拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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寒さ到来面倒事も到来するな

#186 なんか増えた気分デス

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SIDEシアン

……氷塊から謎の少女が出てきて、記憶もない。

 一旦僕らの家に居候して、どうにかできるまで過ごさせることにしたのだが、名前が無いと色々と不便なこともある。

「と言うわけで、仮の名前を付けるけどいい?」
「いいにょ」

 了承ももらい、ひとまずは名前を付ける。

 見た目的に青く、まだ幼い少女だが、記憶を失えど元の姿の方は覚えているらしい。

 成長性があると考えつつ、変化しても対応できそうな感じだとするのならば…‥‥


「んー…青、成長…『ロール』とか?」

 巻き戻した成長とか、青と成長の英語のブルーとグロウの呼び方を混ぜた感じの名前。

「ロール……ん、それがいいにょ!」

 その名前が気に入ったのか、少女は笑顔で頷くのであった。





 とりあえず、名前を決めたところで今後の居候生活をさせるための簡単な準備もしていく。

 ハクロがロールのための衣服を作製し、ワゼが丁寧にたたんで衣装ダンスの中へ入れていく。

 寝る部屋も、現在ハクロは僕の部屋で共に寝ることが多いので、一時的に彼女の部屋へロールが入ることになる。


 そうこうしているうちに、夕食の時間となったので皆で夕食を取る事にした。

「本日は、雪でしたので芯から温まるようにしたスープをメインに、出来立て熱々なものを用意いたしまシタ」

 並べられるワゼの料理に、ロールが目を輝かせる。

「すごい、すごいにょ!なんかすごいおいちそうなにょ!」
「ああ、ワゼの料理はおいしいからね」
【下手すると、野生では生きていけなくなりそうですよ】

……見た目相応の喜びように、僕らはなんとなくほっこりとした。
 
 あと、ハクロの言葉がすごい説得力があった。野生に戻す気はないが、戻った場合、確実にそうなりそうだよなぁ…‥‥。


 パクパクと美味しそうにほおばり、時折口周りが汚れるので優しくふき取ってあげる。

「ほら、そんなに慌てても料理は無くならないってば」
「でも食べたら消えてっちゃうにょ!」
【そうですよね。食べたら無くなっちゃいますよね】

 ロールのその言葉に、僕とハクロは思わず笑う。

 なんというか、本来は違うのだろうけれどもこうしてみると見た目相応の少女と言った感じで、ちょっと世話を焼かされるなぁ。

「けぷ、お腹いっぱいになってきたにょ」
【ああ、また口周りが汚れていますよ。ほらこっち向いて】
「と言うか凄い食べたね…‥‥どこにどれだけ入ったのかな」
「美味しいのが悪いにょ!」
「それもそうか」

 納得できてしまうその言葉に、僕らは頷く。

【さてと、消化がある程度できましたら、お風呂に入りましょう。今日は私が洗ってあげますよ】
「風呂?入るにょ!」

 和気あいあいと言うか、微笑ましい光景。

「…‥‥娘とかが出来たら、こんな感じなのかな?」
「多分そうでしょウ」

 僕の言葉に、ワゼが食器を片付けながらそう答える。

 まだ僕とハクロの間には子供が無いが、できたらこんな風に、家族での食卓を楽しめるのだろう。

 
「なんか欲しくなっちゃうな、子供」
「私としては、そうなったほうが良いと思いマス。残念ながら、あの子は違うので出来ませんが…‥‥教育とかも、してみたいですからネ」
「ワゼの教育ね‥‥‥」

……なんかすごい英才教育されそう。それって大丈夫なのか、ちょっとだけ不安になるな。


 何にしても、お風呂も入り、寝る時には別々に寝る。

 見た目が幼い少女とは言え、精神的に一人で寝ても大丈夫だと自信満々にしていた…‥‥けれど。


「うにゅぅ……なんか、一人で寝れないにょ」
「…‥‥まぁ、なんかわかっていたような気がするんだけどね」
【いいですよ、一緒に寝ましょう】

 これも呪いとやらのせいか、若干精神的に幼い状態ゆえなのか、一人で寝れなかったらしい。

 大きなベッドに、3人で寝たその日の夜は、何となく温かさが倍増したような気がするのであった‥‥‥‥。




――――――――――――――――――
SIDEワゼ

……ロールが来て数日ほど経過し、ようやく解呪できる人物が到着する時期が決まった。

「到着予定は明日の昼頃になりそうですカ。‥‥‥まぁ、良いでしょウ」

 相手が相手なので、どれだけかかっても文句は言えない。

 解呪できるのであればそれでいいのだが‥‥‥‥


「ですが、それで良いのでしょうかネ?」

 ふと、シアンたちの事を考え、ワゼはそうつぶやく。

 今日も皆で仲良く過ごしていたが、ちょうどロールの立ち位置が娘のような立場であり、ややシアンもハクロも親ばかになりそうな傾向が見えていた。


 いっその事、このまま養子にでもできそうなのだが…‥‥解呪してしまえば、もうこの生活は無いかもしれない。

 何しろ、ロールにかけられている呪いの内、今のこの幼い外見を見せているのは「幼少弱体化」の呪い。

 解呪してしまえばその呪いが無くなり、今の幼い見た目から成長した姿になるのが目に見えている。

 今のこの状態は、小さな彼女がいる事での疑似的な家族団らんのようなものであり、成長した場合それが無くなってしまう可能性があるのだ。


「‥‥‥まぁ、容姿が変わった程度で壊れる仲では無いですカネ」

 少々考えたが、ワゼはその結論に至った。

 共に過ごしてきている分、彼らの性格なども理解できているし、簡単に壊れるようなものではない。

 ただ、そうだとしたら別の不安も浮上してきた。


「成長したことで、自立して出て行く子供を見送る親の気分になりそうですネ。もしくは、同じような子供が欲しいとかで励むのでしょうカ?」

 何にしても、今はただ予想なだけであり、確定したものではない。

 未来は分からないこそこうやって予想するのも、またおもしろいものなのだ。


「まぁ、とりあえずは今のうちに明日の用意でも…‥‥ん?」

 そこでふと、ワゼの耳にある音が入った。


コンコン‥‥‥コンコン‥‥‥

「ノック音?‥‥‥反応的に、ドーラですネ」

 案の定というか、積雪でもドーラはきちんと生きていたようで、扉を開けるとそこにはドーラがいた。

 寒さに耐えるためなのか、全体的に産毛のようなものが生えており、一瞬だけ毛玉に見える。

「ここ数日ほど、姿を見せなかった割には、元気そうデス。しかし、尋ねてくるとは何かあったのでしょうカ?」
【シャシャ……シャゲェ、シャゲ】
「ふむ、土中に潜って過ごしていたのですカ。で、雪が溶けるまでそのまま過ごす予定だっタ?」
【シャゲェ。シャシャ、ゲー】
「でも、予定外の事が起きたト?その予定外が‥‥‥あの少女、ロールさんですカ」
【シャゲー】
「‥‥‥姿は違えど、知っている相手?」

 ドーラのその言葉に、ワゼは耳を傾けた。

 どうやら解呪前に正体が知れたようだが‥‥‥‥その正体に、ワゼは驚く。

「‥‥‥なるホド」

 どのような事態になっているのかを理解し、シアンたちに伝えるべきかどうか少々迷う羽目になったのであった‥‥‥

「というか、何をどうやってあなたは現状を知ったのですカ?」
【シャゲェ】
「『冬季地中友の会』とやらでの情報?そんなものがあるのですカ」

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