私はあなたの魔剣デス ~いや、剣じゃないよね、どう見ても違うよね?~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
182 / 204
6章 悪意と善意、トラブルメーカーと苦労人

6-12 叫びたくなる時も、あるんだよ

しおりを挟む
‥‥‥ドラゴンの角というのは、一種の感覚器官のようなもの。

 様々な流れや力を感じ取り、周囲の状況把握などを行うことが可能であり、また攻撃手段としても扱う事が出来るものである。

 ゆえに、普段の手入れも大事なものであり、磨いていたりするのだが‥‥‥


「…なんか、すっごい嫌なものを感じ取っているのだが、原因分るか?」
「この方角ですと、ファルン神聖国のようですが…すみません、情報の集まり具合がいまいちになっていマス」

 本日は何やら、その大事な角から、ずきんずきんと痛みのような不快感を感じ取っており、原因をゼナに探ってもらっているのだが、何やら彼女の方もうまいこと言っていない様子だった。

「どういうことだ?」
「うーん、破神布のような組織の件もあったので、情報収集関係の強化として、他国の間諜や密偵の買収や諜報技術強化訓練実施、姉さんたちに協力を仰いでの情報取集機関の設立などもしているのですガ、なんかこう、国そのものに異常が起きたレベルの混乱が生じているようなんですよネ」
「国そのものの混乱?」

 色々とツッコミたい情報が出てきたような気がするが、そんな事はどうでもいい。

 そこまで強化した彼女の情報収集能力の中で生じた、その混乱とやらが気になるのだ。

「ご主人様の婚約者がたは国の人でもありますからネ。そこを何か卑怯な手段で狙うような輩の出現も警戒してやったのですガ…やはり、厳しいデス。国そのものからの情報が入ってきていないところを見ると、既に滅亡とかが起きている可能性の方が大きいデス。情報を伝達する人が、いなくなっていますからネ」
「国の滅亡の可能性か…まだ王国や帝国からも出ていない話だよな?」
「国から情報が来る前に、先にそんな情報を得てしまう結果になりますが…結論としてはそうなるのでしょウ」

 嫌な予感を感じ取ったかと思えば、余計にヤバそうなものがあったのか。

 しかし、一国の滅亡レベルの何かしらが起きたというが…そんなもので、ここまで角がうずくのだろうか?

 正直言って、関係ない話ならばこんなことないのだが‥‥先日の襲撃者の一件や魔獣の偽装なども考えると、無関係という事もない。

 となると、俺たちに関わるような何かで盛大に遣らかしてしまった結果なのだろうが…一体何をしたというのだろうか。

「‥‥‥考えていても分からないか。ゼナ、情報収集としては詳細な結果が分かるには、どのぐらいかかる?」
「滅亡レベルだとすると遅いですガ‥‥それでも、その想定で動き直せば、昼まで、いえ、10分もあれば十分デス」
「短縮しすぎてないかな?まぁ、良いか。集められるならば、出来るだけ正確な情報をすぐに集めてほしい。こう角がうずくとなると、どう考えてもやばい案件になると思うからな」
「了解デス」

 何をどうしてきたのか不明だが、掘っておくことはできない可能性が非常に大きい。

 そもそも、先日から狙ってきていたことでどう考えてもろくでもない事を企んでいるのは分かるのだが、行動に移すのが早い気もする。

 ドラゴンを狙っていたという事で、なにか必要なものがあって、達成しなければできないようなこともあるのかと思っていたが、こういう状況になったという事はその必要性が無くなったのかもしれない。

 必要なくなるなら最初から襲うなと言いたいが…国の滅亡レベルのことが起きているとなると、その代償として用意したのが原因なのかもしれない。


 ひとまずは何が起きたのか確認するために、素早い情報収集へと動くのであった‥‥‥


「直接ドラゴンになって飛んでいくのもありだが…このうずき方から、どう考えてもそれだと危ない気もするのが怖いかもしれない」
「ご主人様が、怖いとか言うの珍しいデスネ」
「ドラゴンとしての勘だよ。あと、これまでどれだけの数の面倒事に巻き込まれたか数えるのを放棄したけど、その経験もあってな‥‥‥」

‥‥‥いや、本当に面倒事にどのぐらい巻き込まれたのやら。数えるの、何時からか放棄した気がする。


しおりを挟む
感想 610

あなたにおすすめの小説

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」 Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。 しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。 彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。 それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。 無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。 【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。 一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。 なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。 これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません

ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。 文化が違う? 慣れてます。 命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。 NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。 いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。 スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。 今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。 「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」 ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。 そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...