16 / 49
第二章 設定外が多すぎて
16. 婚約者はほの暗く笑った
しおりを挟む
ジェリド伯爵夫人が去って数日後のこと。
王宮に戻ったリヴシェは、風のとおる四阿にお茶を用意してゆったりと過ごしていた。
もちろん焼き菓子もある。
なんとなくだけど、王宮の空気が良い。
澄んでいるというか、穏やかというか。
母王妃の機嫌もすこぶる良くて、毎日の食事も進むのだとか。
ペリエ夫人の小言もずいぶん減った。
ノージェリオ効果だ。
リヴシェの好みを知り尽くしたパティシエが用意してくれた焼き菓子は、いつ見ても圧巻の美しさ、可愛らしさだ。
相変わらずペリエ夫人がやかましく言うので、1度のお茶で許されるのは1つだけと決められている。それなら最初から1つだけ出してくれればあきらめもつくというのに、見てくれも大事だと3段重ねのトレイにしっかり飾られている。色とりどり、綺麗に飾られたプチフールは、見せ菓子だとわかっているから恨めしい。
どれにしようか。
散々迷った末、アーモンドプードルをたっぷり使ったフィナンシェに決めた。
給仕のメイドに伝えると、白い皿にちょこんとのせられてくる。
「良い笑顔だね、リーヴ」
少し離れた白い薔薇の茂みから、ラーシュの声がした。
涼し気な青のジュストコールは夏仕様で、腕には水色の小箱を抱えている。
「はい、いつもの」
何を贈るより喜んでもらえると知ってから、ラーシュのお土産はいつも同じだ。
王都の焼き菓子専門店で買い求めたもの。
午前中には売り切れてしまうという人気のショップで、ここは貴族といえど特別扱いはしないので有名だった。
上質な材料を使っているのに、べらぼうな価格設定はしていない。店主であるパティシエが一人で作っているので、一日の販売量も限られている。
もっと大々的にやればとどんなに勧められても、「うちはこれで良い」とけして首を縦には振らないのだとか。
その職人気質ぶりが世間に受けて、朝早くから行列の絶えない繁盛ぶりで、たとえ王侯貴族でもその列に並ばずには手に入らない幻の菓子だ。
それを、ほぼ毎日のようにラーシュは持ってきてくれる。
「毎日でなくて良いのよ。
大変でしょう」
ラーシュ自ら並ぶことはないだろうけど、それにしてもラチェス公爵家の人々が気の毒だ。
「必ず手に入れること」
このミッションを受けて、早朝から並んでいるのだろうことは想像に難くない。
ラーシュのことを「最もラチェスらしいラチェス」と、周りはこっそり呼んでいる。権謀術数に長けたラチェス家にあって、当主や跡継ぎである兄よりも考えの読めない男、不気味だと言われている。
そのラーシュに課されたミッションだ。
買えずば戻れず……というところか。
「たくさんいただいても、そんなに食べられないのよ。
ペリエ夫人が見張っているんだもの。
だからね、たまーにで良いの」
どんなに贅沢なお菓子も、食べられないのでは仕方ない。もったいないからと傍仕えの侍女に下げ渡すくらいなら、1週間に1度くらの頻度に下げてもらった方がラチェス公爵家の人々にはありがたいだろう。
「僕の楽しみを取り上げないでほしいな。
毎朝並ぶの、もう日課になってるんだから」
形の良い眉を下げてしょんぼりと返すラーシュに、自分で並んでいるのかと驚いた。
「ほんとにラーシュが並んでくれてるの?
毎朝?」
「当然だよ。
リーヴの口に入るものだよ?
他人の手に触れさせると思う?」
至極当然のことだと澄ましているラーシュに、いやいやそれならもっと、毎日はいいと思う。
「わたくしだって、ラーシュのくれたものを食べられないのはつらいわ。
せっかくのラーシュの気持ちだもの。みーんなわたくしが食べたいのよ。
1週間かけて毎日少しずついただくから、ね?
1週間に1度が良いな」
かぁっと一気に血が上るのがわかるほど、ラーシュの白い頬がばら色に染まった。
「ずるいな、リーヴ。
そんな表情されたら、僕いやだと言えないじゃないか」
ああ、美しい。
少年のしっぽを少しだけ残した青年の、危うげな色気がダダ漏れだ。
リヴシェを愛し気に見つめる青い瞳は、小説では二コラに向けられているはずのもので、まぁよく二コラは平気だったものだと思う。
無邪気で天真爛漫で天使のように汚れない美少女は、この熱っぽい視線を浴びせかけられても、まるでラーシュの思いに気づかなかった。
絶対、嘘よ。
気づかないわけない。この方面に敏いとは言えないリヴシェでも気づくのだ。気づいていて気づかないフリをした。その方が都合が良かったから。
何が天使なものですか。
良く言って、かなりの数の猫を被っているわね、アレは。
その二コラは、今やノルデンフェルトへ行った。
既に皇帝に即位したラスムスの側にいるはずで、きっともうすぐ彼らの結婚の知らせが届くのだろう。
そうなれば良いと思っているけど、小説にはなかった伯爵夫人の輿入れが気になった。
「急に側室だなんて、正直なところ驚いたわ」
ラーシュが来たら、聞いてみようと思っていた。話を振ったからといって、すべてを話してくれないだろうけど。
「そうだね。
呆れたという方が近いけど、まあ驚いたかな」
ほらやはり。澄ました表情で、ラーシュはお茶のカップを手にしている。
「知ってたの?」
ラーシュがというよりラチェス公爵家が、この件には絡んでいるような気がした。
あの伯父が平然と笑っていたと聞いた時から。
「うん、知ってたよ」
「何を考えてるの?」
あのゴージャスなオバ……、ジェリオ伯爵夫人を嫁がせて、良いことが何かあるのだろうか。
彼女は賢くない。隠さなければならない本心を平気でさらけ出し、いくつになっても女の武器が使えると信じているような、まあ言ってみればイタい人だ。
けれどそのイタい人を長年寵愛してきたのはリヴシェの父国王で、その父も相当に残念な人だから夫人を他国に出すのは心配なのだ。
きっといろいろと愚痴まじりに、国の大事な機密を喋ってるに違いない。彼女の頭脳でそれらを細かく憶えていることはできないだろうけど、断片的にちょっとずつなら憶えているんじゃないか。その中に、取り返しのつかない情報があったらどうする。
リヴシェに権限があったなら、彼女を外へ出すことなど絶対にしなかったと思う。
「害虫駆除は大がかりにって、僕言ったよね?
駆除しても、また出てくるようじゃ意味ないからね。
やるなら徹底的にだよ」
ふ……とほの暗い微笑を浮かべて、もうそれ以上は何を聞いても答えてくれなかった。
「安心して、リーヴ。
汚いこと嫌なことは、みんな僕が片づけるから。
君はただ笑ってくれてたら、それで良いんだ」
ぼーっと見てたら、リヴシェに不幸フラグが立つじゃない。
そんなことはできないと思う。
思う……けど。いや、マジでヤバい。
君は笑っててくれたらそれで良いなんて、こんなことを言われてキュンとしないならオトメではない。
ノルデンフェルトの思惑は気になるけど、それはまたあらためて考えよう。
今はオトメモードに浸らせてもらう。
金髪碧眼の麗しい王子様が、目の前で愛を囁いてくれてるのだから。
王宮に戻ったリヴシェは、風のとおる四阿にお茶を用意してゆったりと過ごしていた。
もちろん焼き菓子もある。
なんとなくだけど、王宮の空気が良い。
澄んでいるというか、穏やかというか。
母王妃の機嫌もすこぶる良くて、毎日の食事も進むのだとか。
ペリエ夫人の小言もずいぶん減った。
ノージェリオ効果だ。
リヴシェの好みを知り尽くしたパティシエが用意してくれた焼き菓子は、いつ見ても圧巻の美しさ、可愛らしさだ。
相変わらずペリエ夫人がやかましく言うので、1度のお茶で許されるのは1つだけと決められている。それなら最初から1つだけ出してくれればあきらめもつくというのに、見てくれも大事だと3段重ねのトレイにしっかり飾られている。色とりどり、綺麗に飾られたプチフールは、見せ菓子だとわかっているから恨めしい。
どれにしようか。
散々迷った末、アーモンドプードルをたっぷり使ったフィナンシェに決めた。
給仕のメイドに伝えると、白い皿にちょこんとのせられてくる。
「良い笑顔だね、リーヴ」
少し離れた白い薔薇の茂みから、ラーシュの声がした。
涼し気な青のジュストコールは夏仕様で、腕には水色の小箱を抱えている。
「はい、いつもの」
何を贈るより喜んでもらえると知ってから、ラーシュのお土産はいつも同じだ。
王都の焼き菓子専門店で買い求めたもの。
午前中には売り切れてしまうという人気のショップで、ここは貴族といえど特別扱いはしないので有名だった。
上質な材料を使っているのに、べらぼうな価格設定はしていない。店主であるパティシエが一人で作っているので、一日の販売量も限られている。
もっと大々的にやればとどんなに勧められても、「うちはこれで良い」とけして首を縦には振らないのだとか。
その職人気質ぶりが世間に受けて、朝早くから行列の絶えない繁盛ぶりで、たとえ王侯貴族でもその列に並ばずには手に入らない幻の菓子だ。
それを、ほぼ毎日のようにラーシュは持ってきてくれる。
「毎日でなくて良いのよ。
大変でしょう」
ラーシュ自ら並ぶことはないだろうけど、それにしてもラチェス公爵家の人々が気の毒だ。
「必ず手に入れること」
このミッションを受けて、早朝から並んでいるのだろうことは想像に難くない。
ラーシュのことを「最もラチェスらしいラチェス」と、周りはこっそり呼んでいる。権謀術数に長けたラチェス家にあって、当主や跡継ぎである兄よりも考えの読めない男、不気味だと言われている。
そのラーシュに課されたミッションだ。
買えずば戻れず……というところか。
「たくさんいただいても、そんなに食べられないのよ。
ペリエ夫人が見張っているんだもの。
だからね、たまーにで良いの」
どんなに贅沢なお菓子も、食べられないのでは仕方ない。もったいないからと傍仕えの侍女に下げ渡すくらいなら、1週間に1度くらの頻度に下げてもらった方がラチェス公爵家の人々にはありがたいだろう。
「僕の楽しみを取り上げないでほしいな。
毎朝並ぶの、もう日課になってるんだから」
形の良い眉を下げてしょんぼりと返すラーシュに、自分で並んでいるのかと驚いた。
「ほんとにラーシュが並んでくれてるの?
毎朝?」
「当然だよ。
リーヴの口に入るものだよ?
他人の手に触れさせると思う?」
至極当然のことだと澄ましているラーシュに、いやいやそれならもっと、毎日はいいと思う。
「わたくしだって、ラーシュのくれたものを食べられないのはつらいわ。
せっかくのラーシュの気持ちだもの。みーんなわたくしが食べたいのよ。
1週間かけて毎日少しずついただくから、ね?
1週間に1度が良いな」
かぁっと一気に血が上るのがわかるほど、ラーシュの白い頬がばら色に染まった。
「ずるいな、リーヴ。
そんな表情されたら、僕いやだと言えないじゃないか」
ああ、美しい。
少年のしっぽを少しだけ残した青年の、危うげな色気がダダ漏れだ。
リヴシェを愛し気に見つめる青い瞳は、小説では二コラに向けられているはずのもので、まぁよく二コラは平気だったものだと思う。
無邪気で天真爛漫で天使のように汚れない美少女は、この熱っぽい視線を浴びせかけられても、まるでラーシュの思いに気づかなかった。
絶対、嘘よ。
気づかないわけない。この方面に敏いとは言えないリヴシェでも気づくのだ。気づいていて気づかないフリをした。その方が都合が良かったから。
何が天使なものですか。
良く言って、かなりの数の猫を被っているわね、アレは。
その二コラは、今やノルデンフェルトへ行った。
既に皇帝に即位したラスムスの側にいるはずで、きっともうすぐ彼らの結婚の知らせが届くのだろう。
そうなれば良いと思っているけど、小説にはなかった伯爵夫人の輿入れが気になった。
「急に側室だなんて、正直なところ驚いたわ」
ラーシュが来たら、聞いてみようと思っていた。話を振ったからといって、すべてを話してくれないだろうけど。
「そうだね。
呆れたという方が近いけど、まあ驚いたかな」
ほらやはり。澄ました表情で、ラーシュはお茶のカップを手にしている。
「知ってたの?」
ラーシュがというよりラチェス公爵家が、この件には絡んでいるような気がした。
あの伯父が平然と笑っていたと聞いた時から。
「うん、知ってたよ」
「何を考えてるの?」
あのゴージャスなオバ……、ジェリオ伯爵夫人を嫁がせて、良いことが何かあるのだろうか。
彼女は賢くない。隠さなければならない本心を平気でさらけ出し、いくつになっても女の武器が使えると信じているような、まあ言ってみればイタい人だ。
けれどそのイタい人を長年寵愛してきたのはリヴシェの父国王で、その父も相当に残念な人だから夫人を他国に出すのは心配なのだ。
きっといろいろと愚痴まじりに、国の大事な機密を喋ってるに違いない。彼女の頭脳でそれらを細かく憶えていることはできないだろうけど、断片的にちょっとずつなら憶えているんじゃないか。その中に、取り返しのつかない情報があったらどうする。
リヴシェに権限があったなら、彼女を外へ出すことなど絶対にしなかったと思う。
「害虫駆除は大がかりにって、僕言ったよね?
駆除しても、また出てくるようじゃ意味ないからね。
やるなら徹底的にだよ」
ふ……とほの暗い微笑を浮かべて、もうそれ以上は何を聞いても答えてくれなかった。
「安心して、リーヴ。
汚いこと嫌なことは、みんな僕が片づけるから。
君はただ笑ってくれてたら、それで良いんだ」
ぼーっと見てたら、リヴシェに不幸フラグが立つじゃない。
そんなことはできないと思う。
思う……けど。いや、マジでヤバい。
君は笑っててくれたらそれで良いなんて、こんなことを言われてキュンとしないならオトメではない。
ノルデンフェルトの思惑は気になるけど、それはまたあらためて考えよう。
今はオトメモードに浸らせてもらう。
金髪碧眼の麗しい王子様が、目の前で愛を囁いてくれてるのだから。
28
あなたにおすすめの小説
『えっ! 私が貴方の番?! そんなの無理ですっ! 私、動物アレルギーなんですっ!』
伊織愁
恋愛
人族であるリジィーは、幼い頃、狼獣人の国であるシェラン国へ両親に連れられて来た。 家が没落したため、リジィーを育てられなくなった両親は、泣いてすがるリジィーを修道院へ預ける事にしたのだ。
実は動物アレルギーのあるリジィ―には、シェラン国で暮らす事が日に日に辛くなって来ていた。 子供だった頃とは違い、成人すれば自由に国を出ていける。 15になり成人を迎える年、リジィーはシェラン国から出ていく事を決心する。 しかし、シェラン国から出ていく矢先に事件に巻き込まれ、シェラン国の近衛騎士に助けられる。
二人が出会った瞬間、頭上から光の粒が降り注ぎ、番の刻印が刻まれた。 狼獣人の近衛騎士に『私の番っ』と熱い眼差しを受け、リジィ―は内心で叫んだ。 『私、動物アレルギーなんですけどっ! そんなのありーっ?!』
『完結』番に捧げる愛の詩
灰銀猫
恋愛
番至上主義の獣人ラヴィと、無残に終わった初恋を引きずる人族のルジェク。
ルジェクを番と認識し、日々愛を乞うラヴィに、ルジェクの答えは常に「否」だった。
そんなルジェクはある日、血を吐き倒れてしまう。
番を失えば狂死か衰弱死する運命の獣人の少女と、余命僅かな人族の、短い恋のお話。
以前書いた物で完結済み、3万文字未満の短編です。
ハッピーエンドではありませんので、苦手な方はお控えください。
これまでの作風とは違います。
他サイトでも掲載しています。
あなたの運命になりたかった
夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。
コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。
※一話あたりの文字数がとても少ないです。
※小説家になろう様にも投稿しています
番など、御免こうむる
池家乃あひる
ファンタジー
「運命の番」の第一研究者であるセリカは、やんごとなき事情により獣人が暮らすルガリア国に派遣されている。
だが、来日した日から第二王子が助手を「運命の番」だと言い張り、どれだけ否定しようとも聞き入れない有様。
むしろ運命の番を引き裂く大罪人だとセリカを処刑すると言い張る始末。
無事に役目を果たし、帰国しようとするセリカたちだったが、当然のように第二王子が妨害してきて……?
※リハビリがてら、書きたいところだけ書いた話です
※設定はふんわりとしています
※ジャンルが分からなかったため、ひとまずキャラ文芸で設定しております
※小説家になろうにも投稿しております
番認定された王女は愛さない
青葉めいこ
恋愛
世界最強の帝国の統治者、竜帝は、よりによって爬虫類が生理的に駄目な弱小国の王女リーヴァを番認定し求婚してきた。
人間であるリーヴァには番という概念がなく相愛の婚約者シグルズもいる。何より、本性が爬虫類もどきの竜帝を絶対に愛せない。
けれど、リーヴァの本心を無視して竜帝との結婚を決められてしまう。
竜帝と結婚するくらいなら死を選ぼうとするリーヴァにシグルスはある提案をしてきた。
番を否定する意図はありません。
小説家になろうにも投稿しています。
番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私ミーシャ・ラクリマ男爵令嬢は、家の借金の為コッソリと王宮でメイドとして働いています。基本は王宮内のお掃除ですが、人手が必要な時には色々な所へ行きお手伝いします。そんな中私を番だと言う人が現れた。えっ、あなたって!?
貧乏令嬢が番と幸せになるまでのすれ違いを書いていきます。
愛の花第2弾です。前の話を読んでいなくても、単体のお話として読んで頂けます。
[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。
キャロル
恋愛
国の駒として隣国の王と婚姻する事にになったマリアンヌ王女、王族に生まれたからにはいつかはこんな日が来ると覚悟はしていたが、その相手は獣人……番至上主義の…あの獣人……待てよ、これは逆にラッキーかもしれない。
離宮でスローライフ送れるのでは?うまく行けば…離縁、
窮屈な身分から解放され自由な生活目指して突き進む、美貌と能力だけチートなトンデモ王女の物語
番が逃げました、ただ今修羅場中〜羊獣人リノの執着と婚約破壊劇〜
く〜いっ
恋愛
「私の本当の番は、 君だ!」 今まさに、 結婚式が始まろうとしていた
静まり返った会場に響くフォン・ガラッド・ミナ公爵令息の宣言。
壇上から真っ直ぐ指差す先にいたのは、わたくしの義弟リノ。
「わたくし、結婚式の直前で振られたの?」
番の勘違いから始まった甘く狂気が混じる物語り。でもギャグ強め。
狼獣人の令嬢クラリーチェは、幼い頃に家族から捨てられた羊獣人の
少年リノを弟として家に連れ帰る。
天然でツンデレなクラリーチェと、こじらせヤンデレなリノ。
夢見がち勘違い男のガラッド(当て馬)が主な登場人物。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる