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5章 復讐は我にあり
5-31 胃痛の種は、分け与えましょう
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‥‥‥外では祝賀会も盛り上がりつつ、もうそろそろ終わろうとする遅い時間。
そんな中、俺とゼナは今、王城の謁見室に訪れていた。
「よくぞ来てくれた、フィーとその魔剣よ」
玉座に座っているのは、先ほどまで会場にいたアデュー皇帝。
先ほどの場でこっそりとここに呼ばれたが、きちんとした理由はあった。
「さて、ここではある程度砕けた口調を許可する。そもそもここに呼んだのは、先にいくつか直接言いたかったことがあるからだ」
「といいますと?」
「ドルマリア王国の学園の魔剣士、フィーよ。そなたには色々と礼を言わなければならないからな。まずは‥‥‥今さらだとは思うが、先日我が娘が怪我を負った際に救助をしてくれたことに礼を言おう。直接言うべきだったが、怪しげな化け物の出現に関して、余計な混乱を招かぬためにも言えなかったのだ」
冬季休暇中の、ルルシア及びその護衛一行襲撃事件。
その際に救助したことがあったが、当時はまだ化け物に関しての情報が少なく、魔剣士であったとは言え皇女が襲撃されたことに関しては公開しづらかった。
それゆえに、本当はすぐに礼をしたかったそうだが、やむを得ずずるずると引き延ばしになっていたようだ。
「また、ここに攻めて来た巨大魔獣ギガファットマンの接近に関して、そちらの魔剣がすぐに気が付いたという事にも礼を述べておきたい。魔獣の早期発見は民の安寧のために必須だが、まだ不明な点も多いからこそすぐに色々とやらかす輩が出ることが予想できたがゆえに、遅れてしまった」
色々と礼を述べたいことはあるが、その度に色々と考えられることが多く、はっきりとさせやすいもの以外は後に回してしまった。
そのため今回、ドラゴンの姿で魔獣と対峙したことに関しては大々的に表彰できたので、この機会に他のことに関しても細かく言える機会を作ったらしい。
「それなら、秘密裏に呼んでも良かったような」
「平常時では、他の貴族も多いからな‥‥‥祝いの場が設けられているからこそ、そちらの方に意識を向ける者が多くなるのだ」
面倒事も減らすために、原因になりかねない人たちの意識を別の方向に向けさせているから、今のこの時間帯を狙ったようだ。
「それにしても、あらかじめある程度の情報も得ていたとはいえ‥‥‥こうやってゆっくりと見れば、お前には青薔薇姫の面影が残っているな。青薔薇姫とのつながりに関して、既に調査済みだったが、彼女に子供が出来たとはなぁ‥‥‥」
「…‥‥もしかして皇帝陛下は、母のことを直接見たことがあるのでしょうか?」
「もちろんある。正直言って、彼女に子を残すための夫が出来たことの方が衝撃的だったがな…‥‥本当に黙っていれば美しい令嬢だったが、やらかし具合が凄まじすぎて、婿になる者が生贄になる未来しか見えなくてな‥‥‥」
遠い目をしてそう告げるアデュー皇帝。
人の母を何だと思っているのかとツッコみたくなるが、青薔薇姫の数多くある話を聞くと何とも言えない気持ちになる。
「‥‥‥それはそうとだ、褒賞として一つ、特別に用意していたのもあるからこそ、呼んだのもある。これを見て欲しい」
そう言いながら皇帝陛下が取り出したのは、一つの綺麗なブローチ。
青い宝石で装飾されており、綺麗な宝飾品のようだ。
「実はこれには仕掛けがあってな、ここを押すと‥‥‥」
「‥‥‥肖像画?」
ボタンをポチッと押すとブローチが開き、中から肖像画が出てきた。
そこに映っていたのは、俺に似た美しい青い髪色の女性だが‥‥‥‥
「もしかしてこれって」
「ああ、そうだ。青薔薇姫の姿を残した貴重な品だ。彼女のが去った後、あちこちで厄除け用ゴホン、失われた宝とも言える存在を手元に残したい者たちが色々と持っていったが、これが残っていたのだ」
「今さらっと、厄除けとか聞こえたのですが」
「…‥‥悪人たちにとっては青い悪魔とも言えるからな。いなくなったとはいえ、今でも姿をちょっと見て気絶する輩もいると聞く」
酷い言いようだが、効果は抜群らしく、青薔薇姫の肖像画に関してはあちこちの重要な品が保管されている施設で大いに役立っているらしい。
そしてその中で、この城にあったこれを俺に与えてくれるようだ。
「母の姿を良く知っておいたほうが良い。目にせずに見なかったことにすると必ず後悔する…‥‥だからこそ、これを与えよう」
赤ん坊の時に居なくなったことで、俺は母の姿をよく知らなかった。
青薔薇姫だと聞いても、あちこちで伝え聞く話を耳にすると、絵とかが残っていても正直怖い部分もあったが…‥‥それでも、こうやって母だと分かる品を貰うと、嬉しい気持ちが湧く。
「ありがとうございます、皇帝陛下」
「うむ、子が母の姿をよく知らぬのは良くないからな。それと、そのブローチの肖像画では見にくいのならば、後で他にも飾られている場所を教えておくとしよう」
母の姿を記した最大の褒賞。
ありがたく俺は、しっかりと受け取るのであった‥‥‥
「ああ、それともう一つ与えるべきものがある」
「なんでしょうか?」
「青薔薇姫の子という事で、公爵家とのつながりもあるが、まだ公表され切っていはいない。けれども、家によっては調査をいれ、既にある程度把握しているところもある」
「まぁ、調べて分かる事かもしれませんが‥‥‥それがどうかしたのでしょうか?」
「いや、身分としても問題はないと思ってな。形無き褒美ではあるが、余の娘、ルルシアの婚約者候補にもなってもらおう」
「婚約者候補ですか‥‥‥‥え?」
‥‥‥今なんて言った、この人?
そんな中、俺とゼナは今、王城の謁見室に訪れていた。
「よくぞ来てくれた、フィーとその魔剣よ」
玉座に座っているのは、先ほどまで会場にいたアデュー皇帝。
先ほどの場でこっそりとここに呼ばれたが、きちんとした理由はあった。
「さて、ここではある程度砕けた口調を許可する。そもそもここに呼んだのは、先にいくつか直接言いたかったことがあるからだ」
「といいますと?」
「ドルマリア王国の学園の魔剣士、フィーよ。そなたには色々と礼を言わなければならないからな。まずは‥‥‥今さらだとは思うが、先日我が娘が怪我を負った際に救助をしてくれたことに礼を言おう。直接言うべきだったが、怪しげな化け物の出現に関して、余計な混乱を招かぬためにも言えなかったのだ」
冬季休暇中の、ルルシア及びその護衛一行襲撃事件。
その際に救助したことがあったが、当時はまだ化け物に関しての情報が少なく、魔剣士であったとは言え皇女が襲撃されたことに関しては公開しづらかった。
それゆえに、本当はすぐに礼をしたかったそうだが、やむを得ずずるずると引き延ばしになっていたようだ。
「また、ここに攻めて来た巨大魔獣ギガファットマンの接近に関して、そちらの魔剣がすぐに気が付いたという事にも礼を述べておきたい。魔獣の早期発見は民の安寧のために必須だが、まだ不明な点も多いからこそすぐに色々とやらかす輩が出ることが予想できたがゆえに、遅れてしまった」
色々と礼を述べたいことはあるが、その度に色々と考えられることが多く、はっきりとさせやすいもの以外は後に回してしまった。
そのため今回、ドラゴンの姿で魔獣と対峙したことに関しては大々的に表彰できたので、この機会に他のことに関しても細かく言える機会を作ったらしい。
「それなら、秘密裏に呼んでも良かったような」
「平常時では、他の貴族も多いからな‥‥‥祝いの場が設けられているからこそ、そちらの方に意識を向ける者が多くなるのだ」
面倒事も減らすために、原因になりかねない人たちの意識を別の方向に向けさせているから、今のこの時間帯を狙ったようだ。
「それにしても、あらかじめある程度の情報も得ていたとはいえ‥‥‥こうやってゆっくりと見れば、お前には青薔薇姫の面影が残っているな。青薔薇姫とのつながりに関して、既に調査済みだったが、彼女に子供が出来たとはなぁ‥‥‥」
「…‥‥もしかして皇帝陛下は、母のことを直接見たことがあるのでしょうか?」
「もちろんある。正直言って、彼女に子を残すための夫が出来たことの方が衝撃的だったがな…‥‥本当に黙っていれば美しい令嬢だったが、やらかし具合が凄まじすぎて、婿になる者が生贄になる未来しか見えなくてな‥‥‥」
遠い目をしてそう告げるアデュー皇帝。
人の母を何だと思っているのかとツッコみたくなるが、青薔薇姫の数多くある話を聞くと何とも言えない気持ちになる。
「‥‥‥それはそうとだ、褒賞として一つ、特別に用意していたのもあるからこそ、呼んだのもある。これを見て欲しい」
そう言いながら皇帝陛下が取り出したのは、一つの綺麗なブローチ。
青い宝石で装飾されており、綺麗な宝飾品のようだ。
「実はこれには仕掛けがあってな、ここを押すと‥‥‥」
「‥‥‥肖像画?」
ボタンをポチッと押すとブローチが開き、中から肖像画が出てきた。
そこに映っていたのは、俺に似た美しい青い髪色の女性だが‥‥‥‥
「もしかしてこれって」
「ああ、そうだ。青薔薇姫の姿を残した貴重な品だ。彼女のが去った後、あちこちで厄除け用ゴホン、失われた宝とも言える存在を手元に残したい者たちが色々と持っていったが、これが残っていたのだ」
「今さらっと、厄除けとか聞こえたのですが」
「…‥‥悪人たちにとっては青い悪魔とも言えるからな。いなくなったとはいえ、今でも姿をちょっと見て気絶する輩もいると聞く」
酷い言いようだが、効果は抜群らしく、青薔薇姫の肖像画に関してはあちこちの重要な品が保管されている施設で大いに役立っているらしい。
そしてその中で、この城にあったこれを俺に与えてくれるようだ。
「母の姿を良く知っておいたほうが良い。目にせずに見なかったことにすると必ず後悔する…‥‥だからこそ、これを与えよう」
赤ん坊の時に居なくなったことで、俺は母の姿をよく知らなかった。
青薔薇姫だと聞いても、あちこちで伝え聞く話を耳にすると、絵とかが残っていても正直怖い部分もあったが…‥‥それでも、こうやって母だと分かる品を貰うと、嬉しい気持ちが湧く。
「ありがとうございます、皇帝陛下」
「うむ、子が母の姿をよく知らぬのは良くないからな。それと、そのブローチの肖像画では見にくいのならば、後で他にも飾られている場所を教えておくとしよう」
母の姿を記した最大の褒賞。
ありがたく俺は、しっかりと受け取るのであった‥‥‥
「ああ、それともう一つ与えるべきものがある」
「なんでしょうか?」
「青薔薇姫の子という事で、公爵家とのつながりもあるが、まだ公表され切っていはいない。けれども、家によっては調査をいれ、既にある程度把握しているところもある」
「まぁ、調べて分かる事かもしれませんが‥‥‥それがどうかしたのでしょうか?」
「いや、身分としても問題はないと思ってな。形無き褒美ではあるが、余の娘、ルルシアの婚約者候補にもなってもらおう」
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