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大国のその後 少女視点
―――――ある森で、少女が悪魔を召喚してから数年後、少女の国を滅ぼした大国のエルバーン帝国は、いつしかどんどん領土を縮小し、もはや国の存続すら危うい状況へ変わっていた。
これまで他国を蹂躙し、領土拡大を行って栄えていた帝国であったのだが、いつしかその征服したはずの国々が復興を始め、独立を唱え始めたのだ。
また、各地の貴族たちもそれぞれの権力拡大を急に狙い始めて反乱を起こしたり、その上何もかも欲しがっていく人が多くなったがゆえに略奪行為や盗難が増加して、治安すら滅茶苦茶になったのだ。
賄賂などの汚職は当たり前となり、政治を担う者たちもより高い地位を目指し始め、いつしか血生臭い争いへ変わり、平和なところはどこにもなくなった。
そのうち、国はどんどん分裂していき、あっちこっちで反乱が起きては抑え込み、次第にできなくなって、手国はついに崩壊寸前に追い込まれた。
もはや誰も従わず、危いところであったある日、帝国はとある噂を耳にした。
それは、長年誰も出てこれなかった「帰らずの森」に、ある魔女が姿を現したというのだ。
その魔女は望めば治療を行ったり、薬を渡したり、人々を手助けなどをしてくれ、その上すごい魔法も扱えるという噂である。
そこに帝国は目を付けた。
その魔女を帝国に引きいれ、その彼女の力で再び帝国を強大な大国へ戻そうと考えたのである。
だがしかし、その魔女がいる場所が問題であった。
帰らずの森は誰も帰ってこれず、出入りできているのはその魔女のみ。
美貌もすごいらしく、その美貌目当てで入っていく輩もいたのだが、誰一人として戻ってくることはなかった。
そこで、帝国はあることを考えた。
魔女の住みかに行けぬのならば、その出てきた時を狙えばいい。
タイミングを見計らい、帝国は使者を出した。
だがしかし、魔女からの返事はただ一言、「嫌だから無理」だけであった。
その内容に、帝国は激怒した。
たった一言で、しかも嫌だとかいう感情論で舐められたように思ったからである。
自分たちの思い通りにならないような事に対して、くだらないプライドが傷つけられたとも感じたからであろうか?
その魔女を悪しき存在、帝国に害をなす者として決めつけ、討伐するために軍を派遣させた。
……けれども、誰も討伐できなかった。
軍はどういうわけか帰って来ず、その失敗が目に見えて分かってしまったのである。
そのせいで帝国は軍を失い、自衛するすべもなくなった帝国は、いつの間にか他国から攻め込まれて、滅亡してしまったのであった。
―――――森の中にポツンと建てられた一軒家。
そこで、少女は本を読み終えて、家の中にある書庫へ入った。
「兄さま、この本を読み終えたので、別の本はないでしょうか?」
「ん?ああ、それならこれなんかどうだ?魔界でベストセラーの作家が書いたものだ」
少女が尋ねると、兄となっている悪魔が本を本棚に戻しつつ、新たな本を取り出して少女に手渡す。
「魔界のベストセラー…‥‥悪魔のどなたが書いたものです?」
「いや、悪魔じゃないな。こいつは悪魔が契約し、魂を取られたやつが魔界で労働しながら描いたものらしい。リアルな日常生活を目で見て取れるようで、新鮮さが売りなのだとか」
本を見ながら少女が尋ねると、悪魔はそう告げる。
「‥‥‥ん?」
「どうしたのですか、兄さま?」
ふと悪魔が何かに勘づいたように動いたので、少女は尋ねた。
「いや、森の中で犠牲者がまた出たなと思ってな」
「またですか?最近、やけに多いですね」
「この間、一国の軍隊規模で人が入ったようだからな…‥‥面倒だし、この家に来ないように細工はしていたが、なんでこうも天に召される輩が多いのやら?」
「それだけ弱いのでしょうかね?」
とりあえず、別に気にするような事でもないと二人は思い、書庫の整理を悪魔がしつつ、少女は別室に行き、そこで本を読んだ。
そして、読みながらふと、少女は思い返す。
昔、ある王国の王女であった娘は国を滅ぼされ、必死になって生き延びてきた。
そして今、森の中で兄になった悪魔と共に、ゆっくりと魔女として過ごしている。
今のようなゆっくりした生活は、少女が望んでいた者であろう。
国の家族は亡くしたが、今は優しい悪魔の兄が共に暮らしてくれる。
平和な日々を送り、その幸せを思うと、少女は自然と笑顔になるのであった。
これまで他国を蹂躙し、領土拡大を行って栄えていた帝国であったのだが、いつしかその征服したはずの国々が復興を始め、独立を唱え始めたのだ。
また、各地の貴族たちもそれぞれの権力拡大を急に狙い始めて反乱を起こしたり、その上何もかも欲しがっていく人が多くなったがゆえに略奪行為や盗難が増加して、治安すら滅茶苦茶になったのだ。
賄賂などの汚職は当たり前となり、政治を担う者たちもより高い地位を目指し始め、いつしか血生臭い争いへ変わり、平和なところはどこにもなくなった。
そのうち、国はどんどん分裂していき、あっちこっちで反乱が起きては抑え込み、次第にできなくなって、手国はついに崩壊寸前に追い込まれた。
もはや誰も従わず、危いところであったある日、帝国はとある噂を耳にした。
それは、長年誰も出てこれなかった「帰らずの森」に、ある魔女が姿を現したというのだ。
その魔女は望めば治療を行ったり、薬を渡したり、人々を手助けなどをしてくれ、その上すごい魔法も扱えるという噂である。
そこに帝国は目を付けた。
その魔女を帝国に引きいれ、その彼女の力で再び帝国を強大な大国へ戻そうと考えたのである。
だがしかし、その魔女がいる場所が問題であった。
帰らずの森は誰も帰ってこれず、出入りできているのはその魔女のみ。
美貌もすごいらしく、その美貌目当てで入っていく輩もいたのだが、誰一人として戻ってくることはなかった。
そこで、帝国はあることを考えた。
魔女の住みかに行けぬのならば、その出てきた時を狙えばいい。
タイミングを見計らい、帝国は使者を出した。
だがしかし、魔女からの返事はただ一言、「嫌だから無理」だけであった。
その内容に、帝国は激怒した。
たった一言で、しかも嫌だとかいう感情論で舐められたように思ったからである。
自分たちの思い通りにならないような事に対して、くだらないプライドが傷つけられたとも感じたからであろうか?
その魔女を悪しき存在、帝国に害をなす者として決めつけ、討伐するために軍を派遣させた。
……けれども、誰も討伐できなかった。
軍はどういうわけか帰って来ず、その失敗が目に見えて分かってしまったのである。
そのせいで帝国は軍を失い、自衛するすべもなくなった帝国は、いつの間にか他国から攻め込まれて、滅亡してしまったのであった。
―――――森の中にポツンと建てられた一軒家。
そこで、少女は本を読み終えて、家の中にある書庫へ入った。
「兄さま、この本を読み終えたので、別の本はないでしょうか?」
「ん?ああ、それならこれなんかどうだ?魔界でベストセラーの作家が書いたものだ」
少女が尋ねると、兄となっている悪魔が本を本棚に戻しつつ、新たな本を取り出して少女に手渡す。
「魔界のベストセラー…‥‥悪魔のどなたが書いたものです?」
「いや、悪魔じゃないな。こいつは悪魔が契約し、魂を取られたやつが魔界で労働しながら描いたものらしい。リアルな日常生活を目で見て取れるようで、新鮮さが売りなのだとか」
本を見ながら少女が尋ねると、悪魔はそう告げる。
「‥‥‥ん?」
「どうしたのですか、兄さま?」
ふと悪魔が何かに勘づいたように動いたので、少女は尋ねた。
「いや、森の中で犠牲者がまた出たなと思ってな」
「またですか?最近、やけに多いですね」
「この間、一国の軍隊規模で人が入ったようだからな…‥‥面倒だし、この家に来ないように細工はしていたが、なんでこうも天に召される輩が多いのやら?」
「それだけ弱いのでしょうかね?」
とりあえず、別に気にするような事でもないと二人は思い、書庫の整理を悪魔がしつつ、少女は別室に行き、そこで本を読んだ。
そして、読みながらふと、少女は思い返す。
昔、ある王国の王女であった娘は国を滅ぼされ、必死になって生き延びてきた。
そして今、森の中で兄になった悪魔と共に、ゆっくりと魔女として過ごしている。
今のようなゆっくりした生活は、少女が望んでいた者であろう。
国の家族は亡くしたが、今は優しい悪魔の兄が共に暮らしてくれる。
平和な日々を送り、その幸せを思うと、少女は自然と笑顔になるのであった。
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