織田戦国伝

ソータ

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美濃侵攻

第拾玖章 稲葉山城の戦い 其ノ壱

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織田軍は墨俣城に籠城、別働隊が稲葉山城の弱点とも言うべき抜け道を探っていた
そんな中尾張犬山城主、織田信清が反乱、信長は知らせを受けると直ぐに弟の信時を総大将に信包、龍重、成政を出し犬山城を落とした

「織田安房守、犬山を落とし帰陣致しました」
「大義」
「はっしかし信包兄様が足を斬られ離脱致しました」
「で、あるか、戦が終わり次第兄弟で見舞いに行こう」
「はっ」
信時の軍勢約1万が墨俣城へ帰還し、
その夜滝川一益、氏家直元が帰還、
その翌日美濃侵攻5日目には織田軍総勢約5万7000は墨俣城を出陣。
稲葉山城の対岸、かつて斎藤義龍が布陣した全く同じ場所に布陣した

美濃国稲葉山城
「申し上げます!
織田の軍勢、長良川対岸に布陣!数は約6万!」
「ろ、6万....」
「一気に勝負を決める算段か!」
「何を縮こまっておる!勝てるのであろう!?」
斎藤龍興、義龍の息子であり道三の孫
「龍興様...さすがに多勢に無勢にござる。」
「な、何を弱音を吐いておる!」
「しかし敵は6万、我らはたったの2万ですぞ。」
「なんのためのお主らじゃ!重治!何とかせよ!」
「は、はぁ。」
竹中重治、通称竹中半兵衛、斎藤家家臣
「如何致すのじゃ竹中殿」
岸信貞、斎藤家重臣
「何をどうも、この戦力差では到底覆せぬ。」
「織田軍は個々の力も相当のものじゃ...」
「鬼柴田に槍の又左、知略の明智、西美濃三人衆....」
「西美濃三人衆が居なくなって我らの戦力も相当衰えておる。」
岸信周、斎藤家重臣、岸信貞の兄
「しかしやらねばなるまい。」
「どうせ死ぬならば武士らしく戦場にて」
「「おう」」

先にしかけたのは斎藤軍だった
籠城ではなく打って出た
斎藤軍は初撃から約1万の総突撃を敢行
織田軍で最初にぶつかったのは織田長益、前田利家の軍勢と木下秀吉、明智光秀の軍勢である
「おめぇらぁ!おら共の底力見せたるがじゃぁ!」
木下秀吉の一声で足軽は一気に勢いづく
「負けねぇどぉ!おら達は街道一の軍だ!」
「木下勢に遅れを取るな!我らも押し返せ!」
明智光秀も、遅れをとるまいと敵を倒していく
「長益様!一度お引きなされ!ここは危ない!」
「甘く見るな又左衛門!これでも私は一介の将なるぞ!」
織田長益、信長の弟
「初陣でござろう!」
織田長益の周りを利家がカバーし敵を薙ぎ倒す
「長益様がここで死なば士気に関わり申す!」
「私とて戦場にて敵を屠る!はぁ!」
長益は馬で飛び出ていってしまう
「慶次郎!追え!」
「手のやける弟君だ!」
前田慶次郎利益、利家の義理の甥、兄の継妻の連れ子
「長益!戻れ!」
「慶次郎!」
「織田長益!覚悟!」
斎藤家の家臣が長益に切りかかる
「うらぁ!」
慶次郎がそれを切伏せる
「我こそは!前田慶次郎利益!腕に覚えのあるものは我が相手致す!」
「慶次郎...」
「早く引け!お主がいては邪魔だ!」
「承知した...頼むぞ!」
「任せろ!」
利家などの活躍により岸勢は撤退、稲葉山城へ戻り籠城の構えを見せた
織田軍は長良川を越え、北一色に本陣を移し攻城の準備に取り掛かった

稲葉山城
「岸信周帰城致しました」
「岸殿...」
「織田勢に損害出すこと叶わず申し訳もござらん」
「気にする事はない。我らは何も出ておらぬのだ」
「岸殿、我らは籠城に決めようと思う」
「異論ござらん」
「守りを固めよう。」

北一色、織田本陣
「信時」
「はっ」
「又左、内蔵助、猿、一益、直元を連れて別働隊として抜け道から入れ」
「承知仕った」
「陽動と言えど本気で攻める、先鋒は権六、うぬにまかす」
「御意!」
「次鋒は龍重、家康」
「「御意!」」
「中堅は五郎左、駿河守、佐渡守」
「「御意」」
今川氏真は信長と被るからと駿河守を信長より拝命した
佐渡守は柴田勝家の家臣であった林秀貞である
「副将は親父殿、呼ばれなかったものは援軍に出れるよう支度しておけ、かかれ!」
「「はっ!」」
そして夜明け前、織田軍は動き始め柴田隊が前に出る
信時率いる別働隊は既に抜け道の入口に付き戦が始まるのを待つ

2時間後勝家の掛け声で稲葉山城攻城戦が始まる
「かかれぇ!」
柴田隊は1つ目の門に取り掛かる
「どんどん行け!」
「破れぇ!」
1つ目の門はすぐに開いた
「柴田権六勝家一番乗りぃ!」
門が開いたのを見た信長は次鋒を出す

そして信時隊も抜け道を駆け上がる
登っていくと敵の伏兵がいた
「応戦!何としても抜ける!」
「信時様お行き下され!ここは前田隊が受け持ちまする!」
「又左衛門!」
「慶次郎!」
「わーってる!うるぁ!前田慶次郎利益!全員まとめてかかってまいれ!」
「前田又左衛門利家!腕に覚えあるものあらば全員ここで切伏せる!」
「ここを預かる竹中半兵衛重治である!名高い織田安房守殿とやり合えるとは心より嬉しく思うがこの先も仕掛けはかけてある簡単に進めるとは思わないで頂きたい!」
「信時様!お行きくだされ!」
「うむ!」
「城に近づけるな!」

門を抜けた勝家は次鋒の龍重隊、徳川隊と合流し城を駆け上っていく
「ぬぅん!」
勝家が持ち味の怪力で周りの兵を一掃する
「こんなものだったか!美濃兵は!」
「知ったような口を叩くでない!」
「ん?なんだ貴様」
「一色龍興が家臣!岸三郎兵衛信貞!」
「信貞!降伏致せば命は助けるぞ」
「龍重様....お情けは無用にござる!」
「ならば我と手合わせ致せ!」
勝家が一騎打ちを挑む
「ここが我が死に場と心得たり....」
信貞がニヤッと微笑み呟く
「なにか申したか!?」
「相手に不足は無いと申した!」
2人は向いあい槍を構える
「鬼柴田と恐れられるお主の槍捌き拝見致そう」
「殿、お止めしなくてよろしいので?」
「忠勝、柴田殿なれば大丈夫じゃ」
本田平八郎忠勝、徳川家随一の忠臣
「ぬぉぉああああ!」
「がぁぁぁああああああ!」
突然始まったがお互いに同時に1歩目を踏み出した
勝家の怪力に一度は跳ね返されるも信貞は速さでそれを補っていく
(速い!)
(さすがは鬼...なんて言う怪力だ....)
「ぬぅらぁ!」
「うぉ!?ぐっ...!」
突如腕が宙を舞う、信貞の腕である。
「.....」
声も出さず右腕と共に飛んだ槍を拾いもう一度構える
「武人....か....御館様の言っていたことがわかった気がする」
「まだ戦えるぞ」
「そのようだな、片腕と言えど手加減はせぬぞ」
「手加減などすれば末代まで呪うぞ」
「織田家筆頭家老!柴田権六勝家、推して参る!」
「一色家家臣!岸三郎兵衛信貞!ただでは死なぬ!」
しかし片腕で体格で負ける信貞は一瞬で吹き飛ばされる
(これが...柴田勝家....織田の軍勢....)
「まだやるか」
「ふっ、もう指の1本も動かせぬ....手柄と致せ、良き人生であった」
「そなたの槍捌き見事でござった....どうか安らかに」
「.......」

斎藤家家臣岸信貞、稲葉山城にて討死
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