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07 あたりまえと言う言葉に気が付いて
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‥‥‥かくれんぼ後、見つけられなかったことに対して憤って暴れるヘルールをいさめつつ、デッボルバーネ先生は改めて、生徒たちを見渡した。
「うむ、各々召喚獣と協力し、逃れていたが…‥‥たった一組を除き、捕まってしまったのは残念としか言いようがない。まぁ、こいつがその一組の召喚獣に対して、全力で相手をしようとした大人げなさが原因でもあるが‥‥‥」
「モゴーッ!!モゴーッ!!」
バタバタと羽ばたかせつつも、文句を言いたくともくちばしをひもで縛られ、動かせないヘルール。
怒りの目をノインの方に向けているが、彼女はどこ吹く風というように、気にも留めてない様子。
ついでに、他の生徒たちも制限時間まで逃げ延びた俺たちの方を見て、悔しがる。
「そんなわけで、結局褒美の次回テスト免除は、その召喚獣の召喚主であるディーに贈呈しよう!!」
「ありがとうございます」
一応、貰えるものはもらっておくべきだろう。
そこに一羽、納得できずに暴れる鳥がいるが、気にしないほうが良いだろうなぁ‥‥‥。
「にしてもだ」
っと、ここで先生がノインの方に目を向けた。
「ここまで隠れた手法を先ほど聞いたが…‥‥まさか、空を飛んでいたとは、その召喚獣、メイドゴーレムとやらは思いもよらない手を使うのか」
「召喚した、俺自身彼女を把握し切れてませんからね…‥‥」
「私の機能は、まだありますからネ。流石にできないことも多いですが、メイドとしてある程度できるように様々な技能を習得してはいるのデス」
そのある程度とはどの程度の事を指すのか、クラス一同疑問に思った。
だが、その程度の深さは深淵のようであり、尋ねにくそうだと皆悟ったので、質問できないのであった。
「何にしても、今日の初授業のかくれんぼで、どの程度召喚獣のできる事を把握し、それを活かせたのかは見せてもらった。召喚士になったばかりでも、各々いいセンスはしている。後は、これらをどのように引き延ばし、そしてどう将来に役立得てていくのか、ここで学んでいこうではないか!!」
ひとまずは、今回の授業は先生的に全員太鼓判を押すらしい。
まぁ、まだオリエンテーションのようなものであり、本格的な召喚士としての授業は明日から。
まだこの適性学園になれていない人も多そうなので、後は自由時間とされた。
「っと、その前にだ。ディーとその召喚獣ノイン。お前たちはこのかくれんぼでいい成績を取れたが、色々と教員たちで話すことがあり、昼過ぎ頃に学園長が来るようにと言って来たぞ」
「どこにでしょうか?」
「学園長室だ。一応、今日はこのクラスは解散とするが、昼過ぎにお前たちは向かうのを忘れないように」
そう言って、未だに暴れるヘルールを引きずりながらも、先生は出ていくのであった。
「‥‥‥学園長の呼び出しか‥十中八九、職業の名前に関してだろうな」
‥‥‥『異界の召喚士』という、通常の召喚士とは違う職名。
この件に関しては、適性検査時にも試験官たちに話し合いをされていたが、どうも学園長の方でその話について結論が出たらしい。
「気になりはするが‥‥‥まぁ、昼過ぎまで待つか」
「では、それまでに昼食を作っておきましょうカ?」
「いや、別に良いかな」
朝食の時点でうまかったが、あれは一応朝ゆえに軽く食べられるもの。
昼食となると献立の種類も増えるので、そのうまいものも増加するだろうし‥‥‥慣れ過ぎたらちょっと怖い。
そんなわけで、ひとまずは昼食後のその時まで、大人しく待つことにしたのであった…‥‥
「と言っても、普通に予習とかにしておこうかな…‥‥座学とかもあるし、最初のテスト免除とは言え、後の事も考えるとやっておいて損は無いか」
「私も、できれば学んでおきたいデス。データはあれども、この世界に呼ばれ、まだ詳しく知らないことも有りますしネ」
‥‥‥言われて気が付いた。そう言えば彼女、ここへ来てまだ間もない。
俺の方は、故郷が田舎だったとはいえ、学ぶ場所はあったが‥‥‥世間一般の常識的なものを、彼女は知らないのではなかろうか。
常識が抜けていると考えれば、ノインの様々なやり過ぎる事の説明もある程度つくだろう。
(あれ?ここできちんと教えれば、もしかして常識の範囲内で済むようになるかも?)
ふと気が付いたその希望の光に、俺は内心そうつぶやきながら期待する。
うますぎる料理だの、部屋拡張、空中急速落下‥‥‥常識というものを知ってもらえれば、だいぶ収まるかもしれない。
「んー、じゃあ時間まで、ノインに俺が教えられる範囲で、ある程度教えるよ」
「お願いいたします、ご主人様」
世間一般の常識をどのぐらい叩き込めるかは分からないが、少なくとも希望はある。
ああ、責任重大そうだなぁっと思いつつも、俺は彼女にこの世界の自分が知る範囲の事を学ばせ始めるのであった…‥‥
「うむ、各々召喚獣と協力し、逃れていたが…‥‥たった一組を除き、捕まってしまったのは残念としか言いようがない。まぁ、こいつがその一組の召喚獣に対して、全力で相手をしようとした大人げなさが原因でもあるが‥‥‥」
「モゴーッ!!モゴーッ!!」
バタバタと羽ばたかせつつも、文句を言いたくともくちばしをひもで縛られ、動かせないヘルール。
怒りの目をノインの方に向けているが、彼女はどこ吹く風というように、気にも留めてない様子。
ついでに、他の生徒たちも制限時間まで逃げ延びた俺たちの方を見て、悔しがる。
「そんなわけで、結局褒美の次回テスト免除は、その召喚獣の召喚主であるディーに贈呈しよう!!」
「ありがとうございます」
一応、貰えるものはもらっておくべきだろう。
そこに一羽、納得できずに暴れる鳥がいるが、気にしないほうが良いだろうなぁ‥‥‥。
「にしてもだ」
っと、ここで先生がノインの方に目を向けた。
「ここまで隠れた手法を先ほど聞いたが…‥‥まさか、空を飛んでいたとは、その召喚獣、メイドゴーレムとやらは思いもよらない手を使うのか」
「召喚した、俺自身彼女を把握し切れてませんからね…‥‥」
「私の機能は、まだありますからネ。流石にできないことも多いですが、メイドとしてある程度できるように様々な技能を習得してはいるのデス」
そのある程度とはどの程度の事を指すのか、クラス一同疑問に思った。
だが、その程度の深さは深淵のようであり、尋ねにくそうだと皆悟ったので、質問できないのであった。
「何にしても、今日の初授業のかくれんぼで、どの程度召喚獣のできる事を把握し、それを活かせたのかは見せてもらった。召喚士になったばかりでも、各々いいセンスはしている。後は、これらをどのように引き延ばし、そしてどう将来に役立得てていくのか、ここで学んでいこうではないか!!」
ひとまずは、今回の授業は先生的に全員太鼓判を押すらしい。
まぁ、まだオリエンテーションのようなものであり、本格的な召喚士としての授業は明日から。
まだこの適性学園になれていない人も多そうなので、後は自由時間とされた。
「っと、その前にだ。ディーとその召喚獣ノイン。お前たちはこのかくれんぼでいい成績を取れたが、色々と教員たちで話すことがあり、昼過ぎ頃に学園長が来るようにと言って来たぞ」
「どこにでしょうか?」
「学園長室だ。一応、今日はこのクラスは解散とするが、昼過ぎにお前たちは向かうのを忘れないように」
そう言って、未だに暴れるヘルールを引きずりながらも、先生は出ていくのであった。
「‥‥‥学園長の呼び出しか‥十中八九、職業の名前に関してだろうな」
‥‥‥『異界の召喚士』という、通常の召喚士とは違う職名。
この件に関しては、適性検査時にも試験官たちに話し合いをされていたが、どうも学園長の方でその話について結論が出たらしい。
「気になりはするが‥‥‥まぁ、昼過ぎまで待つか」
「では、それまでに昼食を作っておきましょうカ?」
「いや、別に良いかな」
朝食の時点でうまかったが、あれは一応朝ゆえに軽く食べられるもの。
昼食となると献立の種類も増えるので、そのうまいものも増加するだろうし‥‥‥慣れ過ぎたらちょっと怖い。
そんなわけで、ひとまずは昼食後のその時まで、大人しく待つことにしたのであった…‥‥
「と言っても、普通に予習とかにしておこうかな…‥‥座学とかもあるし、最初のテスト免除とは言え、後の事も考えるとやっておいて損は無いか」
「私も、できれば学んでおきたいデス。データはあれども、この世界に呼ばれ、まだ詳しく知らないことも有りますしネ」
‥‥‥言われて気が付いた。そう言えば彼女、ここへ来てまだ間もない。
俺の方は、故郷が田舎だったとはいえ、学ぶ場所はあったが‥‥‥世間一般の常識的なものを、彼女は知らないのではなかろうか。
常識が抜けていると考えれば、ノインの様々なやり過ぎる事の説明もある程度つくだろう。
(あれ?ここできちんと教えれば、もしかして常識の範囲内で済むようになるかも?)
ふと気が付いたその希望の光に、俺は内心そうつぶやきながら期待する。
うますぎる料理だの、部屋拡張、空中急速落下‥‥‥常識というものを知ってもらえれば、だいぶ収まるかもしれない。
「んー、じゃあ時間まで、ノインに俺が教えられる範囲で、ある程度教えるよ」
「お願いいたします、ご主人様」
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