195 / 204
7章 終わりまで、ずっと
7-2 準備は丁寧に、慎重に
しおりを挟む
…破神布とかいう組織をつぶすにあたって、警戒すべきことがある。
かつてあの組織と対峙したことがあったのだが、その時に色々とぶっ飛んでいるはずの技術やなんやらを持っているはずのゼナが、対応を遅れていた時があった。
あの時点で既に技術面などで並外れたものを有していたことが想像するにたやすく、年月を経てさらに強化されている可能性は大きいだろう。
そんなものを持っている相手を、どうやって根絶するのか。まともに正面から向かったとしても、こちらの力が仮に上回っていたとしても、未知の技術によって逆転されたりすることが目に見える。
ならば…答えとしては、馬鹿みたいに正直だけど、これが一番わかりやすく、手っ取り早い方法があるのだ。
「それが、相手の組織が有するすべてを凌駕するだけの、技術などを国で有することなんだけど…少々やり過ぎているような気がするんだよな」
「少々で済むのはまだいい方ですけれどネ。姉たちが、相当やる気を出してやってくれたのはよかったのですが…これを指揮した立場が言うのもなんですが、事が済んだ後、封印措置を取りましょうカ?」
「そうしたほうが絶対に良いよなぁ…」
本日はルルシアとペルシャはお腹の子の状態を確認するために医者に向かっているので、俺とゼナは二人で組織に対応するための現在の状況報告書などを読みながら話し合っていた。
ゼナは数日前に先に終わらせており、なおかつ今回の組織つぶしの中で主導する立場の一人として立っているから話ができるのは良いのだが、出されている報告内容に正直頭を抱えたくなる。
ここまで発展させたのに、終わった後に封印するのはもったいないというのもいるだろう。
だが、わかってほしい。これだけのものはまだ、我々には早いのだということを。
見合うだけの人が育つまでは、将来へ向けて待ってほしいのである。
「魔竜王国の研究施設、その中の特殊研究所『ハルゼリアワ』の技術は、外部に流出したら、それこそ第2、第3の組織や魔獣を生み出す根源の元になりかねないからな」
国の建設当初から組織との対峙を見越して、用意しておいた技術面で凌駕するために作り上げた研究施設。
ここにはゼナの血族だけではなく、他の彼女が信頼ができるところからも色々と引っ張ってきた研究者などが集められており、日夜内部の持てる全てのものを向上させるために研究が行われているのだが、中身のほんの少しだけしか表に出すことができないのだ。
どこか知らぬ世界で栽培されていた植物とか、見た目が明らかに人外とか、人外じゃ無い見た目ながらも物凄く疲れた人とか…いや、これは普通に休んでほしいかな。え?まだいろいろと兼業している?…この人はここに来ずに慰労施設のほうへ行ったほうが良いような。
それはともかくとして、組織をつぶす際には全部使用するつもりでもあるのだが…わずかに国で使っているだけなのに、革新的過ぎるものが多いのはちょっと怖くも感じるだろう。
「水と光とちょっと栄養だけあれば肉や野菜が生成可能な培養施設、ごみを完全に原子とかいうのもに分解して再度利用可能な素材に変える完全リサイクル施設、物質そのものを変換して違う物質に変えてしまう錬金施設、魔剣の代わりに使えるような武器を生み出す…いや、これに関してはさすがに不味いので将来的に封印どころか破棄決定な兵器開発施設…まだまだできそうなのは多いけれども、ほんの少しだけでここまでやらかせるレベルなのは、どう考えてもまずいだろ」
「とりあえず手を付けてみてここからやってみようと、やれそうな部分に手を付けまくった結果ですネ。どんどんそこから派生しまくって、可能性が広がり過ぎシタ」
やる気を出してくれる職員たちには感謝もしたいが、逆にここまでやらかせそうなものをやってくれたことには何とも言えない気持ちもある。
むしろ出し過ぎたせいで、事が済み次第、扱える人が育つまでは世に出さないほうが良いんだよなぁ…光より早く移動できる乗り物とか、記憶をそのまま映し出す鏡とか、あっていいのかこれ。
流石にこの状況を見ると、ここの最高責任者というべき立場が俺でよかったのかもしれない。何の変哲もない出来立ての弱小国だったら、目をつけられてほかの国井侵略されていた可能性があるか。
そもそも、そんな国だったらこんな代物ができるはずもないだろうが…そこはまぁ、盛大に目を背ければいいだけのことなので、気にしないほうが良いだろう。
とにもかくにも、あと数か月以内に組織をつぶすための作戦が決行される予定である。
その時には、ここの技術のすべてをぶつけるだけぶつけまくって、存在そのものをこの世から消し飛ばす勢いでやりきらなければいけない。
将来生まれてくる子供たちのためにも、まだ見ぬ未来の国の者たちのためにも大事なことなのだ。
そう思いつつ、色々と気づかれもしてくる内容でもあるので、程々のところでいったん休むのであった……
「というか、これだけ用意して対応できない組織だったら、それこそ何者なんだよと言いたくなるんだが」
「調べてみたところ、どこかで生まれただけの本当にどうしようもないろくでもなしが発端のようですが…油断しないように、調査は進めておきましょウ。可能であれば出産後に全力で対応したいのですが気を逃すわけにもいきませんからネ」
「まぁ、ゼナが作戦時に使えないのは不安要素でもあるけどな」
「そこは大丈夫デス。調査内容を見る限り、使っても問題ない範囲がわかりましたので、頼れるところへ全部声をかけ、徹底的に対応できるようにしていマス。魔剣が使えなくともその代わりの武器なども用意しておりますし、魔剣なくともヤバいレベルの人とか悪魔とか精霊など…人外関係なく、やれるようにしていマス」
……ふと、思ったんだけど、破神布とかいう組織よりも、目の前の魔剣のほうが相当ヤバいのでは?
いや、気にしないでおくか。それはもう、彼女と出会った時からもうわかりきっているというか理解させられていることなのだから…世の中、あきらめも非常に重要なことなのである。
かつてあの組織と対峙したことがあったのだが、その時に色々とぶっ飛んでいるはずの技術やなんやらを持っているはずのゼナが、対応を遅れていた時があった。
あの時点で既に技術面などで並外れたものを有していたことが想像するにたやすく、年月を経てさらに強化されている可能性は大きいだろう。
そんなものを持っている相手を、どうやって根絶するのか。まともに正面から向かったとしても、こちらの力が仮に上回っていたとしても、未知の技術によって逆転されたりすることが目に見える。
ならば…答えとしては、馬鹿みたいに正直だけど、これが一番わかりやすく、手っ取り早い方法があるのだ。
「それが、相手の組織が有するすべてを凌駕するだけの、技術などを国で有することなんだけど…少々やり過ぎているような気がするんだよな」
「少々で済むのはまだいい方ですけれどネ。姉たちが、相当やる気を出してやってくれたのはよかったのですが…これを指揮した立場が言うのもなんですが、事が済んだ後、封印措置を取りましょうカ?」
「そうしたほうが絶対に良いよなぁ…」
本日はルルシアとペルシャはお腹の子の状態を確認するために医者に向かっているので、俺とゼナは二人で組織に対応するための現在の状況報告書などを読みながら話し合っていた。
ゼナは数日前に先に終わらせており、なおかつ今回の組織つぶしの中で主導する立場の一人として立っているから話ができるのは良いのだが、出されている報告内容に正直頭を抱えたくなる。
ここまで発展させたのに、終わった後に封印するのはもったいないというのもいるだろう。
だが、わかってほしい。これだけのものはまだ、我々には早いのだということを。
見合うだけの人が育つまでは、将来へ向けて待ってほしいのである。
「魔竜王国の研究施設、その中の特殊研究所『ハルゼリアワ』の技術は、外部に流出したら、それこそ第2、第3の組織や魔獣を生み出す根源の元になりかねないからな」
国の建設当初から組織との対峙を見越して、用意しておいた技術面で凌駕するために作り上げた研究施設。
ここにはゼナの血族だけではなく、他の彼女が信頼ができるところからも色々と引っ張ってきた研究者などが集められており、日夜内部の持てる全てのものを向上させるために研究が行われているのだが、中身のほんの少しだけしか表に出すことができないのだ。
どこか知らぬ世界で栽培されていた植物とか、見た目が明らかに人外とか、人外じゃ無い見た目ながらも物凄く疲れた人とか…いや、これは普通に休んでほしいかな。え?まだいろいろと兼業している?…この人はここに来ずに慰労施設のほうへ行ったほうが良いような。
それはともかくとして、組織をつぶす際には全部使用するつもりでもあるのだが…わずかに国で使っているだけなのに、革新的過ぎるものが多いのはちょっと怖くも感じるだろう。
「水と光とちょっと栄養だけあれば肉や野菜が生成可能な培養施設、ごみを完全に原子とかいうのもに分解して再度利用可能な素材に変える完全リサイクル施設、物質そのものを変換して違う物質に変えてしまう錬金施設、魔剣の代わりに使えるような武器を生み出す…いや、これに関してはさすがに不味いので将来的に封印どころか破棄決定な兵器開発施設…まだまだできそうなのは多いけれども、ほんの少しだけでここまでやらかせるレベルなのは、どう考えてもまずいだろ」
「とりあえず手を付けてみてここからやってみようと、やれそうな部分に手を付けまくった結果ですネ。どんどんそこから派生しまくって、可能性が広がり過ぎシタ」
やる気を出してくれる職員たちには感謝もしたいが、逆にここまでやらかせそうなものをやってくれたことには何とも言えない気持ちもある。
むしろ出し過ぎたせいで、事が済み次第、扱える人が育つまでは世に出さないほうが良いんだよなぁ…光より早く移動できる乗り物とか、記憶をそのまま映し出す鏡とか、あっていいのかこれ。
流石にこの状況を見ると、ここの最高責任者というべき立場が俺でよかったのかもしれない。何の変哲もない出来立ての弱小国だったら、目をつけられてほかの国井侵略されていた可能性があるか。
そもそも、そんな国だったらこんな代物ができるはずもないだろうが…そこはまぁ、盛大に目を背ければいいだけのことなので、気にしないほうが良いだろう。
とにもかくにも、あと数か月以内に組織をつぶすための作戦が決行される予定である。
その時には、ここの技術のすべてをぶつけるだけぶつけまくって、存在そのものをこの世から消し飛ばす勢いでやりきらなければいけない。
将来生まれてくる子供たちのためにも、まだ見ぬ未来の国の者たちのためにも大事なことなのだ。
そう思いつつ、色々と気づかれもしてくる内容でもあるので、程々のところでいったん休むのであった……
「というか、これだけ用意して対応できない組織だったら、それこそ何者なんだよと言いたくなるんだが」
「調べてみたところ、どこかで生まれただけの本当にどうしようもないろくでもなしが発端のようですが…油断しないように、調査は進めておきましょウ。可能であれば出産後に全力で対応したいのですが気を逃すわけにもいきませんからネ」
「まぁ、ゼナが作戦時に使えないのは不安要素でもあるけどな」
「そこは大丈夫デス。調査内容を見る限り、使っても問題ない範囲がわかりましたので、頼れるところへ全部声をかけ、徹底的に対応できるようにしていマス。魔剣が使えなくともその代わりの武器なども用意しておりますし、魔剣なくともヤバいレベルの人とか悪魔とか精霊など…人外関係なく、やれるようにしていマス」
……ふと、思ったんだけど、破神布とかいう組織よりも、目の前の魔剣のほうが相当ヤバいのでは?
いや、気にしないでおくか。それはもう、彼女と出会った時からもうわかりきっているというか理解させられていることなのだから…世の中、あきらめも非常に重要なことなのである。
0
あなたにおすすめの小説
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」
Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。
しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。
彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。
それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。
無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。
【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。
一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。
なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。
これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる