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2章 吹く風既に、台風の目に
学園内のちょっとした日常 その1
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‥‥‥デュランダル学園に新たなる魔剣士たちの卵と言える生徒たちが入学して1週間が経過した。
儀式によって魔剣を得られる確率によって、物凄く多い人数が入学するわけでもないのだが、それでも国ひとつが尽力を尽くして一か所に集めると、それなりの人数が過ごすことになる。
その為、生徒たちは各々勉学に励みつつ魔剣士としての技量を高めるために自己研鑽に励みつつも、多種多様な魔剣がある数だけ人との触れ合いも多く、そして衝突もしあってしまう時があるのだ。
静かなる争いならば、まだ良いだろう。知恵比べなどであれば、まだ平和な方だ。
だがしかし、魔剣という武器を持つからこそ力でぶつかり合う輩も出てしまうのだが…‥‥力量差がここで出てしまう事も多い。
そう、まさに今の状況のように…‥‥
「‥‥‥死屍累々と言うか、大勢で集まったのにあっという間に蹴散らされたんだけど」
「そしてさりげなく、彼女の主もふっ飛ばされていたな。抱えられているけれども、完全にのびているな」
「ある意味最強の魔剣というべきか、そもそも魔剣なのか、あのメイド?」
デュランダル学園内の、生徒たちの自己研鑽用の施設として用意されている模擬戦ルーム。
その室内にて、様子を見ていた生徒たちがひそひそと話し合うが、この光景を前にすると色々とツッコミどころが多くて、誰もすぐに動けない。
無理もないだろう。血の気の多い生徒たちも協力し合って挑んだのにも関わらず、たった一人のメイドの手によって全員が地に伏せたのだから。
そしてそのメイドの主も挑んでいたようだが、彼だけはメイドに抱かれていつつも、ぼっこぼこにされているのがうかがえる。
「ふぅ、流石に大人数相手は疲れますネ。とはいえ、ご主人様の側に居る魔剣たるもの、常に自己研鑽の機会は逃さないようにすべきという事なので受けましたが、皆様色々と見直すべきところが多いデス」
「見直すべきところというけど、あっと言う間に勝負がついたせいでどこがどう駄目だったのかが良く分からない」
「そもそも、疲れたと今言ったが、汗ひとつもかいていないぞ…‥‥」
聞こえてくるのはいいけれども、どこからどうツッコめと言うのか。
一応、戦闘に加わらずに見学していたので地に伏せる事態は避けられたものの、それでも畏怖の感情を抱かざるを得ない。
「メイド魔剣…‥‥ゼナ。あの主となっている彼の腕の剣になっているのは見たけれども、単体の方が圧倒的過ぎるんだが」
「挑まなくて良かった。絶対にバキバキにプライドをへし折られる未来が見える」
メイド魔剣、ゼナ。それは、この学園に入学した生徒フィーの持つ魔剣にして、何故かメイドの姿を持った魔剣。
その美しい外見から見惚れる者もいるのだが、彼女に対してそうやすやすと手を出せるような者は、この学園にはいなかった。
入学して1週間。男子寮の中で唯一の女性の姿と言うので目立つからこそ、彼女に対して色々と思う男子生徒は多い。
一番思う事であれば、美女と一つ屋根の下もとい同室なことに対して、嫉妬を抱く者たちが多いだろう。
だがしかし、害をなすことは己の命を犠牲にすることだと、直ぐに彼らは理解した。
「…‥‥残念ながら、私はご主人様のメイドであり、魔剣ですので誰の誘いも受けまセン」
思い切って告白して、玉砕する者たち。
「ご主人様への危害となれば、排除させていただきマス」
闇討ちを試みて、音もたてずにあっという間にやられる者達。
「また、メイド魔剣たるもの、ご主人様の成長に合わせて私自身も成長するのデス」
主であるフィーの自己鍛錬に付き合いつつ、圧勝を重ねながらも自己研鑽を怠らない様子に感嘆する者たち。
様々な場面を生徒たちは目撃し、そしてゼナについての理解を深め、悟った。
彼女は、簡単に手を出して良い存在ではないと。
ゆえに今は、その乗り越えるべき壁の高さに対して生徒たちは燃え上がり、その主であるフィー同様に彼女へ勝負を挑んで勝利を望むようになったのだが‥‥‥残念ながら、まだまだその強さにはかなう事はなかった。
「あのロングスカートで、目にもとまらぬ速さで動いたり」
「あの細腕で、一撃で昏倒させる手刀を振るったり、蹴り上げたり投げ飛ばしたり」
「あの柔らかそうな体で、真正面から鋭利な武器や硬い鈍器を受けても無傷だったり」
「「「…‥‥メイドって、怖いんだなぁ」」」
生徒たちが思わずそうつぶやき合う横では、貴族家の子息に付いている使用人たちが全力で首を横に振って否定していたが、そんな姿は誰も目にはしないのであった。
「さてと、ご主人様。今は休み時間ですが、もう間もなく次の授業の時デス。運びますネ」
そっと主であるフィーを抱え、メイドは去った。
他の気絶した生徒たちは完全に放置されているが…‥‥まぁ、彼女にとって大事なのが彼だけならば、特に何もできることはないだろう。結果が分かっていながらもやっただけのことなのだから。
とにもかくにも、倒れている生徒たちを気にかけつつも授業に遅れたくもないし、放置していても重傷という訳でもなく単に気絶している様子なので、放置する他の生徒たち。
そして後に残ったのは、死屍累々のごとく倒れ伏したままの気絶した無謀な挑戦者たちだけであった‥‥‥
「俺、将来爵位を貰えたら、メイドを雇う事だけはやめよう」
「いや、むしろ雇いたいな。あの防衛力は絶対にためになるぞ」
「「「「あの方は魔剣だからできたことで、普通の使用人というかメイドはあそこまでできませんってばぁぁぁぁぁ!!」」」」
‥‥‥悲痛な叫びもあったが、それも消え失せるのであった。
儀式によって魔剣を得られる確率によって、物凄く多い人数が入学するわけでもないのだが、それでも国ひとつが尽力を尽くして一か所に集めると、それなりの人数が過ごすことになる。
その為、生徒たちは各々勉学に励みつつ魔剣士としての技量を高めるために自己研鑽に励みつつも、多種多様な魔剣がある数だけ人との触れ合いも多く、そして衝突もしあってしまう時があるのだ。
静かなる争いならば、まだ良いだろう。知恵比べなどであれば、まだ平和な方だ。
だがしかし、魔剣という武器を持つからこそ力でぶつかり合う輩も出てしまうのだが…‥‥力量差がここで出てしまう事も多い。
そう、まさに今の状況のように…‥‥
「‥‥‥死屍累々と言うか、大勢で集まったのにあっという間に蹴散らされたんだけど」
「そしてさりげなく、彼女の主もふっ飛ばされていたな。抱えられているけれども、完全にのびているな」
「ある意味最強の魔剣というべきか、そもそも魔剣なのか、あのメイド?」
デュランダル学園内の、生徒たちの自己研鑽用の施設として用意されている模擬戦ルーム。
その室内にて、様子を見ていた生徒たちがひそひそと話し合うが、この光景を前にすると色々とツッコミどころが多くて、誰もすぐに動けない。
無理もないだろう。血の気の多い生徒たちも協力し合って挑んだのにも関わらず、たった一人のメイドの手によって全員が地に伏せたのだから。
そしてそのメイドの主も挑んでいたようだが、彼だけはメイドに抱かれていつつも、ぼっこぼこにされているのがうかがえる。
「ふぅ、流石に大人数相手は疲れますネ。とはいえ、ご主人様の側に居る魔剣たるもの、常に自己研鑽の機会は逃さないようにすべきという事なので受けましたが、皆様色々と見直すべきところが多いデス」
「見直すべきところというけど、あっと言う間に勝負がついたせいでどこがどう駄目だったのかが良く分からない」
「そもそも、疲れたと今言ったが、汗ひとつもかいていないぞ…‥‥」
聞こえてくるのはいいけれども、どこからどうツッコめと言うのか。
一応、戦闘に加わらずに見学していたので地に伏せる事態は避けられたものの、それでも畏怖の感情を抱かざるを得ない。
「メイド魔剣…‥‥ゼナ。あの主となっている彼の腕の剣になっているのは見たけれども、単体の方が圧倒的過ぎるんだが」
「挑まなくて良かった。絶対にバキバキにプライドをへし折られる未来が見える」
メイド魔剣、ゼナ。それは、この学園に入学した生徒フィーの持つ魔剣にして、何故かメイドの姿を持った魔剣。
その美しい外見から見惚れる者もいるのだが、彼女に対してそうやすやすと手を出せるような者は、この学園にはいなかった。
入学して1週間。男子寮の中で唯一の女性の姿と言うので目立つからこそ、彼女に対して色々と思う男子生徒は多い。
一番思う事であれば、美女と一つ屋根の下もとい同室なことに対して、嫉妬を抱く者たちが多いだろう。
だがしかし、害をなすことは己の命を犠牲にすることだと、直ぐに彼らは理解した。
「…‥‥残念ながら、私はご主人様のメイドであり、魔剣ですので誰の誘いも受けまセン」
思い切って告白して、玉砕する者たち。
「ご主人様への危害となれば、排除させていただきマス」
闇討ちを試みて、音もたてずにあっという間にやられる者達。
「また、メイド魔剣たるもの、ご主人様の成長に合わせて私自身も成長するのデス」
主であるフィーの自己鍛錬に付き合いつつ、圧勝を重ねながらも自己研鑽を怠らない様子に感嘆する者たち。
様々な場面を生徒たちは目撃し、そしてゼナについての理解を深め、悟った。
彼女は、簡単に手を出して良い存在ではないと。
ゆえに今は、その乗り越えるべき壁の高さに対して生徒たちは燃え上がり、その主であるフィー同様に彼女へ勝負を挑んで勝利を望むようになったのだが‥‥‥残念ながら、まだまだその強さにはかなう事はなかった。
「あのロングスカートで、目にもとまらぬ速さで動いたり」
「あの細腕で、一撃で昏倒させる手刀を振るったり、蹴り上げたり投げ飛ばしたり」
「あの柔らかそうな体で、真正面から鋭利な武器や硬い鈍器を受けても無傷だったり」
「「「…‥‥メイドって、怖いんだなぁ」」」
生徒たちが思わずそうつぶやき合う横では、貴族家の子息に付いている使用人たちが全力で首を横に振って否定していたが、そんな姿は誰も目にはしないのであった。
「さてと、ご主人様。今は休み時間ですが、もう間もなく次の授業の時デス。運びますネ」
そっと主であるフィーを抱え、メイドは去った。
他の気絶した生徒たちは完全に放置されているが…‥‥まぁ、彼女にとって大事なのが彼だけならば、特に何もできることはないだろう。結果が分かっていながらもやっただけのことなのだから。
とにもかくにも、倒れている生徒たちを気にかけつつも授業に遅れたくもないし、放置していても重傷という訳でもなく単に気絶している様子なので、放置する他の生徒たち。
そして後に残ったのは、死屍累々のごとく倒れ伏したままの気絶した無謀な挑戦者たちだけであった‥‥‥
「俺、将来爵位を貰えたら、メイドを雇う事だけはやめよう」
「いや、むしろ雇いたいな。あの防衛力は絶対にためになるぞ」
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‥‥‥悲痛な叫びもあったが、それも消え失せるのであった。
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