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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~

ver.3.1-52 いつもとは違う、逆戦法

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…‥‥プロトから大幅に仕様変更され、今回の助っ人の先陣として来てくれたルルア&ダリア。
 どうやら試していた時の職業からも変更されており、上級職へ移り変わっているようである。

「『ウィードハンター』に『ボンガード』…‥‥どっちも正統派のさらに上というところか?」

―――――
『ウィードハンター』
デスイーターの職業を持つ者が、スキル「草刈り達人」を獲得していた場合に顕現する特殊な職業の一つ。
職業の持ち主が「雑草」として認識した相手に対して、大幅にステータスが向上する効果もあり、植物系のモンスターの耐性を無視して攻撃することが可能である。

『ボンガード』
タンクバズーカの職業を持つ者が、称号『大要塞』を獲得していた場合に顕現する特殊な職業の一つ。
防御面のステータスが大幅に増加するほか、備え付けられた砲撃がタンクバズーカー自体よりも2.08倍の倍率で攻撃を可能とする。タンクマンより防御力が劣るが、それよりも攻撃が上昇した職業とも言える。
―――――

 どうやら今回のフォレストデストロイヤー相手にはかなり強く出られる者たちのようだが、それでも相手は鏡面世界ののじゃロリが呼びだしたモンスター。
 耐性なども正反対になっているだろうし、斬撃・砲撃共に従来ならば効果が非常に大きく見込めるはずなのだが、逆になっていると考えると結構厳しいかもしれない。

 だがしかし、そんな心配は無用過ぎた。よく考えたら、あの魔導船を戦艦にまで改造しまくっているロロと同じ使用人なのだから…‥‥


ドッッゴォォウス!!
【グゴガァァァァァ!?】

「…‥‥鎌の石突部分で攻撃しているよ」
「あ、打撃攻撃になるから、斬撃とは別になるのか☆」

 斬撃が効きにくいのであれば、殴ればいい話しだと言わんばかりに、武器としての鎌を槍のように突くように扱い、ダメージを与えているようだ。
 ただ、ここはデストロイヤーだけに狙いを定めるわけにはいかないのだろう。

ドゴン!!
【だからこそ、こちらは私の方が相手をしましょう】
「ちぃ、面倒な奴らが来たのぅ!!」

 隙を見せないように、ダリアが砲撃をして鏡面のじゃロリを狙うが、ギリギリで回避をされる。

「逃げられぬようじゃが、何をした!!」
【簡単なことでございます。監視部門及び技術開発部門が既に手を回しただけです。運営側限定の移動手段を利用していたようですが、偽装されていたプログラムを破棄しており、使えないようにしているのですよ】

 どうやら既に色々と手を打っているようで、確実に逃がさないようにしているらしい。
 その割には巻き込まれた人たちもいるようだが、そちらはそちらで後で確認を行い、しっかり騒動のお詫びを出す予定だが、今はまず目の前の危険な鏡面のじゃロリを狙うことにしているようだ。


【しかし、妖精女王の城にある「初代像」を狙うとは、やはり目的は現実干渉プログラムの作成だったようですね。キープログラムのありかを把握しているとは、早めにきて正解でした】
「現実干渉プログラム・・・?」

 内容から察するに余計に面倒なことになりそうな案件だという事だけは良く分かる。
 のじゃロリをさらに厄介にした鏡面のじゃロリが現実に出てきたら、それこそココでの騒動の日にならないようなやらかしをするのは目に見えているからだ。

「とはいえ、はいココで諦めて消去されまーす、なんてことはないのじゃ!!ココで何としても逃げさせてもらうからのぅ!!『フォレストデストロイヤー』連続召喚!!」
バッチィン!!
「ほげっ!?」
【…‥‥ここで次の手をやられないようにするのは、当り前のことです。もうできないようにしているので、来れ以上の増援はできません】

ザッゴォォォォォォォン!!
【グガゴエエエエエエエエエエエーーーーーーーーー!!】

【それと、今雑草の排除が出来ましたので、四面楚歌な状況になりました】

 告げている間に暴れていたフォレストデストロイヤーがいつの間にか敗北していたようで、全身が一気に朽ち果てて消え失せ、ドロップアイテムを残して無くなってしまった。

「ぐぬぬぬぬ…‥‥恐るべし、運営の先行部隊。二人だけじゃというのに、何故こうも強い奴をよこしてくるのじゃよ」
【それだけ危険度を認識しているからです】
【ただの外部のハッカーなど相手ならば、社会的制裁のみで生涯表を歩けなくなる程度ですみますが、あなたの場合は壊れたNPC…‥‥放置すると不味くなるのは良く分かっているのです】

 さらりとやばい制裁の話も聞こえてきたが、この状況に対してもうどうすることもできないはずである。
 召喚もできない、逃亡もできない、仮に彼女達よりも弱いであろう僕たちを狙って人質にする手段を取って来たとしても、取る前に消し飛ばされそうだ。

 もはや絶体絶命としか言いようのない状況で、鏡面ののじゃロリは考えこんだようだが‥‥‥それでもまだ手はあったらしい。


「ふふふふ‥‥‥はははははっ!ここまで追い込まれたのは生まれて初めてじゃが、まだ手はあるのじゃ!運営からの干渉を考えずにノコノコここまでくるわけがなく、ココで使わせてもらうのじゃ!!」

 急に高笑いをしたかと思えば、懐から何かを取り出す。
 見たところドクロマークが描かれているようで、一瞬自爆でもするのかと思ったが、そうでもないらしい。

「こういう時のために仕込んでおいた隠しプログラム、発動!!」
【させません!!】
【起動前に切捨てます!!】

 押されると何か不味い予感でもしたのか、素早くルルアとダリアが鎌を投げ砲撃を行う。

ドッガァァァァアン!!

 しかし、その攻撃を防ぐように…‥‥ボタンを持つ腕とは違う手で、何かを盾にしていた。

「の、のじゃ…‥‥ぐえぇ…‥‥」
「っ!?まさかオリジナルの方ののじゃロリか!?」

 持っていたのは、プログラムを改ざんされたらしいオリジナルの方ののじゃロリ。
 何やら水晶のような中に閉じ込められているのだが、その水晶が盾になっており、ダメージ自体は中身の方に伝わっているようだ。

カチッ
ザバァァァァン!!

【ヒォッフゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!夫となKODesukalalalgyi59e59dg397497gy7xf5w010101!!】

「その上妖精女王が湖から這い上がって来たぁ!?」
「なんか様子がおかしいどころか、怖っ!?ホラーのようになっているねぇ☆!!」
【ちっ、既に改造済みでしたか!!】
【妖精女王に事前に仕込んでいたとは、やかっかいなことをされてますね】

 ボタンを押し、這い上がって来たのは妖精女王。
 だがしかし、様子が明らかにおかしいような、ホラー要素が増しているようになっており、こう某有名な井戸から出て飛び出してくる怪異に近い状態になっている。

「ふははははは!!こやつの結婚できなさに流石に哀れになって、いざとなれば無理やり恐怖で夫を獲得できるような制圧プログラムを仕込ませてもらったのじゃが、こういう時に役立つようじゃな!!」
「本気で何をやってんの!?」

 何をどうしてそういう思考を導き出せたのかはともかく、余計に場の混乱を招くようであった…‥‥鏡面ののじゃロリとは言え、その厄介さはオリジナルと大差ないどころか、更にたちを悪くしているのかだろうか‥‥‥

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