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第1章 宇宙(そら)の狼
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カシスの呼吸がすっかり落ち着きを取り戻す前に、ウルフの手が再び細い足を掴んだ。膝を曲げ立たされる。
「や……ッ」
行為の意味を知った身体はすぐにも逃げようともがきだす。けれどウルフの手は抵抗を許さなかった。
呼吸の落ち着きとともに萎えかけたモノが、大きな掌に包み込まれる。唾液に濡れてヒクつく窄まりへは、指が1本挿し入れられた。
「く…あ……ッ…………ああぁ―――ッ」
長くしなやかな指が感じる部分を掠めて内襞を突き崩していく。前を握りこんだ手はカシス自身のぬめりに助けられ、クチュクチュと水っぽい音を響かせながら滑らかに上下へ蠢いていた。
「んぁ……ッ、あううぅぅ…………!」
1度目に達した時とは明らかに違う悦楽の波が、カシスを包みこむ。
ウルフの愛撫もまた、まるで違った。
容赦なく焦らされるばかりだった行為に取って代わり、緩やかに身体の奥底から快感が紡ぎ出されていく。
「あ……は…………、ああ…ん……」
2本目の指が挿し込まれ、カシスは背を撓らせた。
前と後ろを同時に嬲られ、すぐにも達してしまいそうになる。
ゆるゆると中で蠢いていた指先がビクンと震える場所を探りあて、そこを目掛けて抜き挿しを始めると堪らなかった。
「やだッ、……待……て……そこ……や……ッ…………、ああぁぁぁ…………ッ!」
「感じすぎて辛いか?」
ん?とからかうような目で覗き込まれ、カシスは真っ赤に染まる顔を背けた。
子供っぽい仕種に、ウルフは思いがけず柔らかな色を見せ目を細める。
この幼い少年を快楽に溺れさせてやりたいのだと、ウルフの中に明らかな執着が芽生えていた。
快感を貪ることに禁忌など持ち得ない性質であったから、カシスを抱くことになんの躊躇があろうはずもない。けれどウルフの中には僅かな戸惑いが顔を覗かせていた。
常にない高揚を覚えている自分に気づく。
こんな子供を相手に昂ぶる自分が、ウルフには信じられない。
相手に対する執着にしても、あり得ないことだった。どんな女を抱いてみたところで、大した違いなど感じたことすらなかったはずなのに。
自覚せざるを得ない執着心が、ウルフの行為に戸惑いを与える。戸惑いは荒々しくいたぶるばかりだった行為を、緩やかで穏やかなものへと変えていた。
蕩ける粘膜を掻き分け、2本の指が3本に増やされる。
「く…………は……ッ」
苦しさに息を詰めたカシスの唇に、あやすようなキスが降らされた。
いくつも啄ばむように口吻けられて、カシスの身体から強張りが取れる。力の抜けた身体の奥で、しなやかな指が絡みつく襞を擽り蠢いた。
「んふ…………ああぁぁ……ッ」
すっかり形を変えた前の昂ぶりは、もう1方のウルフの手に捕らわれたままで、達しそうになるたび快感を上手くはぐらかされてしまう。
瞼の裏が白く霞みなにも考えられなくなる頃になって、ようやく指は引き抜かれた。
熱の冷めない身体を持て余したまま、カシスは荒い呼吸に胸を上下させる。
やっと終わりがきたのかと安堵に投げ出されたカシスの細い両脚を、ウルフの手が抱え上げた。ギョッとして目を瞠ったカシスに、ウルフは揶揄を纏った不遜な笑みを見せる。
「本当になにも知らねーんだな」
「ヤ……ッ!……な……にを……?」
「男の味をお前自身で試してみな」
腕輪の呪縛に動かせないでいるカシスの両手を、ウルフは頭上でひとまとめにして掴んだ。
両の膝はウルフの肩に掛けられて、外気に晒された秘腔へ猛る雄が押し当てられる。
「イ……ヤ……、ヤダ…………、イヤ……」
怯えるあまりカシスの声は小さく掠れた。
構わずウルフは身体をずらし、カシスの裡へ欲望の証を飲みこませていく。
ビクリと激しく痙攣しながらも、指に慣らされ緩んだ窄まりは、男をゆるゆると受け入れていった。
「ヒ……ッ!」
カシスは咽喉の奥で詰まったような悲鳴をあげる。
「う…あ…………」
意味を成す言葉にはならなかった。
身体の深い部分へ、自分のものではない他人の熱が潜りこんでくる。
身体中を火花が飛び散るかのような衝撃。
陸揚げされた魚のごとく跳ねる腰は体重をかけ押さえ込まれ、猛々しい雄がいっそうの深みを目指し穿たれた。
「ヒウゥ―――ッ」
「分かるだろう、カシス? お前の中を犯すのが誰なのか」
カシスの耳朶に唇を寄せウルフは囁く。
不自由な身体を捩じらせて、カシスは懸命に唇を噛んだ。
恥も外聞もなく泣き叫んでしまいたかった。今すぐに狂ってしまえたなら、どんなにか楽だったろう。
「ヒァッ、……あ…………ああぁ……ッ」
灼熱の塊が身の裡を焼く。うねる内襞をじりじりと焦がし、カシスの性感を嫌というほど嬲りつくす。
「ふ……く…………」
息を詰め声を殺すカシスの唇へ、ウルフはそっと口吻けた。
「お前の中に今、俺がいるんだぜ。感じるだろ?」
囁く声も欲望に濡れ掠れる。
背けたカシスの顔を強引に上向かせ、ウルフは色を失った唇をペロリと舐めた。顎を掴み、開かせた口腔内へ舌を挿し入れる。
「―――痛ッ」
バッとウルフは上体を起こす。その口許に血が滲んだ。
相手の急な動きに四肢をビクつかせながら、それでもカシスは真っ向からウルフを睨みつける。
ギリギリと噛み締めたカシスの口中に、錆びた味が拡がっていく。
なけなしの力を振り絞り、カシスはウルフの舌に噛みついたのだ。
「面白ぇ……」
ウルフの目にギラリと獰猛な光が宿る。
「いい度胸じゃねーか。こんな生易しい抱き方じゃ、お気に召さないってわけかよ」
「くう……ッ、……ああぁぁぁぁ―――ッ!」
ウルフが強く腰を突きこんだ。カシスの背がガクガクと跳ねあがる。
「お望み通り、手加減なしで抱いてやろうか? え? 王子さま?」
容赦なく根元までを捻じこみ、ウルフは震える身体を悠然と見下ろした。
「や……ッ」
行為の意味を知った身体はすぐにも逃げようともがきだす。けれどウルフの手は抵抗を許さなかった。
呼吸の落ち着きとともに萎えかけたモノが、大きな掌に包み込まれる。唾液に濡れてヒクつく窄まりへは、指が1本挿し入れられた。
「く…あ……ッ…………ああぁ―――ッ」
長くしなやかな指が感じる部分を掠めて内襞を突き崩していく。前を握りこんだ手はカシス自身のぬめりに助けられ、クチュクチュと水っぽい音を響かせながら滑らかに上下へ蠢いていた。
「んぁ……ッ、あううぅぅ…………!」
1度目に達した時とは明らかに違う悦楽の波が、カシスを包みこむ。
ウルフの愛撫もまた、まるで違った。
容赦なく焦らされるばかりだった行為に取って代わり、緩やかに身体の奥底から快感が紡ぎ出されていく。
「あ……は…………、ああ…ん……」
2本目の指が挿し込まれ、カシスは背を撓らせた。
前と後ろを同時に嬲られ、すぐにも達してしまいそうになる。
ゆるゆると中で蠢いていた指先がビクンと震える場所を探りあて、そこを目掛けて抜き挿しを始めると堪らなかった。
「やだッ、……待……て……そこ……や……ッ…………、ああぁぁぁ…………ッ!」
「感じすぎて辛いか?」
ん?とからかうような目で覗き込まれ、カシスは真っ赤に染まる顔を背けた。
子供っぽい仕種に、ウルフは思いがけず柔らかな色を見せ目を細める。
この幼い少年を快楽に溺れさせてやりたいのだと、ウルフの中に明らかな執着が芽生えていた。
快感を貪ることに禁忌など持ち得ない性質であったから、カシスを抱くことになんの躊躇があろうはずもない。けれどウルフの中には僅かな戸惑いが顔を覗かせていた。
常にない高揚を覚えている自分に気づく。
こんな子供を相手に昂ぶる自分が、ウルフには信じられない。
相手に対する執着にしても、あり得ないことだった。どんな女を抱いてみたところで、大した違いなど感じたことすらなかったはずなのに。
自覚せざるを得ない執着心が、ウルフの行為に戸惑いを与える。戸惑いは荒々しくいたぶるばかりだった行為を、緩やかで穏やかなものへと変えていた。
蕩ける粘膜を掻き分け、2本の指が3本に増やされる。
「く…………は……ッ」
苦しさに息を詰めたカシスの唇に、あやすようなキスが降らされた。
いくつも啄ばむように口吻けられて、カシスの身体から強張りが取れる。力の抜けた身体の奥で、しなやかな指が絡みつく襞を擽り蠢いた。
「んふ…………ああぁぁ……ッ」
すっかり形を変えた前の昂ぶりは、もう1方のウルフの手に捕らわれたままで、達しそうになるたび快感を上手くはぐらかされてしまう。
瞼の裏が白く霞みなにも考えられなくなる頃になって、ようやく指は引き抜かれた。
熱の冷めない身体を持て余したまま、カシスは荒い呼吸に胸を上下させる。
やっと終わりがきたのかと安堵に投げ出されたカシスの細い両脚を、ウルフの手が抱え上げた。ギョッとして目を瞠ったカシスに、ウルフは揶揄を纏った不遜な笑みを見せる。
「本当になにも知らねーんだな」
「ヤ……ッ!……な……にを……?」
「男の味をお前自身で試してみな」
腕輪の呪縛に動かせないでいるカシスの両手を、ウルフは頭上でひとまとめにして掴んだ。
両の膝はウルフの肩に掛けられて、外気に晒された秘腔へ猛る雄が押し当てられる。
「イ……ヤ……、ヤダ…………、イヤ……」
怯えるあまりカシスの声は小さく掠れた。
構わずウルフは身体をずらし、カシスの裡へ欲望の証を飲みこませていく。
ビクリと激しく痙攣しながらも、指に慣らされ緩んだ窄まりは、男をゆるゆると受け入れていった。
「ヒ……ッ!」
カシスは咽喉の奥で詰まったような悲鳴をあげる。
「う…あ…………」
意味を成す言葉にはならなかった。
身体の深い部分へ、自分のものではない他人の熱が潜りこんでくる。
身体中を火花が飛び散るかのような衝撃。
陸揚げされた魚のごとく跳ねる腰は体重をかけ押さえ込まれ、猛々しい雄がいっそうの深みを目指し穿たれた。
「ヒウゥ―――ッ」
「分かるだろう、カシス? お前の中を犯すのが誰なのか」
カシスの耳朶に唇を寄せウルフは囁く。
不自由な身体を捩じらせて、カシスは懸命に唇を噛んだ。
恥も外聞もなく泣き叫んでしまいたかった。今すぐに狂ってしまえたなら、どんなにか楽だったろう。
「ヒァッ、……あ…………ああぁ……ッ」
灼熱の塊が身の裡を焼く。うねる内襞をじりじりと焦がし、カシスの性感を嫌というほど嬲りつくす。
「ふ……く…………」
息を詰め声を殺すカシスの唇へ、ウルフはそっと口吻けた。
「お前の中に今、俺がいるんだぜ。感じるだろ?」
囁く声も欲望に濡れ掠れる。
背けたカシスの顔を強引に上向かせ、ウルフは色を失った唇をペロリと舐めた。顎を掴み、開かせた口腔内へ舌を挿し入れる。
「―――痛ッ」
バッとウルフは上体を起こす。その口許に血が滲んだ。
相手の急な動きに四肢をビクつかせながら、それでもカシスは真っ向からウルフを睨みつける。
ギリギリと噛み締めたカシスの口中に、錆びた味が拡がっていく。
なけなしの力を振り絞り、カシスはウルフの舌に噛みついたのだ。
「面白ぇ……」
ウルフの目にギラリと獰猛な光が宿る。
「いい度胸じゃねーか。こんな生易しい抱き方じゃ、お気に召さないってわけかよ」
「くう……ッ、……ああぁぁぁぁ―――ッ!」
ウルフが強く腰を突きこんだ。カシスの背がガクガクと跳ねあがる。
「お望み通り、手加減なしで抱いてやろうか? え? 王子さま?」
容赦なく根元までを捻じこみ、ウルフは震える身体を悠然と見下ろした。
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