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6章 悪意と善意、トラブルメーカーと苦労人
6-11 そして奴は、動いちゃった
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‥‥‥ドラゴンたちへの襲撃及びその命を狙うことは失敗した。
だが、想定内の出来事であると、その人物は思っていた。
「…所詮、念入りに準備をしたところで、相手の力が圧倒的に上であれば、失敗するか。その事は分かっていたが、そうなるとやはり、この手を使うしかないのか」
ファルン神聖国の地下深く、その報告を耳にした後にこの場へ来たが、どうしようもなかったことに関しては、諦めを付ける。
出来れば欲しかったが、簡単にはいかないのは分かった。
ならば、代案をすれば良いだけの話であり、気持ちを切り替えて行動に移すだけである。
「強大なドラゴンを捕え、その生命エネルギーを注げばもっと楽にできたが、それが出来ないのであれば、中途半端な状態になるかもしれないが、仕方があるまい」
ほんのわずかな良心によって抑えられていたが、その良心も無駄になったようで、すぐに捨て去って腹に決める。
わかっていたのだ。対策を立てたとしても、無駄になるかもしれないという事を。
それでも、多少はどうにかしたい部分もあったが‥できないのであれば、諦めてさっさと行動に移すのが良い。
そう考え、その人物は駄目だった時に用意していた代案を動かすために、室内に設置されている装置の下へ近づき、レバーに手をかける。
「これを引けば、それだけでこの国中の者たちが犠牲になるが、ドラゴンのものに比べると微々たるものだろう」
だが、それでも十分なはずである。
目の前にある、巨大な肉塊が目を覚ますための刺激としては、計算上足りているだろう。
可能であればここでドラゴンの莫大なエネルギーを使いたかったが、犠牲なくして野望を叶えられないことも分かり、後はもう腹をくくるだけ。
その一歩が難しかったが、襲撃が失敗し、良心も捨て去った今、邪魔になるものはもういない。
ガゴンっと力強くレバーを引けば、その瞬間装置が稼働し始め、物凄い大きな音を立てはじめる。
聞こえるだろうか。この国中に張り巡らせた仕掛けによって、吸い取られていく力を。
魔剣士も人も魔獣も関係ない。この装置が稼働した今、巨大な肉塊を叩き起こし目覚めさせるだけのエネルギーになるだけだろう。
自分だけは大丈夫なように計算しており、地上で起きていることは見えないが、それでも稼働音から装置が正常に動き、しっかりと役目を果たしていることが理解できた。
―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「うむ、無事に稼働したか」
ビリビリと国中から吸い上げられてきた力が注ぎ込まれ、肉塊が吸収し蠢き始める。
表面に浮き出ていた血管がより強く脈を打ち、節々からブシュブシュと熱を持ったのか蒸気を吹き始め、全体が震えていく。
「目覚めるが良い。この私の夢を叶えるために生み出した、大いなる怪物よ」
「国を手中に収める?いや、それはまだ小さきものだ。一国だけではなく、さらに多くの国々が世界にあるのだから」
「神々を狙うような者たちもいるようだが、そんな事をして何になる。非現実的すぎるような存在を寝あること自体が、物凄く無駄であり‥‥この私のように、世界を手中に収めるために動くのが、より良いだろうに」
そうつぶやきつつ、どんどん目の前の肉塊が起き上り始め、命の火が灯されていく様子に目を向ける。
国中の命を吸い取り、目覚めていく今‥‥これを使う事が出来るのは、その人物だけだろう。
「さぁ、魔獣たちすら取り込んだ今‥‥目覚めよ、世界を征服することが出来る、巨大な古の怪物よ!!」
【オ、オ、オ、グオグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!】
その言葉に答えるかのように、目の前の肉塊は、いや、目覚めた巨大な怪物は咆哮を上げ、地下室がその衝撃で崩れ始めていく。
だが、押しつぶされていくどころか部屋全体を上に押し上げ、ゆっくりと地上へ這いあがっていく。
そして地上に出たところで、何者も声を発することが無くなった死の国で翼を広げ、その産声を上げるのであった…‥‥‥
【オグォオオオオオオオオオオオオオン!!】
だが、想定内の出来事であると、その人物は思っていた。
「…所詮、念入りに準備をしたところで、相手の力が圧倒的に上であれば、失敗するか。その事は分かっていたが、そうなるとやはり、この手を使うしかないのか」
ファルン神聖国の地下深く、その報告を耳にした後にこの場へ来たが、どうしようもなかったことに関しては、諦めを付ける。
出来れば欲しかったが、簡単にはいかないのは分かった。
ならば、代案をすれば良いだけの話であり、気持ちを切り替えて行動に移すだけである。
「強大なドラゴンを捕え、その生命エネルギーを注げばもっと楽にできたが、それが出来ないのであれば、中途半端な状態になるかもしれないが、仕方があるまい」
ほんのわずかな良心によって抑えられていたが、その良心も無駄になったようで、すぐに捨て去って腹に決める。
わかっていたのだ。対策を立てたとしても、無駄になるかもしれないという事を。
それでも、多少はどうにかしたい部分もあったが‥できないのであれば、諦めてさっさと行動に移すのが良い。
そう考え、その人物は駄目だった時に用意していた代案を動かすために、室内に設置されている装置の下へ近づき、レバーに手をかける。
「これを引けば、それだけでこの国中の者たちが犠牲になるが、ドラゴンのものに比べると微々たるものだろう」
だが、それでも十分なはずである。
目の前にある、巨大な肉塊が目を覚ますための刺激としては、計算上足りているだろう。
可能であればここでドラゴンの莫大なエネルギーを使いたかったが、犠牲なくして野望を叶えられないことも分かり、後はもう腹をくくるだけ。
その一歩が難しかったが、襲撃が失敗し、良心も捨て去った今、邪魔になるものはもういない。
ガゴンっと力強くレバーを引けば、その瞬間装置が稼働し始め、物凄い大きな音を立てはじめる。
聞こえるだろうか。この国中に張り巡らせた仕掛けによって、吸い取られていく力を。
魔剣士も人も魔獣も関係ない。この装置が稼働した今、巨大な肉塊を叩き起こし目覚めさせるだけのエネルギーになるだけだろう。
自分だけは大丈夫なように計算しており、地上で起きていることは見えないが、それでも稼働音から装置が正常に動き、しっかりと役目を果たしていることが理解できた。
―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「うむ、無事に稼働したか」
ビリビリと国中から吸い上げられてきた力が注ぎ込まれ、肉塊が吸収し蠢き始める。
表面に浮き出ていた血管がより強く脈を打ち、節々からブシュブシュと熱を持ったのか蒸気を吹き始め、全体が震えていく。
「目覚めるが良い。この私の夢を叶えるために生み出した、大いなる怪物よ」
「国を手中に収める?いや、それはまだ小さきものだ。一国だけではなく、さらに多くの国々が世界にあるのだから」
「神々を狙うような者たちもいるようだが、そんな事をして何になる。非現実的すぎるような存在を寝あること自体が、物凄く無駄であり‥‥この私のように、世界を手中に収めるために動くのが、より良いだろうに」
そうつぶやきつつ、どんどん目の前の肉塊が起き上り始め、命の火が灯されていく様子に目を向ける。
国中の命を吸い取り、目覚めていく今‥‥これを使う事が出来るのは、その人物だけだろう。
「さぁ、魔獣たちすら取り込んだ今‥‥目覚めよ、世界を征服することが出来る、巨大な古の怪物よ!!」
【オ、オ、オ、グオグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!】
その言葉に答えるかのように、目の前の肉塊は、いや、目覚めた巨大な怪物は咆哮を上げ、地下室がその衝撃で崩れ始めていく。
だが、押しつぶされていくどころか部屋全体を上に押し上げ、ゆっくりと地上へ這いあがっていく。
そして地上に出たところで、何者も声を発することが無くなった死の国で翼を広げ、その産声を上げるのであった…‥‥‥
【オグォオオオオオオオオオオオオオン!!】
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