その男、人の人生を狂わせるので注意が必要

いちごみるく

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6人目:イマドキJKの話

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合コンというものが、いかに顔面勝負なのかが痛いほど分かる。


それ以降も、私が話し出すと男子は皆ご飯を食べたり飲み物を飲んだりスマホを見出したりするのに、他の女子が話した途端手を止めて顔を上げて話を聞く、ということも何回かあった。


何となくわかってはいたものの、ここまでリアルに友達との格差を見せつけられるとは思わなかった……


「愛莉ってさー、凄いいい子なんだよ?お菓子作るの得意だし面倒見いいしバド上手いし、それに意外にフッ軽なんだよ。絶対いい彼女になると思うんだー」


時々渚がこんなことを言って私を上げてくれるけど、残念ながらそれを言われた男子が興味を持つのは褒められた私ではなく、褒めた渚だった。


渚はあくまであからさまにあぶれてる私をフォローしてくれてるんだろうけど、既にターゲットを決めている男子たちにとってそれはなんの効果もなかった。





「ちょっとトイレ行ってくるね」



なんだかんだで3時間近く、個室にこもってドリンクを飲んでいた。

私は気分のリフレッシュも兼ねて一旦個室の外に出ることにした。





(あ……ハンカチ忘れた)


そう思って個室に戻ろうとしたところ、ドアの奥からめちゃくちゃ大きい声で今日来た男子のうちの1人が話しているのが聞こえた。


「麻友ちゃん渚ちゃん双葉ちゃん!LI○E交換しよ!!!」


その男子の言葉に、みんな一斉に盛り上がる。


それぞれ交換してなかった人同士でのLI○Eの交換が始まった。


(やっぱハンカチはいいや……)


私は何となく個室に入りたくなくて、そのままトイレに向かった。



(やっぱり……誰も私のLI○Eとか別にほしくないよね)


散々慣れてるし、今日だってこういうもんだと思って覚悟してきた。

なのに、ここまであからさまな現実を突きつけられるとさすがに少し凹んだ。



(……ダメダメ!顔に出したら終わり!さらに惨めになるよ)


トイレの鏡で自分の表情を確認して、自分に発破をかけた。


改めて自分の顔をちゃんと見ると、あの三人とは確かにだいぶ大きな差があることがわかる。


奥二重の目に横に広い鼻。

脂肪のつきやすい顔に短い睫毛。


化粧をしたところで、もともと持ってるものが違いすぎてみんなみたいに可愛くはなれない。


人間は顔じゃないとか言うけど、絶対そんなのは綺麗事じゃん……


合コンも恋愛も、楽しめるのはイケメンと美人だけ。

私みたいな平均以下の顔の女は、せいぜい身の丈に合う生き方をしよう。


そんなことを考えながらトイレから出た。


その時……


「あれ!?愛莉さん?」



何気なくすれ違った男性に声かけられた。

聞きなれないその声の方を振り向くと……



「え、は、隼くん!?!?」



なんとそこには、前にス○バで少しだけ話したあのイケメン集団の中にいた隼くんが立っていた。
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