野獣に餌付けしてしまったらしい

ハル

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現実逃避は大事

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 朝起きたら男、それもとびきり顔が整った年下だろう外国人が寝ていたら逃げるしかない。それもお互いに裸に近い格好なので、頭の中に「警察」の文字が浮かんでしまう。

「とりあえず、体に不調なし。」

 私は服を見つけだしすぐに着て、大きな窓から見たらホテルっぽい高さだったので、財布に入っている諭吉を3枚置いて出る。

 建物から出る際、受付らしい男性から丁寧に見送られ気まずく足早に出た。振り返りはしなかったが、玄関の前にすでに付けられている車は高級車であるためホテルだと思う。それも、私が決して選ばないレベルのホテルだ。

「ふう、なんか一気に疲れた。」

 目を抑え頭痛がする頭を2度ほど叩いてスマホで位置情報を確認して最寄り駅に向かった。自分が記憶していた場所から駅でいえば3つほど都心に行った場所だったので安心した。

 帰宅してすぐに自分の体を確認したけど、そういう痕跡はなかったのでシャワーを浴びて不足した癒やしを補給するべくスマホにかじりついた。

『アイ、可愛いな。』

 甘い声が私の体に染み渡る。
 声も顔も完璧好みの押しキャラ、湊君
 彼の声を聞いているだけで嫌なことは忘れて、次を頑張れる。

「ありがとう、湊君。また、仕事頑張るね。」

 ヒロインを抱きしめる湊君を画面で見ながら心を持ち直しそのまま熟睡する。
 これも一つの現実逃避
 しかし、現実逃避なくして抱えきれない現状に立ち向かうことなどできないのだ。これもまた私、完璧キャリアウーマンにとって必要な世渡り上手になる術である。
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