92 / 204
5章 復讐は我にあり
5-16 仕様変更で、ミスないように
しおりを挟む
‥‥‥日数もある程度経過し、いよいよ明日、ミルガンド帝国にある魔剣士を育成する学び舎へ向けて王国を経つ時が来た。
「こちらがデュランダル学園なら、帝国のはダーインスレイヴ学園か‥‥‥慣れた学園から出るのは、正直緊張するな」
「慣れ親しんだ場所と言うのは居心地が良いですからネ。私としては、あちらにもあるという寮のお風呂が気になりますけれどネ」
まだ眠気はないので適当にベッドの上で寝転がりながらつぶやくと、ゼナはそう返答した。
そういえば、忘れそうにもなるがこの学園のお風呂に関して、ゼナはわざわざ許可をもらって自力で全部改装しまくって作り上げるほど、風呂に関してのこだわりを持っていたんだった。
「でも、ここの初期の風呂場とは違うようですネ。設備もかなり整えられていて、また違った雰囲気がありそうで楽しみデス」
「帝国の方が色々と進んでいるらしいからな」
もともと軍事面で発展していたミルガンド帝国だが、近年は学に関して力を注いでいるようで、技術の発展ぶりは他国を抜く。
その恩恵としていろいろと便利になっていることが多いらしく、お風呂もしっかりと他国以上の施設が用意されているというのだ。
「でも、帝国に関しての色々なものを読むと、薬湯や医学関係が他よりもさらに発展しているらしいんだよなあ。軍事面より何故そっちの方が、より発展しているのやら」
「うーん、戦争などで治療するためにという目的ならばまだわかるのですが、軍事関係を重点にしていたさいは怪我人も少なかったようで、治療関係に需要は特になかったようデス。それでもなぜか、昔から薬関係の発達が他よりも抜いて来たようですネ」
謎だとは思うが、イメージとは異なる部分が強い国と言うのは、案外多いものだ。
それに、軍事系の物騒なことよりも人々を癒すような事業に力を注いでいるということならば、良いことだし、気にする必要もないかもしれない。
「まぁ、薬は裏を返せば毒にもなりますし、度が過ぎれば依存の危険性もありますが‥‥‥その事に関しての対策などもしているようで、黒い方面で考える必要はないでしょウ」
「そういうもんか」
何にしても、変なことがないのであればそれで良い。厄介事が無い方が気が楽なのだから。
「だからこそ、明日出発するまでにしっかりと睡眠をとって英気を養って、この目でしっかり見ていきたいんだけどなぁ‥なんか、目が冴えるな」
「ありますよ、そんな日」
寝たい気分にはなるのだが、体に眠気はない。
こういう時に無理に寝ようとすればするほど、余計に眠れなくなるのは分かっている。
「‥‥‥眠くなるように、また何か話でもしてくれ、ゼナ」
「了解デス。ご主人様が眠りやすいように、話せる内容は随時増やしていますからネ。その内、本に出もまとめて『どんな人も、読めばあっという間に眠れマス』みたいなものを出版してもいいかもしれませんネ」
「うわ、凄い売れそうな気がする」
普段の無茶苦茶ぶりを考えると、そんな効力の優れた本もかなり売れそうなのが目に見えるだろう。
というか、その本を買って読んだほうがより楽に寝られるような気がするのだが…‥‥まぁ、楽しみに待ったほうが良いのかもしれない。
ひとまず今は、生で聞ける眠れる話に耳を傾け、ゆっくりと意識を沈めていくのであった…‥‥
「‥‥そして、その祠を抜けて巫女ピヨマロは‥‥‥あ、ご主人様、もう寝てますネ」
すやすやと寝息を立てて、いつのまにか寝ているフィーをみて、ゼナはそうつぶやいた。
今晩話した眠れる話も中々好評のようで、眠気がしっかりと来たのだろう。
「さて、ご主人様も寝ましたし、私も明日に備えておいたほうが良いですカネ。帝国仕様のモードのいくつかの、最終チェックを‥ット」
部屋の明かりが消えて真っ暗になる室内。
それでも魔剣には関係なく、音もたてずに作業をしようとしていたところで、ふとゼナは気が付いた。
「…‥‥またデスカ、リスクも発動していないのに、出てきたのですカ」
『だからこそ、肉体を持たない状態で抜けているのよね』
ゆらりゆらりと、フィーの身体から出てきたのは、ぼうっとしている白い光。
照らすほどでもないのだが、暗闇の中だからこそはっきり見えるその姿に、ゼナは少々呆れたような声を出す。
『まぁ、これはこれで楽でいいのよね。肉体を持たない軽さで、滅茶苦茶楽だわ~』
「うーんと白玉の状態で伸びても、同感しづらいデスネ。そしてなぜ、出てきたのでしょうか‥ご主人様のお母様、青薔薇姫」
…‥‥そう、フィーの身体から出てきたのは、実態を持っていない状態だがかつては青薔薇姫と呼ばれた存在。
それでいてフィーの母でもあり、ドラゴンを夫にしてみせた、帝国で走る人が知る恐怖の存在でもある青薔薇姫なのだ。
本来は、ゼナを突き刺すことで発動するリスクをもとにして出てきそうなのだが‥‥‥
『このぐらいできなくて、何が元管理神よ。神だからこそできる荒業だから、アリでしょ』
「それでもその状態で、普通に意思疎通ができるというのは無茶苦茶だと思われマス」
リスクをどうやら逃れて出てくる手段を獲得してしまったらしい青薔薇姫。
けれども、結局は体を持たないからこそ不安定な状態でしかなく、そう長くは出てこないことを理解させられる。
「そもそも、何故出てきたのでしょうカ?」
『そりゃもう、可愛い息子が眠れなかったのなら、子守唄を歌って眠らせてあげるのが母の役目でしょ?でも、もうやられたから意味ないのよねぇ…‥残念』
「ご主人様の意識が失われないと、出てこれない時点で意味がないのデハ?」
『あら、それもそうね。うっかりしていたわ』
天然なのかそうでないのか、文字通り掴みにくい状態の相手にゼナは対応しづらい。
今回はフィーの身体を乗っ取って出てきているわけではないようだが、それでも何かこう、言いようのないやりにくさを感じさせられるのである。
『それにしても、帝国に留学‥‥‥息子の中から見ていたけれども、懐かしいわねぇミルガンド帝国。私が出て行ってから、どう変わったのか正直楽しみよ』
「聞いた話では、青薔薇姫復活の話が出たことで、恐怖におびえ、夜逃げする悪人が増えて治安向上したようですけれどネ」
『それはそれでよかったかもしれないわね。悪人が減ると刺激も薄くなるけれども、厄介なことをしでかす人がいなくなるのは歓迎したいわ。ずっと見ていたけれども、この子本当に苦労しているようだしね』
実体がないので触れることができないが、それでも愛おしそうに眠るフィーの身体を撫でる青薔薇姫。
帝国では色々と言われる存在ではあるが、それでも母としての立場を得たからこそ、息子が可愛いのかもしれない。
『だからこそ、息子には幸せになってほしいんだけれどもねぇ…‥‥ねぇ、ゼナちゃん、やっぱり息子のお嫁さんに来てくれないかしら?貴女ならおもしろコホン、確実に支えになると思えるのよ』
「‥‥‥今さらっと本音を漏らしませんでしたカ?」
『言ってないわ。でもまんざらでもないのでしょう?‥‥‥そうじゃなきゃ、今ちょっとだけ沈黙して赤くなった理由がないもの』
「なってまセン。黙ってまセン。そもそも私はご主人様のメイドにして魔剣であり、側仕えするのは変わっていないのデス」
『あらあら、素直じゃないわねぇ。あの機械神さんやその他の親族ともまた違うわぁ。でも、乗り気じゃないなら無理することも無いわ。他にもちょっと狙えそうな子がいるもの』
「誰でしょうカ」
『ひ・み・つ!こういうのは相手が自覚してくれた方が、より面白いわ!ああ、走ね、元管理神だからこそできるように、色々と細工しようかしら?』
「ちょっと待ってください、本気でやらかされるのは困りマス!!」
体も失い、ほとんど力もないと思われるが、それでも出て来るだけの力があるのならば何かやらかしかねないと思い、思わず青薔薇姫をつかむゼナ。
けれども、実体がないのでつかみどころがなく、宙をすり抜けてしまう。
「くっ、実体無しの存在をつかむ技能はまだ、取得できていないのが悔しいデス」
『むしろ、そんなのを取得出来たらどうするきなの?相変わらず無茶苦茶ねぇ、貴女を含む一族は』
色々と言いたいこともあるようだが、どうやらそろそろ時間切れとも言うように、青薔薇姫の体がフィーの中へ引っ込み始めた。
『残念、今日は無理ね。また出るまでかかりそうだけど…‥‥それでも、考えてほしいわね。そうでないなら、私の方が色々とやっちゃうわね』
「だから本気で、やめてくだサイ」
『じゃあ、今息子を襲っちゃえばいいんじゃない?何かやるよりも、今なら思いっきりやりたい放題よ?』
「‥‥‥」
‥‥‥提案されて一瞬固まるも、直ぐにどこからともなく箒を取り出して叩きつけるゼナ。
しかしながら今度も宙をすり抜け、結局言いたいだけ言われてしまい、何もできないのであった。
「…‥‥やりたいほうだいと言われても、やりまセン。ご主人様の魔剣でもメイドでもある身だからこそ、好き勝手する気はないのデス」
―――今なら、唇も奪えるわよ
「頭の中に直接響かせないでくだサイ!!」
なお、先ほどから結構大声で叫んでいるようだが、一応フィーを気遣って超小さな声で何とか返答しているのは言うまでもなかった。
「‥‥‥うう、調整どころじゃないのデス。必要はないのですガ、鎮めるために私も寝たほうが良さそうデス」
「こちらがデュランダル学園なら、帝国のはダーインスレイヴ学園か‥‥‥慣れた学園から出るのは、正直緊張するな」
「慣れ親しんだ場所と言うのは居心地が良いですからネ。私としては、あちらにもあるという寮のお風呂が気になりますけれどネ」
まだ眠気はないので適当にベッドの上で寝転がりながらつぶやくと、ゼナはそう返答した。
そういえば、忘れそうにもなるがこの学園のお風呂に関して、ゼナはわざわざ許可をもらって自力で全部改装しまくって作り上げるほど、風呂に関してのこだわりを持っていたんだった。
「でも、ここの初期の風呂場とは違うようですネ。設備もかなり整えられていて、また違った雰囲気がありそうで楽しみデス」
「帝国の方が色々と進んでいるらしいからな」
もともと軍事面で発展していたミルガンド帝国だが、近年は学に関して力を注いでいるようで、技術の発展ぶりは他国を抜く。
その恩恵としていろいろと便利になっていることが多いらしく、お風呂もしっかりと他国以上の施設が用意されているというのだ。
「でも、帝国に関しての色々なものを読むと、薬湯や医学関係が他よりもさらに発展しているらしいんだよなあ。軍事面より何故そっちの方が、より発展しているのやら」
「うーん、戦争などで治療するためにという目的ならばまだわかるのですが、軍事関係を重点にしていたさいは怪我人も少なかったようで、治療関係に需要は特になかったようデス。それでもなぜか、昔から薬関係の発達が他よりも抜いて来たようですネ」
謎だとは思うが、イメージとは異なる部分が強い国と言うのは、案外多いものだ。
それに、軍事系の物騒なことよりも人々を癒すような事業に力を注いでいるということならば、良いことだし、気にする必要もないかもしれない。
「まぁ、薬は裏を返せば毒にもなりますし、度が過ぎれば依存の危険性もありますが‥‥‥その事に関しての対策などもしているようで、黒い方面で考える必要はないでしょウ」
「そういうもんか」
何にしても、変なことがないのであればそれで良い。厄介事が無い方が気が楽なのだから。
「だからこそ、明日出発するまでにしっかりと睡眠をとって英気を養って、この目でしっかり見ていきたいんだけどなぁ‥なんか、目が冴えるな」
「ありますよ、そんな日」
寝たい気分にはなるのだが、体に眠気はない。
こういう時に無理に寝ようとすればするほど、余計に眠れなくなるのは分かっている。
「‥‥‥眠くなるように、また何か話でもしてくれ、ゼナ」
「了解デス。ご主人様が眠りやすいように、話せる内容は随時増やしていますからネ。その内、本に出もまとめて『どんな人も、読めばあっという間に眠れマス』みたいなものを出版してもいいかもしれませんネ」
「うわ、凄い売れそうな気がする」
普段の無茶苦茶ぶりを考えると、そんな効力の優れた本もかなり売れそうなのが目に見えるだろう。
というか、その本を買って読んだほうがより楽に寝られるような気がするのだが…‥‥まぁ、楽しみに待ったほうが良いのかもしれない。
ひとまず今は、生で聞ける眠れる話に耳を傾け、ゆっくりと意識を沈めていくのであった…‥‥
「‥‥そして、その祠を抜けて巫女ピヨマロは‥‥‥あ、ご主人様、もう寝てますネ」
すやすやと寝息を立てて、いつのまにか寝ているフィーをみて、ゼナはそうつぶやいた。
今晩話した眠れる話も中々好評のようで、眠気がしっかりと来たのだろう。
「さて、ご主人様も寝ましたし、私も明日に備えておいたほうが良いですカネ。帝国仕様のモードのいくつかの、最終チェックを‥ット」
部屋の明かりが消えて真っ暗になる室内。
それでも魔剣には関係なく、音もたてずに作業をしようとしていたところで、ふとゼナは気が付いた。
「…‥‥またデスカ、リスクも発動していないのに、出てきたのですカ」
『だからこそ、肉体を持たない状態で抜けているのよね』
ゆらりゆらりと、フィーの身体から出てきたのは、ぼうっとしている白い光。
照らすほどでもないのだが、暗闇の中だからこそはっきり見えるその姿に、ゼナは少々呆れたような声を出す。
『まぁ、これはこれで楽でいいのよね。肉体を持たない軽さで、滅茶苦茶楽だわ~』
「うーんと白玉の状態で伸びても、同感しづらいデスネ。そしてなぜ、出てきたのでしょうか‥ご主人様のお母様、青薔薇姫」
…‥‥そう、フィーの身体から出てきたのは、実態を持っていない状態だがかつては青薔薇姫と呼ばれた存在。
それでいてフィーの母でもあり、ドラゴンを夫にしてみせた、帝国で走る人が知る恐怖の存在でもある青薔薇姫なのだ。
本来は、ゼナを突き刺すことで発動するリスクをもとにして出てきそうなのだが‥‥‥
『このぐらいできなくて、何が元管理神よ。神だからこそできる荒業だから、アリでしょ』
「それでもその状態で、普通に意思疎通ができるというのは無茶苦茶だと思われマス」
リスクをどうやら逃れて出てくる手段を獲得してしまったらしい青薔薇姫。
けれども、結局は体を持たないからこそ不安定な状態でしかなく、そう長くは出てこないことを理解させられる。
「そもそも、何故出てきたのでしょうカ?」
『そりゃもう、可愛い息子が眠れなかったのなら、子守唄を歌って眠らせてあげるのが母の役目でしょ?でも、もうやられたから意味ないのよねぇ…‥残念』
「ご主人様の意識が失われないと、出てこれない時点で意味がないのデハ?」
『あら、それもそうね。うっかりしていたわ』
天然なのかそうでないのか、文字通り掴みにくい状態の相手にゼナは対応しづらい。
今回はフィーの身体を乗っ取って出てきているわけではないようだが、それでも何かこう、言いようのないやりにくさを感じさせられるのである。
『それにしても、帝国に留学‥‥‥息子の中から見ていたけれども、懐かしいわねぇミルガンド帝国。私が出て行ってから、どう変わったのか正直楽しみよ』
「聞いた話では、青薔薇姫復活の話が出たことで、恐怖におびえ、夜逃げする悪人が増えて治安向上したようですけれどネ」
『それはそれでよかったかもしれないわね。悪人が減ると刺激も薄くなるけれども、厄介なことをしでかす人がいなくなるのは歓迎したいわ。ずっと見ていたけれども、この子本当に苦労しているようだしね』
実体がないので触れることができないが、それでも愛おしそうに眠るフィーの身体を撫でる青薔薇姫。
帝国では色々と言われる存在ではあるが、それでも母としての立場を得たからこそ、息子が可愛いのかもしれない。
『だからこそ、息子には幸せになってほしいんだけれどもねぇ…‥‥ねぇ、ゼナちゃん、やっぱり息子のお嫁さんに来てくれないかしら?貴女ならおもしろコホン、確実に支えになると思えるのよ』
「‥‥‥今さらっと本音を漏らしませんでしたカ?」
『言ってないわ。でもまんざらでもないのでしょう?‥‥‥そうじゃなきゃ、今ちょっとだけ沈黙して赤くなった理由がないもの』
「なってまセン。黙ってまセン。そもそも私はご主人様のメイドにして魔剣であり、側仕えするのは変わっていないのデス」
『あらあら、素直じゃないわねぇ。あの機械神さんやその他の親族ともまた違うわぁ。でも、乗り気じゃないなら無理することも無いわ。他にもちょっと狙えそうな子がいるもの』
「誰でしょうカ」
『ひ・み・つ!こういうのは相手が自覚してくれた方が、より面白いわ!ああ、走ね、元管理神だからこそできるように、色々と細工しようかしら?』
「ちょっと待ってください、本気でやらかされるのは困りマス!!」
体も失い、ほとんど力もないと思われるが、それでも出て来るだけの力があるのならば何かやらかしかねないと思い、思わず青薔薇姫をつかむゼナ。
けれども、実体がないのでつかみどころがなく、宙をすり抜けてしまう。
「くっ、実体無しの存在をつかむ技能はまだ、取得できていないのが悔しいデス」
『むしろ、そんなのを取得出来たらどうするきなの?相変わらず無茶苦茶ねぇ、貴女を含む一族は』
色々と言いたいこともあるようだが、どうやらそろそろ時間切れとも言うように、青薔薇姫の体がフィーの中へ引っ込み始めた。
『残念、今日は無理ね。また出るまでかかりそうだけど…‥‥それでも、考えてほしいわね。そうでないなら、私の方が色々とやっちゃうわね』
「だから本気で、やめてくだサイ」
『じゃあ、今息子を襲っちゃえばいいんじゃない?何かやるよりも、今なら思いっきりやりたい放題よ?』
「‥‥‥」
‥‥‥提案されて一瞬固まるも、直ぐにどこからともなく箒を取り出して叩きつけるゼナ。
しかしながら今度も宙をすり抜け、結局言いたいだけ言われてしまい、何もできないのであった。
「…‥‥やりたいほうだいと言われても、やりまセン。ご主人様の魔剣でもメイドでもある身だからこそ、好き勝手する気はないのデス」
―――今なら、唇も奪えるわよ
「頭の中に直接響かせないでくだサイ!!」
なお、先ほどから結構大声で叫んでいるようだが、一応フィーを気遣って超小さな声で何とか返答しているのは言うまでもなかった。
「‥‥‥うう、調整どころじゃないのデス。必要はないのですガ、鎮めるために私も寝たほうが良さそうデス」
0
あなたにおすすめの小説
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」
Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。
しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。
彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。
それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。
無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。
【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。
一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。
なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。
これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる