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2章 吹く風既に、台風の目に
2-1 道中平穏無事に、と?
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‥‥‥王都までの道のりは、馬車の旅路で約1週間ほど。
とはいえそれは何事も無ければの話であり、平穏無事に済むことは実はあまりない。
いくら国が栄えていても、すべてに行き届ききっているわけでもなく、他国から流れ着く者などもいる中で、魔獣の犠牲になったり悪党へ身を堕とす者もいるのだ。
しかしながら、賞金首になるほど堕ちても、その終わりはあっさりしたものだったりする。
「盗賊などが旅の中で出るからこそ、我々騎士や魔剣士たちが旅路の際に護衛としてつくのだが‥‥‥言って良いだろうか?」
「何でしょうカ?」
「襲われる前に襲ってどうするんだ!!確かにこいつら、名のある賞金首だから危険性も高いのだが、それでもこの近くにいたやつらを一人残らず見つけて生け捕りにするなんて、どうやったらできるというんだぁぁぁぁ!!」
「「「我々が護衛としている意味が無くなるんだがぁぁあ!!」」」
ゼナに対して、そう叫ぶ騎士や魔剣士たち。
悲痛というか、どう対処したものかという悩みが出来てしまい、色々と感情のやり場が無いのだろう。
「いや、本当に俺のメイド魔剣がすいません…‥‥まさか、一晩経ったら周辺を勝手に探索して生け捕りにしてくるとは、誰も予想できませんした」
「謝ることは無いぞ‥‥‥けれどな、道中の荷物は運ぶ負担を考えると少ない方が良いのだ」
「では、ある程度処分いたしましょうカ?物理的にですガ」
「「それはダメだ!!」」
馬車の旅路から三日目、フィーたちは今、ちょっとした…‥‥いや、それでは合わないかもしれないが、とにもかくにもとある問題に直面していた。
それが、今朝起きた『賞金首盗賊団生け捕り事件』である。
どうやら昨夜、皆が寝付いた後にゼナが起きていると、ふと怪しい気配を誰よりも早く察知し、盗賊団のアジトを見つけて襲撃をかけたらしい。
敵を見つけたら最低でも消滅をモットーにしている彼女だが、そこそこここでの常識などを道中で学んでいたせいか、賞金首のかかっているものたちは生け捕りの方が良いかもしれないと思い、ギリギリ生かした状態で全員縛り上げて連れて来たのだ。
‥‥‥なお、ギリギリと言う理由としては、盗賊団全員が引きずられてきた時点でズタボロで虫の息になっていたことである。何があったのかまだ辛うじて話せそうな奴に問いかけるも、ガクブルと震えて何も話さないので、相当やらかしたのがうかがえるだろう。
「ご主人様の道中の安全を守るのは、メイドとしても魔剣としてもやるべきことですからネ。だからこそ、事前に危険が及ばないように、こうやって周囲のものたちを捕まえたのデス」
「それでも無傷で全滅させるって、本当にどうやったんだよ?」
「簡単デス。こう、ごぎぃっとさせて、ばきぃっと負って、あとは簡単な護身術として数人ほどは潰したぐらいですカネ」
「説明が雑!!それに潰したものが何か予想できるけど、流石に盗賊たちに同情するぞ!!」
俺のツッコミに同意するように、周囲にいた騎士や魔剣士たちもうんうんと深く頷き合う。
なお、あくまでも男性陣であり、女性陣の方はそこまででもなかったようである。あれの痛みは、持たざる者には分かるまい。
「あのメイド魔剣、すごすぎるだろ‥‥‥」
「火を纏う魔剣や雷を落とす魔剣もあるが、単体だけで殲滅するって‥‥‥」
他の魔剣を持つ者たちもどうなっているんだと頭を抱え込みたくなってつぶやくようだが、同じ気分である。彼女にいつか勝つことを目標にしているけれども、来るのかなと思わず遠い目になって自信を失いそうになる。
「とにもかくにも、賞金首の処分関係は次の宿泊地で決めるか‥‥‥確かガルニの街だったが、賞金首共を引き渡せる憲兵所はあったかな?」
「あー、確かあったと思うぞ。とは言え、馬車にこれだけの盗賊たちを載せる余裕はないし、歩かせると時間がかかるが‥‥‥」
「引きずればよろしいのデハ?」
「流石に絵面がな」
「市中引きずりまわしのさらし首と言う刑罰もあるが、この人数だときついのだが」
そんな処罰方法も存在しているが、一応生け捕りにした盗賊たちの人相を確認するために、ある程度は顔がはっきりしてほしいらしい。
引きずると顔はまだ無事そうだが、それでも道中で何かあればボロボロになるのが目に見えるようだ。
‥‥‥でも、そもそも捉えられている今の状態で、すでにボロボロなんだけどね。本当に何があったんだろうか、盗賊たちよ。
「すいませんすいませんすいませんすいません」
「もう二度と、悪事に手を染めません。人をなめてかかりません、女を襲い掛かりません」
「メイド怖いメイド怖いメイド怖いメイド怖い」
「ゼナ、彼らに何をしたんだ?」
「先ほども説明しまシタ」
いや、あの説明だけだと雑過ぎて分からないんだが‥‥‥そう思っていると、そっと彼女が僕の耳元に口を寄せて報告してくれた。
「――――で、――――を――――デス」
「…‥‥なるほど、説明としては間違ってないのか」
納得したが、それと同時に盗賊たちに対して更に同情心が沸き上がってしまった。
説明に対してフィーが詳しく聞かなければ良かったと後悔をしていた丁度その頃、王都までの道中の間にいた盗賊たちは、伝わってきたその報告を耳にした。
堕ちた悪党と言えどもすべてが馬鹿でもなく、無駄に才能を開花させる者たちが存在しており、その者たちに情報が伝わったのである。
しかし、その情報を聞き…‥‥盗賊たちは、しばらくの間王国から離れ、犯罪者の検挙数が激減したのは言うまでもない。
「悪党でも、流石に恐怖を覚えるのだが‥‥‥」
「え、この国の新しい魔剣士の魔剣、どう考えてもやばい奴なのでは?」
「引き込めればいいが、失敗したら死しか見えないぞ‥‥‥」
とはいえそれは何事も無ければの話であり、平穏無事に済むことは実はあまりない。
いくら国が栄えていても、すべてに行き届ききっているわけでもなく、他国から流れ着く者などもいる中で、魔獣の犠牲になったり悪党へ身を堕とす者もいるのだ。
しかしながら、賞金首になるほど堕ちても、その終わりはあっさりしたものだったりする。
「盗賊などが旅の中で出るからこそ、我々騎士や魔剣士たちが旅路の際に護衛としてつくのだが‥‥‥言って良いだろうか?」
「何でしょうカ?」
「襲われる前に襲ってどうするんだ!!確かにこいつら、名のある賞金首だから危険性も高いのだが、それでもこの近くにいたやつらを一人残らず見つけて生け捕りにするなんて、どうやったらできるというんだぁぁぁぁ!!」
「「「我々が護衛としている意味が無くなるんだがぁぁあ!!」」」
ゼナに対して、そう叫ぶ騎士や魔剣士たち。
悲痛というか、どう対処したものかという悩みが出来てしまい、色々と感情のやり場が無いのだろう。
「いや、本当に俺のメイド魔剣がすいません…‥‥まさか、一晩経ったら周辺を勝手に探索して生け捕りにしてくるとは、誰も予想できませんした」
「謝ることは無いぞ‥‥‥けれどな、道中の荷物は運ぶ負担を考えると少ない方が良いのだ」
「では、ある程度処分いたしましょうカ?物理的にですガ」
「「それはダメだ!!」」
馬車の旅路から三日目、フィーたちは今、ちょっとした…‥‥いや、それでは合わないかもしれないが、とにもかくにもとある問題に直面していた。
それが、今朝起きた『賞金首盗賊団生け捕り事件』である。
どうやら昨夜、皆が寝付いた後にゼナが起きていると、ふと怪しい気配を誰よりも早く察知し、盗賊団のアジトを見つけて襲撃をかけたらしい。
敵を見つけたら最低でも消滅をモットーにしている彼女だが、そこそこここでの常識などを道中で学んでいたせいか、賞金首のかかっているものたちは生け捕りの方が良いかもしれないと思い、ギリギリ生かした状態で全員縛り上げて連れて来たのだ。
‥‥‥なお、ギリギリと言う理由としては、盗賊団全員が引きずられてきた時点でズタボロで虫の息になっていたことである。何があったのかまだ辛うじて話せそうな奴に問いかけるも、ガクブルと震えて何も話さないので、相当やらかしたのがうかがえるだろう。
「ご主人様の道中の安全を守るのは、メイドとしても魔剣としてもやるべきことですからネ。だからこそ、事前に危険が及ばないように、こうやって周囲のものたちを捕まえたのデス」
「それでも無傷で全滅させるって、本当にどうやったんだよ?」
「簡単デス。こう、ごぎぃっとさせて、ばきぃっと負って、あとは簡単な護身術として数人ほどは潰したぐらいですカネ」
「説明が雑!!それに潰したものが何か予想できるけど、流石に盗賊たちに同情するぞ!!」
俺のツッコミに同意するように、周囲にいた騎士や魔剣士たちもうんうんと深く頷き合う。
なお、あくまでも男性陣であり、女性陣の方はそこまででもなかったようである。あれの痛みは、持たざる者には分かるまい。
「あのメイド魔剣、すごすぎるだろ‥‥‥」
「火を纏う魔剣や雷を落とす魔剣もあるが、単体だけで殲滅するって‥‥‥」
他の魔剣を持つ者たちもどうなっているんだと頭を抱え込みたくなってつぶやくようだが、同じ気分である。彼女にいつか勝つことを目標にしているけれども、来るのかなと思わず遠い目になって自信を失いそうになる。
「とにもかくにも、賞金首の処分関係は次の宿泊地で決めるか‥‥‥確かガルニの街だったが、賞金首共を引き渡せる憲兵所はあったかな?」
「あー、確かあったと思うぞ。とは言え、馬車にこれだけの盗賊たちを載せる余裕はないし、歩かせると時間がかかるが‥‥‥」
「引きずればよろしいのデハ?」
「流石に絵面がな」
「市中引きずりまわしのさらし首と言う刑罰もあるが、この人数だときついのだが」
そんな処罰方法も存在しているが、一応生け捕りにした盗賊たちの人相を確認するために、ある程度は顔がはっきりしてほしいらしい。
引きずると顔はまだ無事そうだが、それでも道中で何かあればボロボロになるのが目に見えるようだ。
‥‥‥でも、そもそも捉えられている今の状態で、すでにボロボロなんだけどね。本当に何があったんだろうか、盗賊たちよ。
「すいませんすいませんすいませんすいません」
「もう二度と、悪事に手を染めません。人をなめてかかりません、女を襲い掛かりません」
「メイド怖いメイド怖いメイド怖いメイド怖い」
「ゼナ、彼らに何をしたんだ?」
「先ほども説明しまシタ」
いや、あの説明だけだと雑過ぎて分からないんだが‥‥‥そう思っていると、そっと彼女が僕の耳元に口を寄せて報告してくれた。
「――――で、――――を――――デス」
「…‥‥なるほど、説明としては間違ってないのか」
納得したが、それと同時に盗賊たちに対して更に同情心が沸き上がってしまった。
説明に対してフィーが詳しく聞かなければ良かったと後悔をしていた丁度その頃、王都までの道中の間にいた盗賊たちは、伝わってきたその報告を耳にした。
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しかし、その情報を聞き…‥‥盗賊たちは、しばらくの間王国から離れ、犯罪者の検挙数が激減したのは言うまでもない。
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