リアルな恐怖体験(実体験を基に)

もず

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カツアゲ

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 中学3年の頃、駅前の塾に通っていた。自宅から駅までは自転車で4キロの距離があり、片道20分かかって通っていた。

 駅前はとにかく治安が悪く、変な人たちに声をかけられる事があった。


 駅前の塾の帰り、カツアゲされた。暴走族達が単車に乗り追いかけてきて、塾帰りの僕に声をかけてきたのだ。
 笑顔で「ねぇねぇ、お金ちょうだい」と言ってきた。
「持っていません」断ると「財布見せて」と言ってくる。
 カツアゲの件は他の友達にも聞いていたので、財布の中身は空にし、僕はポケットにお金を入れていた。

 (よし。これで何もされずに帰れる)と思ったが、こいつらは財布の中にお金が無いと「ちょっとその場でジャンプしてみて」と言ってきた。(やばい。靴の中に隠しておけばよかった)と思ったが、もう遅い。

ジャンプをしたら【ジャラジャラ】と音がしてしまった。その瞬間こいつらの顔が笑顔から一気に顔が変わり、眉間に皺をよせて思いっきり凄んできた。

 「てめぇ。しらばっくれてんじゃねーぞ。ポケットの中身出せよコルァ。」と言ったり「ばっくれよぉとしたってそうはイカねぇぞコルァ」など色々と言ってくる。

 僕は渋々ポケットから小銭を出すと「あんじゃねーか。小僧隠してんじゃねーぞ」と言いながらここで顔は笑顔に戻る。

 その後はこいつらも暇なようで色々と話をし、2歳年上で駅前中学校出身のワルという事がわかった。その後は「○○知ってる?」「お前○○の後輩だからこの辺にしとくわ」など僕の中学出身のワルで有名な先輩の名前が出た事と僕の兄もこいつらと同じ学年だった事もあり、「もうお前からは今後カツアゲしないから安心しな。じゃあな。勉強頑張れよ。」と言い残し解放された。
 記憶では取られた金額は500円ぐらいだったと思う。

 こいつらはとにかくお金が必要だったようで小銭でも全てを奪っていった。小僧と言われるが内心は「お前とは年齢2つ違いだろ?」と思ったが、怖いので言えない。よくある不良漫画みたいに抵抗出来なかった。

 その後、駅前の塾に通っている間何度か会ってしまった事があったが、「よぉ。元気?勉強頑張れよ」と言われるだけで約束通りカツアゲされる事はなかった。

 悪い奴でも約束を守る人もいるんだなぁ。と思ったが、やっている事は悪い事なので複雑な気持ちになってしまった。

 この時会ったこの人は5年後、学生の時にアルバイトしていたガソリンスタンドでバッタリ出会ってしまう(あっちは気づいていなかったが・・・)

 その話は後に書いていきたいと思う。








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