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貴族問題で章
205話
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…‥‥王族の遅れによって少々出鼻がくじかれる形となったものの、ついに決闘が開始されることになった。
今か今かと待ちわびていた観客たちは興奮し、開始の合図をエルダンベーラが行う。
『では、これより、決闘開始だぜベイベェェェェェ!!』
カァァンっと、最近増設された決闘開始を知らせる鐘の音が響き渡り、決闘場に立つ者たちは動き出した。
「「「「「うぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
鼻息荒く、彼らがまず真っ先に向かうのは、ルースのもと。
今決闘の中でも最大の実力者でもあり、彼を倒すには全員でかかった方が良いだろうと思ったためである。
徒党を組み、攻めてくる集団。
…‥‥だが、そんな人の塊程度でルースが怖気つくことはなかった。
「『魔導書顕現』‥‥‥からの」
金色に輝く黄金の魔導書を顕現させ、狙いを定めるルース。
見れば、今回の決闘を最初に挑んできた王子はすぐに動いておらず、動いているのはその他の貴族の子息とかその代理人ばかりだ。
初めから手札を見せるのは良くないかもしれないが、ここは一気に攻めるべきであろう。
「『スチームボール』!!」
そう言って魔法を発動させると、ルースの周囲に無数の小さな球が出現した。
一つ一つが小さな水球のようだが、中には真っ赤に燃える火の色が確認できる。
ルースがくいっと適当な球を集団へ向けると、一つがその中に入り込んで…‥‥
ボガァァァァン!!
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
一気に爆発が起こり、かなりの人数が巻き込まれ、吹き飛んだ。
そう、今作ったのは小さな水球のようだが、爆弾のような効果を持つ魔法の球。
内部で小型の水蒸気爆発を起こすのだが、集団の中に放り込むことによって効果を増大させる。
ちなみに、命を奪う行為は禁止されているのである程度威力を抑えた物ではあるが、それでもそれなりの人数を吹き飛ばすことなどわけなかった。
「それそれそれそれ!!」
威力を確認した後、ルースは空中に浮かぶスチームボールをどんどん集団へ向かって投げ込んでいく。
ボカァァン!!
「「ひぎゃぁぁぁぁ!!」」
ドッカァァン!!
「「うげぇぇぇぇ!!」」
ズカァァァン!!
「「げひゃぁぁぁあ!!」」
投げ込み、爆発する旅に悲鳴が上がり、犠牲者が出ていく。
「お前ら、一旦ばらけるんだ!!集団だからこそ狙われているぞ!!」
と、どうやら相手の中でそれなりに頭が回る者がいたようで、すぐに密集状態から散会し始めた。
どうもスチームボールの集団巻き込み戦法の弱点を見破られたようである。
『【ふむ、あの叫んだものやるのぅ。召喚主殿のあの魔法の弱点を見切ったのか】』
『巻き込む系統の魔法だしーね。個人個人にばらーけると、効果は薄くなーるよね』
実況席でタキとバルション学園長が解説を入れる。
とりあえず、個人にばらけてしまうと巻き込む先方は薄くなるので次の手だ。
「魔法を使わせる前に急いで接近するんだ!!」
「至近距離で挑めぇぇ!!」
ダッシュで駆けてきて、ルースへ攻撃をしようとする者たち。
接近戦を挑むことによって、威力が高い魔法を至近距離で発動させにくくするつもりなのであろうが‥‥‥こういう接近戦に挑んでくる者への対策ならば、以前の決闘で学習済みだ。
「加速して一気に抜けさせてもらうからな!『スパークウインド』!!」
そう叫ぶと同時に魔法が発動し、ルースの周囲に火花が散って風が吹き荒れ始めた。
身体を強化する魔法であり、以前の決闘でも使用し、素早くなって相手をほんろうする魔法だ。
そのまま一気に加速し、ルースは逆に相手に接近した。
「なっ!?は、早い!!」
「魔法だけじゃないもんね!!」
まさかすぐに接近されるとは思っておらず、驚愕した相手に素早くルースは相手の顔面に拳をめり込ませる。
魔導書を使って魔法を扱うと言っても、接近戦ができないわけではない。
むしろ魔法で身体を強化したほうが、素早く相手を殲滅いやすい。
ボキィッツ!!っと、何やら鼻の骨が折れるような音が聞こえたが…‥‥うん、気にすることはあるまい。
この決闘へ自ら参加したからには、当然ある程度の覚悟があるはずだ。
ふっ飛ばした後、ルースは周囲を見渡す。
まだ責めるのをあきらめていない人が多いし、王子たちに至ってはまだ動いていないことが気がかりだが、今は保留しておくべきだろう。
「さてと…‥‥たまには大暴れも悪くないかな?」
そうルースはつぶやく。
にやりと口角を上げる様子を見て、周囲にいた決闘者たちは思わず後ずさりをした。
『【‥‥‥なんじゃろうか。今ぞくっと、何かやばいものを感じたような気がしたのじゃが】』
『あー‥‥‥普段大人しーい人ほど、こーういう時に色々と爆発するやーつかしらーね?』
『【これ、召喚主殿止められるかのぅ?】』
『とーりあーえず全員でやーれば行けーる……かしらーね?』
タキとバルション学園長が不安な声を出したが、関係ない。
今はこの決闘を終わらせるために‥‥面倒と思うよりも、楽しんでやった方が良いよね?
今か今かと待ちわびていた観客たちは興奮し、開始の合図をエルダンベーラが行う。
『では、これより、決闘開始だぜベイベェェェェェ!!』
カァァンっと、最近増設された決闘開始を知らせる鐘の音が響き渡り、決闘場に立つ者たちは動き出した。
「「「「「うぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
鼻息荒く、彼らがまず真っ先に向かうのは、ルースのもと。
今決闘の中でも最大の実力者でもあり、彼を倒すには全員でかかった方が良いだろうと思ったためである。
徒党を組み、攻めてくる集団。
…‥‥だが、そんな人の塊程度でルースが怖気つくことはなかった。
「『魔導書顕現』‥‥‥からの」
金色に輝く黄金の魔導書を顕現させ、狙いを定めるルース。
見れば、今回の決闘を最初に挑んできた王子はすぐに動いておらず、動いているのはその他の貴族の子息とかその代理人ばかりだ。
初めから手札を見せるのは良くないかもしれないが、ここは一気に攻めるべきであろう。
「『スチームボール』!!」
そう言って魔法を発動させると、ルースの周囲に無数の小さな球が出現した。
一つ一つが小さな水球のようだが、中には真っ赤に燃える火の色が確認できる。
ルースがくいっと適当な球を集団へ向けると、一つがその中に入り込んで…‥‥
ボガァァァァン!!
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
一気に爆発が起こり、かなりの人数が巻き込まれ、吹き飛んだ。
そう、今作ったのは小さな水球のようだが、爆弾のような効果を持つ魔法の球。
内部で小型の水蒸気爆発を起こすのだが、集団の中に放り込むことによって効果を増大させる。
ちなみに、命を奪う行為は禁止されているのである程度威力を抑えた物ではあるが、それでもそれなりの人数を吹き飛ばすことなどわけなかった。
「それそれそれそれ!!」
威力を確認した後、ルースは空中に浮かぶスチームボールをどんどん集団へ向かって投げ込んでいく。
ボカァァン!!
「「ひぎゃぁぁぁぁ!!」」
ドッカァァン!!
「「うげぇぇぇぇ!!」」
ズカァァァン!!
「「げひゃぁぁぁあ!!」」
投げ込み、爆発する旅に悲鳴が上がり、犠牲者が出ていく。
「お前ら、一旦ばらけるんだ!!集団だからこそ狙われているぞ!!」
と、どうやら相手の中でそれなりに頭が回る者がいたようで、すぐに密集状態から散会し始めた。
どうもスチームボールの集団巻き込み戦法の弱点を見破られたようである。
『【ふむ、あの叫んだものやるのぅ。召喚主殿のあの魔法の弱点を見切ったのか】』
『巻き込む系統の魔法だしーね。個人個人にばらーけると、効果は薄くなーるよね』
実況席でタキとバルション学園長が解説を入れる。
とりあえず、個人にばらけてしまうと巻き込む先方は薄くなるので次の手だ。
「魔法を使わせる前に急いで接近するんだ!!」
「至近距離で挑めぇぇ!!」
ダッシュで駆けてきて、ルースへ攻撃をしようとする者たち。
接近戦を挑むことによって、威力が高い魔法を至近距離で発動させにくくするつもりなのであろうが‥‥‥こういう接近戦に挑んでくる者への対策ならば、以前の決闘で学習済みだ。
「加速して一気に抜けさせてもらうからな!『スパークウインド』!!」
そう叫ぶと同時に魔法が発動し、ルースの周囲に火花が散って風が吹き荒れ始めた。
身体を強化する魔法であり、以前の決闘でも使用し、素早くなって相手をほんろうする魔法だ。
そのまま一気に加速し、ルースは逆に相手に接近した。
「なっ!?は、早い!!」
「魔法だけじゃないもんね!!」
まさかすぐに接近されるとは思っておらず、驚愕した相手に素早くルースは相手の顔面に拳をめり込ませる。
魔導書を使って魔法を扱うと言っても、接近戦ができないわけではない。
むしろ魔法で身体を強化したほうが、素早く相手を殲滅いやすい。
ボキィッツ!!っと、何やら鼻の骨が折れるような音が聞こえたが…‥‥うん、気にすることはあるまい。
この決闘へ自ら参加したからには、当然ある程度の覚悟があるはずだ。
ふっ飛ばした後、ルースは周囲を見渡す。
まだ責めるのをあきらめていない人が多いし、王子たちに至ってはまだ動いていないことが気がかりだが、今は保留しておくべきだろう。
「さてと…‥‥たまには大暴れも悪くないかな?」
そうルースはつぶやく。
にやりと口角を上げる様子を見て、周囲にいた決闘者たちは思わず後ずさりをした。
『【‥‥‥なんじゃろうか。今ぞくっと、何かやばいものを感じたような気がしたのじゃが】』
『あー‥‥‥普段大人しーい人ほど、こーういう時に色々と爆発するやーつかしらーね?』
『【これ、召喚主殿止められるかのぅ?】』
『とーりあーえず全員でやーれば行けーる……かしらーね?』
タキとバルション学園長が不安な声を出したが、関係ない。
今はこの決闘を終わらせるために‥‥面倒と思うよりも、楽しんでやった方が良いよね?
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