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壱、
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…あとになってから気づいたのだけれども、急に、ふと さっき見掛けた今川焼きが如何しても食べたくなり、その衝動は如何ともし難く抑えきれず、しかし、いくら地下街をバターになる覚悟でぐるぐる旋回しても、先程の、鉄板は緑青ダラケ、今川焼きも少しどころかところどころか半分くらい焼き焦げていて、一応、店舗としての体裁を装っているだけ、朽ち果てる寸前 、バラックのようなテントは煤だらけだった、京風太郎の露天商は見つからず、あった筈の場所は既に蛻の殻、更地というか単なるフリースペースになっており、果たして一体、幻の店なのか?俺は幻視者だったのか?思いわずらうのだけれども、壁面に掛けられた時計を見ると時刻は既に午後五時で、だから、とっとと店を畳んで京風太郎はうちに帰ってしまったのだろうか?このままおとなしく俺もうちに帰っといた方がいいのか?心底、後悔するのだけれども、後悔 先に立たず、夢のあとさき、風あざみ、私の心は荒れ模様♪しかし、その京風太郎の露店が痕跡なく消失した場所のとなりでは、おなじく露天商風の商いをしている、如何にも青空市に出店していそうな野菜の直売店?があって、その場所に佇んでいると、店を切り盛りしている女将のばばあから、急に、俺がその日ちょうど着ていた(そして、現実世界に於いてはそんな趣味はないのだけれども)キン肉マンの T シャツについて、俺の痩身の体躯を俎上にネタとしていじられ、… あんた、そんなTシャツを着ているのに、全然、キン肉マンじゃないじゃないの?寧ろ、キン骨マンじゃないの?(笑)と、茶化され からかわれ 冷やかされ、こんなファッションの「ファ」の字も理解していないばばあに罵倒され、屈辱に塗れながら、俺はまったく笑えない冗談をブチカマされて閉口していたのだけれども、精神一到何事か成らざらん!なんとか持ちこたえ意識の屋台骨を建て直し、なんとしてでも正気を保とうと突如として甦った希死念慮と悪戦苦闘していたのだけれども、すると、…あんた、これ、ちょっと食べてみなさいよ?と、ちょうど真ん中あたりでパキッ!と真ッ二つに折られたさつまいもの片割れを無闇に手渡され、エアーさつまいもを手に握り締めてそれを口元に近づけ上下にスライドさせはやく喰いなさいよ?という仕草ボディランゲージを示し、その場で食すことを強く促されたのだけれども、俺は、断固拒否。していると、…だったら、いいわよ?俺の握っていたさつまいもの片割れを乱暴に奪い取り、むしゃむしゃとそのさつまいもを貪り喰らい始め、或る一定の時間 喰らっては、さつまいもの皮をコンスタントに床面に吐き散らしながら、…これだから日本人はダメなのよ~!って、なんじゃそりゃ?煩ッせえよ!そしあるくそばばは世界に還元不能。いきなり、何の罪も咎も謂れもない、純粋培養された生活を営み、純粋無垢な精神の持ち主である、善良な市民団の代表である俺は縁もゆかりもない、袖振り合ったつもりもない多生の縁も申請していない許諾したつもりもない、渡る世間は鬼が斬るを地でゆく くそばばあに罵倒され、腐った世の中は義理と人情とファック!圧倒されていると、ここでジタバタしたら世紀末が来るぞ?と言わんばかりイワンのバカ野郎、論駁者たちが華麗に論点のすり替えをするようにして話題を新たに立ち上げて、創業;慶応元年!みたいな老舗、小分けのショーケースで漬物やら惣菜やらを販売している店舗のようにして得体の知れない、我々地元のソウルフードという名目で販売、オーガニックな野菜が所狭しと並べられていたのだけれどもそれらについて俺は何も知らなかったから、…あの、これ、みんな地元産なんですか?と、問うと、こともなけなげ 即座に、…えぇ、そうよ?と、返事が返って来た。俺はそこに並べられていた新鮮であるとは 到底 思えない野菜を本当に何一つとして知らず、一応、オーガニック志向でそのことを謳っているみたいなのだけれども、…本当にそうなんですか?改めて問うと、…じゃァ、これ!喰ってみなよ?と 言いながら、縁という縁にびっしり、南瓜らしきものをすりおろしたと思しき野菜片 がこびりついたスプーンを差し出されたのだけれども、それを受け取り口元へ運ぶ拍子にあやまって床面に落としてしまった。俺はあやまることもなく、そのスプーンを拾ったそのまんまの足でフードコートに附設されている洗面所みたいなところで綺麗に洗って返したのだった。その後、俺が知らない間にMが俺のおばあちゃんと懇意にし勝手に行動を共にしていたみたいなのだけれども(…因みに、現実世界に於いては、父方の祖母も 母方の祖母も どちらも俺が生まれる前の生前、既に亡くなってい、生まれてこの方リアルおばあちゃん体験はない)、あれ?こんなところにフードコードなんてあったんだ?このデパート、何度も来ている筈なのに?というような場所にフードコートがあって、そのフードコートのエリアに 到着すると、俺のおばあちゃんとMがテーブル席に着いて仲睦まじく話している様子が眼に飛び込んで来、…うちの子はね?なんにも知らないのよ?きっと、この場所のことも知らないと思うのよ?と、密談を取り交わしているのが聴こえたから、俺はそのことについてガン詰めしようとにじり寄るのだけれども、たどり着くまでの途中で、…いや、やっぱ、待てよ?それって、逆に俺が惨めになるだけじゃないか?と、思い留まり、ふみ留まる。そのフードコートの隣のエリアでは に面してレントゲン車みたいなバスが横づけされてPCR検査が実施されていた。俺は、おもむろにMに話し掛け、京風太郎の行方を知らないか?問い質すと、実は京風太郎はシュールな作風の漫画家であり、どちらが本業でどちらが副業か?判然としないのだけれども、いずれにしら、二足の草鞋を履く兼業露天商らしく、居場所を知っているからついて来いと、言われるがままに俺のおばあちゃんを置き去りにして、フードコートを後にし、駅前のロータリーに出ると、呆気なく見つかってしまった京風太郎の後ろ姿に、俺は、なんだか思わず拍子抜け。駅前のロータリーに面した舗道で路面店を無許可?でオープンさせようとしている京風太郎のルックスは白髪鬼か、仙人風ルックスで齢はおそらくたぶん八十歳くらいだと思われるのだけれども、実際のところは判らない。実年齢よりも老けて見えているだけなのかも知れない。永年の苦労が皺に刻み込まれ、 が染み込んだたような風貌で、背を丸めながら路面に風呂敷のようなものを拡げてこれからいつもの商いを始めますよ?というような気概こそ感じられないものの諦念のようなものすら感じさせるルーティン的な作業工程のコールに対する、暗黙の了解的レスポンス・エアーがあたりには漂ってい、…あぁ、またあのおっさんがやり始めたよ?というような雰囲気。そして、開店準備をする傍ら、虚ろな表情で虚空を睨みつけながら、…まだまだ、今川焼きは焼き上ってないよォ…、これから、焼くからよォ…、一寸だけ、待っててよォ…、と、腑抜けた叩き売りの口上のような常套句を繰り返しぼそぼそとつぶやいていた。そして、俺をここまで先導して連れて来てくれたMは、地面に落ちていた今川焼きの破片を片足の甲でも裏でもなく腹の部分と言ったらいいのだろうか?内側の部分で見えないように、京風太郎の眼を盗んでちょうど死角になるようにして、誰にも見えない、M本人にしか見えない未来の自分に向かってノールックパス、今川焼きを落ちていた場所から移動させてそこへさりげなく自らも瞬間移動(※ 比喩表現)して、落ちている今川焼き それを拾い上げお済ましFACE(情けないようでたくましくもある♪)で、明後日の方向を向きながら何喰わぬ顔でその今川焼きに喰らいつき頬張っていた。…ってか、よくそんなもん喰えんな?すると、京風太郎は、今川焼きを焼く前に、売れ残りの今川焼きを使って今川焼 賭博を始めようとし、今川焼き賭博とは、果たして一体、何なのか?というと、コイントスの要領で今川焼きの表裏にベットして するという、まことにもって単純至極であり原始的な賭博形式らしく、俺は、そのことについて呆れるしか他になかった。しかし、数回の を経て、いざ、…どちらさんもよござんすね?本番に取り掛かろうとしたところ、本人は真後ろに立たれているからまったく気づかないのだけれども、おまわりさんが無表情で突っ立っていて、俺は、ここでうかうかしていたら男が廃ると言わんばかりのイワンのバカ野郎(PART. Ⅱ )京風太郎が、今、自らが直面している危機に一刻も早く気づくよう、眼で合図、眼配せしてアイコンタクトによる人災K報器を発動させているのだけども、京風太郎は、まったくもって気づかない、気づく素振りさえ見せない。そして、事態は最悪の展開に…、修羅場すらも覚悟し、固唾を呑みこみ見守っていると、おまわりさんは、ちょんちょんと京風太郎の肩を叩き、京風太郎はすぐに振り返るのだけれども、その直後、そのおまわりさんの部下らしき二人組の若いおまわりさんが援護?のためにぞろぞろとやって来て駆けつけるものの、我々の血税で 養っているおまわりさんにはあるまじき愚行の極みであるへらへら尋問におふざけ調査、検挙するどころか京風太郎をかばう始末、…こいつ、俺の弟なんすよォ?だから、勘弁してくださいよォ?って、チャラい のような言葉遣い、仮令、血縁関係にあったとしても、親と子かそれか孫だろう?千歩譲ってお前が弟だろう?というような明らかに京風太郎よりも若いおまりさんが、なんちゃらかんちゃらゲームYEAHHHHHH!!!!!みたいなノリの口の利き方で、しかも、よく見ると鈍器法廷のパーティグッズ コーナーで販売されているような激安コスチューム、もしかしたらこいつら夜鬱婆なのか!? そんな憶測、突っ込みどころ満載のおまわりさんにおっさんポリス、何故か、たじたじで太刀打ち出来ず、剣もほろろろにK察官;オリジネーターはエクスターミネーターに完全包囲され根負けし、おずおずとその場から退散、つまり、この事実は、我々が国家権力に屈せず、無駄な努力なくして勝利の を勝ち取った証左であり、その を、今、眼前で目撃した奇跡的な瞬間だった!改めて、京風太郎はみんなから愛されているんだなァ?と、実感しながら、俺は、今川焼き 賭博をすることもなく、そして、焼き立ての今川焼きを購うことも喰らうこともなく、その場を立ち去り、京風太郎に、…絶対に応援はしないけど、がんばれよ?と心の中でつぶやき無言で別れを惜しむことなく告げて、うちに帰ったら、早速、京風太郎の四コマ漫画をインターネッツで調べよう!と思いながら、フランチャイズのお店に這入ろうとすると、「強制収容!」「キャッチアップ成功!」と、互い違いに繰り返し盛んに来店するお客をいちいち勝手に識別(選別?)している女店員がいて、俺はランドセルを背負ったまんま、この店を素通り通過して目的地とのバイパス代わりにすることに躊躇しながらも総ての店員の白眼視を横眼尻眼にそのまんま店内に吸い込まれるようにして入店し、店の中を駆け抜けて通り過ぎてゆく...。
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