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2章 吹く風既に、台風の目に
2-7 欠かさないように、なくさないように
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‥‥‥本来、学園内での上級生との交流が始まるのは、ひと月ほどが経過してからである。
というのも、魔剣を入手したての新入生との実力差を考えると間がそれなりに開いており、その事を利用してガキ大将みたいになろうとする馬鹿げたことを企んだ者がいたという前例があった。
ゆえに、その悪しき前例のようなことが無いように実力差が大きく開きすぎず、ちょうどいい頃合いを協議した結果、そこそこ魔剣を扱えるようになった頃合いの目安としてひと月と定めて、交流の時期を制限したそうである。
このことによって無駄な衝突は減り、上級生との交流に向けて新入生は自己研鑽に励み、上級生も新入生に負けないようにより高みを目指すようになったのだとか。
「でも、今回は二週間ほどで上級生との交流開始か‥‥‥早くないか?」
「話に聞いていたけれども、実際こうも速くなったのは意外だな」
「まぁ、原因としては今年度の新入生の実力が一気に向上したというのはあるけど‥‥‥」
「「「その原因のさらなる元凶として、メイド魔剣がいるとは誰が想像できたのだろうか」」」
「確かに、想像できませんネ」
「「「その元凶のメイド魔剣が何で想像していないんだぁぁぁぁぁぁ!!」」」
うん、同級生全員のツッコミが入るが同じ気持ちである。
というのも、この学園に入学して以来彼女に挑む人が増え、挑んでは敗れ去り、また挑んでは敗れ去りということを繰り返していたせいか、自然と負けから自らの見直しが入って研鑽し、いつの間にか全員の実力が一気に向上したのだ。
習うより慣れろと言う言葉や実戦に勝るものはないという人もいるが、まさにそれであろう。‥‥‥俺としては、ずっと皆で挑んでいるのに全然ゼナに勝つことが無いのはどうしてなのかと嘆きたくなる部分もあるけどな。うん、いつか絶対に勝ってやる。
何にしても思いっきり大きな要因が存在していた結果、二週間経過した頃合いになって、もう上級生との交流が可能になったのだ。
魔剣士としての授業で座学もあるが、既になれている人との手合わせも交えることが出来ればその技術を見て学び、盗み取り、より一層実力の向上が目指せるだろう。
でも、全部が良い事ばかりではない。
そう、例えトラブル回避のために実力を向上させたとしても、やはり新入生は新入生で、魔剣の扱いはまだまだだと考える奴が出てしまうのは完全に防げることでもなく…‥‥
「そのせいで、昨晩教員に注意されまシタ。次からはきちんと、事後報告書を製作して持ってきてほしいそうデス」
「何をやらかした」
「交流授業前に、ちょっと遊ぼうとした方々がいましたので、相手をしただけデス」
‥‥‥防げなかったというか、犠牲が出てしまったようだ。ただし、相手側の。
何が起きたのか、この場にいた全員が理解をしたが、口にすることはない。むしろ、心の中で犠牲になった者たちに安息の眠りを祈ろう。
自業自得とは言え、相手が悪すぎるせいで、毎回ゼナに挑んで負けている俺たちに重なって見えてしまい、思わず同情して全員で犠牲者へ黙祷を捧げるのであった…‥‥
‥‥‥そして、新入生と上級生との初の交流会が行われている丁度その頃。
学園のとある一室の窓からその光景を覗きつつ、話し合っている者たちがいた。
「‥‥‥今年も無事に行えたな。例年より早めとは言え、大きなトラブルもなく良い事だ」
「本当に良い事でしょうか?数人ほど、やらかした方々が出席できない状態なんですが」
「まぁまぁ、そのぐらい問題ないぞなぁ。むしろ、あのメイド魔剣とやらの力がどのぐらいなのか、より興味が湧き出て来たぞなぁ、ふふふふふふふ」
「見た目的にマッドすぎるので、その笑い方はやめてほしいなぁ…‥‥あれ?いつも憑いている後輩は?」
「ああ、後輩は今あの交流会にきちんと身だしなみを整えて参加しているぞなぁ。何しろ、我輩は今の生徒会の時間は出席できないので、代わりにメイド魔剣と手合わせをしてデータを集めてきてくれるようで嬉しいぞなぁ」
円卓上に並べた机に手を置きつつ、そう話し合うのはこの学園の生徒会役員。
本来、学園そのものは国や教師陣が主導して経営を行うが、それでもすべて細かく見ることはできない。
だからこそ、生徒でしか分からないことは生徒に任せるという事で、ある程度の自主性が任された学園を取り仕切る組織として、生徒会が存在していたのである。
「それはそうとして生徒会長、今年の新入生で今のところ生徒会へ引き込む者は決めたかなぞなぁ?」
「ああ、もう決めているよ。本当はひと月ほどかかるはずだったけれども、この二週間での新入生たちの実力の向上を確認したからこそ、より早く審査が出来たからね。早く成長してくれるほど、ここにきていい人が増えるのは良いだろう」
「ほうほう、では誰が入るのだぞなぁ?」
「そうだね‥‥6つの役職がある生徒会だからこそ、一つにつき一人という事で、6人が欲しいと決めていたからこそ、各役職に合った人材を選定していた。各自、このリストを見て欲しい」
質問に対して、生徒会長と呼ばれた者はあらかじめ作っておいた新入生名簿表から勧誘予定のものたちのリストを各々に手渡す。
そして各自そのリストに目を通し、どの様な人物で、何の魔剣を持ち、何故その役職へ付けるのかということに関しての理由などを確認し、納得し合う。
「なるほど、中々バランスが良さそうだ」
「文句は‥‥‥うーん、出来れば彼は、我輩のもとに欲しかったぞなぁということぐらいぞなぁ」
「ははは、残念ながら気質としては合わなさそうだったからずらしたよ。とは言え、代わりのものも文句はないだろう?」
「無いぞなぁ」
生徒会長の言葉に皆が納得し、この日の生徒会の場は閉会となる。
直接接触するのは明日からだが…‥‥それでも、選ばれた者たちと話し合い、この場で働けるようになることを彼らは楽しみにするのであった…‥‥
「ところで生徒会長、何故、この場に4人しか集まってないのでしょうか?」
「そう言えばそうぞなねぇ」
「どうしたんだ?」
「‥‥‥他の人達はね、やらかした。いや、悪意も何もなく、純粋に力量を知りたかっただけなんだろうけれども‥‥‥うん、まぁ治療が済み次第、生徒会にあるまじきことをやらかしたという事でしっかりお仕置きするから安心してくれたまえ」
「ああ、なんかもう納得したかも」
「お仕置きとぼこぼこ、どっちの方が精神に来るのかな‥‥?」
「むぅ、加わっておけばよかった想いと、お仕置きを喰らいたくないという想いもあって複雑ぞなぁ‥‥‥」
というのも、魔剣を入手したての新入生との実力差を考えると間がそれなりに開いており、その事を利用してガキ大将みたいになろうとする馬鹿げたことを企んだ者がいたという前例があった。
ゆえに、その悪しき前例のようなことが無いように実力差が大きく開きすぎず、ちょうどいい頃合いを協議した結果、そこそこ魔剣を扱えるようになった頃合いの目安としてひと月と定めて、交流の時期を制限したそうである。
このことによって無駄な衝突は減り、上級生との交流に向けて新入生は自己研鑽に励み、上級生も新入生に負けないようにより高みを目指すようになったのだとか。
「でも、今回は二週間ほどで上級生との交流開始か‥‥‥早くないか?」
「話に聞いていたけれども、実際こうも速くなったのは意外だな」
「まぁ、原因としては今年度の新入生の実力が一気に向上したというのはあるけど‥‥‥」
「「「その原因のさらなる元凶として、メイド魔剣がいるとは誰が想像できたのだろうか」」」
「確かに、想像できませんネ」
「「「その元凶のメイド魔剣が何で想像していないんだぁぁぁぁぁぁ!!」」」
うん、同級生全員のツッコミが入るが同じ気持ちである。
というのも、この学園に入学して以来彼女に挑む人が増え、挑んでは敗れ去り、また挑んでは敗れ去りということを繰り返していたせいか、自然と負けから自らの見直しが入って研鑽し、いつの間にか全員の実力が一気に向上したのだ。
習うより慣れろと言う言葉や実戦に勝るものはないという人もいるが、まさにそれであろう。‥‥‥俺としては、ずっと皆で挑んでいるのに全然ゼナに勝つことが無いのはどうしてなのかと嘆きたくなる部分もあるけどな。うん、いつか絶対に勝ってやる。
何にしても思いっきり大きな要因が存在していた結果、二週間経過した頃合いになって、もう上級生との交流が可能になったのだ。
魔剣士としての授業で座学もあるが、既になれている人との手合わせも交えることが出来ればその技術を見て学び、盗み取り、より一層実力の向上が目指せるだろう。
でも、全部が良い事ばかりではない。
そう、例えトラブル回避のために実力を向上させたとしても、やはり新入生は新入生で、魔剣の扱いはまだまだだと考える奴が出てしまうのは完全に防げることでもなく…‥‥
「そのせいで、昨晩教員に注意されまシタ。次からはきちんと、事後報告書を製作して持ってきてほしいそうデス」
「何をやらかした」
「交流授業前に、ちょっと遊ぼうとした方々がいましたので、相手をしただけデス」
‥‥‥防げなかったというか、犠牲が出てしまったようだ。ただし、相手側の。
何が起きたのか、この場にいた全員が理解をしたが、口にすることはない。むしろ、心の中で犠牲になった者たちに安息の眠りを祈ろう。
自業自得とは言え、相手が悪すぎるせいで、毎回ゼナに挑んで負けている俺たちに重なって見えてしまい、思わず同情して全員で犠牲者へ黙祷を捧げるのであった…‥‥
‥‥‥そして、新入生と上級生との初の交流会が行われている丁度その頃。
学園のとある一室の窓からその光景を覗きつつ、話し合っている者たちがいた。
「‥‥‥今年も無事に行えたな。例年より早めとは言え、大きなトラブルもなく良い事だ」
「本当に良い事でしょうか?数人ほど、やらかした方々が出席できない状態なんですが」
「まぁまぁ、そのぐらい問題ないぞなぁ。むしろ、あのメイド魔剣とやらの力がどのぐらいなのか、より興味が湧き出て来たぞなぁ、ふふふふふふふ」
「見た目的にマッドすぎるので、その笑い方はやめてほしいなぁ…‥‥あれ?いつも憑いている後輩は?」
「ああ、後輩は今あの交流会にきちんと身だしなみを整えて参加しているぞなぁ。何しろ、我輩は今の生徒会の時間は出席できないので、代わりにメイド魔剣と手合わせをしてデータを集めてきてくれるようで嬉しいぞなぁ」
円卓上に並べた机に手を置きつつ、そう話し合うのはこの学園の生徒会役員。
本来、学園そのものは国や教師陣が主導して経営を行うが、それでもすべて細かく見ることはできない。
だからこそ、生徒でしか分からないことは生徒に任せるという事で、ある程度の自主性が任された学園を取り仕切る組織として、生徒会が存在していたのである。
「それはそうとして生徒会長、今年の新入生で今のところ生徒会へ引き込む者は決めたかなぞなぁ?」
「ああ、もう決めているよ。本当はひと月ほどかかるはずだったけれども、この二週間での新入生たちの実力の向上を確認したからこそ、より早く審査が出来たからね。早く成長してくれるほど、ここにきていい人が増えるのは良いだろう」
「ほうほう、では誰が入るのだぞなぁ?」
「そうだね‥‥6つの役職がある生徒会だからこそ、一つにつき一人という事で、6人が欲しいと決めていたからこそ、各役職に合った人材を選定していた。各自、このリストを見て欲しい」
質問に対して、生徒会長と呼ばれた者はあらかじめ作っておいた新入生名簿表から勧誘予定のものたちのリストを各々に手渡す。
そして各自そのリストに目を通し、どの様な人物で、何の魔剣を持ち、何故その役職へ付けるのかということに関しての理由などを確認し、納得し合う。
「なるほど、中々バランスが良さそうだ」
「文句は‥‥‥うーん、出来れば彼は、我輩のもとに欲しかったぞなぁということぐらいぞなぁ」
「ははは、残念ながら気質としては合わなさそうだったからずらしたよ。とは言え、代わりのものも文句はないだろう?」
「無いぞなぁ」
生徒会長の言葉に皆が納得し、この日の生徒会の場は閉会となる。
直接接触するのは明日からだが…‥‥それでも、選ばれた者たちと話し合い、この場で働けるようになることを彼らは楽しみにするのであった…‥‥
「ところで生徒会長、何故、この場に4人しか集まってないのでしょうか?」
「そう言えばそうぞなねぇ」
「どうしたんだ?」
「‥‥‥他の人達はね、やらかした。いや、悪意も何もなく、純粋に力量を知りたかっただけなんだろうけれども‥‥‥うん、まぁ治療が済み次第、生徒会にあるまじきことをやらかしたという事でしっかりお仕置きするから安心してくれたまえ」
「ああ、なんかもう納得したかも」
「お仕置きとぼこぼこ、どっちの方が精神に来るのかな‥‥?」
「むぅ、加わっておけばよかった想いと、お仕置きを喰らいたくないという想いもあって複雑ぞなぁ‥‥‥」
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