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2.機械の国の・・・

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翌日の朝、
ピーターは母のいない、朝を迎え、
大急ぎで朝食をすませ、家を出た。

キングダムの魔法学の普段の生活に戻らねば
ならなかった。

魔法学校へは家から通っていたが、
教授の教えに従い、やりたくもない実験を
繰り返す退屈な日々。


ピーターの通う、ジョバーグ魔法大学は
キングダムでは伝統ある、魔法大学である。

大学に通い、教授のアンドリューの研究室に
顔をだす。
『このたびは残念だったね』

アンドリュー教授からもありきたりではあるが
ねぎらいとお悔みの言葉をもらう。

同期で幼馴染のアニーが心配して声をかけてくる。
『ピーター元気にしてた?おばさまのこと
本当に残念』

アニーは、キングダムの軍隊司令官の娘で
葬儀ひとつに列席するにもキングダムの政府の許可が
いる。
伝染病であった母アリスの葬儀には出席するこがかなわ
なかったのだ。

『アニーありがとう。なんとか大丈夫だから。』

『強がっちゃって。困ったことがあったら何でも言ってね。』

とりとめのない会話をして、ピーターは研究室の
自分のタブレット端末をたちあげる。
メッセージが複数入っている。

その中に・・・・・・・・
差出人 アリス コロリス

母からのメッセージが残っていた。

『ピーターへ

元気にしているかしら。このメッセージが届くということは、
私は、いま、この世界からはいないかもしれない。
心配はしないで。母さんの心はいつも、あたなと
ともにある。たぶん、あと数週間で戻れるから』


うん・・・・・・・・・・・どういうことだ。
戻れる????

死者が生き返るということだろうか。
そんなことありえない。
確かに自分は母を葬儀をして見送ったはずだ。
メッセージには続きがあった。
『しばらく、帰れないかもしれないので、お願いがあるの。
むかし、あなたが小さい頃、よくよんであげた絵本があるでしょ。
あの中の機械の国のエピソードを読みかえしてみて。

以上よ。また連絡する。』

短い文章なのに・・・謎であふれていた。母さんは死んだはずなのに
メッセージが届くなんて。
誰かのいたずらだろうか。


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