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出会いましょう、新しい世界と共に
第十三話 哀愁漂わせ、人は強くなる
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「え?貴族の学園の生徒会長をその場で盛大にフッたの?」
【はい。旦那様以外は興味がないので、お断りさせていただきました】
放課後、授業を終えて自由に寮の自室で過ごしている中、今日会ったことの話を聞いていたのだが、どうやら盛大にやらかしたらしい。
本日先生の話でも出ていた、貴族の学園の生徒会長訪問…その件の会長にいきなり求婚されたそうだが、速攻でお断りをしてしまったようだ。
一目惚れらしい動きだったが、電光石火の勢いでやったのに早すぎる失恋がすごいショックだったのか、しばらくの間生徒会長は石化しているがごとく固まり、そのまま回収されたようだ。
学園内での一目惚れからの失恋記録としては3位に入るような出来事だったようで、生徒たちの間に話はすぐに広がったらしい。
…なお、これで3位の速さだというが、それならば1位はどのようなものかという疑問もある。
そんなことがこの学園では記録されているのかと思うが、伝えられるものからしてみればずっと黒歴史が残り続けるようなものだから溜まったものではないだろう。
今回の生徒会長の一件も、記録が破られるまでは語り継がれるのか…
「何だろう、男としてすごく同情するな…」
【キュル?そうなのでしょうか?】
受けた側としては何とも思ってないとしても、皆の前で失恋した会長には心の底から同情するだろう。
なんというか、惚れた相手が悪すぎたというべきか…お詫びの品を用意しておくべきだろうか。
「しかしハクロ、断るとしてももうちょっと間をあけてとか、言葉を選ぶこともあるけど…そんなに付き合えなかったのか?」
【そうですよ、だって旦那様がいますからね】
「旦那様ねぇ…言うのもなんだけど、この学園には俺以外にも良い男はいるとは思うぞ?勉強が出来たり運動神経が良かったり、見た目も良くて性格もいいやつとか、探せば多いのに、そういうやつらは選ばないのか?」
自分が平凡なのに、それよりもはるかに突出しているハクロが縛られていていいのだろうか。
身に余り過ぎる彼女なのに、自分のようなもののそばにいて良いのかと思う気持ちもある。
【んー…無いですね。確かに、魔獣の中には優秀な子孫を残すために多くの番を求める者もいると聞いたことはありますよ。魔獣学の授業でもそういう種類がいるって学びました。けれども…ええ、私にとっての大事な大事な大事な番としては、旦那様しかありえませんよ】
しばし考え、そう言いながらルドのほうに向きなおるハクロ。
その眼は真剣なものであり、嘘偽りないことを述べている。
【私の、生涯の旦那様。この身を捧げるのは、運命の番だけ…それ以外の異性で親しくなっても、それらはそれだけのもの。そばに居たいと思えるのは、貴方以外にはいないのです】
「そういうものなのか」
【そういうものなのですよ】
ふふっと笑みを浮かべて、はっきりと断言するハクロ。
彼女にとってはルド以外、例え仲がいい友人という枠が出来たとしても、それ以上に発展することはなく、ずっとルドのそばに居続けるようだ。
ある意味、永遠のストーカー宣言ともすさまじい執着心とも言えなくはないのだが…それでも、断固たる意志ではっきりと宣言されると、心なしか気恥ずかしさを覚えるような気もする。
「そっか、それで良いなら良いか」
平凡だろうと何だろうと、番である以上、離れる気もない。
魔獣としての本能に縛られているように見えもするのだが…それでもどうしてか、番の枠というよりも自分自身を見て告げているように思える。
なんとなく悪い気もしないので、彼女自身が決めているのであればその意思を尊重しようと考えるのであった…
…いや、じわりじわりと攻められている気がしなくもないな。
最初の頃は突撃に警戒していたけど、気が付いたら懐へ迫ってきているような…その事実、気が付かないで置いたほうが幸せなのだろうか。
ルドが外堀と一緒に自分自身も着実に埋められつつあるのではないかということに気が付いたそのころ。
王都内のとある屋敷では、ある情報が届けられていた。
「…そうか、あの第一王子が即座に落とされるほどか…噂には聞いていたが、それほどまでの美しさを有する魔獣とはな」
「はっ、一目惚れのようなものなので、その美しさだけとはいいがたいですが…間違いなく、容姿だけでいえば最高クラスかと思われます」
昼間の生徒会長…王子の失恋劇場は学園内で広がっていたが、その学園の様子を外から観察している者たちもおり、状況を把握していた。
王都内で生徒たちに混ざって過ごしつつある、美しい蜘蛛の魔獣の話。
単なる眉唾話のように思えるが本当の話であり、その容姿の美しさたるや言い表せないほどのもの。
さらにいえば、過去にとある例で生じた問題の対策のために王族に施された魅了対策のものもあるのだが、今回はその対策を無視するような美しさがあった。
それだけでも非常に価値があり、狙うに値するもの。
「しかし、実力も高いとなるとそうたやすくはいかぬが…ならば、正面から行かなければ良いだけのことよ」
いくら相手の実力が高かろうとも、弱いところは誰にでもあるもの。
相手が魔獣だとしても、完全無敵のものではない。
怪しい企みが密かに進み、夜が更けていくのであった…
「それにしても、フラれるまでの速度が学園内で3位か…1位はどうだったか」
「告白する前に、目に見えぬ速さでもぎ取られたらしいですね。幸いなことに、医療班が間に合って助かったそうですが」
「そうか、もぎ取…え?」
【はい。旦那様以外は興味がないので、お断りさせていただきました】
放課後、授業を終えて自由に寮の自室で過ごしている中、今日会ったことの話を聞いていたのだが、どうやら盛大にやらかしたらしい。
本日先生の話でも出ていた、貴族の学園の生徒会長訪問…その件の会長にいきなり求婚されたそうだが、速攻でお断りをしてしまったようだ。
一目惚れらしい動きだったが、電光石火の勢いでやったのに早すぎる失恋がすごいショックだったのか、しばらくの間生徒会長は石化しているがごとく固まり、そのまま回収されたようだ。
学園内での一目惚れからの失恋記録としては3位に入るような出来事だったようで、生徒たちの間に話はすぐに広がったらしい。
…なお、これで3位の速さだというが、それならば1位はどのようなものかという疑問もある。
そんなことがこの学園では記録されているのかと思うが、伝えられるものからしてみればずっと黒歴史が残り続けるようなものだから溜まったものではないだろう。
今回の生徒会長の一件も、記録が破られるまでは語り継がれるのか…
「何だろう、男としてすごく同情するな…」
【キュル?そうなのでしょうか?】
受けた側としては何とも思ってないとしても、皆の前で失恋した会長には心の底から同情するだろう。
なんというか、惚れた相手が悪すぎたというべきか…お詫びの品を用意しておくべきだろうか。
「しかしハクロ、断るとしてももうちょっと間をあけてとか、言葉を選ぶこともあるけど…そんなに付き合えなかったのか?」
【そうですよ、だって旦那様がいますからね】
「旦那様ねぇ…言うのもなんだけど、この学園には俺以外にも良い男はいるとは思うぞ?勉強が出来たり運動神経が良かったり、見た目も良くて性格もいいやつとか、探せば多いのに、そういうやつらは選ばないのか?」
自分が平凡なのに、それよりもはるかに突出しているハクロが縛られていていいのだろうか。
身に余り過ぎる彼女なのに、自分のようなもののそばにいて良いのかと思う気持ちもある。
【んー…無いですね。確かに、魔獣の中には優秀な子孫を残すために多くの番を求める者もいると聞いたことはありますよ。魔獣学の授業でもそういう種類がいるって学びました。けれども…ええ、私にとっての大事な大事な大事な番としては、旦那様しかありえませんよ】
しばし考え、そう言いながらルドのほうに向きなおるハクロ。
その眼は真剣なものであり、嘘偽りないことを述べている。
【私の、生涯の旦那様。この身を捧げるのは、運命の番だけ…それ以外の異性で親しくなっても、それらはそれだけのもの。そばに居たいと思えるのは、貴方以外にはいないのです】
「そういうものなのか」
【そういうものなのですよ】
ふふっと笑みを浮かべて、はっきりと断言するハクロ。
彼女にとってはルド以外、例え仲がいい友人という枠が出来たとしても、それ以上に発展することはなく、ずっとルドのそばに居続けるようだ。
ある意味、永遠のストーカー宣言ともすさまじい執着心とも言えなくはないのだが…それでも、断固たる意志ではっきりと宣言されると、心なしか気恥ずかしさを覚えるような気もする。
「そっか、それで良いなら良いか」
平凡だろうと何だろうと、番である以上、離れる気もない。
魔獣としての本能に縛られているように見えもするのだが…それでもどうしてか、番の枠というよりも自分自身を見て告げているように思える。
なんとなく悪い気もしないので、彼女自身が決めているのであればその意思を尊重しようと考えるのであった…
…いや、じわりじわりと攻められている気がしなくもないな。
最初の頃は突撃に警戒していたけど、気が付いたら懐へ迫ってきているような…その事実、気が付かないで置いたほうが幸せなのだろうか。
ルドが外堀と一緒に自分自身も着実に埋められつつあるのではないかということに気が付いたそのころ。
王都内のとある屋敷では、ある情報が届けられていた。
「…そうか、あの第一王子が即座に落とされるほどか…噂には聞いていたが、それほどまでの美しさを有する魔獣とはな」
「はっ、一目惚れのようなものなので、その美しさだけとはいいがたいですが…間違いなく、容姿だけでいえば最高クラスかと思われます」
昼間の生徒会長…王子の失恋劇場は学園内で広がっていたが、その学園の様子を外から観察している者たちもおり、状況を把握していた。
王都内で生徒たちに混ざって過ごしつつある、美しい蜘蛛の魔獣の話。
単なる眉唾話のように思えるが本当の話であり、その容姿の美しさたるや言い表せないほどのもの。
さらにいえば、過去にとある例で生じた問題の対策のために王族に施された魅了対策のものもあるのだが、今回はその対策を無視するような美しさがあった。
それだけでも非常に価値があり、狙うに値するもの。
「しかし、実力も高いとなるとそうたやすくはいかぬが…ならば、正面から行かなければ良いだけのことよ」
いくら相手の実力が高かろうとも、弱いところは誰にでもあるもの。
相手が魔獣だとしても、完全無敵のものではない。
怪しい企みが密かに進み、夜が更けていくのであった…
「それにしても、フラれるまでの速度が学園内で3位か…1位はどうだったか」
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