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2章 吹く風既に、台風の目に
2-2 シンプルな事は、良い事でもある
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道中で盗賊たちが犠牲になりつつも、目的地へフィーたちは到着した。
ドルマリア王国の中心にして、魔獣対策も兼ねて城壁が全体を覆うようにそびえたっているのは、王都ドルマリア。
出入りできる場所は東西南北のそれぞれの関所だけであり、入る際には入念なチェックが行われているという話は、ここまでの道中で騎士や魔剣士たちから聞いていた。
「とは言え、通常であればそんなに時間もかからないとは聞いていたけど‥‥‥まだなのだろうか」
「時間がかかりますネ。先頭の方で、何かあったのでしょうカ?」
スムーズに出入りできるという話もあったはずだが、本日は渋滞の様子を見せており、中々先へ進む気配がない。
時間がかかっているし、何やら騒がしいような気がするな。
「ちょっと見てきマス」
そう言い、ゼナが馬車から降りてあっという間に先頭の方へ駆け抜けていった。
「何でだろう、今止めなかったのはちょっと不味かったかもしれないと思うんだが」
「それ、多分この場にいる全員が同じことを思ったぞ」
「多分じゃなくて、確実にだが」
その言葉に対して、馬車に同乗していた人たちや聞こえていた騎士や魔剣士たちがうんうんと深く頷きあっていた。
ここまでの道中で全員彼女に関して色々と悟ってしまったようで、理解したくない物を深く理解してしまって後悔しているようだ。…‥‥どうしよう、俺も同じく悟って何が起きるのか予想がついてしまう。
「ふむ、やはり先頭のほうでいざこざが起きているようですネ」
馬車の方でフィーたちが止めなかった判断に後悔している丁度その頃、ゼナはそんなこともつゆ知らずに列の先頭付近にたどり着いていた。
順番を抜かすために動いているわけでもないし、王都という事だけあってそこそこ偉い人たちは使用人たちを率いているのもあって、彼女のメイド服な格好はこの場ではそんなに目立っていないようである。
「おいごらぁぁ!!いつになったら動けるんだぁぁ!!」
「どうみてもヤバそうな品々を積んでいる馬車を、直ぐに通すわけにもいかないんですよ!!」
っと、怒声が聞こえて来た方向に目を向けると、そこには関所を守る門番の人達と、何やら争っているらしい商人たちの姿が確認できた。
周囲の人たちにそれとなく話を聞けば、どうやらあの商人たちは最近この王都内で商売を始めているらしい商会の人のようだが、今回の荷物検査にて受けるようなことをせずに怪しい素振りで通過をしようとしていたところ見咎められたらしい。
それが何なのかは見当がつかないが、そのせいで色々と調べたいのに抵抗されており、中々動けない硬直状態になったようである。
「強制的にすることはできないのでしょうカ?」
「それがねぇ、あの商人の護衛たちが馬鹿みたいに強くて、無理やり捜査しようとしたり移動させようとしてもさせてくれないようなんだよ」
見ると、商人たちが守りたそうな馬車の前には、筋骨隆々‥‥‥はちょっと違うというか、ゴリマッチョと言えるような体形の人達がスクラムを組んでおり、一致団結しててこでも動かないというように守っていた。
何であそこまで厳重にしているのか、そもそも何を輸送しているのかは不明だが…‥‥とりあえず、金をかけて全力で守っている様子を見ると、ろくでもない可能性が出てくる。
密輸品か、禁制品か、はたまたはもっと不味そうな物なのか。善人ならばまだまともな類かもしれないが、お世辞にもあの者たちには合わない言葉だろう。
「ふむ、探ってみますカ」
そうつぶやき、ゼナは聞いた人たちにお礼を言いつつ、人ごみに紛れて戻るふりをしつつ気配を消した。
誰もいないように見せているが、別に姿が消えたわけではない。
ただ単純に気配を極端に無くしただけなのだが、よっぽどの達人でもない限り気が付かれることは無い。
(‥‥‥そしてこの肉だるまたち、筋力だけはありそうですガ、それだけですネ)
心の中でつぶやきつつ、馬車の舌の方に潜り込み、そっと音を立てずに床に穴を開け、中に入り込んだ。
やや薄暗いが、見渡してみると樽や箱に詰められた商品の数々が見受けられる。
けれども、どれもこれもそんなに変な代物でもなく、わざわざ隠すようなものではないと思ったのだが‥‥‥とある箇所に、彼女は目を向けた。
「‥‥‥これは?」
「あ、戻って来た」
「何の騒ぎも起こさずに、戻ってきたようだが‥‥‥何だろう、何故か安心してはいけないという警鐘が鳴っているのだが」
馬車で待機している事十数分ほど。
動き自体はほぼない状態で、暇つぶしに王都内の情報や学び舎ではどういう事を学んでいくのかなどと言う話で盛り上がっていると、ゼナが戻って来た。
「ただ今戻りました、ご主人様」
「お帰り、ゼナ。それで何か、原因が分かったのか?」
「ハイ。どうやら先頭のほうでいざこざがあるようで、門番と商人たちの良い争いで動けていない様子デス。一部では他の門の方へ移動し手続きを行うようにと誘導されてましたので、完全に進まないことは無いと思われマス」
「いざこざか?」
「たまにあるよなー。王都内に違法なものを持ち込もうとして、捕まる奴。一応国の中心と言うのもあって、変なのがあったらひっかかるように門に細工をされているという話もあるからな」
王都のあるある話なのか、出入りを良くしているらしい騎士たちはそう口にしあう。
「それでかかったと思われますが、護衛を連れているせいで中々動かせずにいたようデス。なのでちょっと、内部に潜入して探ってみまシタ」
「なるほど‥‥‥ん?」
「「「ん?」」」
ゼナの言葉に納得しかけたが、何かおかしな言葉が混ざっていた。
「潜入?」
「そうデス。守っているようでしたが、護衛のものたちは何処かで雇われた筋肉ダルマというような方々でしたからネ。気配を消すだけで素通りさせてくれる見掛け倒しの肉だるまになっていたのデス」
酷い言いようかもしれないが、その前に色々とツッコミを入れたいところがある。
けれどもその次に出てきた言葉に、俺たちはツッコミを入れる機会を失った。
「そして中に入ってみると、何の変哲もない商品が多かったのですが‥‥‥小さな檻が設置されてまして、中を除くと魔獣が入ってまシタ」
「「「「はぁっ!?」」」」
その言葉に、俺たちは全員驚愕する。
何を考えているのだろうか、その商人は。いや、そもそも命を奪いつくしていく魔獣をどうやって捕えているのだろうか。
「ぜ、ゼナ、その魔獣は何だ?」
「こう、小さな小鬼のような魔獣でしたネ。眠らされているようでしたが、既に何体かは目を覚ましているようで、人に聞こえない音の領域で歯ぎしりをしてまシタ」
「小鬼のようで、聞こえない歯ぎしり…‥‥まさか、プチデビルどもか!?」
「何を考えているんだそいつらは!?」
ゼナの言った特徴だけで、どうやら何の魔獣か魔剣士や騎士たちは理解したらしい。
どういう魔獣なのか説明を聞くと…‥‥それはとんでもない魔獣だった。
―――――
『プチデビル』
魔獣の中でも体格が子供よりも一回り小さいほどの小鬼の魔獣。見た目的に明らかに弱そうな点から、油断させて眠らせ、ペット替わりにして飼えないかと画策する貴族たちが多い。
だがしかし、プチデビルの恐ろしい特徴として、他の魔獣たちの発生要因は不明なことが多いのに対して、プチデビルは仲間同士の召喚によって群れを作り上げることにある。
距離を指定して大量に呼び出すことが可能であり、一体でも見かければ即討伐しないと…‥‥
―――――
「どこかに出てきたプチデビルが、仲間を呼ぶために発する音によって集まっていくんだ。その音は聞こえないが、周囲の獣たちの動きから人に聞こえない音で呼んでいるとされる」
「しかも、一体のプチデビルが呼びだす量は最低でも十体以上で、弱々しそうな見た目だが残虐性や力が高く、わざと捕まったふりをして周囲を蹂躙する習性もあるんだぞ!!」
「それはつまり?」
「そのプチデビルどもを商人たちは捕らえて見せ物か貴族へ売り出そうとしているんだろうけれども、そいつら全然魔獣のことに関して学んでいない馬鹿共だ!!そのプチデビルたちはすでに仲間を呼んでいるんだぞ!!」
‥‥‥ああ、何事も無ければ良かったなと思っていたのに、とんでもない爆弾話をお土産にされた。
旅路と言うのは、休まる時は無いというのだろうかと思いつつ、全員非常に事態に備えて動き出すのであった‥‥‥
「ひとまず呼び出す奴らを先に潰せ!!」
「あ、それはやっておきまシタ。ロクデモナイ事を企んでいる可能性が高いので、商人たちの手による隠滅を防ぐ意味も込めて、凍結処理を施していマス。特殊な氷を使いましたので、炎の魔剣でもなければ解凍不可能デス」
「やったのは良いけど、なんか別に聞きたいことが出来たんだが!?」
「お前のメイド魔剣、本当に何者なんだよ!!」
それは俺が一番知りたいことです。
ドルマリア王国の中心にして、魔獣対策も兼ねて城壁が全体を覆うようにそびえたっているのは、王都ドルマリア。
出入りできる場所は東西南北のそれぞれの関所だけであり、入る際には入念なチェックが行われているという話は、ここまでの道中で騎士や魔剣士たちから聞いていた。
「とは言え、通常であればそんなに時間もかからないとは聞いていたけど‥‥‥まだなのだろうか」
「時間がかかりますネ。先頭の方で、何かあったのでしょうカ?」
スムーズに出入りできるという話もあったはずだが、本日は渋滞の様子を見せており、中々先へ進む気配がない。
時間がかかっているし、何やら騒がしいような気がするな。
「ちょっと見てきマス」
そう言い、ゼナが馬車から降りてあっという間に先頭の方へ駆け抜けていった。
「何でだろう、今止めなかったのはちょっと不味かったかもしれないと思うんだが」
「それ、多分この場にいる全員が同じことを思ったぞ」
「多分じゃなくて、確実にだが」
その言葉に対して、馬車に同乗していた人たちや聞こえていた騎士や魔剣士たちがうんうんと深く頷きあっていた。
ここまでの道中で全員彼女に関して色々と悟ってしまったようで、理解したくない物を深く理解してしまって後悔しているようだ。…‥‥どうしよう、俺も同じく悟って何が起きるのか予想がついてしまう。
「ふむ、やはり先頭のほうでいざこざが起きているようですネ」
馬車の方でフィーたちが止めなかった判断に後悔している丁度その頃、ゼナはそんなこともつゆ知らずに列の先頭付近にたどり着いていた。
順番を抜かすために動いているわけでもないし、王都という事だけあってそこそこ偉い人たちは使用人たちを率いているのもあって、彼女のメイド服な格好はこの場ではそんなに目立っていないようである。
「おいごらぁぁ!!いつになったら動けるんだぁぁ!!」
「どうみてもヤバそうな品々を積んでいる馬車を、直ぐに通すわけにもいかないんですよ!!」
っと、怒声が聞こえて来た方向に目を向けると、そこには関所を守る門番の人達と、何やら争っているらしい商人たちの姿が確認できた。
周囲の人たちにそれとなく話を聞けば、どうやらあの商人たちは最近この王都内で商売を始めているらしい商会の人のようだが、今回の荷物検査にて受けるようなことをせずに怪しい素振りで通過をしようとしていたところ見咎められたらしい。
それが何なのかは見当がつかないが、そのせいで色々と調べたいのに抵抗されており、中々動けない硬直状態になったようである。
「強制的にすることはできないのでしょうカ?」
「それがねぇ、あの商人の護衛たちが馬鹿みたいに強くて、無理やり捜査しようとしたり移動させようとしてもさせてくれないようなんだよ」
見ると、商人たちが守りたそうな馬車の前には、筋骨隆々‥‥‥はちょっと違うというか、ゴリマッチョと言えるような体形の人達がスクラムを組んでおり、一致団結しててこでも動かないというように守っていた。
何であそこまで厳重にしているのか、そもそも何を輸送しているのかは不明だが…‥‥とりあえず、金をかけて全力で守っている様子を見ると、ろくでもない可能性が出てくる。
密輸品か、禁制品か、はたまたはもっと不味そうな物なのか。善人ならばまだまともな類かもしれないが、お世辞にもあの者たちには合わない言葉だろう。
「ふむ、探ってみますカ」
そうつぶやき、ゼナは聞いた人たちにお礼を言いつつ、人ごみに紛れて戻るふりをしつつ気配を消した。
誰もいないように見せているが、別に姿が消えたわけではない。
ただ単純に気配を極端に無くしただけなのだが、よっぽどの達人でもない限り気が付かれることは無い。
(‥‥‥そしてこの肉だるまたち、筋力だけはありそうですガ、それだけですネ)
心の中でつぶやきつつ、馬車の舌の方に潜り込み、そっと音を立てずに床に穴を開け、中に入り込んだ。
やや薄暗いが、見渡してみると樽や箱に詰められた商品の数々が見受けられる。
けれども、どれもこれもそんなに変な代物でもなく、わざわざ隠すようなものではないと思ったのだが‥‥‥とある箇所に、彼女は目を向けた。
「‥‥‥これは?」
「あ、戻って来た」
「何の騒ぎも起こさずに、戻ってきたようだが‥‥‥何だろう、何故か安心してはいけないという警鐘が鳴っているのだが」
馬車で待機している事十数分ほど。
動き自体はほぼない状態で、暇つぶしに王都内の情報や学び舎ではどういう事を学んでいくのかなどと言う話で盛り上がっていると、ゼナが戻って来た。
「ただ今戻りました、ご主人様」
「お帰り、ゼナ。それで何か、原因が分かったのか?」
「ハイ。どうやら先頭のほうでいざこざがあるようで、門番と商人たちの良い争いで動けていない様子デス。一部では他の門の方へ移動し手続きを行うようにと誘導されてましたので、完全に進まないことは無いと思われマス」
「いざこざか?」
「たまにあるよなー。王都内に違法なものを持ち込もうとして、捕まる奴。一応国の中心と言うのもあって、変なのがあったらひっかかるように門に細工をされているという話もあるからな」
王都のあるある話なのか、出入りを良くしているらしい騎士たちはそう口にしあう。
「それでかかったと思われますが、護衛を連れているせいで中々動かせずにいたようデス。なのでちょっと、内部に潜入して探ってみまシタ」
「なるほど‥‥‥ん?」
「「「ん?」」」
ゼナの言葉に納得しかけたが、何かおかしな言葉が混ざっていた。
「潜入?」
「そうデス。守っているようでしたが、護衛のものたちは何処かで雇われた筋肉ダルマというような方々でしたからネ。気配を消すだけで素通りさせてくれる見掛け倒しの肉だるまになっていたのデス」
酷い言いようかもしれないが、その前に色々とツッコミを入れたいところがある。
けれどもその次に出てきた言葉に、俺たちはツッコミを入れる機会を失った。
「そして中に入ってみると、何の変哲もない商品が多かったのですが‥‥‥小さな檻が設置されてまして、中を除くと魔獣が入ってまシタ」
「「「「はぁっ!?」」」」
その言葉に、俺たちは全員驚愕する。
何を考えているのだろうか、その商人は。いや、そもそも命を奪いつくしていく魔獣をどうやって捕えているのだろうか。
「ぜ、ゼナ、その魔獣は何だ?」
「こう、小さな小鬼のような魔獣でしたネ。眠らされているようでしたが、既に何体かは目を覚ましているようで、人に聞こえない音の領域で歯ぎしりをしてまシタ」
「小鬼のようで、聞こえない歯ぎしり…‥‥まさか、プチデビルどもか!?」
「何を考えているんだそいつらは!?」
ゼナの言った特徴だけで、どうやら何の魔獣か魔剣士や騎士たちは理解したらしい。
どういう魔獣なのか説明を聞くと…‥‥それはとんでもない魔獣だった。
―――――
『プチデビル』
魔獣の中でも体格が子供よりも一回り小さいほどの小鬼の魔獣。見た目的に明らかに弱そうな点から、油断させて眠らせ、ペット替わりにして飼えないかと画策する貴族たちが多い。
だがしかし、プチデビルの恐ろしい特徴として、他の魔獣たちの発生要因は不明なことが多いのに対して、プチデビルは仲間同士の召喚によって群れを作り上げることにある。
距離を指定して大量に呼び出すことが可能であり、一体でも見かければ即討伐しないと…‥‥
―――――
「どこかに出てきたプチデビルが、仲間を呼ぶために発する音によって集まっていくんだ。その音は聞こえないが、周囲の獣たちの動きから人に聞こえない音で呼んでいるとされる」
「しかも、一体のプチデビルが呼びだす量は最低でも十体以上で、弱々しそうな見た目だが残虐性や力が高く、わざと捕まったふりをして周囲を蹂躙する習性もあるんだぞ!!」
「それはつまり?」
「そのプチデビルどもを商人たちは捕らえて見せ物か貴族へ売り出そうとしているんだろうけれども、そいつら全然魔獣のことに関して学んでいない馬鹿共だ!!そのプチデビルたちはすでに仲間を呼んでいるんだぞ!!」
‥‥‥ああ、何事も無ければ良かったなと思っていたのに、とんでもない爆弾話をお土産にされた。
旅路と言うのは、休まる時は無いというのだろうかと思いつつ、全員非常に事態に備えて動き出すのであった‥‥‥
「ひとまず呼び出す奴らを先に潰せ!!」
「あ、それはやっておきまシタ。ロクデモナイ事を企んでいる可能性が高いので、商人たちの手による隠滅を防ぐ意味も込めて、凍結処理を施していマス。特殊な氷を使いましたので、炎の魔剣でもなければ解凍不可能デス」
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