憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波

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12 落ち着きたい時もあるのになぁ

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‥‥‥放課後に、生徒会のもとへ来るようにと言われた。

 だがしかし、授業自体はあるのできちんと受けねばならない。

 なお、昨日はオリエンテーションのようなものであり、本日からはきちんとした授業なので‥‥‥


「…‥‥いや、きちんとした・・・・・・普通のだったんだけど‥‥‥」

 そう、本当に普通に、今日は座学メインの授業だった。

 昨日ので大体の召喚獣たち能力を把握しつつ、今日からの学習によって、より詳しい召喚獣に関する話や、その特性、例題などを学んでいたはずである。

 その間、召喚獣たちは召喚士の側にいて、共に授業を受けていたり、研鑽を積むために各々の赴く場所へ出向いたりするはずなのだが‥‥‥

「‥‥ですので、ここはx=12となりつつも、この計算式を入れた場合は18と、答えがずれるのデス」
「王国内の公共交通機関は主に馬車ですが、召喚獣を使用することによって変動する移動料金が‥‥‥」
「この説の場合、このタコーン男爵の唱えたものを引用して補えてますが、これだけでは不十分デス。証明するためには、こちらのブルタニア侯爵の説を調整しつつ‥‥‥」


「‥‥‥ノイン、そろそろストップ。というか、なんでこうなった」
「‥‥‥サァ?」

 ディーの問いかけに対して、どこからか持ってきただて眼鏡をくいっと上げつつ、首をかしげるノイン。

 そして、この授業を受けている教室内では、召喚に関する授業以外として、担任ではなく各教科の担当講師がいたのだが‥‥‥ほとんど、何で生徒と同じ立場になって学んでいるのだろうか?







‥‥‥きっかけは、最初の授業の時である。

 計算式などもきちんと学びつつ、召喚獣に最適なスペースなどを求める公式を出している中で、ふとノインが講師に対して、質問を投げかけてた時であった。

 いわく、計算が一部間違っており、改善すればより最適なものが出るはずだと。

 召喚獣も共に授業を学ぶことができ、しかもノインの場合はキチンと会話での意思疎通も成り立つので、こういう意見も教師たちにとっては良いものであった。

 だがしかし、教師の先生が他の問題も提示し、ノインがそれも楽に解いていき、ならばこうしたらどうなるのか、じゃあこれならばどうですか、と、なんか教師魂に火をつけてしまったのか計算対決が始まり、そこから各教科の担当講師と一問一答、いや、多問多答として、ヒートアップしてしまったのである。

 メイドゴーレムだから、どこかで専門外もあって、そこでおさまるだろうと思っていたら…‥‥気が付いたら、教師の方々が何故か学ぶ側に回っていた。

 うん、それメイドの範疇超えてない?というか、回答に関して完璧な物が出せるのであれば、なぜこんな状況になるのか、そういう事を気が付けなかったのだろうか?


「‥‥‥ディー君だったか。君の召喚獣、我々よりもはるかに上になっているのだが」
「人間では計算不可能な領域なのは、召喚獣ゆえに出来るかもしれないが…‥‥学び直させられることが多い」
「何故教師ではなくメイドなのか、その部分が非常に惜しまれるのだが…‥‥どうだね、この学園の臨時教師にしてくれないか?」
「というか、なってもらった方が圧倒的に良いのだが…‥‥」

「えっと…‥‥ノイン、教師になりたい?」
「‥‥‥無理ですネ。私はご主人様の召喚獣でもあり、一介のメイド。今は単純に、各自の出された問題に対しての回答を述べることはできるのですが、残念ながら教師用には造られていないのデス」
(((((そのどこが、教師用に作られていないんだよ!?)))))

 なんとなくだが、今この瞬間、この場にいる全員の意見が一つになったような気がした。

 ああ、皆の心がこうも分かってしまうとは、分かりやすくていいのか、それとも余計な混乱を招いたようなことに対して謝罪すべきかどうか。

 少なくとも、ノインとしては、今は俺の召喚獣であり、仕えているメイドなので、教師としての時間を割くようなことはできないらしい。

 あくまでも、あの知識量とか、そういうのはメイドの嗜みゆえに培われたものであり、教師としては力不足なのだとか。


「いやいやいや!?どこが力不足だと!?」
「というかそれだと、こちら側の立場が無いのだが!?」
「むしろ教えてくれと言いたいレベルなんだけど!!」

 ノインのその説明を聞き、教師たちは全員そう反論したのだが、何も成すことはできなかったのであった‥‥‥‥







「やぁやぁ、ようこそ生徒会室へ!!‥‥って、言いたいところだけど、こっちとしてはもう知ったんだけど‥‥‥疲れてないか?」
「ええ、精神的な意味でならば非常に疲れてます‥‥‥」

 ここへ来るように言ってきた本人、副生徒会長兼第2王子のグラディは、既に情報を得ていたのか、苦笑いでそう問いかけてきた。

 放課後、生徒会に呼ばれていたので、きちんとそこまで向かえたのは良かっただろう。

 あの後、教員たちから熱心な勧誘を受けまくり、なんとか月に一度レベルで、ノインが教員たちの方へ学習会を手短に行うことで合意した。

 ノインとしては、できるだけ俺自身の命令や自主的なこと以外では動きたくなかったそうだが‥‥‥‥

「あー‥‥心底、同情するね。でも、これでも学園の教師たちは優秀な人たちだから‥‥‥良く言えば、今もなお勉強に貪欲な方々で…‥‥」
「そう言われなくてもよくわかりましたよ…‥‥」

 一応、この適性学園は各自の職業を活かすための学び舎でもあるので、そのためにも様々な知識を取り揃えておいたほうがいいという事で、能力の高い教員たちが多いらしい。

 だが、能力の高いのと知識欲は別物というのか、満たされないモノを満たされるために自ら学ぶ教師もそれなりにいたようである。


 グラディいわく、過去の教師の中にはその欲求を満たすために、授業を行っている間にいつの間にか旅に出てしまった教師や、騎士学科の方で鍛錬する間に生徒全員を一人で相手にする教師がいたそうな。

「それ、学園として成り立ちますカ?教師が自由過ぎるのはどうなのでしょうカ?」
「それが、結構頭の痛い所なんだよね…‥」

 この問題は他人事、いや、他国事でもなく、他国の適正学園でも似たような例があるらしい。

 解決策を考えようにも、その考える人が逃亡したという例があるそうだ。



…‥‥大丈夫なのか、この学園。

 そうディーは思ったが、一応成り立っているらしいのでギリギリで大丈夫そうだ。

 とにもかくにも、まずはこの生徒会室へ呼ばれたからには、どの様な用事があるのか話し始めるのであった‥‥‥‥
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