あんなに堅物だった俺を、解してくれたお前の腕が

いちごみるく

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嵐の夜4

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空腹に突然炭水化物や甘い炭酸を入れたからであろうか。

隼は段々と眠たそうな動きをする。


「隼、眠いか?」

俺は隣で目を細めモゾモゾと動く隼にそう聞く。

隼はトロンとした目を向けて、「大丈夫…」などと言う。


なんだろう……

この、久しぶりに感じる胸のざわめきは。


俺はそんな自分の違和感を抑えつつ、隼が飲み切った缶を何気なく手に取った。


「……え、これノンアルコールじゃないか」


俺は驚きの余り、つい口に出した。

なんと俺と隼が飲んでいたジュースのようなものは、ノンアルコール飲料だったのだ。

「そーなの……?でも、ノンアルなら…お酒入ってないんじゃないの?」

まだ眠そうにしながらふわふわとした声で隼が聞いてくる。

「いや…確かにほぼゼロだが、ほんの数%は入っているはずだ」

「そうなんだあ……」


もしかしてこいつ……

「隼、お前ノンアルで酔ってるのか?」


とにかくフワフワ。もうフワフワだ。

そんな形容しかできない様子の隼が隣にいる。


信じ難いが……隼はきっと、このノンアルを飲んで酔っているのだろう。

「お前、相当酒が弱い体なようだな」

フワフワしている隼が可愛くて、思わず揶揄うように言ってみる。

「うーん……たしかに俺のかぞく、みんなおさけよわいね……」

「そうか。まあアルコール耐性は遺伝すると言うからな」

「うんー………」

「しっかりしろ隼。まだ歯も磨いてないし着替えもしてないだろう」

「だあいじょうぶだってばー…ちゃんとするから」

「大丈夫なわけあるか。ほら、ちゃんと立て」

フラフラしながらソファから立ち上がろうとした隼を見て、俺も咄嗟に立ち上がり支えようとした。

その時…………




ガタガタッッ!!!


一瞬の出来事に、俺は何が起こったか分からなかった。
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