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いざ、魔法屋へ……
#31 愚か者への裁きなのデス 前編
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SIDE都市アルバス:冒険者ギルド:ギルド長ゲルハード
……今、ゲルハードは非常に物凄く冷や汗を流し始めていた。
冒険者たちがなかなか来なくなり、閑古鳥がもう長く鳴いて、そろそろ休業の危機が迫ってきた中……朝、起きて体を起こした時に、部屋の壁を見て固まったのだ。
なぜならば、その部屋の壁には‥‥‥
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!?」
壁一面、びっしりと真っ赤な手形がこれでもかと言うほどかかれており、しかも気が付けば、自身の身の回りに、ありとあらゆる部分に手形があったのだ。
これでもゲルハードは元冒険者と言う事もあり、就寝時の警戒はそれなりにしていた。
だがしかし、朝起きて行き成りこのような目に遭えば、恐怖しかなかった。
「い、いや、誰かのいたずらだよなぁ!」
気分を変えるため、気丈にふるまい、壁にびっしり書かれている赤い手形に触れてみる。
どうせ、誰かがいたずらでやった赤い絵の具かと思ったが…‥‥近くによって、その臭いでゲルハードは悟った。
これは、本物の血で描かれたものであると。
しかも、触って見たところ生暖かくて、まだつけられて時間がそう経ってないことを示しており、それが意味するという事は‥‥‥その手形の主がまだそう遠くに行っていない可能性があることだ。
「ぎ、ぎやぁぁぁぁぁ!!」
その事実に気が付き、思わずゲルハードは絶叫するのであった。
気絶から目が覚めた後、比較的短い時間だけしていたのだと気が付き、これ以上考えたくないし、悪質ないたずらだと結論づけるゲルハード。
こうなれば仕事をしている方が良いと思ったのだが‥‥‥‥ギルドの中に入った途端、職員たちが一斉に彼へ目を向けてきた。
ぎょろん!
「!?」
効果音がそう聞こえるほど、全員一斉に振り向き、ゲルハードは驚愕する。
ここまでそろった動きは今まで見たことがなく、物凄い嫌な予感を感じさせたのだ。
一体どうしたのかと聞く前に、職員の一人がゲルハードへ声をかけた。
「ギルド長。少々いいでしょうか」
「な、なんだ?」
「ギルド長に客が来ています」
「客だと…‥‥?」
誰かが来るなんて予定もなかったし、どういうことなのかゲルハードは首をかしげる。
だがしかし、一つだけ言えるとすれば‥‥‥‥非常にろくでもないことしか感じさせない。
この場から逃げ出したい衝動にかられたが、客を無碍にもできずに、ギルドにある応接室に客がいるというので部屋に入れば‥‥‥
「なっ‥‥‥!?」
そこにいたのは、かつてゲルハードは数回程度しか見ていないが、印象深い…‥‥冒険者ギルド本部の本部長、通称ギルドマスターとも呼ばれる人物であった。
「ぎ、ギルドマスターの…‥‥アディク様!?」
「お、名前は覚えていたのか。この都市のギルド長ゲルハードや」
まだ年若く、容姿端麗な青年に見えるのだが、実は彼は人間ではない。
エルフ族と呼ばれる中の変わり者らしいが、要は見た目の年齢を取るのが遅いだけの人物である。
だが、それでもかつては冒険者の中でトップクラスの実力を持った人物であり、しかも引退した今でもギルドマスターとして働きつつ、新人たちの教育や最前線での活動に加わって、人望がものすごく分厚い人物であった。
だが、そんな人物がなぜこのギルドへ来たのか、ゲルハードにはまだ分からない。
だが、立場的には相手の方が上であり、ある程度はわきまえていたので、とりあえず対応することにした。
「‥‥‥さてと、今日来た用件を話そうか」
ずずっと職員が用意したお茶を持ち、ギルドマスターはゲルハードに向けてそう口を開いた。
「な、何の御用件なのでしょうか‥‥‥」
「ん?もう十分君も分かっているはずだけどね、なんでもここ最近、このギルドへの冒険者が減ったという話がね、届いてきたんだよ」
その言葉を聞き、ゲルハードはぎくりとして体をこわばらせた。
もしかすると、このまま休業措置が取られ、本部からの監察官が来るのかと恐れたのだが…‥‥よくよく考えてみれば、それだけの理由でこの大物が来るはずがない。
ということは、もしやより厄介な件があるのではないかと彼は考える。
そして、それは的中した。
「休業措置でしたら、言われなくともやろうかと考えていまして・・・・・」
「いや、それは別に良い」
「へ?」
「休業措置を取る件よりもね、ちょっとこちら側に‥‥‥ああ、来たね」
そう言って、ギルドマスターが見た方向へ目を向けてみると、そこにはいつのまにか謎の人物が立っていた。
その人物は全身を黒いコートで覆い、不気味な仮面で顔を覆っていたが‥‥‥どこの誰なのか、ゲルハードには見当がつかなかった。
「‥‥‥さてと、こちらの人物を君に紹介しておこう」
「イヤ、ソコマデシナクトモヨイ、アディク」
ギルドマスターがその人物について紹介しようとしたところで、仮面の人物はくぐもった声で遮った。
「我、事情アリ、素ノ声出セヌ。ダガ、聞キトレルダロウ」
「は、はい」
「我、裏ギルドノ本部、裏ギルドマスター、ディアマン、デアル」
「!?」
その言葉を聞き、ゲルハードは非常に嫌な冷や汗が一気に流れ出した。
「ねぇ、ゲルハード君、何故裏ギルドのギルドマスターがわざわざ来たんだろうねぇ?身に覚えがないのかな?」
「えっと、その、ええええっと‥‥‥」
にっこりとギルドマスターが微笑みながら尋ねてきたが、その顔は既に知っているというようなものであり、ゲルハードは焦った。
「ええっと、その、えええ……全然わかりません」
「‥‥‥なるほど、正直に言えないのか?」
「無理モナイ。コノ者、コノ役職ニ就ク器、持ッテナイ」
「な!!」
裏ギルドマスターの言葉に、一瞬頭に血が上ったが、非常に不味いことに気が付いた。
もう、これは知られているようなものであると。
「‥‥‥愚者、貴様ニ単刀直入ニ、言ッテヤロウ。オ前、我々ノ末端ニ依頼シタ。ソシテ、末端失敗シ、コチラニモ影響ガ出タ」
「そ、それは!!」
「ふ~ん、裏ギルドにわざわざギルド長が依頼するなんて、どういう事かなぁ?裏ギルドマスター、どんな依頼だったのだろうか?」
「愚者、アル人物ノ殺害及ビ、使イ魔ノ強奪ヲ、依頼シ、末端見事ニ失敗。ソノ上、モウ使イモノニナラナクナッタ」
その言葉に、ギルドマスターの厳しい目線がゲルハードに突き刺さった。
「なるほどなるほど‥‥‥ギルド長が人物の殺害と使い魔ノ強奪をねぇ。いやはや、なんて愚かな事を考えたんだろうねぇ」
「ツイデニ言ウナラ、愚者、依頼シタ殺害対象、裏デハ現状様子見ノ相手デ、手ヲ出シテハイケナイ者ダッタ」
その言葉に、ゲルハードは驚愕した。
裏ギルドが手を出してはいけないという相手であるならば、非常に不味いのではないかと思ったからだ。
「ほう、その相手とは?」
「少々、コチラニモ都合ガアッテ言エヌ。デモ、ソノセイデコチラニモ被害、被ッタ」
仮面をつけたままの裏ギルドマスターであり、その表情は見えないが、非常に不機嫌な様子なのが声ににじみ出ていた。
「ナノデ、我々、愚者ニ報復スル」
「ま、待て!!それはおかしいことにならないか!?依頼したが、失敗したのはそちらの末端まで行かなかった責任が」
「君がそれを言える立場かな?」
慌てて叫んだゲルハードに、ギルドマスターからの冷たい声が届いた。
「裏ギルドに頼んだとはいえ、ギルド長がそのような事を考えていたのが世間に広まれば、ギルド全体に被害が被る。裏ギルドだけではなく、冒険者全体に、君のせいで被害が出るんだ」
「し、しかし、このギルドのために、その、わたしは原因を排除しようと」
「へぇ、でもそれでどうにかなると考えていたなら、相当おめでたい頭だよね?対象がここの冒険者たちが来ない原因とするならば、こちらはこちらで何か別の事を、例えば引き込みとか、様々な手段がとれたよね?」
「ウム、ソウデアル。裏デモ同様、ケレド愚者、貴様ニハナイ」
反論しようとしたゲルハードであったが、二人が出す威圧感に何も言い返せなくなった。
「そうそう、ついでに言うのであればね、何でも職員全体が知った事なんだけど、どうも君、不正もしているらしいね?横領、収入支出の虚偽、その他色々と‥‥‥ああ、この裏ギルドへの依頼も」
「う、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ギルドマスターの言葉に耐え切れなくなり、ゲルハードは奇声を上げて部屋から飛び出した。
何も考えず、ただあの場に居たらまずいという事だけが頭を占めて、現場からの逃走だけを図った。
その様子を見て、ギルドマスターも裏ギルドマスターも捕えようとはせず、その場を動かなかった。
「‥‥‥やれやれ、残念だよ。ギルド長としての器もなく、逃げるという子供じみた行動に移るとはねぇ」
「ダガ、我々、手ヲ下ス必要、ナイ」
「そうだよね、何しろ我々の方に被害が来たとはいえ…‥‥まぁ、あの愚者の自業自得だからこれ以上何も言わなくていいか」
「ソウダ。コレ以上、愚者、思ウ必要ナシ・・・・・タダ、シバラク頭ガ痛クナリソウダ」
「ああ、そうだよねぇ……裏ギルドで相手にしてはいけない人物を怒らせたとなれば、その対応に困るからね。ちょっとできれば教えてほしいんだけどだめかな?」
「ダメダ」
そう言って、裏ギルドマスターはその場から姿を消し、ギルドマスターも退出した。
……そして翌日、都市アルバスの冒険者ギルドは休業となり、本部からの監察官が調査をした結果、ギルド長であったゲルハードの様々な不正の証拠が見つかり、これでもかこれでもかと大量にあったので、ギルドは彼を懲戒処分として、犯罪なので指名手配をした。
全国のギルドへ通達され、冒険者ギルドだけではなく、魔法ギルドや裏ギルドにも同様にゲルハードは指名手配された。
そして、ゲルハードはこの都市から姿を消したのだが‥‥‥‥
……今、ゲルハードは非常に物凄く冷や汗を流し始めていた。
冒険者たちがなかなか来なくなり、閑古鳥がもう長く鳴いて、そろそろ休業の危機が迫ってきた中……朝、起きて体を起こした時に、部屋の壁を見て固まったのだ。
なぜならば、その部屋の壁には‥‥‥
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!?」
壁一面、びっしりと真っ赤な手形がこれでもかと言うほどかかれており、しかも気が付けば、自身の身の回りに、ありとあらゆる部分に手形があったのだ。
これでもゲルハードは元冒険者と言う事もあり、就寝時の警戒はそれなりにしていた。
だがしかし、朝起きて行き成りこのような目に遭えば、恐怖しかなかった。
「い、いや、誰かのいたずらだよなぁ!」
気分を変えるため、気丈にふるまい、壁にびっしり書かれている赤い手形に触れてみる。
どうせ、誰かがいたずらでやった赤い絵の具かと思ったが…‥‥近くによって、その臭いでゲルハードは悟った。
これは、本物の血で描かれたものであると。
しかも、触って見たところ生暖かくて、まだつけられて時間がそう経ってないことを示しており、それが意味するという事は‥‥‥その手形の主がまだそう遠くに行っていない可能性があることだ。
「ぎ、ぎやぁぁぁぁぁ!!」
その事実に気が付き、思わずゲルハードは絶叫するのであった。
気絶から目が覚めた後、比較的短い時間だけしていたのだと気が付き、これ以上考えたくないし、悪質ないたずらだと結論づけるゲルハード。
こうなれば仕事をしている方が良いと思ったのだが‥‥‥‥ギルドの中に入った途端、職員たちが一斉に彼へ目を向けてきた。
ぎょろん!
「!?」
効果音がそう聞こえるほど、全員一斉に振り向き、ゲルハードは驚愕する。
ここまでそろった動きは今まで見たことがなく、物凄い嫌な予感を感じさせたのだ。
一体どうしたのかと聞く前に、職員の一人がゲルハードへ声をかけた。
「ギルド長。少々いいでしょうか」
「な、なんだ?」
「ギルド長に客が来ています」
「客だと…‥‥?」
誰かが来るなんて予定もなかったし、どういうことなのかゲルハードは首をかしげる。
だがしかし、一つだけ言えるとすれば‥‥‥‥非常にろくでもないことしか感じさせない。
この場から逃げ出したい衝動にかられたが、客を無碍にもできずに、ギルドにある応接室に客がいるというので部屋に入れば‥‥‥
「なっ‥‥‥!?」
そこにいたのは、かつてゲルハードは数回程度しか見ていないが、印象深い…‥‥冒険者ギルド本部の本部長、通称ギルドマスターとも呼ばれる人物であった。
「ぎ、ギルドマスターの…‥‥アディク様!?」
「お、名前は覚えていたのか。この都市のギルド長ゲルハードや」
まだ年若く、容姿端麗な青年に見えるのだが、実は彼は人間ではない。
エルフ族と呼ばれる中の変わり者らしいが、要は見た目の年齢を取るのが遅いだけの人物である。
だが、それでもかつては冒険者の中でトップクラスの実力を持った人物であり、しかも引退した今でもギルドマスターとして働きつつ、新人たちの教育や最前線での活動に加わって、人望がものすごく分厚い人物であった。
だが、そんな人物がなぜこのギルドへ来たのか、ゲルハードにはまだ分からない。
だが、立場的には相手の方が上であり、ある程度はわきまえていたので、とりあえず対応することにした。
「‥‥‥さてと、今日来た用件を話そうか」
ずずっと職員が用意したお茶を持ち、ギルドマスターはゲルハードに向けてそう口を開いた。
「な、何の御用件なのでしょうか‥‥‥」
「ん?もう十分君も分かっているはずだけどね、なんでもここ最近、このギルドへの冒険者が減ったという話がね、届いてきたんだよ」
その言葉を聞き、ゲルハードはぎくりとして体をこわばらせた。
もしかすると、このまま休業措置が取られ、本部からの監察官が来るのかと恐れたのだが…‥‥よくよく考えてみれば、それだけの理由でこの大物が来るはずがない。
ということは、もしやより厄介な件があるのではないかと彼は考える。
そして、それは的中した。
「休業措置でしたら、言われなくともやろうかと考えていまして・・・・・」
「いや、それは別に良い」
「へ?」
「休業措置を取る件よりもね、ちょっとこちら側に‥‥‥ああ、来たね」
そう言って、ギルドマスターが見た方向へ目を向けてみると、そこにはいつのまにか謎の人物が立っていた。
その人物は全身を黒いコートで覆い、不気味な仮面で顔を覆っていたが‥‥‥どこの誰なのか、ゲルハードには見当がつかなかった。
「‥‥‥さてと、こちらの人物を君に紹介しておこう」
「イヤ、ソコマデシナクトモヨイ、アディク」
ギルドマスターがその人物について紹介しようとしたところで、仮面の人物はくぐもった声で遮った。
「我、事情アリ、素ノ声出セヌ。ダガ、聞キトレルダロウ」
「は、はい」
「我、裏ギルドノ本部、裏ギルドマスター、ディアマン、デアル」
「!?」
その言葉を聞き、ゲルハードは非常に嫌な冷や汗が一気に流れ出した。
「ねぇ、ゲルハード君、何故裏ギルドのギルドマスターがわざわざ来たんだろうねぇ?身に覚えがないのかな?」
「えっと、その、ええええっと‥‥‥」
にっこりとギルドマスターが微笑みながら尋ねてきたが、その顔は既に知っているというようなものであり、ゲルハードは焦った。
「ええっと、その、えええ……全然わかりません」
「‥‥‥なるほど、正直に言えないのか?」
「無理モナイ。コノ者、コノ役職ニ就ク器、持ッテナイ」
「な!!」
裏ギルドマスターの言葉に、一瞬頭に血が上ったが、非常に不味いことに気が付いた。
もう、これは知られているようなものであると。
「‥‥‥愚者、貴様ニ単刀直入ニ、言ッテヤロウ。オ前、我々ノ末端ニ依頼シタ。ソシテ、末端失敗シ、コチラニモ影響ガ出タ」
「そ、それは!!」
「ふ~ん、裏ギルドにわざわざギルド長が依頼するなんて、どういう事かなぁ?裏ギルドマスター、どんな依頼だったのだろうか?」
「愚者、アル人物ノ殺害及ビ、使イ魔ノ強奪ヲ、依頼シ、末端見事ニ失敗。ソノ上、モウ使イモノニナラナクナッタ」
その言葉に、ギルドマスターの厳しい目線がゲルハードに突き刺さった。
「なるほどなるほど‥‥‥ギルド長が人物の殺害と使い魔ノ強奪をねぇ。いやはや、なんて愚かな事を考えたんだろうねぇ」
「ツイデニ言ウナラ、愚者、依頼シタ殺害対象、裏デハ現状様子見ノ相手デ、手ヲ出シテハイケナイ者ダッタ」
その言葉に、ゲルハードは驚愕した。
裏ギルドが手を出してはいけないという相手であるならば、非常に不味いのではないかと思ったからだ。
「ほう、その相手とは?」
「少々、コチラニモ都合ガアッテ言エヌ。デモ、ソノセイデコチラニモ被害、被ッタ」
仮面をつけたままの裏ギルドマスターであり、その表情は見えないが、非常に不機嫌な様子なのが声ににじみ出ていた。
「ナノデ、我々、愚者ニ報復スル」
「ま、待て!!それはおかしいことにならないか!?依頼したが、失敗したのはそちらの末端まで行かなかった責任が」
「君がそれを言える立場かな?」
慌てて叫んだゲルハードに、ギルドマスターからの冷たい声が届いた。
「裏ギルドに頼んだとはいえ、ギルド長がそのような事を考えていたのが世間に広まれば、ギルド全体に被害が被る。裏ギルドだけではなく、冒険者全体に、君のせいで被害が出るんだ」
「し、しかし、このギルドのために、その、わたしは原因を排除しようと」
「へぇ、でもそれでどうにかなると考えていたなら、相当おめでたい頭だよね?対象がここの冒険者たちが来ない原因とするならば、こちらはこちらで何か別の事を、例えば引き込みとか、様々な手段がとれたよね?」
「ウム、ソウデアル。裏デモ同様、ケレド愚者、貴様ニハナイ」
反論しようとしたゲルハードであったが、二人が出す威圧感に何も言い返せなくなった。
「そうそう、ついでに言うのであればね、何でも職員全体が知った事なんだけど、どうも君、不正もしているらしいね?横領、収入支出の虚偽、その他色々と‥‥‥ああ、この裏ギルドへの依頼も」
「う、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ギルドマスターの言葉に耐え切れなくなり、ゲルハードは奇声を上げて部屋から飛び出した。
何も考えず、ただあの場に居たらまずいという事だけが頭を占めて、現場からの逃走だけを図った。
その様子を見て、ギルドマスターも裏ギルドマスターも捕えようとはせず、その場を動かなかった。
「‥‥‥やれやれ、残念だよ。ギルド長としての器もなく、逃げるという子供じみた行動に移るとはねぇ」
「ダガ、我々、手ヲ下ス必要、ナイ」
「そうだよね、何しろ我々の方に被害が来たとはいえ…‥‥まぁ、あの愚者の自業自得だからこれ以上何も言わなくていいか」
「ソウダ。コレ以上、愚者、思ウ必要ナシ・・・・・タダ、シバラク頭ガ痛クナリソウダ」
「ああ、そうだよねぇ……裏ギルドで相手にしてはいけない人物を怒らせたとなれば、その対応に困るからね。ちょっとできれば教えてほしいんだけどだめかな?」
「ダメダ」
そう言って、裏ギルドマスターはその場から姿を消し、ギルドマスターも退出した。
……そして翌日、都市アルバスの冒険者ギルドは休業となり、本部からの監察官が調査をした結果、ギルド長であったゲルハードの様々な不正の証拠が見つかり、これでもかこれでもかと大量にあったので、ギルドは彼を懲戒処分として、犯罪なので指名手配をした。
全国のギルドへ通達され、冒険者ギルドだけではなく、魔法ギルドや裏ギルドにも同様にゲルハードは指名手配された。
そして、ゲルハードはこの都市から姿を消したのだが‥‥‥‥
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