転生先はミミックでしたよ

志位斗 茂家波

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誕生・ダンジョン生活編

人生何があるかわからない

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 人生、何があるかわからない。
塞翁が馬とかって言葉があるけど、今の状況こそがまさにわからない状況である。


『すまん!お主をつい間違えて引き裂いてしもうたんじゃ!』
「はぁっ?!」

  目の前で土下座する老人を見て、すぐに何があったか理解した。

・・・・俺の人生、すでに終わったようであった。






 事の始まりは今朝の通学中であった。

 俺、夜空 紅はいつものように通学している高校へ向かって歩んでいた。
自宅から徒歩23分の場所で、何もないつまらない毎日。
親しい友人たちも特におらず、一人で行動するのが好きだったから別にいいけどね。

余裕をもって歩き、人がそこそこ集中しているスクランブル交差点を横断中にそれは起こった。


ビリッ・・・・


 何かが裂けるかのような音がした、と思ったとたんに、


ビリッビリリリリリ!

・・・・自分の身体が裂けるチーズのように、突如として、いきなり裂けた。

 周囲に悲鳴が上がり、慌てふためき、警察や救急車を呼ぶ人の声が聞こえるなかで、あっと言う間に夜空の意識は途切れた・・・・



「そうか、そこで俺は今この場にいるというわけか」
『そういうわけじゃ。原因としてはその言いにくい事なんじゃが……』

 思いっきり目をそらす、自称神だという目の前の老人。


 その内容を聞くと、怒りを通り越して呆れるような理由があった。






「要は、手に持つ存在を間違えたのが原因かよ」
『人の子の個体数を整理しておる作業中に、おやつにでもと瀬角だからおいしそうな裂けるチーズとやらを買って、それを手に取って食べようとしたのじゃよ。そしたらここ最近の老眼でついうっかりチーズとその時のお主の存在とでもいうべきものを取り違えて、気が付いたときにはお主の元の身体は裂けていたのじゃ……』


 例えはある意味間違えていなかった。

 けど、チーズとの間違いで引き裂き殺されるとはひどい話であり、しかもその上に……


『お主の元の世界では、その不審な死に方から検死解剖までやられてのぅ、もうその世界に生き返らせるのは不可能となったのじゃ』
「変えるべき肉体がないってことかよ!?」


 既に変えるべき身体もなく、本来なら死亡したのならその世界での魂の循環とやらに取り込まれてまた生まれ変われるはずだったが……夜空の死因は神の手違いということであり、相当やらかしていることになるそうだ。


 詳しい話を聞くと、この目の前の自称神以外にも神々というのがいて、様々な世界にたくさんいるそうである。

 で、そこまでいると当たり前に上下関係なんかもできて、目の前にいる神は意外にも上の存在で、バレたら格下げ決定になるのだとか。

 そこで、隠ぺいのためにもその魂の口封じ的な事で特別処置を施してくれるらしい。


『いわゆるチートじゃ。それで適当なのを見繕って、若者に最近受けているという剣と魔法があるような異世界転生させてやるから、このことをどうにか内密に頼むのじゃ!!』

 夜空の目の前で土下座する老人(神)。


 なんというか、自身の失敗を消そうとする情けない人にしか見えないが……それでも意外にも高い位の神らしいので、そんじょそこいらの者たちよりも強力なものをくれるらしい。



仕方がないというか、少年心がくすぐられるというか、異世界転生をさせてくれるならそれはそれでいいかもしれない。


 とりあえず、夜空は承諾してそのまま異世界へ転生させられるのであった……。
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