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5章 復讐は我にあり
5-78 竜と竜-2
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お互いにドラゴンとしての力を解放し合い、より力のぶつかり合いが激しくなる。
ただぶつかり合うだけであればそれはそれで良いのだが‥‥‥いかんせん、この山で戦いあうには少々手狭な部分もあるだろう。
『アアアアアア!!』
「---調整完了、自己改良完了しまシタ。センサー混乱も収まり、通常状態へ切り替わりまシタ」
火炎竜が咆哮をあげると同時にぬぺっと何か抜けたような感覚がしたかと思ったが、どうやらゼナの方の問題が片付いたらしい。
相手に俺と同じような情報があるがゆえに製造な動作が難しかったようだが、この戦いの中で改めて改造を行い、無事に対応出来たようだ。
「なら、全モードを問題なく素早く可変できるな?」
「容易い事デス。現在、人竜変化状態のご主人様のドラゴンとしての力も流れ込んでおり、竜魔剣状態になっていマス。通常よりもより強力な攻撃を放つことが可能デス」
「それならば一気に行くぞ!!タフさで長引かされる前に、素早く切りかえていけ!!」
「了解デス!!」
翼を広げ火炎竜の元へ直ぐに辿り着き、反応される前に一気に勝負を決めるために俺たちは動く。
「まずはスピードで一気に攻める!!」
「『エンジェリングソードモード』!!」
大型の相手にまずは手数で攻めて、どこから攻撃するか効率のいい場所を見つけ出す。
周囲の景色が一気に流れ始めるが、人竜変化で強化されたドラゴンの目であれば止まって見える程のものになっており、問題なく動くことが出来る。
吹き飛んだ火炎竜の側まで瞬時に接近し、しゅぼっと空気との摩擦で発火したようだがそんなものは関係ない。
燃え盛る体も攻撃に転じ、火炎竜の全身を切り裂いて攻撃を行う。
『アアアアアアア!?』
「大体の場所は分かった!!次はおとなしく攻撃させてもらうために、動きを無理やり止める!!」
「『グラビティマシンソードモード』に形態を変えマス!!」
「からの『ジェットチェーンナックル』ダブル!!」
ジャラララァっとガントレットモードの時から使いこなしていたチェーン付きの飛ぶ腕を両方から射出し、火炎竜の巨体に巻き付かせる。
馬鹿力で無理やり拘束を解かれる可能性は大きいが、その前に動けなくすれば良いだけの話だ。
「人竜変化で無理やりドラゴンの力を詰めた腕力で、ぶんなげてぇぇっと!!」
『アアアアアア!?』
絡めたチェーンでぶん回し始め、空中で竜巻が起きるほどの大回転を発生させる。
「そのまま頂上に、投げつける!!」
ガゴンっと根元からチェーンが外れ、狙った位置へ火炎竜の体が投げ飛ばされる。
脱出しようとするが翼も絡めているので簡単にはいかず、そのまま頂上に叩きつけられた。
ドッシィィィィィィン!!
この戦闘空域にある極重山の頂上に着弾したようで、狙い通りにいったようだ。
山の性質は重さを増やすが‥‥‥頂上であれば100倍の重さになり、あの巨体であればその分さらにすさまじい重さとなるだろう。
『アアアアアアア!!』
「5~6合目あたりの重さに慣れても、それ以上の重さになる場所だからな。完全竜化状態の俺だったらヤバかったが、まだ人竜状態であれば重さの倍増もたかが知れている。動きにくさもあるが、こっちのほうが動きやすい」
とどめを刺すために火炎竜の真上に飛び、100倍となった重さを感じ取り落下し始める。
身に留めている完全竜化分のエネルギーを一気に膨らませ、竜化ギリギリで放出の用意を行う。
そしてこの重くなる環境でどんどん加速していき、その速さも攻撃に載せていく。
「ゼナ、『竜魔剣モード』!!」
「了解デス!!」
ドラゴンの力を流し込み、巨大な大剣と化すゼナ。
巨大すぎる刃ゆえに斬撃能力はやや低下するそうだが、それでもドラゴンサイズの巨大な相手に打撃を与えるにはちょうどいいサイズとなる。
「「『ギガ・ブレードスタンプ』!!」」
ドッゴォォォォォォォォォォウ!!
『アゴゲベェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!?』
とんでもないサイズの魔剣の一撃が、綺麗に火炎竜に直撃し、さらにこの山の特性で倍増される重さがドカっと一気にきて押しつぶす。
この最大重量の攻撃はこの環境だからこそ成し得る者なのだが、それでもトドメになったのだろう。
『ア”ア”ア”ア”‥‥‥アガァァァァァァァァッ!!』
ぼしゅううううっと凄まじい量の煙が噴き出たかと思えば、断末魔を上げて小さくなっていく火炎竜。
そして数十秒後にはすっかり全部の力を出し切ったようで、ギリギリ出来ていた岩の隙間に転がった紅い竜の少女の姿になるのであった‥‥‥‥
「…‥‥ところでゼナ、一つ良いかな?」
「何でしょうカ?」
「勢いでやって気が付いたんだけど、今、ギリギリまで火炎竜の巨体でここに収まっていたけど、無くなったらどうなるの?」
「…‥‥この重量だと、山が逝きますね」
ふと気が付き、モードを解除しようと思ったのだが、時すでに遅し。
ビキビキビキィ!!
山の頂上から一気にひびが入り始め、砕けていく。
…‥‥どうやら、この最大重量の攻撃は山の方にもトドメを刺してしまったようであった。
「やっちまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ひとまず、逃げたほうが良さそうデス」
ただぶつかり合うだけであればそれはそれで良いのだが‥‥‥いかんせん、この山で戦いあうには少々手狭な部分もあるだろう。
『アアアアアア!!』
「---調整完了、自己改良完了しまシタ。センサー混乱も収まり、通常状態へ切り替わりまシタ」
火炎竜が咆哮をあげると同時にぬぺっと何か抜けたような感覚がしたかと思ったが、どうやらゼナの方の問題が片付いたらしい。
相手に俺と同じような情報があるがゆえに製造な動作が難しかったようだが、この戦いの中で改めて改造を行い、無事に対応出来たようだ。
「なら、全モードを問題なく素早く可変できるな?」
「容易い事デス。現在、人竜変化状態のご主人様のドラゴンとしての力も流れ込んでおり、竜魔剣状態になっていマス。通常よりもより強力な攻撃を放つことが可能デス」
「それならば一気に行くぞ!!タフさで長引かされる前に、素早く切りかえていけ!!」
「了解デス!!」
翼を広げ火炎竜の元へ直ぐに辿り着き、反応される前に一気に勝負を決めるために俺たちは動く。
「まずはスピードで一気に攻める!!」
「『エンジェリングソードモード』!!」
大型の相手にまずは手数で攻めて、どこから攻撃するか効率のいい場所を見つけ出す。
周囲の景色が一気に流れ始めるが、人竜変化で強化されたドラゴンの目であれば止まって見える程のものになっており、問題なく動くことが出来る。
吹き飛んだ火炎竜の側まで瞬時に接近し、しゅぼっと空気との摩擦で発火したようだがそんなものは関係ない。
燃え盛る体も攻撃に転じ、火炎竜の全身を切り裂いて攻撃を行う。
『アアアアアアア!?』
「大体の場所は分かった!!次はおとなしく攻撃させてもらうために、動きを無理やり止める!!」
「『グラビティマシンソードモード』に形態を変えマス!!」
「からの『ジェットチェーンナックル』ダブル!!」
ジャラララァっとガントレットモードの時から使いこなしていたチェーン付きの飛ぶ腕を両方から射出し、火炎竜の巨体に巻き付かせる。
馬鹿力で無理やり拘束を解かれる可能性は大きいが、その前に動けなくすれば良いだけの話だ。
「人竜変化で無理やりドラゴンの力を詰めた腕力で、ぶんなげてぇぇっと!!」
『アアアアアア!?』
絡めたチェーンでぶん回し始め、空中で竜巻が起きるほどの大回転を発生させる。
「そのまま頂上に、投げつける!!」
ガゴンっと根元からチェーンが外れ、狙った位置へ火炎竜の体が投げ飛ばされる。
脱出しようとするが翼も絡めているので簡単にはいかず、そのまま頂上に叩きつけられた。
ドッシィィィィィィン!!
この戦闘空域にある極重山の頂上に着弾したようで、狙い通りにいったようだ。
山の性質は重さを増やすが‥‥‥頂上であれば100倍の重さになり、あの巨体であればその分さらにすさまじい重さとなるだろう。
『アアアアアアア!!』
「5~6合目あたりの重さに慣れても、それ以上の重さになる場所だからな。完全竜化状態の俺だったらヤバかったが、まだ人竜状態であれば重さの倍増もたかが知れている。動きにくさもあるが、こっちのほうが動きやすい」
とどめを刺すために火炎竜の真上に飛び、100倍となった重さを感じ取り落下し始める。
身に留めている完全竜化分のエネルギーを一気に膨らませ、竜化ギリギリで放出の用意を行う。
そしてこの重くなる環境でどんどん加速していき、その速さも攻撃に載せていく。
「ゼナ、『竜魔剣モード』!!」
「了解デス!!」
ドラゴンの力を流し込み、巨大な大剣と化すゼナ。
巨大すぎる刃ゆえに斬撃能力はやや低下するそうだが、それでもドラゴンサイズの巨大な相手に打撃を与えるにはちょうどいいサイズとなる。
「「『ギガ・ブレードスタンプ』!!」」
ドッゴォォォォォォォォォォウ!!
『アゴゲベェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!?』
とんでもないサイズの魔剣の一撃が、綺麗に火炎竜に直撃し、さらにこの山の特性で倍増される重さがドカっと一気にきて押しつぶす。
この最大重量の攻撃はこの環境だからこそ成し得る者なのだが、それでもトドメになったのだろう。
『ア”ア”ア”ア”‥‥‥アガァァァァァァァァッ!!』
ぼしゅううううっと凄まじい量の煙が噴き出たかと思えば、断末魔を上げて小さくなっていく火炎竜。
そして数十秒後にはすっかり全部の力を出し切ったようで、ギリギリ出来ていた岩の隙間に転がった紅い竜の少女の姿になるのであった‥‥‥‥
「…‥‥ところでゼナ、一つ良いかな?」
「何でしょうカ?」
「勢いでやって気が付いたんだけど、今、ギリギリまで火炎竜の巨体でここに収まっていたけど、無くなったらどうなるの?」
「…‥‥この重量だと、山が逝きますね」
ふと気が付き、モードを解除しようと思ったのだが、時すでに遅し。
ビキビキビキィ!!
山の頂上から一気にひびが入り始め、砕けていく。
…‥‥どうやら、この最大重量の攻撃は山の方にもトドメを刺してしまったようであった。
「やっちまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ひとまず、逃げたほうが良さそうデス」
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