憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波

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153 今日もどこかであれやこれやと

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…‥‥後夜祭も終わり、見事なキャンプファイヤーも見れた。

 皆が歓声を上げ、喜び合い、共に楽しみ合ったその翌日。

「ぼへぇ‥‥‥」
「くへぇぇ‥‥‥」

「…‥‥意気消沈というか、気力抜けた人が多いな」

 授業中にあるにも関わらず、昨夜の学園祭でやり切った後遺症故か、腑抜けになっている生徒がちらほらと見られた。

 遊びというべきか、学園祭に一生懸命気力を出し過ぎて、やり切った反動が大きいのだろう。

 俺の場合は、きちんとそこは節度を守っていたが(他の騒動に巻き込まれつつ)…‥‥何と言うか、やる気の無い人が多そうである。

「オマエラ、シッカリセーヤ!!チキチキ鳴ッテ、ドッカァァァァァン!!」
ボンッ!!
ドベチャ!ゲベチャ!!
「「ぎゃああああああ!!」」

 あまりにも腑抜け具合に見てられなかったのか、デッボルバーネ先生の召喚獣であるヘルールが、忙しそうに腑抜けた者たちへ攻撃している。

 いまだにノインたちに挑んでは連戦連敗記録を更新しているが、その分経験が積まれて、どうも命中率や吐き出す何かしらの液体の精度なども向上しているようだ。あ、連続ヒットした。

「何にしても、数日間はこのままになりそうだよなぁ…‥‥」

 大きな行事があったからこそ、終わった後はしばらく気が抜けてしまう人が出るのも無理はないかもしれない。

 確か、図書室で読んだ本には、燃え尽き症候群とかそう言うのが書かれていたな…‥‥対処すべき問題なのではないだろうか?

 まぁ、本人たちのやる気次第というのもあるだろうし、当分は行事も特にないはずなので、やりようは無さそうである。生徒会で議題に挙げる程度か。

 そう思いつつ、ディーは真面目に授業を受けるのであった。

「チキチキナッテドッカァァァン!!チキチキナッテドッカァァァン!!」
「「「「ぎゃあああああああああああ!?」」」」
「せんせー、ヘルールが暴走してまーす!」

‥‥‥授業受けたいけど、ヘルールうるさいなぁ。真面目に受けない人の自業自得かもしれんが。






「ふぅ、このぐらいが良いでしょうカ?どうでしょうカ、レイア」
「おおお‥‥‥中々趣があるというか、分かっているというか‥‥‥すごいな!」

 丁度その頃、自己研鑽用の時間を少々使いつつ、ノインはレイアの部屋作りを終え、彼女に見せていた。

 他の召喚獣たちの部屋も建築しつつ、今回も彼女の要望を聞き、ある程度作ったのである。

「滝の勢いや、周囲のわびさび…‥‥うんうん!自室にこうも要望が反映されると凄い嬉しいぞ!」

 部屋の中をぐるりと見渡して嬉しそうな声を上げるレイア。

 自分の要望をほとんど反映してもらった室内なので、文句を言う事もなく、むしろ想像以上の出来具合に満足しまくりである。

「にしてもすごいな!!私は槍を振るってマイロードの役に立つぐらいしかできないが、ノインはこういう建築も得意なのか!」
「メイドたるもの、ご主人様の要望に合わせた場所づくりなどをしなければいけませんからネ。その練習に都合が良いのデス」
「何かおかしいような気もするが、まぁ良いか!」

…‥‥普通のメイドは、滝が流れるような部屋の設計・建築は行わないだろう。

 だが、レイアはその部分にツッコミを入れることはなかった。

「ああ、でも練習部屋はないのか」
「武芸を鍛えるのであれば、この学園内ですと模擬戦場が一番いいですからネ。ご主人様が座学を受けられている間、私たちは自己研鑽に励めますので、呼ばれるまでそちらで体を動かすのはいかがでしょうカ?」
「そうか、そう言う場所があるなら利用した方が良いか。ところでノイン、そちらにも手合わせをしたいが…‥‥」
「私はメイドですので、そこまで請け負いまセン。まぁ、カトレアとならしょっちゅうぶつかってますが‥‥‥」

 そのカトレアは、今この近くにいない。

 彼女は彼女で、自己研鑽に励む目的と植物の世話目的を兼ねて、医師学科の薬草栽培所へ出向いているのである。

「ついでにゼネも一緒のようですネ」
「ぬ?ゼネもか」

 ゼネはゼネで、元聖女という部分もあり、癒しの知識もある。

 神官学科の方へ向かう事もできるが、こちらはこちらで回復魔法なども扱えるからだ。

「あふぁ…‥‥二人とも、何、しているの」
「アナスタシア、寝ぐせついてますヨ」
「ん‥‥‥、寝ていた」

 っと、二人が話している中で、室内にアナスタシアが入って来た。

「夜、ファイヤ凄かった…‥‥溶けた。直すのに、ちょっと時間かかった」
「そりゃ、あれだけドロドロになっていたからな…‥‥同じ召喚主の召喚獣仲間ではあるが、風呂場以外でのあの溶け方はちょっと怖かったぞ」
「むしろ、アレがどうやってこうなったのか、気になりますけれどネ」

 むにゃむにゃと眠そうに話すアナスタシアに対して、苦笑いを浮かべるノインとレイア。

「おお、そうだ!ついでに自分と対戦をしないか?寝起きにやるのはけっこう気持ちがいいはずだ!」
「無理」

 レイアの問いかけに対して、即答するアナスタシアであった。

「ところで、ルビーとリリスは?」
「ああ、あの二人は弓兵学科のほうへ行ってますネ。空中立体機動で的を持って手伝ったり、逆に遠距離攻撃手段の研鑽のために指導も受けているようデス」
「むぅ、既に動いているとは…‥‥よし、こちらもさっさと騎士学科の方へ出向き、模擬戦を挑みに向かおうか!!」

 ふんすっと意気込むレイア。

 自前の槍を装備し、駆けだすのであった…‥‥

「あ、そこアナスタシアの凍結で滑りますヨ」
ステェェン!!
「あぶわぁ!?」

…‥‥盛大に転んだが、受け身を取って無事であった。









…‥‥あちらこちらで学園祭が済んだことで、その面白かった話などで話題にあふれかえっている街中。

 その中で、密かに動く者たちがいた。

「…‥‥どうだ、潜り込めた感想は」
「なんというか…‥‥あれ、この組織で太刀打ちできるのか?すでに何回か撃退されて、ブラックリストにはなったが‥‥‥」
「それは確かに思う。だがしかし、それでもやらなければいけない」

 人気の少ない路地裏で集まり合い、はぁっと疲れたような声を出しつつ、仮面の者たちは話し合う。

「地下の方は探索が定期的に入っているようだし、前以上に動きにくいな‥‥‥‥」
「建物の方も確認されているようだし、あまり派手には動けぬ。だがしかし、やるように言われたからこそやらねばならぬ」

 学園祭のどさくさに紛れ込み、素顔で潜り込み、偵察したからこそわかる彼らの敵。

 真正面から、あるいは不意打ちで襲撃する方法も考えたが、どれもこれも今一つ通用しないように思えてしまうのだ。

「とはいえ、滅茶苦茶な者が多いが…‥‥それでも、頭を押さえればまだ確保しやすいはずだ」
「うまくいけば、組織の新戦力に‥‥‥‥夢物語すぎるような気がしなくもないのだが」
「…‥‥いうな。人員で今回は処分の名目も兼ね、無能過ぎる上司が配属されたからな」
「こちらが廃棄処分決定された感じじゃないですかー!!」

 体のいい処分方法としては、確かにありかもしれない。

 無能を無能として動かし、自滅させて相手に潰してもらえれば、楽に切除できるだろう。

 だが、それに巻き込まれてはたまったものでもないし、おそらくはこれを乗り切れるかどうかというところも見られている可能性が大きい。


「まぁ、安心しろ。無能には無能のやり方があって、大量に新商品を仕入れてくれた。これを利用してしまえばいい」
「むしろ、そのせいで今月の予算全部無くしてますけれどね」

…‥‥たとえ、強大な組織であろうとも、無能が一人いるだけでその配下の人達の心労は計り知れないだろう。

 けれども、その分諦めのつき方とか、生き残るためのすべとかを考えだしやすく、どうにかしようと動くことはできる。

 そして、万が一の時にはその無能のみを犠牲にすればいいと考え、彼らは動き始めるのであった…‥‥

「ところで、この新商品ってまた開発部の方で作られたやつですか?」
「頭のねじが数本ぶっ飛んだ輩の集まりの方の開発部産だが?」
「‥‥‥それ、下手すればこちらが自滅しそうな」
「安心しろ、何かあれば無能な上司が自爆するようにしている」

‥‥‥すでに犠牲は決まっていたようである。
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