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06 この手はありなのだろうか
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「ひげぇぇぇぇ!?」
「どっべっしゃぁぁぁ!!」
「口に入ったぁぁぁぁぁぁ!!」
‥‥‥適正学園のあちこちで聞こえる悲鳴。
それは、かくれんぼの中で、ヘルールによって見つかり、唾の犠牲を受けた新米召喚士たち。
各自の召喚獣を鬼役として見つかり次第すぐに出せば、その悲劇は避けられるのだが‥‥いかんせん、そんな簡単に言葉が出るはずもない。
何しろ、彼等にとって今いる召喚獣たちは初めて召喚したものたちであり、直ぐに他人の手へ渡すような真似はし辛かったのだ。
ゆえに、唾の犠牲が増えつつ、鬼役となっていく召喚獣たちも増えていく。
流石に良識溢れる召喚獣は見つけ次第すぐに鬼役を相手の奴にもやらせるように指示をして、徐々につばの犠牲は減っていったのだが‥‥‥
「ドコダー!!ドコダー!!アノメイド野郎!!」
ばっさばっさと怒鳴り声をあげ、羽ばたきながらも探索するヘルール。
現在、ようやく最後の一人にまで追い詰めたというのに、リベンジしたい相手が見つからない。
今回のかくれんぼ、各々の能力なども分からないことが多いので、単純に制限時間は1時間と短くされていたが、この分だとおそらく見つからない可能性の方が高い。
「ムキーッ!!デテコーイ!!」
怒声をあげながら、羽ばたくヘルール。
そんな声を、俺たちは聞こえつつ…‥‥
「‥‥‥案外、バレないものだな」
「ええ、あの鳥、自分が飛べるからこそ上の利点を活かせると思ったようですが‥‥‥飛ぶのは何も、あなたの専売特許じゃありませんからネ」
はるか上空からその光景を眺めつつ、俺は高さに恐怖を抱きつつ、ノインはニヤリと勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
かくれんぼ…‥‥それは何も、障害物とかに隠れるだけではない。
いかにして見つかりにくい場所を探し当てつつ、そこにとどまるためのもの。
いやまぁ、学園内というルールにはちょっと破っていそうだが‥‥‥上空から動いていないのであれば、セーフだと思いたい。
「しかし、ノインがこう飛べるとは思わなかったな」
「家の掃除で屋根も綺麗にする仕事がありますからネ。高所作業用に、短時間程度の飛行ならば可能なのデス」
俺の言葉に、えっへんと胸を張るノイン。
彼女の足が変形し、何やら火を噴き出して飛んだことに驚いたが、こんな機能を持っていたようだ。
ただ、あくまでも高所作業用‥‥‥ある程度の時間で済むとして設計でもされてるのか、流石に長時間の飛行は無理らしい。
「まぁ、制限時間は1時間のようですし、その程度ならば問題ありまセン。しばらくはここで、時間が経つのを待てばいいだけでショウ」
そう言いながら、ノインはディーの体を持ちつつ、そっと体に押し付けた。
「‥‥‥できれば、持ち方か変えれないかな?」
「残念ながら、現状況では難しいデス」
俺、現在お姫様抱っこで持たれているんだよね‥‥‥‥いやまぁ、上空へ行くと気温が下がって、できればくっ付いていたほうがいいというのは良く分かる。
俺自身が飛べるわけでもないし、彼女にくっ付いていなければだめで、なおかつしがみつくにもちょっと度胸がいるので、妥協してもらった結果がこの状態なんだけど‥‥‥
「‥‥‥温かいけど、なんか不安しかない」
「大丈夫デス。しっかり逃げ切ってみせマス」
俺の言葉に、にこやかにノインは返答した。
うん、見取り図を元に、学園の屋上も把握して、下からどの角度ならば見えないとか、そういう計算を行って、今の位置にいるのは良い。
けれどね、この状況は不安過ぎるというか、何と言うか‥‥‥幼い時に、召喚士が召喚獣に乗って空を行くのを見て憧れたことはあったけど、同じ空を飛ぶでもこういうのはちょっと望んでなかった。
というか、お姫様抱っこされているのが問題なんですが。お腹にその柔らかいものが触れ、ちょっとドキドキするんだけど…‥‥
とはいえ、そんなことを口に出す勇気もないので、ひとまず今は見つからないようにしつつも、話題を変えて話すことにした。
「えっとその‥‥‥そうだ、色々聞きたいことがあるんだけど、今大丈夫か?」
「ええ、会話で飛行に支障は起きまセン。ご主人様から聞きたいことがあるのならば、ぜひどうゾ」
「ノインってさ、俺の召喚によって出て来た召喚獣だよな。召喚士の召喚獣は元々別のところから呼ぶ様なものだが‥‥その元の場所とかってどういう所だったのか、覚えているか?」
「‥‥要は、私の生まれた場所とかについて聞いてみたいという事で、良いでしょうカ?」
「ああ、そうだな」
俺の職業の「異界の召喚士」という、この異界の部分とかもまだよく分からない。
ならばいっその事、ノイン自身の事について尋ねて見る事で、その意味を知ろうと思ったのである。
「‥‥‥そうですね、その質問にはできる限り応えたいのですが‥‥‥残念ながら、データ不足デス」
「どういうことだ?」
「正確に言えば、あまり覚えていないと言ったところでしょうカ。いえ、基本的にメイドとしてどのような事をやるのかというのは刻まれているのですが‥‥‥稼働した際に事故が発生し、その地での記録を形作れなかったのデス」
‥‥‥んん?なんか重そうな話にしちゃった?
「‥‥‥俺が召喚したせいか?」
「いえ、別件デス。その後に、ご主人様に召喚されたので、関係ありまセン」
一瞬、俺が召喚したことがその事故なのかと思ったが、どうも違うらしい。
話によれば、その事故の後に彼女が色々と処理を終えた後で、俺の召喚に答えてこの地に舞い降りたのだとか。
「そういう訳で、生憎私自身の故郷の話はできないのですが‥‥‥まぁ、他にできるとすれば、姉たちぐらいでしょうかネ」
「え、ノイン、姉いるの?いや、ゴーレムだから姉妹機?」
「その認識で良いでしょウ。私の番号は09‥‥‥つまり、その番号以前の者も多いデス」
「‥‥‥うん、別に良いや、やめておくよ」
今でさえ、空を飛ぶとか撃ちまくるとか空間を広げるとか‥‥‥何かと色々彼女はやらかしている。
そんな彼女の姉妹機はまともだろうか?いや、そんなわけは無さそうである。
というか、どこのどいつだろうか開発した人‥‥‥すごい気になるような、気にしたら負けのような。
そうこうしているうちに、気が付けば制限時間まで残り3分となっていた。
下の方を見れば、ほぼ全員が捕まっているようで鬼役が増えている。
空を飛行可能な召喚獣たちも増えているが、この高度には気が付いてないようだ。
「ふむ‥‥‥そろそろ移動しておいたほうが良さそうデス。気が付かれていないとはいえ、時間の問題ですからネ」
「でも、どうやって?結構な数がいるし、流石に気が付かれずに着陸は難しいんじゃ‥‥‥」
「大丈夫デス。ちょっとご主人様の元へ向かう前に、神々から拝借してきたこの隠れ蓑で‥‥‥」
「今なんかさらっととんでもないこと言わ、」
「では、自由落下デス」
…‥‥ツッコミを入れる前に、ノインが懐から取り出した布に包まれ、落下を始めた。
彼女がどうにかして着地するのは良いが、くるっと向きを変え、頭から落下するスタイルはやめてほしかった。
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!」
「ご主人様、悲鳴を抑えてくだサイ」
手で口をふさがれながらも、地上が急速に迫りくるその光景に、恐怖というものをしっかり覚えさせられるのであった。
そして制限時間終了後、教師たちの前に現れ、見つけられなかったヘルールは悔しそうにバタバタと羽をはばたかせ、地団太を踏んだ。
一方で、俺は地に足を付けていることの幸せを、この上なくかみしめるのであった…‥‥
「どっべっしゃぁぁぁ!!」
「口に入ったぁぁぁぁぁぁ!!」
‥‥‥適正学園のあちこちで聞こえる悲鳴。
それは、かくれんぼの中で、ヘルールによって見つかり、唾の犠牲を受けた新米召喚士たち。
各自の召喚獣を鬼役として見つかり次第すぐに出せば、その悲劇は避けられるのだが‥‥いかんせん、そんな簡単に言葉が出るはずもない。
何しろ、彼等にとって今いる召喚獣たちは初めて召喚したものたちであり、直ぐに他人の手へ渡すような真似はし辛かったのだ。
ゆえに、唾の犠牲が増えつつ、鬼役となっていく召喚獣たちも増えていく。
流石に良識溢れる召喚獣は見つけ次第すぐに鬼役を相手の奴にもやらせるように指示をして、徐々につばの犠牲は減っていったのだが‥‥‥
「ドコダー!!ドコダー!!アノメイド野郎!!」
ばっさばっさと怒鳴り声をあげ、羽ばたきながらも探索するヘルール。
現在、ようやく最後の一人にまで追い詰めたというのに、リベンジしたい相手が見つからない。
今回のかくれんぼ、各々の能力なども分からないことが多いので、単純に制限時間は1時間と短くされていたが、この分だとおそらく見つからない可能性の方が高い。
「ムキーッ!!デテコーイ!!」
怒声をあげながら、羽ばたくヘルール。
そんな声を、俺たちは聞こえつつ…‥‥
「‥‥‥案外、バレないものだな」
「ええ、あの鳥、自分が飛べるからこそ上の利点を活かせると思ったようですが‥‥‥飛ぶのは何も、あなたの専売特許じゃありませんからネ」
はるか上空からその光景を眺めつつ、俺は高さに恐怖を抱きつつ、ノインはニヤリと勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
かくれんぼ…‥‥それは何も、障害物とかに隠れるだけではない。
いかにして見つかりにくい場所を探し当てつつ、そこにとどまるためのもの。
いやまぁ、学園内というルールにはちょっと破っていそうだが‥‥‥上空から動いていないのであれば、セーフだと思いたい。
「しかし、ノインがこう飛べるとは思わなかったな」
「家の掃除で屋根も綺麗にする仕事がありますからネ。高所作業用に、短時間程度の飛行ならば可能なのデス」
俺の言葉に、えっへんと胸を張るノイン。
彼女の足が変形し、何やら火を噴き出して飛んだことに驚いたが、こんな機能を持っていたようだ。
ただ、あくまでも高所作業用‥‥‥ある程度の時間で済むとして設計でもされてるのか、流石に長時間の飛行は無理らしい。
「まぁ、制限時間は1時間のようですし、その程度ならば問題ありまセン。しばらくはここで、時間が経つのを待てばいいだけでショウ」
そう言いながら、ノインはディーの体を持ちつつ、そっと体に押し付けた。
「‥‥‥できれば、持ち方か変えれないかな?」
「残念ながら、現状況では難しいデス」
俺、現在お姫様抱っこで持たれているんだよね‥‥‥‥いやまぁ、上空へ行くと気温が下がって、できればくっ付いていたほうがいいというのは良く分かる。
俺自身が飛べるわけでもないし、彼女にくっ付いていなければだめで、なおかつしがみつくにもちょっと度胸がいるので、妥協してもらった結果がこの状態なんだけど‥‥‥
「‥‥‥温かいけど、なんか不安しかない」
「大丈夫デス。しっかり逃げ切ってみせマス」
俺の言葉に、にこやかにノインは返答した。
うん、見取り図を元に、学園の屋上も把握して、下からどの角度ならば見えないとか、そういう計算を行って、今の位置にいるのは良い。
けれどね、この状況は不安過ぎるというか、何と言うか‥‥‥幼い時に、召喚士が召喚獣に乗って空を行くのを見て憧れたことはあったけど、同じ空を飛ぶでもこういうのはちょっと望んでなかった。
というか、お姫様抱っこされているのが問題なんですが。お腹にその柔らかいものが触れ、ちょっとドキドキするんだけど…‥‥
とはいえ、そんなことを口に出す勇気もないので、ひとまず今は見つからないようにしつつも、話題を変えて話すことにした。
「えっとその‥‥‥そうだ、色々聞きたいことがあるんだけど、今大丈夫か?」
「ええ、会話で飛行に支障は起きまセン。ご主人様から聞きたいことがあるのならば、ぜひどうゾ」
「ノインってさ、俺の召喚によって出て来た召喚獣だよな。召喚士の召喚獣は元々別のところから呼ぶ様なものだが‥‥その元の場所とかってどういう所だったのか、覚えているか?」
「‥‥要は、私の生まれた場所とかについて聞いてみたいという事で、良いでしょうカ?」
「ああ、そうだな」
俺の職業の「異界の召喚士」という、この異界の部分とかもまだよく分からない。
ならばいっその事、ノイン自身の事について尋ねて見る事で、その意味を知ろうと思ったのである。
「‥‥‥そうですね、その質問にはできる限り応えたいのですが‥‥‥残念ながら、データ不足デス」
「どういうことだ?」
「正確に言えば、あまり覚えていないと言ったところでしょうカ。いえ、基本的にメイドとしてどのような事をやるのかというのは刻まれているのですが‥‥‥稼働した際に事故が発生し、その地での記録を形作れなかったのデス」
‥‥‥んん?なんか重そうな話にしちゃった?
「‥‥‥俺が召喚したせいか?」
「いえ、別件デス。その後に、ご主人様に召喚されたので、関係ありまセン」
一瞬、俺が召喚したことがその事故なのかと思ったが、どうも違うらしい。
話によれば、その事故の後に彼女が色々と処理を終えた後で、俺の召喚に答えてこの地に舞い降りたのだとか。
「そういう訳で、生憎私自身の故郷の話はできないのですが‥‥‥まぁ、他にできるとすれば、姉たちぐらいでしょうかネ」
「え、ノイン、姉いるの?いや、ゴーレムだから姉妹機?」
「その認識で良いでしょウ。私の番号は09‥‥‥つまり、その番号以前の者も多いデス」
「‥‥‥うん、別に良いや、やめておくよ」
今でさえ、空を飛ぶとか撃ちまくるとか空間を広げるとか‥‥‥何かと色々彼女はやらかしている。
そんな彼女の姉妹機はまともだろうか?いや、そんなわけは無さそうである。
というか、どこのどいつだろうか開発した人‥‥‥すごい気になるような、気にしたら負けのような。
そうこうしているうちに、気が付けば制限時間まで残り3分となっていた。
下の方を見れば、ほぼ全員が捕まっているようで鬼役が増えている。
空を飛行可能な召喚獣たちも増えているが、この高度には気が付いてないようだ。
「ふむ‥‥‥そろそろ移動しておいたほうが良さそうデス。気が付かれていないとはいえ、時間の問題ですからネ」
「でも、どうやって?結構な数がいるし、流石に気が付かれずに着陸は難しいんじゃ‥‥‥」
「大丈夫デス。ちょっとご主人様の元へ向かう前に、神々から拝借してきたこの隠れ蓑で‥‥‥」
「今なんかさらっととんでもないこと言わ、」
「では、自由落下デス」
…‥‥ツッコミを入れる前に、ノインが懐から取り出した布に包まれ、落下を始めた。
彼女がどうにかして着地するのは良いが、くるっと向きを変え、頭から落下するスタイルはやめてほしかった。
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!」
「ご主人様、悲鳴を抑えてくだサイ」
手で口をふさがれながらも、地上が急速に迫りくるその光景に、恐怖というものをしっかり覚えさせられるのであった。
そして制限時間終了後、教師たちの前に現れ、見つけられなかったヘルールは悔しそうにバタバタと羽をはばたかせ、地団太を踏んだ。
一方で、俺は地に足を付けていることの幸せを、この上なくかみしめるのであった…‥‥
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