拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
276 / 459
春間近、でも頭春は来ないで欲しい

#259 改めて観光するのデス

しおりを挟む
SIDEシアン

「それじゃ、お姉ちゃんについてくるにょ!」
【ふみゅ~!】
「みー!」

 ロールの掛け声と共に、ヒルドとオルトリンデが合わせるように手を掲げ、元気に返答した。


 現在、王城での話し合いを終えた僕らは、首都内に新たにできた観光場所…‥‥まだいくつか工事中とはいえ、それなりに出来上がった場所に訪れていた。

「なんというか、大穴の規模やり過ぎたなぁっていう感じが、今更出て来た‥‥‥」
「まぁ、仕方がない事ですわよ。その分、こうして利用できることを良い事だとして考えるべきですわ」
【っと、3人とも、迷子にならないようにしてくださいよ】

 あの怪物騒動の副産物というか、僕が開けてしまった首都の大穴。

 円周に沿うように階段などが設けられており、利用されやすいようにエレベーターのような物も設置された、観光場所。

 人込みも騒動以前とあまり変わらないほどでありつつ、ちゃっかり店を構えてにぎわうところもあるようだ。

【ふみゅ~♪ふみゅふみゅ♪】
「みー!みー!」

 森から出て、初めてな娘二人が目を輝かせて、あちこちの店や人込みへてこてこと向かう。

 というか、糸やら翼があるから、行動力は通常の赤子以上…‥‥見放すととんでもない場所へいそうで怖い。

「ちょっと!!二人ともそこはダメだよ!?」
【うわぁぁ!!糸の扱いはまだ未熟ですから、そのつなぎ方は危ないですってぇぇぇ!!】
「行動力あり過ぎますわ!!っと、こんどはそこ!?」
「お姉ちゃんについてきてって言ったにょぉぉぉぉぉ!!」

 ‥‥‥そして実際に、とんでもない場所へ我が娘たちは行動力を溢れさせまくって、向かいまくった。

 店の屋根や揚げ物やの鍋の上。人の往来ある道の上にまだ工事中の立ち入り禁止な場所。

 好奇心旺盛であふれる行動力を持つのは良い事なのかもしれないが、こういう場所だと色々と危い。

 
 そう、子どもゆえの好奇心とはなめてはいけないものであった。

 入るなと言った場所には入ろうとし、触るなと言ったものには触ろうとし、飛ぶな糸をかけるなと言った場所には跳んだり糸で道を作ったり…‥‥後者だけはそうそうやる人はいないだろうけれども、その行動はこちらをあたふたと慌てさせるには十分であった。

「今度はどこに!?」
「ツー!!」
「あちらのようデス。念のために、シスターズで陸空で監視させましたが…‥‥ううむ、データ以上に幼い子供たちは厄介デス」

 流石のワゼも、この行動力溢れる娘たちには予想外過ぎたのか、いつもの冷静さはない。

 我が娘たちの初めての首都観光初日、僕らは親としての大変さをよぉぉぉぉぉぉぉく理解させられるのであった‥‥‥‥


「ぜぇ、ぜぇ‥‥‥魔力の衣を伸ばして、なんとかつなげて分かるけど…‥‥行動力溢れすぎ‥‥‥」
【ああ、元気なのは良いですが…‥‥ちょっと森から出すには早すぎましたかね?」
「もう少し、落ち着くという躾をしたほうが良かったかもしれないですわ‥‥‥」


――――――――――――――――――――――――
SIDE首都本部HWG第35特殊部隊

「…‥‥おー‥‥‥見ているこっちがハラハラさせられるというか、デンジャラスなベイビーたちだなぁ‥‥‥」
「我らが組織の教訓、あのアラクネの彼女を悲しませないために、こうしてこちらも彼女の産んだ子供たちの動向を監視したが‥‥‥見ているこっちがハラハラさせられるなぁ」

 とある建物の屋上にて、ヒルドとオルトリンデたちを見ながら、この首都内で、今の時間担当のHWGの部隊隊員はそうつぶやいた。

 彼らはハクロの事を崇拝しつつ、その子供たちも保護対象として、迷子にならないように軽く手助けを行ったりしていたのだが…‥‥見ているこちらでも、子どもたちの行動力の旺盛さに、ドキドキハラハラさせられてしまったのである。

「まぁ、彼女の慌てる顔はそれはそれでよかったが…‥‥凄いなぁ、あの子供たち」
「あ、空中大回転からの大ジャンプ‥‥‥綺麗な着地だな」
「運動神経は良いようだが‥‥‥あれでまだ幼い赤子というところが信じられないな」

 その言葉に、その場にいる全員が同意して頷く。

 一応、分類的にはヒルドはモンスターでもあるし、オルトリンデは微妙な境だが…‥‥人間ではない。

 だからこそ、赤子とは言え人間以上の者として見ているのだが、その心構えができても、その活発さには皆心労をかけられるのである。


「それでも、今日は無事になんとか収まりそうだな…‥‥いつまで滞在するかは不明だが、あれは周りも放置できないな」
「庇護欲というか、親心的なものでどうにかしたくなると思わされるのが大半だと思うが…‥‥その中に、やはりというか、バカはいるのか」
「ああ、そのようだな」

 こうやって監視しつつも、彼女達に害をなすような輩がいないか見張っていると、そのような輩共の姿がちらほらと見える。

 おおかたハクロ狙いもいるのだが、その珍しい子供たちの方を狙う輩たちもいるようだ。

「将来有望というのもあるだろうが、それでも邪な心で考える奴だな」
「色々多いというか、見事に目立ったがゆえに引き寄せられたというか…‥‥とりあえず、ある程度リストアップすべきか」
「ひとまずは、疑わしい奴らを全員詳細を洗い出し、手を出せないようにしておくべきか」
「「「「そう、我らHWGは、彼女の笑顔を守るために、害をなす輩を排除するのだ!」」」」

 心を一つにそう叫び、交代の時間となったので次の者たちに彼らは監視を任せつつ、害をなそうとしている者たちを調べ始める。

 密かに陰から見守る者も増えつつ、シアンたちの身の安全は保障され始めていくのであった。



‥‥‥が、それでもやはり限界はある。

 その被害を最小限にするためにも、彼らはできる限り動くのであった。

「ところで、あの娘たちも可愛いなぁ‥‥小さい少女に、小さい蜘蛛の子に、羽付きの子…‥‥種族が皆異なるが、可愛さというのは万国共通なのだろうか」
「ああ、そうだろうな。それでいて、彼女の子ゆえに将来も有望そうというか…‥‥どうなるだろうか?」
「少なくとも、結構育ちそうだな。うんうん、見麗しいのが増えるのは良い事である」
「予想できる育ち具合としては、確実にあのそばにいるメイドよりも大き、」
ヒュン!ブスッ!!

「い、痛ぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
「尻にでかい矢が!?」
「一体どこから飛んで来た!?」
「あ、これ矢じゃねぇ!!ただのお玉だこれ!?」

 ‥‥‥余計な一言は、どこの世界でも禁句な事があるらしい。
しおりを挟む
感想 1,076

あなたにおすすめの小説

ReBirth 上位世界から下位世界へ

小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは―― ※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。 1~4巻発売中です。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...