私はあなたの魔剣デス ~いや、剣じゃないよね、どう見ても違うよね?~

志位斗 茂家波

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7章 終わりまで、ずっと

7-2 準備は丁寧に、慎重に

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…破神布とかいう組織をつぶすにあたって、警戒すべきことがある。

 かつてあの組織と対峙したことがあったのだが、その時に色々とぶっ飛んでいるはずの技術やなんやらを持っているはずのゼナが、対応を遅れていた時があった。

 あの時点で既に技術面などで並外れたものを有していたことが想像するにたやすく、年月を経てさらに強化されている可能性は大きいだろう。

 そんなものを持っている相手を、どうやって根絶するのか。まともに正面から向かったとしても、こちらの力が仮に上回っていたとしても、未知の技術によって逆転されたりすることが目に見える。

 ならば…答えとしては、馬鹿みたいに正直だけど、これが一番わかりやすく、手っ取り早い方法があるのだ。


「それが、相手の組織が有するすべてを凌駕するだけの、技術などを国で有することなんだけど…少々やり過ぎているような気がするんだよな」
「少々で済むのはまだいい方ですけれどネ。姉たちが、相当やる気を出してやってくれたのはよかったのですが…これを指揮した立場が言うのもなんですが、事が済んだ後、封印措置を取りましょうカ?」
「そうしたほうが絶対に良いよなぁ…」


 本日はルルシアとペルシャはお腹の子の状態を確認するために医者に向かっているので、俺とゼナは二人で組織に対応するための現在の状況報告書などを読みながら話し合っていた。

 ゼナは数日前に先に終わらせており、なおかつ今回の組織つぶしの中で主導する立場の一人として立っているから話ができるのは良いのだが、出されている報告内容に正直頭を抱えたくなる。

 ここまで発展させたのに、終わった後に封印するのはもったいないというのもいるだろう。

 だが、わかってほしい。これだけのものはまだ、我々には早いのだということを。
 
 見合うだけの人が育つまでは、将来へ向けて待ってほしいのである。


「魔竜王国の研究施設、その中の特殊研究所『ハルゼリアワ』の技術は、外部に流出したら、それこそ第2、第3の組織や魔獣を生み出す根源の元になりかねないからな」

 国の建設当初から組織との対峙を見越して、用意しておいた技術面で凌駕するために作り上げた研究施設。
 
 ここにはゼナの血族だけではなく、他の彼女が信頼ができるところからも色々と引っ張ってきた研究者などが集められており、日夜内部の持てる全てのものを向上させるために研究が行われているのだが、中身のほんの少しだけしか表に出すことができないのだ。
 どこか知らぬ世界で栽培されていた植物とか、見た目が明らかに人外とか、人外じゃ無い見た目ながらも物凄く疲れた人とか…いや、これは普通に休んでほしいかな。え?まだいろいろと兼業している?…この人はここに来ずに慰労施設のほうへ行ったほうが良いような。

 それはともかくとして、組織をつぶす際には全部使用するつもりでもあるのだが…わずかに国で使っているだけなのに、革新的過ぎるものが多いのはちょっと怖くも感じるだろう。

「水と光とちょっと栄養だけあれば肉や野菜が生成可能な培養施設、ごみを完全に原子とかいうのもに分解して再度利用可能な素材に変える完全リサイクル施設、物質そのものを変換して違う物質に変えてしまう錬金施設、魔剣の代わりに使えるような武器を生み出す…いや、これに関してはさすがに不味いので将来的に封印どころか破棄決定な兵器開発施設…まだまだできそうなのは多いけれども、ほんの少しだけでここまでやらかせるレベルなのは、どう考えてもまずいだろ」
「とりあえず手を付けてみてここからやってみようと、やれそうな部分に手を付けまくった結果ですネ。どんどんそこから派生しまくって、可能性が広がり過ぎシタ」

 やる気を出してくれる職員たちには感謝もしたいが、逆にここまでやらかせそうなものをやってくれたことには何とも言えない気持ちもある。

 むしろ出し過ぎたせいで、事が済み次第、扱える人が育つまでは世に出さないほうが良いんだよなぁ…光より早く移動できる乗り物とか、記憶をそのまま映し出す鏡とか、あっていいのかこれ。
 
 流石にこの状況を見ると、ここの最高責任者というべき立場がドラゴンでよかったのかもしれない。何の変哲もない出来立ての弱小国だったら、目をつけられてほかの国井侵略されていた可能性があるか。
 そもそも、そんな国だったらこんな代物ができるはずもないだろうが…そこはまぁ、盛大に目を背ければいいだけのことなので、気にしないほうが良いだろう。




 とにもかくにも、あと数か月以内に組織をつぶすための作戦が決行される予定である。
 その時には、ここの技術のすべてをぶつけるだけぶつけまくって、存在そのものをこの世から消し飛ばす勢いでやりきらなければいけない。
 将来生まれてくる子供たちのためにも、まだ見ぬ未来の国の者たちのためにも大事なことなのだ。
 そう思いつつ、色々と気づかれもしてくる内容でもあるので、程々のところでいったん休むのであった……


「というか、これだけ用意して対応できない組織だったら、それこそ何者なんだよと言いたくなるんだが」
「調べてみたところ、どこかで生まれただけの本当にどうしようもないろくでもなしが発端のようですが…油断しないように、調査は進めておきましょウ。可能であれば出産後に全力で対応したいのですが気を逃すわけにもいきませんからネ」
「まぁ、ゼナが作戦時に使えないのは不安要素でもあるけどな」
「そこは大丈夫デス。調査内容を見る限り、使っても問題ない範囲がわかりましたので、頼れるところへ全部声をかけ、徹底的に対応できるようにしていマス。魔剣が使えなくともその代わりの武器なども用意しておりますし、魔剣なくともヤバいレベルの人とか悪魔とか精霊など…人外関係なく、やれるようにしていマス」

……ふと、思ったんだけど、破神布とかいう組織よりも、目の前の魔剣のほうが相当ヤバいのでは?
 いや、気にしないでおくか。それはもう、彼女と出会った時からもうわかりきっているというか理解させられていることなのだから…世の中、あきらめも非常に重要なことなのである。

 
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