、わたしは彼の後に続く。驚くことに、そこには一台の馬車があった。てっきり、城内のどこかに連れていかれると思っていたのだ。
「乗って、ミーナ」
アーネスト様の手を取り、わたしは馬車へと乗り込む。
「一体、どこへ行くのですか?」
尋ねると、アーネスト様は人差し指をそっと立てて微笑む。内緒、ということらしい。聞いても教えてくれそうにないので、諦めて入内以来の外出を楽しむことにした。
「もしかしてこれ、お忍びって奴ですか?」
皇帝が乗るにしては随分質素な馬車に、お供はほんの数人だけ。精鋭揃いではあるけど、公式なお出掛けにしては警備が軽すぎる。
「そうだよ」
アーネスト様はそう言って穏やかに笑う。
「良いんですか? こんな風に城を抜け出して」
答えの代わりに、アーネスト様はわたしの頬に優しく口づけた。別に、明確な答えを求めていたわけじゃないけど、何だか色々と誤魔化されている気がする。言えば、アーネスト様は声を上げて笑った。
二時間程馬車に揺られて辿り着いたのは、小さな街の中にある、これまた小さな教会だった。古い建物で、所々壁のペンキが剥がれ落ちているが、敷地内には草花が綺麗に咲き誇っている。
アーネスト様は躊躇うことなく扉を開いた。中は比較的綺麗に整備され、ステンドグラスから色とりどりの光が射し込む。
(あれ……?)
何でだろう。わたしはこの光景に見覚えがあった。首を傾げて眺めていると、アーネスト様がわたしの手をギュッと握る。彼は穏やかに目を細めながら、わたしを見つめた。
「ミーナ、俺達が初めて出会った場所だよ」
言われて、わたしは驚きに目を見開く。
(そっか……)
幼い頃、街で食べ物が何も見つからない時に、わたしはこの教会に来ていた。運が良ければ司祭様に食べ物を分けてもらえる。
だけど、碌に整備されていない古い教会だし、街には困っている人が溢れていたから、毎回貰えるというわけではない。
初めて出会ったあの日、極限までお腹を空かせていたわたしを、アーネスト様が救ってくれたのだ。
「アーネスト様は……わたしのことを覚えていて下さったんですね」
言いながら、瞳にジワリと涙が滲む。
死に戻り、初めて会話を交わしたときに、アーネスト様はわたしの名前を尋ねた。だからきっと、彼はわたしのことを覚えていないのだろうと、そう思っていたのだけど。
(アーネスト様は頻りに『約束』とそう口にしていたから)
もしかしたらと、淡い期待を抱いていたのだ。
「絶対に忘れないでねってお願いしたのは、俺の方だよ?」
そう言ってアーネスト様はわたしのことを抱き締める。途端に胸に熱いものが込み上げてきた。
毒にうなされながら見た、アーネスト様と交わした約束の光景。あれは正真正銘、わたし自身の記憶だったのだ。
「だけど、どうして? 覚えていたなら、どうして再会したあの時、わたしの名前をお尋ねになったんですか?」
そう尋ねると、アーネスト様は少しだけバツの悪い表情を浮かべる。
「ミーナが……俺がつけた名前を今でも大事にしてくれていると良いなぁって――――そう確かめたかったから」
「――――そんなの、当然じゃありませんか。わたしは……アーネスト様がつけてくださったこの名前は、わたしの心の拠り所だったんですから」
言いながらわたしは苦笑を漏らした。
アーネスト様とわたしを繋ぐ、確かなもの。それは、彼がつけてくれた『ミーナ』という名前だった。
どんなに離れていても、自分の名前を口にするだけで、アーネスト様の存在を感じられる。「頑張れ」って言っていただけたことを思い出して、ここまで生きてこれたのだ。
(どうしよう……)
嬉しすぎて涙が出てくる。こんなことがあって良いのだろうか――――アーネスト様と再会してからずっと、わたしはそんなことを思っている気がする。
彼のために働けるだけで、幸せだと思っていた。顔を見られずとも、それで構わないって思っていた。それなのに、気が付けばアーネスト様は、こんなにもわたしの近くに居る。
「約束だよ、ミーナ」
そう言ってアーネスト様は目を細めて笑い、夜会の夜に下さった金剛石のティアラを、そっとわたしの頭の上に載せた。真っ白な美しいドレスと金剛石が、教会のステンドグラスに照らされて、キラキラと綺麗に輝きを放っている。
アーネスト様は跪き、それからわたしをじっと見上げた。息が止まってしまいそうな程、心臓がドキドキと鳴り響いている。繋がれた手のひらから、アーネスト様の想いが伝わってくるような心地がした。
「俺のお嫁さんになってくれる?」
アーネスト様はそう言って、満面の笑みを浮かべる。
「――――わたしはもう、アーネスト様の妃なのに」
言いながら、ポロポロ涙が零れた。わたし達を縛る契約事項はもう存在しない。彼は無事だし、他の妃の元に通っていると見せ掛ける必要も、もうない。
けれどわたしは、これから先も妃として、アーネスト様の側に居ると、既にそう誓った。
(こんな風に求めていただけるだなんて、思ってなかった)
幸せで――――幸せ過ぎて、笑みが零れる。アーネスト様は穏やかに微笑むと、わたしの両手をしっかり繋いだ。
「今の俺達は皇帝でも妃でもないよ。一人の男性として、俺はミーナと結婚したい。ミーナを幸せにしたい」
真剣な眼差しがわたしを見つめる。
妃というのは役職だ。当然、皇帝にとっての配偶者ではあるけれど、それはアーネスト様にとっての『お嫁さん』の定義とは違うのだろう。
(だからアーネスト様は、わたしを城から連れ出してくれたんだ)
本当の意味でわたしをアーネスト様のお嫁さんにするために――――そう思うと、心が喜びに打ち震える。
「お嫁さんは――――アーネスト様とずっと一緒に居られるんですよね?」
あの日アーネスト様から聞いた『お嫁さん』の定義を、わたしは言葉にして確認する。
「うん。ずっとずっと、一緒だよ」
アーネスト様はそう言って、泣きそうな表情で笑った。わたしは跪いたままのアーネスト様の胸に飛び込み、力いっぱい彼のことを抱き締める。アーネスト様はそんなわたしを、しっかりと受け止めてくれた。
春の風が草花の香りをそっと運ぶ。温かな香りだった。世界中の幸せを凝縮したような、そんな感覚がわたしを包む。
承諾の意を以て交わされた口付け――――それは、わたしたちが結んだ、新たな契約の証だ。
「愛してるよ、ミーナ」
幼いあの日とは少しばかり異なる愛の言葉を口にして、アーネスト様は笑う。その表情は、本当にビックリするぐらい幸せそうで。
わたしも、彼に呼応するように、満面の笑みを浮かべたのだった。
アーネスト様からそう言われたのは、麗らかな春のある日のことだった。真っ白な美しいドレスを着せられ、誘われるがまま、わたしは彼の後に続く。驚くことに、そこには一台の馬車があった。てっきり、城内のどこかに連れていかれると思っていたのだ。
「乗って、ミーナ」
アーネスト様の手を取り、わたしは馬車へと乗り込む。
「一体、どこへ行くのですか?」
尋ねると、アーネスト様は人差し指をそっと立てて微笑む。内緒、ということらしい。聞いても教えてくれそうにないので、諦めて入内以来の外出を楽しむことにした。
「もしかしてこれ、お忍びって奴ですか?」
皇帝が乗るにしては随分質素な馬車に、お供はほんの数人だけ。精鋭揃いではあるけど、公式なお出掛けにしては警備が軽すぎる。
「そうだよ」
アーネスト様はそう言って穏やかに笑う。
「良いんですか? こんな風に城を抜け出して」
答えの代わりに、アーネスト様はわたしの頬に優しく口づけた。別に、明確な答えを求めていたわけじゃないけど、何だか色々と誤魔化されている気がする。言えば、アーネスト様は声を上げて笑った。
二時間程馬車に揺られて辿り着いたのは、小さな街の中にある、これまた小さな教会だった。古い建物で、所々壁のペンキが剥がれ落ちているが、敷地内には草花が綺麗に咲き誇っている。
アーネスト様は躊躇うことなく扉を開いた。中は比較的綺麗に整備され、ステンドグラスから色とりどりの光が射し込む。
(あれ……?)
何でだろう。わたしはこの光景に見覚えがあった。首を傾げて眺めていると、アーネスト様がわたしの手をギュッと握る。彼は穏やかに目を細めながら、わたしを見つめた。
「ミーナ、俺達が初めて出会った場所だよ」
言われて、わたしは驚きに目を見開く。
(そっか……)
幼い頃、街で食べ物が何も見つからない時に、わたしはこの教会に来ていた。運が良ければ司祭様に食べ物を分けてもらえる。
だけど、碌に整備されていない古い教会だし、街には困っている人が溢れていたから、毎回貰えるというわけではない。
初めて出会ったあの日、極限までお腹を空かせていたわたしを、アーネスト様が救ってくれたのだ。
「アーネスト様は……わたしのことを覚えていて下さったんですね」
言いながら、瞳にジワリと涙が滲む。
死に戻り、初めて会話を交わしたときに、アーネスト様はわたしの名前を尋ねた。だからきっと、彼はわたしのことを覚えていないのだろうと、そう思っていたのだけど。
(アーネスト様は頻りに『約束』とそう口にしていたから)
もしかしたらと、淡い期待を抱いていたのだ。
「絶対に忘れないでねってお願いしたのは、俺の方だよ?」
そう言ってアーネスト様はわたしのことを抱き締める。途端に胸に熱いものが込み上げてきた。
毒にうなされながら見た、アーネスト様と交わした約束の光景。あれは正真正銘、わたし自身の記憶だったのだ。
「だけど、どうして? 覚えていたなら、どうして再会したあの時、わたしの名前をお尋ねになったんですか?」
そう尋ねると、アーネスト様は少しだけバツの悪い表情を浮かべる。
「ミーナが……俺がつけた名前を今でも大事にしてくれていると良いなぁって――――そう確かめたかったから」
「――――そんなの、当然じゃありませんか。わたしは……アーネスト様がつけてくださったこの名前は、わたしの心の拠り所だったんですから」
言いながらわたしは苦笑を漏らした。
アーネスト様とわたしを繋ぐ、確かなもの。それは、彼がつけてくれた『ミーナ』という名前だった。
どんなに離れていても、自分の名前を口にするだけで、アーネスト様の存在を感じられる。「頑張れ」って言っていただけたことを思い出して、ここまで生きてこれたのだ。
(どうしよう……)
嬉しすぎて涙が出てくる。こんなことがあって良いのだろうか――――アーネスト様と再会してからずっと、わたしはそんなことを思っている気がする。
彼のために働けるだけで、幸せだと思っていた。顔を見られずとも、それで構わないって思っていた。それなのに、気が付けばアーネスト様は、こんなにもわたしの近くに居る。
「約束だよ、ミーナ」
そう言ってアーネスト様は目を細めて笑い、夜会の夜に下さった金剛石のティアラを、そっとわたしの頭の上に載せた。真っ白な美しいドレスと金剛石が、教会のステンドグラスに照らされて、キラキラと綺麗に輝きを放っている。
アーネスト様は跪き、それからわたしをじっと見上げた。息が止まってしまいそうな程、心臓がドキドキと鳴り響いている。繋がれた手のひらから、アーネスト様の想いが伝わってくるような心地がした。
「俺のお嫁さんになってくれる?」
アーネスト様はそう言って、満面の笑みを浮かべる。
「――――わたしはもう、アーネスト様の妃なのに」
言いながら、ポロポロ涙が零れた。わたし達を縛る契約事項はもう存在しない。彼は無事だし、他の妃の元に通っていると見せ掛ける必要も、もうない。
けれどわたしは、これから先も妃として、アーネスト様の側に居ると、既にそう誓った。
(こんな風に求めていただけるだなんて、思ってなかった)
幸せで――――幸せ過ぎて、笑みが零れる。アーネスト様は穏やかに微笑むと、わたしの両手をしっかり繋いだ。
「今の俺達は皇帝でも妃でもないよ。一人の男性として、俺はミーナと結婚したい。ミーナを幸せにしたい」
真剣な眼差しがわたしを見つめる。
妃というのは役職だ。当然、皇帝にとっての配偶者ではあるけれど、それはアーネスト様にとっての『お嫁さん』の定義とは違うのだろう。
(だからアーネスト様は、わたしを城から連れ出してくれたんだ)
本当の意味でわたしをアーネスト様のお嫁さんにするために――――そう思うと、心が喜びに打ち震える。
「お嫁さんは――――アーネスト様とずっと一緒に居られるんですよね?」
あの日アーネスト様から聞いた『お嫁さん』の定義を、わたしは言葉にして確認する。
「うん。ずっとずっと、一緒だよ」
アーネスト様はそう言って、泣きそうな表情で笑った。わたしは跪いたままのアーネスト様の胸に飛び込み、力いっぱい彼のことを抱き締める。アーネスト様はそんなわたしを、しっかりと受け止めてくれた。
春の風が草花の香りをそっと運ぶ。温かな香りだった。世界中の幸せを凝縮したような、そんな感覚がわたしを包む。
承諾の意を以て交わされた口付け――――それは、わたしたちが結んだ、新たな契約の証だ。
「愛してるよ、ミーナ」
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