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5章 復讐は我にあり
5-69 望まぬ者、望む者
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‥‥‥神造魔剣の強奪の失敗と、試験体狂竜戦士の失敗。
その報告を聞き、とある黒布を被った人物は溜息を吐いた。
「やはりというか、試験体ゆえに実用化に程遠い代物であったか」
元々制御がいまいちできていない時点で、失敗作と言ってよかったものだ。
それなのに無理に稼働させ、挙句の果てに暴走からの肉体崩壊からの、周囲を取り込むような怪物への変貌というのも酷すぎる出来である。
神造魔剣の強奪のために用意したのだが、それでもまだ早すぎたというべきものだったのだろう。
「とは言え、何も得られなかったという訳でもないのが幸いというべきか‥‥‥」
破神布という組織を作るにあたり、志が同じ者たちで集まったと言えば集まった。
だが、必要な能力を持った者たちで集まることはなく、その中には幾分が不必要な類もおり‥‥‥今回の失敗から暴走で出来上がった化け物のデータは、都合の処分場を作るために生かされることになるだろう。
‥‥‥元々、破神布という組織自体は、神を凌駕し、破壊するために生み出した組織。
であれば、その力を振るうにふさわしい者たちだけの集団の方が、本来の目的に近づきやすいのだ。
神々の思惑どおりに動かず、むしろ我々のが神々を思い通りに動かし、いや、破壊し尽くすためには犠牲も必要なものだ。
だが、必要な犠牲以外の不必要な犠牲というのは、余計に馬鹿をやらかすのが目に見えており、無駄なものを省略するために活用できるのであれば、今回の報告は良いデータとなる。
「さてと、医療大国の技術も利用して作り上げた試験体だが、バランスを崩せば都合の良い処理場に転じる事も判明し、成果としては失敗なことがあるが、それでもいくらか得られるものがあったのであれば良しとするか」
島ひとつ分の拠点を失ったとはいえ、それでも他に数があるので問題が無い。
今回割いていた人員もいずれは処分するべきものに入っていただろうし、この件で手間が省けたのも問題はない。
惜しむらくは、強奪がかなわずに自分達の存在がどこかの大馬鹿野郎の手によってバレたことだが‥‥‥いつか起こりうることだとも理解しているので、想定の範囲ではある。
しかし、正直なところ、自分達のことを馬鹿正直に言ってしまうやつに関してはどうにかしたいところではある。
こちらの価値を確認してベラベラと話すようなことはさせず、悟られないように動かなければいけないのにその趣旨を分かっていなかったとはどういうあほなのか。
消す予定があった時点で、そこまで能力もないのだが…‥‥それでも、組織の新人募集体勢から見直す必要があるだろう。少なくとも、秘密を守れる人をまずは確実に欲しいところではある。
「何にしても、当分は思想に関しての教育や、新人募集、再調整に計画の練り直し‥‥‥動けないことが多くなるな」
だが、重く考えすぎる事もない。ほとぼりが冷めるまでは十分な時間もできるだろうし、その間に組織内の見直すべき点を探し出し洗いまくるには都合が良い。
「あとは、このデータを元にして‥‥‥試験体から余計なものを取り除くことも考えるか。肉体崩壊を防ぐためにドラゴンの力にも耐えられそうな細胞を混ぜ込んだが、それが余計な結果を理解した。
ならばあとは、色々と必要なものをそろえ、今度こそ強奪のための準備を念入りに進めるだけである。
幸いなことに、今回の試験体以外にもう一体いるので、そちらの調整を行うために必要な実践データも得られたことも、非常に都合が良い。
「さぁ、ならばさっさと行うとするか」
捨て駒の用意もしているのだが、この報告を見る限り余計な部分を削った方が良い。
そう思い、黒布の人物は再編成案などを練り込み始めるのであった…‥‥
‥‥‥一方その頃、フィーの方ではあるお知らせが届いており、彼はベッドの上で倒れて撃沈していた。
「…‥‥王国の方からの手紙が来たかと思えば‥‥‥何だよ、王命って。良いのかこれで」
「国王直々の物ですネ。偽造されないように仕掛けられた王家の判もしっかり入っているようですし、間違いないのでしょウ」
「でも本当に良いのですの?彼にはわたくしとの婚約関係もありますわ」
フィーがぐったりと力なくうつぶせになっている傍らで、事情を聴いていたルルシアがそう口にする。
確かに、彼との婚約関係は帝国の皇帝直々の物であり、本来はそれ以外のものは来ないはずなのだが‥‥‥今回ばかりは、どうやら事情が違うようだ。
「『報告の結果、次回襲撃があることも備えて万全の警護が可能なように、元第3王女ペルシャの地位を一時的に王籍に入れ直す。一度王籍を自ら抜け出したのであくまでも名ばかりのものと言えるが、それでも多少は安全性の確保のために必要な措置であった。そして、これまでの功績を考慮し‥‥‥現在、ミルガンド帝国の皇女と婚約関係にあり、帝国の公爵家の血もあるため、両国の繋がりの懸け橋となるように新たに貴族家としての地位を与え…‥‥留学生フィーには、ペルシャとの婚約も決定する』‥‥‥ですカ。政略的な意味合いも強そうですし、ご主人様の力も考え両国で共同で見れるようにしたのでしょうネ」
「なぜそうなった」
「何故と言われましても、説明そのままとしか言えなさそうですわね。あと、ココの一文もありますわね」
「『なお、記憶喪失中であった娘の扱いに関して、しっかりお話をするために、夏季休暇中に一度王城へ出向かれたし』ともありますネ」
「隠せていない本音が思いっきり見えているんだけど!?」
どうしてこうなった。本当になんでなっちゃったんだ。
嫌な予感というのはこうも当たってしまうものなのか、神でさえ見放すような運命を持っているせいなのか。
考えても切りがないのかもしれないが、卒業までに新しい厄介ごとを見事に着きつけられてしまうのであった…‥‥
「そういえば先日、ワールド・メイド・ゼワ商会の方に、ドリマリア王国の国王から直々の注文が入って来たと姉妹から聞きましたネ。何でも、ドラゴンバスター装備一式やその他竜殺しと名高い武器のお買い上げなど‥‥‥」
「がっつり殺す気満々じゃないかなそれ!?というか、何でそんなものを扱っているんだよ!?」
「まぁ、ドラゴン自体伝説の存在と言われるようなだけあって、いわくつきの品は昔からあるようですわ」
一応、大抵の場合はにそくさんもんの詐称しまくったガラクタであり、実際にドラゴンを討伐したような武器というのはめったに出てこないらしい。
「けれども、商会の方だと伝手がありますからネ…‥‥いくつか本物があってもおかしくはないのデス」
「本当その商会自体何だよ!!」
その報告を聞き、とある黒布を被った人物は溜息を吐いた。
「やはりというか、試験体ゆえに実用化に程遠い代物であったか」
元々制御がいまいちできていない時点で、失敗作と言ってよかったものだ。
それなのに無理に稼働させ、挙句の果てに暴走からの肉体崩壊からの、周囲を取り込むような怪物への変貌というのも酷すぎる出来である。
神造魔剣の強奪のために用意したのだが、それでもまだ早すぎたというべきものだったのだろう。
「とは言え、何も得られなかったという訳でもないのが幸いというべきか‥‥‥」
破神布という組織を作るにあたり、志が同じ者たちで集まったと言えば集まった。
だが、必要な能力を持った者たちで集まることはなく、その中には幾分が不必要な類もおり‥‥‥今回の失敗から暴走で出来上がった化け物のデータは、都合の処分場を作るために生かされることになるだろう。
‥‥‥元々、破神布という組織自体は、神を凌駕し、破壊するために生み出した組織。
であれば、その力を振るうにふさわしい者たちだけの集団の方が、本来の目的に近づきやすいのだ。
神々の思惑どおりに動かず、むしろ我々のが神々を思い通りに動かし、いや、破壊し尽くすためには犠牲も必要なものだ。
だが、必要な犠牲以外の不必要な犠牲というのは、余計に馬鹿をやらかすのが目に見えており、無駄なものを省略するために活用できるのであれば、今回の報告は良いデータとなる。
「さてと、医療大国の技術も利用して作り上げた試験体だが、バランスを崩せば都合の良い処理場に転じる事も判明し、成果としては失敗なことがあるが、それでもいくらか得られるものがあったのであれば良しとするか」
島ひとつ分の拠点を失ったとはいえ、それでも他に数があるので問題が無い。
今回割いていた人員もいずれは処分するべきものに入っていただろうし、この件で手間が省けたのも問題はない。
惜しむらくは、強奪がかなわずに自分達の存在がどこかの大馬鹿野郎の手によってバレたことだが‥‥‥いつか起こりうることだとも理解しているので、想定の範囲ではある。
しかし、正直なところ、自分達のことを馬鹿正直に言ってしまうやつに関してはどうにかしたいところではある。
こちらの価値を確認してベラベラと話すようなことはさせず、悟られないように動かなければいけないのにその趣旨を分かっていなかったとはどういうあほなのか。
消す予定があった時点で、そこまで能力もないのだが…‥‥それでも、組織の新人募集体勢から見直す必要があるだろう。少なくとも、秘密を守れる人をまずは確実に欲しいところではある。
「何にしても、当分は思想に関しての教育や、新人募集、再調整に計画の練り直し‥‥‥動けないことが多くなるな」
だが、重く考えすぎる事もない。ほとぼりが冷めるまでは十分な時間もできるだろうし、その間に組織内の見直すべき点を探し出し洗いまくるには都合が良い。
「あとは、このデータを元にして‥‥‥試験体から余計なものを取り除くことも考えるか。肉体崩壊を防ぐためにドラゴンの力にも耐えられそうな細胞を混ぜ込んだが、それが余計な結果を理解した。
ならばあとは、色々と必要なものをそろえ、今度こそ強奪のための準備を念入りに進めるだけである。
幸いなことに、今回の試験体以外にもう一体いるので、そちらの調整を行うために必要な実践データも得られたことも、非常に都合が良い。
「さぁ、ならばさっさと行うとするか」
捨て駒の用意もしているのだが、この報告を見る限り余計な部分を削った方が良い。
そう思い、黒布の人物は再編成案などを練り込み始めるのであった…‥‥
‥‥‥一方その頃、フィーの方ではあるお知らせが届いており、彼はベッドの上で倒れて撃沈していた。
「…‥‥王国の方からの手紙が来たかと思えば‥‥‥何だよ、王命って。良いのかこれで」
「国王直々の物ですネ。偽造されないように仕掛けられた王家の判もしっかり入っているようですし、間違いないのでしょウ」
「でも本当に良いのですの?彼にはわたくしとの婚約関係もありますわ」
フィーがぐったりと力なくうつぶせになっている傍らで、事情を聴いていたルルシアがそう口にする。
確かに、彼との婚約関係は帝国の皇帝直々の物であり、本来はそれ以外のものは来ないはずなのだが‥‥‥今回ばかりは、どうやら事情が違うようだ。
「『報告の結果、次回襲撃があることも備えて万全の警護が可能なように、元第3王女ペルシャの地位を一時的に王籍に入れ直す。一度王籍を自ら抜け出したのであくまでも名ばかりのものと言えるが、それでも多少は安全性の確保のために必要な措置であった。そして、これまでの功績を考慮し‥‥‥現在、ミルガンド帝国の皇女と婚約関係にあり、帝国の公爵家の血もあるため、両国の繋がりの懸け橋となるように新たに貴族家としての地位を与え…‥‥留学生フィーには、ペルシャとの婚約も決定する』‥‥‥ですカ。政略的な意味合いも強そうですし、ご主人様の力も考え両国で共同で見れるようにしたのでしょうネ」
「なぜそうなった」
「何故と言われましても、説明そのままとしか言えなさそうですわね。あと、ココの一文もありますわね」
「『なお、記憶喪失中であった娘の扱いに関して、しっかりお話をするために、夏季休暇中に一度王城へ出向かれたし』ともありますネ」
「隠せていない本音が思いっきり見えているんだけど!?」
どうしてこうなった。本当になんでなっちゃったんだ。
嫌な予感というのはこうも当たってしまうものなのか、神でさえ見放すような運命を持っているせいなのか。
考えても切りがないのかもしれないが、卒業までに新しい厄介ごとを見事に着きつけられてしまうのであった…‥‥
「そういえば先日、ワールド・メイド・ゼワ商会の方に、ドリマリア王国の国王から直々の注文が入って来たと姉妹から聞きましたネ。何でも、ドラゴンバスター装備一式やその他竜殺しと名高い武器のお買い上げなど‥‥‥」
「がっつり殺す気満々じゃないかなそれ!?というか、何でそんなものを扱っているんだよ!?」
「まぁ、ドラゴン自体伝説の存在と言われるようなだけあって、いわくつきの品は昔からあるようですわ」
一応、大抵の場合はにそくさんもんの詐称しまくったガラクタであり、実際にドラゴンを討伐したような武器というのはめったに出てこないらしい。
「けれども、商会の方だと伝手がありますからネ…‥‥いくつか本物があってもおかしくはないのデス」
「本当その商会自体何だよ!!」
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