183 / 204
6章 悪意と善意、トラブルメーカーと苦労人
6-13 時々彼方に、黒い雲
しおりを挟む
‥‥‥王国や帝国と言った国々もあるが、その他の小国の類もいくつかは存在してる。
とは言え、そんな面倒事とは縁がないというように平和であり、愚者が指導しているという国もそこまで無いので、そこそこ平和な状態であった。
だがしかし、本日はその国々の上を覆うように大きな黒雲が広がっており、人々は何事かと不安を口にする。
「なんだなんだ?急に暗くなってきたが、なんだありゃ?」
「大雨や嵐でも来るのか?でも、今日はそんな気配もなかったような」
「うーん、太陽が無いと作物が育たないから、さっさと晴れてほし…いや、何だべさ、あれ?」
上を見上げ、覆う黒雲に対して文句を言う中、人々は気が付く。
その雲の方から、何かが降り注いできたことを。
「何だこれ、雨か?」
「その割にはベッタベタ…うぐぅぉ!?」
「な、なんぎゃあああああああああああああアァァァアァアアアアアアアアアアアアアアアアア!?】
【オゲエエエエエエエエエ!?】
雨でも降ったのかと思われたが、それは違った。
水でもない謎の液体が、雨のように降り注ぎ、それを浴びた人々は悲鳴を上げ始める。
溶けた?いや、違う。作り変えられて肉体が出す痛みに悲鳴を上げているのだ。
次々に変わり果てていく人だったものに、原因となったものをかからないように逃げまどう者もいたが、そう容易くいはいかず‥‥結果としてその日、いくつかの小国では人の悲鳴は聞こえなくなっていたのであった‥‥
「…という事が1分ほど前にあった報告が今、届きまシタ」
「あきらかに滅茶苦茶ヤバそうな報告内容なんだが!?」
10分ぐらいで大体情報が集まると聞いていたが、集まった情報がとんでもないものだったことに、フィーは驚愕する。
角のうずき具合からして何かこう、ろくでもないことの予感は感じ取っていたが、その内容がぶっ飛んでいたのだ。
「神聖国方面で大きな雲が発生し、降り注ぐ雨水とは違う何かの液体で、次々に化け物へと転じて…その後はどうなった?」
「異形の怪物に成り果てた、人だったものは雲の上に導かれるように、自然と浮いて取り込まれていったそうデス」
報告によれば、ファルン神聖国の方で、突然国の中央から膨大な煙が噴き出し、大空を覆うようなものすごく大きな黒雲が発生したらしい。
その雲からは雨のような液体が地上へ向けて降り注がれており、浴びた人々は全て異形の怪物へと成り果て、自ら雲の中へと飛んでいき取り込まれていったそうだ。
「ただし、液体の方は着弾後、人以外の生物には影響していないようデス。また、水でかなり薄められるのか無効化されるのか、川などに流れても飲んだ人々の方には影響していないようでシタ」
「つまり、まともに浴びたらアウトだけど、水を介せばまだセーフなやつか…どう考えても、最悪な感じしかしないがな」
確かに情報は欲しかったが、こんなやばい報告は聞きたくはなかった。
行動に移す前に、不味いものに関して分かったのは良いのだが、それでも行動を写すにしてもすでに犠牲が出ているのは不味いだろう。
「一応、生命反応自体は残ってますので、死亡しているとかはないかと思われマス。人為的な薬品による肉体改造であれば、治療方法は分析次第で解決できますので、生け捕りにできればいいでしょウ」
「でも、その前に防げた方が良いな…ゼナ、すぐに本件を国へ報告しつつ、動けそうか?」
「大丈夫デス。ご主人様の命令であれば、即座に実行可能デス。こんなこともあろうかと、連絡網は構築していますからネ」
そもそもその連絡網が無ければ、こんな報告をすぐに聴くこともできなかっただろうし、作っておいてくれたのが幸いだろう。
だが、それでも事態が解決したわけではなく、むしろ今からよりやばくなってくるのが目に見えている。
「風向きから推測すると、おそらくあと30分後には黒雲は進み、この国に到達します。帝国の方は方角が違うので大丈夫でしょうが、人為的な可能性を考えると方向を変えて全世界にやってくる可能性もあるでしょウ」
「なら、すぐに対策するぞ!!」
「了解デス!!」
既に被害が出ているようだが、まだ生きているのであればそれもどうにかして救い出したい。
そう思いつつ、今はその被害を食い止めるためにも、素早く対策を行い始めることにしたのであった…
「…ところで気になったんだが、その報告があるってことは、見ていた奴がいるってことだよな?そいつらは大丈夫なのか?」
「たとえ火の中水の中森の中、火山に絶対零度の環境に、様々なものも対応できる人たちがいたので、無事でシタ」
「それ、本当に人なのか?」
‥‥‥人外の繋がりとか、隠していないよな?いや、俺自身もドラゴン混ざっているから人外と言えばそうかもしれないけど、もっとヤバい所と繋がっていないよな?
とは言え、そんな面倒事とは縁がないというように平和であり、愚者が指導しているという国もそこまで無いので、そこそこ平和な状態であった。
だがしかし、本日はその国々の上を覆うように大きな黒雲が広がっており、人々は何事かと不安を口にする。
「なんだなんだ?急に暗くなってきたが、なんだありゃ?」
「大雨や嵐でも来るのか?でも、今日はそんな気配もなかったような」
「うーん、太陽が無いと作物が育たないから、さっさと晴れてほし…いや、何だべさ、あれ?」
上を見上げ、覆う黒雲に対して文句を言う中、人々は気が付く。
その雲の方から、何かが降り注いできたことを。
「何だこれ、雨か?」
「その割にはベッタベタ…うぐぅぉ!?」
「な、なんぎゃあああああああああああああアァァァアァアアアアアアアアアアアアアアアアア!?】
【オゲエエエエエエエエエ!?】
雨でも降ったのかと思われたが、それは違った。
水でもない謎の液体が、雨のように降り注ぎ、それを浴びた人々は悲鳴を上げ始める。
溶けた?いや、違う。作り変えられて肉体が出す痛みに悲鳴を上げているのだ。
次々に変わり果てていく人だったものに、原因となったものをかからないように逃げまどう者もいたが、そう容易くいはいかず‥‥結果としてその日、いくつかの小国では人の悲鳴は聞こえなくなっていたのであった‥‥
「…という事が1分ほど前にあった報告が今、届きまシタ」
「あきらかに滅茶苦茶ヤバそうな報告内容なんだが!?」
10分ぐらいで大体情報が集まると聞いていたが、集まった情報がとんでもないものだったことに、フィーは驚愕する。
角のうずき具合からして何かこう、ろくでもないことの予感は感じ取っていたが、その内容がぶっ飛んでいたのだ。
「神聖国方面で大きな雲が発生し、降り注ぐ雨水とは違う何かの液体で、次々に化け物へと転じて…その後はどうなった?」
「異形の怪物に成り果てた、人だったものは雲の上に導かれるように、自然と浮いて取り込まれていったそうデス」
報告によれば、ファルン神聖国の方で、突然国の中央から膨大な煙が噴き出し、大空を覆うようなものすごく大きな黒雲が発生したらしい。
その雲からは雨のような液体が地上へ向けて降り注がれており、浴びた人々は全て異形の怪物へと成り果て、自ら雲の中へと飛んでいき取り込まれていったそうだ。
「ただし、液体の方は着弾後、人以外の生物には影響していないようデス。また、水でかなり薄められるのか無効化されるのか、川などに流れても飲んだ人々の方には影響していないようでシタ」
「つまり、まともに浴びたらアウトだけど、水を介せばまだセーフなやつか…どう考えても、最悪な感じしかしないがな」
確かに情報は欲しかったが、こんなやばい報告は聞きたくはなかった。
行動に移す前に、不味いものに関して分かったのは良いのだが、それでも行動を写すにしてもすでに犠牲が出ているのは不味いだろう。
「一応、生命反応自体は残ってますので、死亡しているとかはないかと思われマス。人為的な薬品による肉体改造であれば、治療方法は分析次第で解決できますので、生け捕りにできればいいでしょウ」
「でも、その前に防げた方が良いな…ゼナ、すぐに本件を国へ報告しつつ、動けそうか?」
「大丈夫デス。ご主人様の命令であれば、即座に実行可能デス。こんなこともあろうかと、連絡網は構築していますからネ」
そもそもその連絡網が無ければ、こんな報告をすぐに聴くこともできなかっただろうし、作っておいてくれたのが幸いだろう。
だが、それでも事態が解決したわけではなく、むしろ今からよりやばくなってくるのが目に見えている。
「風向きから推測すると、おそらくあと30分後には黒雲は進み、この国に到達します。帝国の方は方角が違うので大丈夫でしょうが、人為的な可能性を考えると方向を変えて全世界にやってくる可能性もあるでしょウ」
「なら、すぐに対策するぞ!!」
「了解デス!!」
既に被害が出ているようだが、まだ生きているのであればそれもどうにかして救い出したい。
そう思いつつ、今はその被害を食い止めるためにも、素早く対策を行い始めることにしたのであった…
「…ところで気になったんだが、その報告があるってことは、見ていた奴がいるってことだよな?そいつらは大丈夫なのか?」
「たとえ火の中水の中森の中、火山に絶対零度の環境に、様々なものも対応できる人たちがいたので、無事でシタ」
「それ、本当に人なのか?」
‥‥‥人外の繋がりとか、隠していないよな?いや、俺自身もドラゴン混ざっているから人外と言えばそうかもしれないけど、もっとヤバい所と繋がっていないよな?
0
あなたにおすすめの小説
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」
Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。
しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。
彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。
それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。
無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。
【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。
一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。
なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。
これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる