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【2章】伯爵家執事レヴィの場合
10.真夜中の来訪者、再び
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伯爵がアリスから話を聞いている間中、レヴィはとても気が気じゃなかった。
ホールとアリスの部屋とを何度も往復し、事情をうかがうタイミングを待つ。
その間、衰弱しているアリスのために、温かいスープやミルクを準備させた。心を落ち着けるためのアロマオイルや、追加の毛布、柔らかな夜着など、思いつく限りのものを手配した。少しでもアリスの心と体が安らぐように、と。
(本当に、一体何があったんだ?)
通常ならば、ほんの数ヶ月であんなに痩せ細るなんてありえない。侯爵家できちんと食事を与えられていなかった――――そうとしか考えられない状況だ。
何故?
どうして?
一体なんのためにそんなことをするんだ?
どれだけ自問自答をしても、レヴィにはちっとも答えに行き着けそうにない。
本当は今すぐにでもアリスの夫を――――侯爵を問い詰めに行きたかった。
アリスの想いを踏みにじり、苦しめ、こんな状態に陥らせた元凶を、この世から消し去ってやりたかった。
けれど、なけなしの理性がレヴィをこの場に縫い止める。
彼が侯爵に報復をすれば、国全体を揺るがしかねない大問題に発展するだろう。平民が高位貴族に手を上げる――――とても許される行為ではない。伯爵家だって無事では済まない可能性もある。
兎にも角にもアリスに話を聞いてからだ。
――――そう思っているのだが、どうしたって気持ちは逸る。全身をどす黒い感情が支配し、ちっとも抑えきれない。
(どうして、どうして! どうしてお嬢様が!)
彼の怒りが爆発しそうになったそのとき、伯爵がアリスの部屋から出てきた。伯爵は心底まいったという様子で、深いため息を吐いている。
「旦那様、お嬢様に一体何が……!」
「レヴィ……。すまない、心配させたね」
「そんなことは良いのです! お嬢様に一体何があったのですか?」
伯爵は視線をさまよわせ、肩を落とす。
「――――ついてきなさい」
二人はすぐに執務室へと場所を移した。
しばらくの間、伯爵は何事かを逡巡しながら眉間に手を当て続ける。
「旦那様」
レヴィの焦れったさが頂点へと達したそのとき、ようやく伯爵は、重い口を開いた。
アリスの夫である侯爵には、数年前から身分違いの恋人が存在した。
しかし、貴族の義務として、身分の見合った女性との結婚は避けられない。
そんな彼が結婚相手として選んだのが、政略結婚に最適の相手――――アリスだった。
一見対等に見えるものの、この政略結婚による旨味は、侯爵家よりも伯爵家のほうがずっと大きい。宝石の産地である侯爵家との繋がりにより、安定した需要が見込まれることがその理由だ。
逆に言えば、もしも侯爵が伯爵家への宝石の供給をストップすれば、伯爵家は大きな経済的打撃を受けることになる。
侯爵は、父親の事業をいわば人質にし、アリスに対して契約結婚を突きつけてきた。
アリスは当然断れなかったのだろう。侯爵の契約を飲んだのだという。
それだけならまだ良かった。
侯爵はアリスを冷遇することで、自身の愛情が恋人にしか存在しないことを示そうとしたらしい。
話しかけても無視をするし、アリスの姿を、存在を嘲笑う。身分だけのつまらない女だと散々に詰ったそうだ。
主人の対応というのは使用人たちにも伝染するもの。誰もがアリスを見下し、軽んじるようになった。
結果、アリスは侯爵家で完全に孤立し、禄に食事を与えられず、心身ともに衰弱をしてしまったのである。
「――――そうと知っていたなら、娘を嫁がせたりしなかったのに!」
伯爵は激しく憤り、泣いていた。
当然だ。
大切に大切に育ててきた我が子をないがしろにされ、平然としていられる親は居ない。
レヴィだって当然平気ではいられなかった。手のひらに爪が食い込み、全身が燃えんばかりに熱い。
(許せない)
許せるはずがない。
レヴィのただならぬ様子に気付いたのだろう。伯爵は手のひらを下に向け、落ち着くようにと合図する。
「ひとまず、アリスはしばらくここで療養させることにしたよ。これからのことは私と侯爵とで話し合う。
レヴィ――――あの子のためにも、どうか今は堪えてくれ。頼む」
伯爵にはレヴィの考えがお見通しなのだろう。深々と頭を下げ、懇願されてしまった。
「旦那様、しかし……」
「それより、朝になったらアリスの話を聞いてやってほしい。そのほうがあの子はずっと喜ぶからね」
理屈は分かる。
だが、心で理解ができない。
レヴィは頷くことも首を横に振ることもせず、自室に戻った。
窓を開け、夜風に当たってみるものの、ちっとも怒りが収まりそうにない。
アリスの婚約が決まった夜とは全く別の意味で、レヴィは眠れそうになかった。
(お嬢様……)
こんなことになるぐらいなら、あのとき、アリスを攫ってしまえば良かった。
彼女とともに街を出て、二人のことを誰も知らない遠い土地へ行き、慎ましく暮していく――――そうすれば、アリスはこんなふうに悲しまなかっただろう。苦しまなかっただろう。
そう思うと、レヴィは後悔してもしきれない。
本当に、自分が不甲斐なくてたまらなかった。
(私はただ、お嬢様に幸せになっていただきたかっただけなのに)
どうしてそんな、ささやかで当たり前の願いが叶わないのだろう?
レヴィは本当に、アリスに幸せになってほしかった。――――幸せになれると思っていた。
誰よりも、何よりも。世界で一番幸せになって欲しいと願っていた。
それなのに。
そのとき、扉から今にも消え入りそうなほど小さな音が聞こえてきた。ともすれば聞き間違いかと思うほど小さな音だというのに、レヴィの耳に、心に、やけに強く響く。
「レヴィ、私よ」
あの夜よりもずっとか細く、弱々しい声音。
レヴィは驚きに目を見開く。
「アリスお嬢様……」
レヴィの心臓がまた、ドクンドクンと大きく跳ねた。
ホールとアリスの部屋とを何度も往復し、事情をうかがうタイミングを待つ。
その間、衰弱しているアリスのために、温かいスープやミルクを準備させた。心を落ち着けるためのアロマオイルや、追加の毛布、柔らかな夜着など、思いつく限りのものを手配した。少しでもアリスの心と体が安らぐように、と。
(本当に、一体何があったんだ?)
通常ならば、ほんの数ヶ月であんなに痩せ細るなんてありえない。侯爵家できちんと食事を与えられていなかった――――そうとしか考えられない状況だ。
何故?
どうして?
一体なんのためにそんなことをするんだ?
どれだけ自問自答をしても、レヴィにはちっとも答えに行き着けそうにない。
本当は今すぐにでもアリスの夫を――――侯爵を問い詰めに行きたかった。
アリスの想いを踏みにじり、苦しめ、こんな状態に陥らせた元凶を、この世から消し去ってやりたかった。
けれど、なけなしの理性がレヴィをこの場に縫い止める。
彼が侯爵に報復をすれば、国全体を揺るがしかねない大問題に発展するだろう。平民が高位貴族に手を上げる――――とても許される行為ではない。伯爵家だって無事では済まない可能性もある。
兎にも角にもアリスに話を聞いてからだ。
――――そう思っているのだが、どうしたって気持ちは逸る。全身をどす黒い感情が支配し、ちっとも抑えきれない。
(どうして、どうして! どうしてお嬢様が!)
彼の怒りが爆発しそうになったそのとき、伯爵がアリスの部屋から出てきた。伯爵は心底まいったという様子で、深いため息を吐いている。
「旦那様、お嬢様に一体何が……!」
「レヴィ……。すまない、心配させたね」
「そんなことは良いのです! お嬢様に一体何があったのですか?」
伯爵は視線をさまよわせ、肩を落とす。
「――――ついてきなさい」
二人はすぐに執務室へと場所を移した。
しばらくの間、伯爵は何事かを逡巡しながら眉間に手を当て続ける。
「旦那様」
レヴィの焦れったさが頂点へと達したそのとき、ようやく伯爵は、重い口を開いた。
アリスの夫である侯爵には、数年前から身分違いの恋人が存在した。
しかし、貴族の義務として、身分の見合った女性との結婚は避けられない。
そんな彼が結婚相手として選んだのが、政略結婚に最適の相手――――アリスだった。
一見対等に見えるものの、この政略結婚による旨味は、侯爵家よりも伯爵家のほうがずっと大きい。宝石の産地である侯爵家との繋がりにより、安定した需要が見込まれることがその理由だ。
逆に言えば、もしも侯爵が伯爵家への宝石の供給をストップすれば、伯爵家は大きな経済的打撃を受けることになる。
侯爵は、父親の事業をいわば人質にし、アリスに対して契約結婚を突きつけてきた。
アリスは当然断れなかったのだろう。侯爵の契約を飲んだのだという。
それだけならまだ良かった。
侯爵はアリスを冷遇することで、自身の愛情が恋人にしか存在しないことを示そうとしたらしい。
話しかけても無視をするし、アリスの姿を、存在を嘲笑う。身分だけのつまらない女だと散々に詰ったそうだ。
主人の対応というのは使用人たちにも伝染するもの。誰もがアリスを見下し、軽んじるようになった。
結果、アリスは侯爵家で完全に孤立し、禄に食事を与えられず、心身ともに衰弱をしてしまったのである。
「――――そうと知っていたなら、娘を嫁がせたりしなかったのに!」
伯爵は激しく憤り、泣いていた。
当然だ。
大切に大切に育ててきた我が子をないがしろにされ、平然としていられる親は居ない。
レヴィだって当然平気ではいられなかった。手のひらに爪が食い込み、全身が燃えんばかりに熱い。
(許せない)
許せるはずがない。
レヴィのただならぬ様子に気付いたのだろう。伯爵は手のひらを下に向け、落ち着くようにと合図する。
「ひとまず、アリスはしばらくここで療養させることにしたよ。これからのことは私と侯爵とで話し合う。
レヴィ――――あの子のためにも、どうか今は堪えてくれ。頼む」
伯爵にはレヴィの考えがお見通しなのだろう。深々と頭を下げ、懇願されてしまった。
「旦那様、しかし……」
「それより、朝になったらアリスの話を聞いてやってほしい。そのほうがあの子はずっと喜ぶからね」
理屈は分かる。
だが、心で理解ができない。
レヴィは頷くことも首を横に振ることもせず、自室に戻った。
窓を開け、夜風に当たってみるものの、ちっとも怒りが収まりそうにない。
アリスの婚約が決まった夜とは全く別の意味で、レヴィは眠れそうになかった。
(お嬢様……)
こんなことになるぐらいなら、あのとき、アリスを攫ってしまえば良かった。
彼女とともに街を出て、二人のことを誰も知らない遠い土地へ行き、慎ましく暮していく――――そうすれば、アリスはこんなふうに悲しまなかっただろう。苦しまなかっただろう。
そう思うと、レヴィは後悔してもしきれない。
本当に、自分が不甲斐なくてたまらなかった。
(私はただ、お嬢様に幸せになっていただきたかっただけなのに)
どうしてそんな、ささやかで当たり前の願いが叶わないのだろう?
レヴィは本当に、アリスに幸せになってほしかった。――――幸せになれると思っていた。
誰よりも、何よりも。世界で一番幸せになって欲しいと願っていた。
それなのに。
そのとき、扉から今にも消え入りそうなほど小さな音が聞こえてきた。ともすれば聞き間違いかと思うほど小さな音だというのに、レヴィの耳に、心に、やけに強く響く。
「レヴィ、私よ」
あの夜よりもずっとか細く、弱々しい声音。
レヴィは驚きに目を見開く。
「アリスお嬢様……」
レヴィの心臓がまた、ドクンドクンと大きく跳ねた。
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