10 / 14
灯台下暗しって‥‥‥
しおりを挟む
SIDEフリージア
‥‥‥フリージアがゼロとの生活を始めて早半年以上が経過し、思い付きでゼロが始めた余剰食糧及び、趣味で作っていた日用品や、フリージアお手製の魔道具の販売は、一カ月以上たっても好調であった。
転売とかがありそうなものだが、どうやら商品にファンが付いたようであり、そんなことをさせないようにしている人たちもいるようである。
この頃になると、そろそろ認識阻害の魔法を解除して、フリージアも普通に素の姿をさらけ出すようになった。
ぶっちゃけ、いつまでも魔法で認識阻害していると人に顔を覚えられることが無いし、そろそろさらけ出しても問題ないだろうと思ったからである。
‥‥‥フリージアの素顔が認識されるようになったせいか、その姿目当てに男性客が少々増えたが、まぁ問題はないはずであった。
一応防犯のために、ゼロは露店のような形の店から普通の一軒家の店に改装したが。
そんなある日である。
今日もいつも通り販売しているのだが、相も変わらず繁盛中だ。
「こういうのっていつかは落ち着くはずだと思うけど、まだまだ人気があるっているのがすごいな」
「そうですよね。それだけ色々と皆さんにとって助かっていることが多いのでしょうけど‥‥‥」
ゼロのつぶやきに、フリージアはその思いに同意しながら言った。
うれしいけど、ここまで人気が出るとは思わなかった驚きがあるのだ。
「あ、ゼロさん。そろそろなぜか一番人気のある『木彫り熊像』が売り切れそうですよ」
「お土産にもらって困るシリーズのような奴なのだが‥‥‥なんでこれが人気が出るのやら」
ええ、そうですよね。っと、フリージアは心でつぶやいた。
なぜかこの商品の中で一番人気があるのが、ゼロの作った木彫りの熊である。
「お土産にもらってこまるシリーズ」と、ふざけて作られた商品だが、なぜか人気が出て、100匹分作ってもあっという間に完売するのだ。
‥‥‥実は、ゼロの作った木彫りの熊のリアリティが高すぎて、庭先に置いておくだけで泥棒などが入った時に驚き、逃走するという事があったので、防犯用として人気が出ているのであった。
そんな話などは二人とも知ることはなかったが、売れることはいいことであろう。
追加で木彫り熊をゼロが作成し始めたが、そのスピードたるや、フリージアから見ても物凄く早い。
「魔法を使ってはいないんですよね?」
「ああ、これ純粋に俺自身の能力だな。魔法を使えば1秒間に30個は作れそうだけど流石にそこまでしエ産する必要もないだろう?」
「ん?魔法無しだとどうなのでしょうか?」
「1秒間に5個かな」
「それでも十分早いんですけど!?」
思わずツッコミを入れるフリージア。
その様子が受けたのか、ゼロがくすりと笑った。
「くくくく、たまにはこちらがボケてみるのも悪くはないかな」
「わざとですか!?というか、その言葉じゃ普段の私がボケですか!?」
ぽかぽかと叩きつつ、ツッコミを入れ続けるフリージア。
その様子を見てゼロは笑うが、不思議と不快感はなく、じゃれ合いのような楽しさをフリージアは感じていた。
でも、自分がツッコミかボケかでいわれれば、ボケと言うのには納得はいかない。
その二人の様子を見て、来ていた客ものほほんと温かい目で見ていた時であった。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっつ!!」
「「!?」」
突如として、市場内で上がる悲鳴。
「なんだ!?」
「何かあったのででしょうか?」
思わず二人とも店のそとにでて、その悲鳴の原因を見ようと野次馬根性が出た。
「たいへんだー!!奴隷が店の包丁を奪ってその主人を刺して逃亡したぞ!!」
「なんですと!?」
「なんでそんなことになっているんだ!」
市場の店同士のつながりで情報が素早く伝わり、何が起きたのかの説明はされた。
どうやら、ある店で奴隷を荷物持ちにして買い物をしていた人がいた。
そこは肉屋であり、肉をさばいていた最中に奴隷が突然主人を突き飛ばし、店内にいた人たちは驚いた。
そして、動揺したすきにその奴隷は素早く肉をさばいていた包丁を奪い、その店の人を傷つけ、佐谷主人がやめるように言う前に、腹を一突きしたそうである。
その後すぐにその奴隷はその包丁を持って、市場内に出てきたのであった。
「物騒な事件がまさかここで起こるとはな」
こんな事件が起きるとは思わなかったゼロの言葉に、フリージアは同意した。
この市場は明るく、皆親切で来る人達も特に問題を起こすようなことはない。
だがしかし、絶対事件が起きないわけではなかったようである。
「そっちに逃走しているぞ!!」
声が響き渡り、見てみれば市場内を駆ける包丁を持った奴隷がいた。
その身なりは、やせ細っていそうだが、火事場の馬鹿力か力強さを感じさせる。
そして、その顔はほおがこけていたが‥‥‥
「!?」
見覚えのあるその奴隷の顔に、フリージアは驚いた。
その奴隷は‥‥‥フリージアを婚約破棄したオロウ王子だったのだ。
そして、オロウの方もフリージアの顔を見つけ、驚愕の顔をしたかと思うと真っ直ぐ向かってきた。
「見つけたぞフリィィィィィィジァァァ!!」
声を上げ、包丁を持って突進してくるオロウ。
「貴様と再び婚約を結び、帰れば再びこの手に王座が戻ってくるんだぁぁぁぁ!!」
その叫び声から察するに、どうやらオロウは王籍から抜かれたようである。
どうして奴隷の身になっているかまではわからないが、とにもかくにも彼はフリージアとの婚約破棄をしたことによってこの状況になったのだと思っているようだ。
そして、このまま駆け寄って包丁で脅し、再び婚約して国に帰ることでまた王子としての日々を過ごせるのだろうと考えているのだろう。
もはや正気ではないのか、血走った目で叫びながら走ってくるオロウ。
その狂気に恐怖を覚え、フリージアはとっさに動けなかった。
そして、今まさにそのオロウがフリージアの下にたどり着こうとしたが‥‥‥
「『魔法防壁』」
ごっつ!
「ぴぎぃっつ!?」
ゼロがいつの間にか魔法を発動させ、見えない壁が素早く構築され、勢いそのままでオロウが激突し、豚のような声を上げて自爆した。
「‥‥‥あっさりいったな」
あまりにもあっけない自爆っぷりに、驚いたような声を出すゼロ。
そしてさりげなく、フリージアの横に立ち、恐怖で動けなかった彼女をそっと片腕で抱きしめた。
「ぐふぅ、な、何をするんだこの未来のメーリング王国の国王、いや、世界の王に向かって!!」
「はぁ?何を言っているんだこの馬鹿は?頭がおかしくなって妄想癖を垂れ流しか?」
起き上り、罵倒するオロウに対して、物凄い馬鹿にしたようにわざと煽るゼロ。
その声は何処か苛立ちを感じさせた。
まるで、フリージアが傷つきそうだったことに怒っているかのようであり…‥‥そう感じたフリージアは、自然と頬が熱くなった。
「大体、奴隷が主人を刺してとか言う時点でいろいろアウトだろ。その様子を見る限り犯罪奴隷のようだし、その犯罪奴隷がさらに犯罪を重ねてなんになるんだ?」
「うるさいうるさいうるさいうるさい!!いいからさっさとその女をよこせ!!そして再び婚約し、国に帰ればまたあの暮らしが戻ってくるんだ!!」
「殺人未遂に、犯罪奴隷としてやらかし、さらに脅迫、誹謗中傷、多大な妄想癖の暴露ってことで、むしろあの世の暮らしがやってきそうじゃないか?」
案に死刑になるぞとゼロは告げているのだが、オロウは愚かなことに全くが付いていないようである。
そして、衛兵たちの足音が聞こえてきたので、すぐにこの茶番は終わりそうであった。
「ええぃ!!いいからその女、フリージアをよこせぇぇぇぇぇぇ!!」
包丁を突き出し、突進してくるオロウ。
だがしかし、彼は気が付いていなかったのだろうか。
まだ、魔法の効果が残っているので‥‥‥‥
ごっつ!!
「ぴぎゅぅ!?」
不可視の魔法の壁に再び自爆し、其のままオロウはひっくり返った。
そのうえ、手から包丁がはじけ飛び、宙を舞って‥‥‥
ぐさっつ
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
まるで見えないレールでも敷かれていたかのように、見事な軌道で刃先が男として大事なところに、オロウのその個所に突き刺さった。
あまりにも悲惨すぎて、思わずその様子を見ていた男性陣は自身のその部分を思わず隠したのであった。
衛兵たちが駆けつけ、オロウは連れていかれた。
犯罪奴隷なのに主人を害し、市場を混乱させ、妄想癖前回なのかとある女性を襲って無理やりものにしようとしていたなどの罪がこれから加算されるようで、最悪死刑となるだろう。
同情の余地もないのだが、とにもかくにもまだ時間としては早かったが、市場の騒ぎが収束するまで、一旦店じまいをしてフリージアたちは魔の森にある自宅へ戻った。
「‥‥‥結局、愚か者は最後まで愚か者だったというわけね」
自室に入り、ベッドに横たわってその光景を思い出すフリージア。
婚約破棄されて正解だったと確信ができたが、それと同時にもう一つある思いに彼女は気が付いた。
ゼロがそっと彼女を守ってくれたあの行為にどこか安らぎを感じ、そしてその横にいたいという想いを。
思い返せば頬が熱くなり、心がドキドキするこの気持ち。
「‥‥‥もしかして、これが『恋』なのかな」
己の気持ちに気が付いたフリージア。
あの日、初めてであった時に助けられ、そしてそこから始まった共同生活。
互いにのんびりとした暮らしを望み、楽しく暮らしていたその毎日の中で‥‥‥‥いつの間にか、ゼロへの気持ちをフリージアは持っていたのである。
恋心と言う物を知って、その日フリージアは寝付けなくなったのであった。
‥‥‥フリージアがゼロとの生活を始めて早半年以上が経過し、思い付きでゼロが始めた余剰食糧及び、趣味で作っていた日用品や、フリージアお手製の魔道具の販売は、一カ月以上たっても好調であった。
転売とかがありそうなものだが、どうやら商品にファンが付いたようであり、そんなことをさせないようにしている人たちもいるようである。
この頃になると、そろそろ認識阻害の魔法を解除して、フリージアも普通に素の姿をさらけ出すようになった。
ぶっちゃけ、いつまでも魔法で認識阻害していると人に顔を覚えられることが無いし、そろそろさらけ出しても問題ないだろうと思ったからである。
‥‥‥フリージアの素顔が認識されるようになったせいか、その姿目当てに男性客が少々増えたが、まぁ問題はないはずであった。
一応防犯のために、ゼロは露店のような形の店から普通の一軒家の店に改装したが。
そんなある日である。
今日もいつも通り販売しているのだが、相も変わらず繁盛中だ。
「こういうのっていつかは落ち着くはずだと思うけど、まだまだ人気があるっているのがすごいな」
「そうですよね。それだけ色々と皆さんにとって助かっていることが多いのでしょうけど‥‥‥」
ゼロのつぶやきに、フリージアはその思いに同意しながら言った。
うれしいけど、ここまで人気が出るとは思わなかった驚きがあるのだ。
「あ、ゼロさん。そろそろなぜか一番人気のある『木彫り熊像』が売り切れそうですよ」
「お土産にもらって困るシリーズのような奴なのだが‥‥‥なんでこれが人気が出るのやら」
ええ、そうですよね。っと、フリージアは心でつぶやいた。
なぜかこの商品の中で一番人気があるのが、ゼロの作った木彫りの熊である。
「お土産にもらってこまるシリーズ」と、ふざけて作られた商品だが、なぜか人気が出て、100匹分作ってもあっという間に完売するのだ。
‥‥‥実は、ゼロの作った木彫りの熊のリアリティが高すぎて、庭先に置いておくだけで泥棒などが入った時に驚き、逃走するという事があったので、防犯用として人気が出ているのであった。
そんな話などは二人とも知ることはなかったが、売れることはいいことであろう。
追加で木彫り熊をゼロが作成し始めたが、そのスピードたるや、フリージアから見ても物凄く早い。
「魔法を使ってはいないんですよね?」
「ああ、これ純粋に俺自身の能力だな。魔法を使えば1秒間に30個は作れそうだけど流石にそこまでしエ産する必要もないだろう?」
「ん?魔法無しだとどうなのでしょうか?」
「1秒間に5個かな」
「それでも十分早いんですけど!?」
思わずツッコミを入れるフリージア。
その様子が受けたのか、ゼロがくすりと笑った。
「くくくく、たまにはこちらがボケてみるのも悪くはないかな」
「わざとですか!?というか、その言葉じゃ普段の私がボケですか!?」
ぽかぽかと叩きつつ、ツッコミを入れ続けるフリージア。
その様子を見てゼロは笑うが、不思議と不快感はなく、じゃれ合いのような楽しさをフリージアは感じていた。
でも、自分がツッコミかボケかでいわれれば、ボケと言うのには納得はいかない。
その二人の様子を見て、来ていた客ものほほんと温かい目で見ていた時であった。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっつ!!」
「「!?」」
突如として、市場内で上がる悲鳴。
「なんだ!?」
「何かあったのででしょうか?」
思わず二人とも店のそとにでて、その悲鳴の原因を見ようと野次馬根性が出た。
「たいへんだー!!奴隷が店の包丁を奪ってその主人を刺して逃亡したぞ!!」
「なんですと!?」
「なんでそんなことになっているんだ!」
市場の店同士のつながりで情報が素早く伝わり、何が起きたのかの説明はされた。
どうやら、ある店で奴隷を荷物持ちにして買い物をしていた人がいた。
そこは肉屋であり、肉をさばいていた最中に奴隷が突然主人を突き飛ばし、店内にいた人たちは驚いた。
そして、動揺したすきにその奴隷は素早く肉をさばいていた包丁を奪い、その店の人を傷つけ、佐谷主人がやめるように言う前に、腹を一突きしたそうである。
その後すぐにその奴隷はその包丁を持って、市場内に出てきたのであった。
「物騒な事件がまさかここで起こるとはな」
こんな事件が起きるとは思わなかったゼロの言葉に、フリージアは同意した。
この市場は明るく、皆親切で来る人達も特に問題を起こすようなことはない。
だがしかし、絶対事件が起きないわけではなかったようである。
「そっちに逃走しているぞ!!」
声が響き渡り、見てみれば市場内を駆ける包丁を持った奴隷がいた。
その身なりは、やせ細っていそうだが、火事場の馬鹿力か力強さを感じさせる。
そして、その顔はほおがこけていたが‥‥‥
「!?」
見覚えのあるその奴隷の顔に、フリージアは驚いた。
その奴隷は‥‥‥フリージアを婚約破棄したオロウ王子だったのだ。
そして、オロウの方もフリージアの顔を見つけ、驚愕の顔をしたかと思うと真っ直ぐ向かってきた。
「見つけたぞフリィィィィィィジァァァ!!」
声を上げ、包丁を持って突進してくるオロウ。
「貴様と再び婚約を結び、帰れば再びこの手に王座が戻ってくるんだぁぁぁぁ!!」
その叫び声から察するに、どうやらオロウは王籍から抜かれたようである。
どうして奴隷の身になっているかまではわからないが、とにもかくにも彼はフリージアとの婚約破棄をしたことによってこの状況になったのだと思っているようだ。
そして、このまま駆け寄って包丁で脅し、再び婚約して国に帰ることでまた王子としての日々を過ごせるのだろうと考えているのだろう。
もはや正気ではないのか、血走った目で叫びながら走ってくるオロウ。
その狂気に恐怖を覚え、フリージアはとっさに動けなかった。
そして、今まさにそのオロウがフリージアの下にたどり着こうとしたが‥‥‥
「『魔法防壁』」
ごっつ!
「ぴぎぃっつ!?」
ゼロがいつの間にか魔法を発動させ、見えない壁が素早く構築され、勢いそのままでオロウが激突し、豚のような声を上げて自爆した。
「‥‥‥あっさりいったな」
あまりにもあっけない自爆っぷりに、驚いたような声を出すゼロ。
そしてさりげなく、フリージアの横に立ち、恐怖で動けなかった彼女をそっと片腕で抱きしめた。
「ぐふぅ、な、何をするんだこの未来のメーリング王国の国王、いや、世界の王に向かって!!」
「はぁ?何を言っているんだこの馬鹿は?頭がおかしくなって妄想癖を垂れ流しか?」
起き上り、罵倒するオロウに対して、物凄い馬鹿にしたようにわざと煽るゼロ。
その声は何処か苛立ちを感じさせた。
まるで、フリージアが傷つきそうだったことに怒っているかのようであり…‥‥そう感じたフリージアは、自然と頬が熱くなった。
「大体、奴隷が主人を刺してとか言う時点でいろいろアウトだろ。その様子を見る限り犯罪奴隷のようだし、その犯罪奴隷がさらに犯罪を重ねてなんになるんだ?」
「うるさいうるさいうるさいうるさい!!いいからさっさとその女をよこせ!!そして再び婚約し、国に帰ればまたあの暮らしが戻ってくるんだ!!」
「殺人未遂に、犯罪奴隷としてやらかし、さらに脅迫、誹謗中傷、多大な妄想癖の暴露ってことで、むしろあの世の暮らしがやってきそうじゃないか?」
案に死刑になるぞとゼロは告げているのだが、オロウは愚かなことに全くが付いていないようである。
そして、衛兵たちの足音が聞こえてきたので、すぐにこの茶番は終わりそうであった。
「ええぃ!!いいからその女、フリージアをよこせぇぇぇぇぇぇ!!」
包丁を突き出し、突進してくるオロウ。
だがしかし、彼は気が付いていなかったのだろうか。
まだ、魔法の効果が残っているので‥‥‥‥
ごっつ!!
「ぴぎゅぅ!?」
不可視の魔法の壁に再び自爆し、其のままオロウはひっくり返った。
そのうえ、手から包丁がはじけ飛び、宙を舞って‥‥‥
ぐさっつ
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
まるで見えないレールでも敷かれていたかのように、見事な軌道で刃先が男として大事なところに、オロウのその個所に突き刺さった。
あまりにも悲惨すぎて、思わずその様子を見ていた男性陣は自身のその部分を思わず隠したのであった。
衛兵たちが駆けつけ、オロウは連れていかれた。
犯罪奴隷なのに主人を害し、市場を混乱させ、妄想癖前回なのかとある女性を襲って無理やりものにしようとしていたなどの罪がこれから加算されるようで、最悪死刑となるだろう。
同情の余地もないのだが、とにもかくにもまだ時間としては早かったが、市場の騒ぎが収束するまで、一旦店じまいをしてフリージアたちは魔の森にある自宅へ戻った。
「‥‥‥結局、愚か者は最後まで愚か者だったというわけね」
自室に入り、ベッドに横たわってその光景を思い出すフリージア。
婚約破棄されて正解だったと確信ができたが、それと同時にもう一つある思いに彼女は気が付いた。
ゼロがそっと彼女を守ってくれたあの行為にどこか安らぎを感じ、そしてその横にいたいという想いを。
思い返せば頬が熱くなり、心がドキドキするこの気持ち。
「‥‥‥もしかして、これが『恋』なのかな」
己の気持ちに気が付いたフリージア。
あの日、初めてであった時に助けられ、そしてそこから始まった共同生活。
互いにのんびりとした暮らしを望み、楽しく暮らしていたその毎日の中で‥‥‥‥いつの間にか、ゼロへの気持ちをフリージアは持っていたのである。
恋心と言う物を知って、その日フリージアは寝付けなくなったのであった。
21
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました
歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と
罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが
やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、
エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」
辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。
商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。
元夫が「戻ってこい」と泣きつくが——
「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
遊鷹太
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました
鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」
そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。
王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。
私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。
けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。
華やかな王宮。
厳しい王妃許育。
揺らぐ王家の威信。
そして――王子の重大な過ち。
王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。
離縁を望んでも叶わない義妹。
肩書きを失ってなお歩き直す王子。
そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。
ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。
婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる