フォーティテュード 導かれしもの

Tucker315

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3.秘密の本

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夕方になるのを待って、ピーターはジョバーグ魔法大学を
後にした。

数時間ぶりに帰った家が、とてもひっそりしているように
感じる。

母アリスが急逝してから、数日、
ピーターにとっては、大学に通って、気がまぎれた
つもりでいたが、家に帰ってくると、
現実を突きつけられている、そんな気がした。

リビングの先にある母の書斎。
そこにあの本はあるはずだった。

部屋に入ると母アリスとの思い出が
ピーターを取り巻いた。
小さい頃、一緒に食べたアイス、
一緒に寝てもらったこと、
幼馴染のアニーといたずらして怒られたこと、
すべてがなつかしかった。

感傷的になっていたが、
強い好奇心がピーターを動かした。

絵本・・・・機械の国に関するもの・・・

記憶を呼び戻し、書斎をさぐる。
魔法使いなのに、こんなこと、、自分で
探さなければならないのか、そんなこと
考えつつ、書棚を探す。

『あった。』

思わず声がでる。

『機械の国の姫 オーリスと仲間たち』

母によく読んでもらったものだ。
手にとってみると、本には、細工がなされていた。

中をのぞくと、一枚のメモが添えられていた。

『ピーターへ

この本とメモを見つけてくれてありがとう。
机の中に杖があるから、それを持って、
強く母さんに会いたいと念をこめて、

次の言葉を唱えて。

『ギャーテー ギャーテー ハーラー ギャーテー
ハラソー ギャーテー』

母さんは、いつもあたなとある。幸運を祈る。』


机の中を物色し、例の杖とやらを見つけ、
手に取る。

ピーターは覚悟を決め、メモのとおり
なにかはわからぬ呪文を唱えることにした。


『ギャーテー ギャーテー ハーラー ギャーテー
ハラソー ギャーテー』

そのとき、強い光がさし、部屋を覆う。
ピーターは気を失う。


目が覚めると、ピーターが寝ていたのは、
魔法の国キングダムではなく、異なる世界・・・・の
『どこか』であった。


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